テロなどの予期せぬ脅威からソフトターゲットを守るには

2017.09.12

ソフトターゲットとは

ソフトターゲットとは、「攻撃がたやすい標的」を意味する言葉です。警備や監視が比較的手薄であることで狙われやすい対象や人物を指します。多くの民間施設や民間人がこれに該当します。

一方、ハードターゲットという言葉もあります。こちらは警察や自衛隊の施設、政治家などの重要人物といった、普段から警備や監視が厳しく、攻撃することが難しい標的を意味します。

テロ対策の必要性

さて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、世界的な注目を集める大規模スポーツイベントが、近い将来日本で開催されようとしています。すでに外国人観光客の数も増えており、今後はさらに多くの人々が日本にやってくることになります。

一方で、外国人に限らず、人が増えるということは必然的にテロのリスクが高まることにもなってしまいます。テロリストが紛れやすくなることや、テロのターゲットにはできるだけ甚大な被害が出る場所・施設が狙われるという特徴があるからです。

また、日本においてテロが起こることなんてない、と思っている方がおられるかもしれませんが、日本でも、政治、思想、宗教などに起因する様々なテロ事件が発生してきた歴史があります。世界的なテロの脅威は中東や欧米で顕著なものとなっていますが、けっして他国だけのものでも、他国からのものだけでもなく、日本国内においても深刻な問題として意識しておくべきです。

テロで狙われやすい場所は?

テロで狙われやすいのはどのような場所なのでしょう。

軍事施設や軍人、政治関連施設や政治家などが狙われる可能性もありますが、それらは最初から警察や警備会社によって厳重な警戒態勢が敷かれるハードターゲットです。

近年では、ハードターゲットよりも、警備が薄く一般市民が多く集まる施設、つまりソフトターゲットを狙った無差別テロが多く発生しています。標的とされやすい対象としては、イベント会場や競技場、お祭りの開催地、観光地、鉄道・地下鉄、商業施設などが挙げられます。ロンドン、パリ、ブリュッセル、バルセロナなどで相次ぐテロを見ても、今後とくに注意が必要なのは、民間を中心としたソフトターゲットと言えます。

イベントの主催者やイベント企画・運営会社、広告代理店、劇場・スタジアムなどの管理会社、大型商業施設、自治体などは、テロをはじめとする脅威を想定し、有効な対策をとることが求められています。安全対策を怠れば、万が一のときに、為す術もなく被害が拡大することになります。その場合、社会的責任を追求されることもリスクとして考えなければなりません。

テロ対策で行うべきこと

テロ対策では他の災害対策と同様に、発生をいかに予防するかを検討することと、実際に発生したとき、いかに被害を最小限にするかを検討することが重要です。

前者に関わる対策は、テロの発生による施設や人への被害および事業に与えるリスクの評価と分析・シミュレーション、金属探知機や車両下部監視システムの導入、テロ発生時に対応する組織および指揮命令系統の準備、スタッフ間や警察、警備会社などを含めた通報・連絡・情報共有網の確立などが挙げられます。

また後者に当たるのは、実際にテロが発生した際に効力を発揮する耐爆ゴミ箱や防爆シートなどの設置、救急用具や有毒ガスから身を守るマスクや防護服などの準備、避難誘導などを的確に行える人材の育成(訓練)、篭城部屋の設置などが挙げられます。

テロ対策は各国が国を挙げて対策を急いでいますが、屋外などでゲリラ的に起こるソフトターゲットへの攻撃を完全に防ぎきることは非常に困難です。今はまだ、国内で爆弾による自爆テロなどの被害は起こっていませんが、一人ひとりがテロは身近で起こり得ることであると意識し、どうすれば助かるか、どうすれば少しでも被害を少なくできるかをしっかり考えることが、テロ対策への第一歩となります。

ソフトターゲットにおける弱点をカバーするには、テロ対策に関してノウハウのある警備会社による警備システムや警備員の投入が効果的です。刻一刻と変化するテロ情勢に対応できることや、継続的な教育を行う負担を軽減できるなどのメリットが挙げられます。

また、ALSOKでは、“人”と“ICT”を融合させた「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント」でテロ等の脅威の未然防止や発生時の被害拡大を防止することを目指し、日本各地で検証試験を続けております。

テロ対策を行うことは、社会的責任であるとともに、ソフトターゲットと成り得るあなたやあなたのまわりの人々を守ることでもあります。根拠なく安全であると過信せず、当事者意識を持ち、実効性ある対策を立てておきましょう。