海外進出をする企業が行うべきリスクマネジメント

2017.07.11

中小企業を含めた日本企業の海外進出が、拡大しています。そんな中、懸念されているのが国内と異なるリスクに直面し、撤退を余儀なくされる企業が増えていることです。今、海外進出時のリスクマネジメントとして、企業がとるべき安全対策について解説します。

海外進出におけるリスクマネジメントの必要性

海外進出を果たしたものの、その後何らかの問題に直面して、思ったような結果が得られないという企業が少なくありません。原因はその国の文化、商習慣、法制度、賃金体系などさまざまなことが考えられます。しかし、いずれにしても、事前にしっかりとした計画を立ててリスクを回避していれば問題はなかったはずというケースが多く見られます。

海外に進出する際には、現地に存在するリスクについてよく知ること、そしてリスクを想定した対策を組み込んだ海外進出計画を作ることが重要です。海外進出は、目の前にある利益を性急に求めるのではなく、しっかりとしたリスクマネジメントと長期的ビジョンを持って取り組むべきです。

海外進出で想定されるリスク

海外進出で問題となりやすいリスクは、主に次の3つに分けることができます。それぞれどのようなリスクなのかを確認しておきましょう。

■カントリーリスク
カントリーリスクとは、その国や地域の情勢の変化によって企業が受けるリスクのことです。政治情勢、社会情勢、経済情勢などが当てはまります。例えば政権交代によって進出企業の扱いががらりと変わることがあります。また自然災害、難民の大量受け入れ、為替変動、消費者運動などもカントリーリスクに含まれます。アメリカや欧州などの先進国に企業進出した場合の安全対策と、アジアやアフリカの国に企業進出した場合の安全対策では当然、傾向も異なります。

■セキュリティリスク
セキュリティリスクとは、企業や従業員の安全に関するリスクです。テロ、誘拐、盗難、治安の悪さ、感染症などの病気、麻薬や売春などが危険要因となり得ます。見落とされがちなところでは、コンピュータでネットワークに接続した際の不正アクセスや情報漏えいの危険性の高さも意識したいところです。

■オペレーションリスク
オペレーションリスクとは、それぞれの企業の事業展開、日常的な業務遂行に際して起こるリスクです。具体的には電力や運送、通信などのインフラ未整備、原材料や部品の入手・調達の困難さ、未発達な代金回収システム、労働力不足、労働争議、人権問題、シビアな税制・税務、煩雑な通関手続き、不十分な特許制度・知的財産家保護などが挙げられます。分野で分けるなら、生産・販売、雇用・労働、税務・通関、法務・規制などの問題が、企業のオペレーションに関わってきます。

海外進出のリスクマネジメントで大切なこと

リスクマネジメントを実効あるものとするには、事前に海外進出の目的を明確にした上で、しっかりとした海外進出計画をまとめ上げておく必要があります。進出先の現地にどのようなリスクがあるか、それらに関してどのような対策が考えられるかを洗い出し、一つひとつを実践していく方法や手順を考えます。対策にはコストがかかるものもあるので、全体として適切な費用対効果が得られるかの検証も行いましょう。

さらに、何かコトが起きたときの安全確保や、損失軽減のための緊急対応プランも用意します。計画がかたまったら、それに合わせて社内体制を構築し、マニュアルを整備して社員教育を行うことになります。

海外進出のノウハウがまだ確立していない企業の場合は、こうした安全管理・安全対策を構築するために、外部の海外進出コンサルティングサービスを利用するのが有効です。安全対策診断やセミナー、マニュアル作成のサポート、社内研修を通した個別アドバイスなど、海外進出時のリスクマネジメント、海外セキュリティに関する支援を受けることができます。また、ALSOKを始めとした警備会社のサービスであれば、社員やその家族を守るための海外拠点の警備対策も依頼できます。

海外では、日本での企業活動とはまったく異なるリスクが存在します。国や地域によって事情が変わるため、リスクマネジメントの方法としてどれが正解なのかを探るのも難しいものがあるでしょう。プロのサポートを受けながら、しっかりとした海外進出計画を立てることがおすすめです。