企業や店舗で行うべき売上金の安全管理

2017.03.30

小口現金や売上金・釣銭など企業や店舗内の現金は常に「安全性」を確保しなければなりません。しかし、「安全性」を高めれば従業員の負担が大きくなってしまいます。多くの業種で人手不足といわれており、限られた人材を有効に活かさなければなりません。そこで、現金の安全管理について考えます。

現金の安全管理の必要性

現金の管理で最も重視するべきことは「安全」です。しかし、現金の取り扱いは、日々発生するものです。「安全」のみを重視し、店長など責任者のみで現金管理を行うとなると業務負担が偏り、業務効率が低下してしまいます。「安全」を確保し、従業員にとって働きやすい環境を整備するにはどのような現金管理が望ましいのでしょうか?

現金のトラブルが起こる瞬間はどのようなとき?

現金のトラブルが起こるのはどのようなときでしょうか。店舗の一日を通してみてみましょう。

営業開始前

開店の準備に追われてバタバタすることも多いと思いますが、レジ内に準備する釣銭の数え間違いは最終的に現金の過不足を引き起こします。どの時点でミスや問題が起きたのか曖昧にならないように、営業開始前の現金管理は徹底して行う必要があります。

営業中

釣銭切れは、お客様に迷惑をかけてしまいます。トラブルの予防のためには事前に十分な予備の釣銭を準備することが考えられますが、過剰に釣銭を準備すると「使えない資金」が増えるなどデメリットがあり、必要な釣銭量の見極めが求められます。また、お釣りの渡し間違いにも注意が必要です。人的ミスを完全になくすことは難しいですが、定期的にレジ内の清算をしたり、高額紙幣を預かったときは声出しや二重チェックをしたりと手間を惜しまないようにしましょう。近年は自動釣銭機が普及していますので、場合によってはこうした設備投資も必要でしょう。

営業終了後

営業終了後は、売上金の数え間違いが考えられます。一人で売上金の計数をせずに複数で数えることが求められるでしょう。その日の売上はその日のうちに計数し、売上金を確定することが重要です。また、閉店時のスタッフが少ない時間帯を狙った強盗被害にあう可能性も考えられます。計数作業はしっかりと戸締りをして行うなどの対策をとりましょう。

売上金の入金時

店舗の売上金を精査したあとは金融機関の口座へ入金しなければなりません。お金の持ち運びは危険な面が多く、紛失や強盗のリスクが付きまといます。なるべく現金を持っていることがわからないようにする工夫や2名以上で行動するなどしてリスクを減らしましょう。特に夜間金庫の場合は注意が必要です。

深夜から翌朝までの無人の時間帯

深夜など無人の時間帯は侵入・窃盗の危険があるため、現金の保管方法もしっかり考えなければなりません。金庫で保管していたとしても金庫ごと売上金が奪われることもあります。夜間金庫を利用して店舗に現金を置かないようにしたり、防犯灯や人感ライトの設置、セキュリティシステムの導入をしたりして、犯罪予防対策をとるようにしましょう。

現金管理の方法

店舗などを運営していく際には、主に「釣銭定額方式」と「小口現金方式」という2つの現金管理の方法があります。それぞれのメリットやデメリットを理解し、事業や店舗に適した方法で現金を管理するようにしましょう。

釣銭定額方式

釣銭定額方式では、毎日定額の釣銭をレジに残し、レジを締めるときの現金と翌日に回す釣銭との差額を普通預金に預け入れます。

一日の売上分がそのまま普通預金に預け入れられるため、日々の収支が把握しやすいのがメリット。また、営業開始時と営業終了時の現金が同じ金額のため帳簿がつけやすく、現金の過不足も見つけやすくなります。一方で、手元の現金から簡単に支払いができるため、余計に経費を使ってしまう場合があるので注意が必要です。

小口現金方式

小口現金方式は、毎日売上をすべて普通預金に預け入れ、小さな支出のみ小口現金として手元にある現金で精算します。

メリットは、小口現金以外のお金を全額入金することで、普通預金通帳で資産の推移を確実に把握できること。また、すぐに使用できるお金が小口現金の範囲であるため、節約につながったり、大きな支出をしっかり確認できたりします。しかし、余分な現金が手元にないため銀行振込などの作業が増え、現金帳簿についても現金出納帳・小口現金出納帳の2つを備える必要があります。

現金出納帳とは

現金出納帳とは、帳簿に記録した現金の入出金と実際の現金残高が一致しているかを確認できる帳簿です。経理業務上もお金の流れを把握するために重要とされています。

一般的に、日付・勘定科目・摘要・収入や支出の金額・差引残高という項目で構成され、これらを記録していくことで、現金がいつどこで何のために使われた・入ってきたのかを可視化することができるのです。

帳簿上の差し引き残高と実際の現金残高が一致しない場合、どこかにミスや問題があるということ。帳簿に間違いがないのに現金の過不足があった場合、お金の管理のどこかに穴があるということですので、その事実をしっかりと受け止めて現金管理を徹底する対策をとりましょう。

売上金の安全対策

現金の安全対策は、事務所や店舗内にできるだけ現金を置かないことが基本ですが、店舗運営のためにはある程度の現金を用意しておかなければなりません。そこで、現金は金庫で厳重に管理し、その金庫も手提げ金庫ではなく床に固定できるものにしましょう。そしてレジ内も“必要最低限の金額となっているか”、“不要な入出金がないか”、“レジ内の現金が整理されているか”など常に気に留めておきましょう。

しかし、現金の取り扱いはリスクや従業員の心理的負担も高いものです。そこで、警備会社へアウトソーシングすることによってリスクを回避できます。ALSOKの入金機オンラインシステムならば、お店に居ながらにして売上金をお客様の指定口座への入金が可能となり、当然、機械で現金を計数できるのでその手間を削減することができます。

さらに入出金機オンラインシステムであれば、「出金」「両替」の機能により釣銭の準備も簡単にできます。小口現金の管理機能も追加され、さらなる生産性の向上や管理強化が可能です。入出金機を導入すればお店に居ながらにして煩わしい現金に関する業務を完結できるようになるのです。

働き方の変化に合わせた売上金管理

近年、深刻な人手不足が起きており、また働き方改革の気運が高まっています。有効な対策のひとつは「人を増やすこと」ですが、そう簡単にはいきません。そこで、現在の業務を見直し、現金管理などの付随業務はできるだけ省力化・効率化させる必要があるでしょう。従来の現金管理ではさまざまな負担が付きまといます。

ALSOKの入金機オンラインシステム・入出金機オンラインシステムは、店舗運営の効率化を図るとともに現金管理の不安を解消させることにより、店舗の生産性を向上させることをお約束します。現金管理を見直してみてはいかがでしょうか。