ALSOKあんしん通信

公共空間で起こりがちなトラブル防止策(駅・電車編)

駅・電車で起こる事件とは?

駅・電車といえば、もはや私達の生活の一部となっています。
JR東日本のサイトによると、乗車人数が最も多い新宿駅では、1日平均 約76万人(2008年度)もの人が乗車しているそうです。
これだけ多くの人が利用する場所ですから、やはりトラブルも後を絶ちません。
警察庁の統計によると、2008年に駅構内および電車内で起きた犯罪は24,817件にのぼります。
いったいどんな事件が起きているのか、対策を含めてご紹介しましょう。

CASE1.窃盗(スリ)

駅・電車で最も発生する犯罪がいわゆるスリにあたる「窃盗」です。
警察庁の統計によると、窃盗事件の件数自体は年々減少しているものの、2008年には15,064件発生しており、駅・電車で起こる事件のうち実に60%以上が「窃盗」です。
例えば、以下のような事件が起きています。

  • 窃盗犯Fは、朝8時ごろ、停車中の電車に乗り込む際、混雑に紛れて近くにいた女性の手提げバックから現金約4万8000円の入った財布を抜き取って盗んだ。
  • 窃盗犯Mは、午後6時ごろ、走行中の電車内で、男性が背負ったリュックサックからキャッシュカードなどの入ったカードケースを盗んだ。
  • 窃盗犯Tは、深夜、走行中の電車内で、隣に座った20代の女性のかばんから現金約2万2000円が入った財布を盗んだ。

スリは駅構内よりも電車内でよく発生します。
また、スリに狙われやすいカバンや、被害に遭いやすい状況が存在しますので注意しなければなりません。

【こんなカバンは注意!】

  • 口が大きく開いた手提げバックは、中のモノが見えてしまう上に、取り出しやすく、犯人にとって格好の標的となります。
    ふたが付いたタイプのカバンを利用する、カバーをかけて中を見えなくする、などの配慮を行いましょう。
  • 背負われたリュックサックは、持ち主の目が届きにくく、犯人にとって好都合と言えます。
    背負わずに、足元などに降ろして周囲の怪しい動作を警戒しましょう。

【こんな時には注意!】

  • 電車が混雑している時は、周囲の人の手がカバンに触れていても異常な状態とは言えず、スリにとって犯行がしやすい状況です。
    自分の前面のスペースや網棚の上、足元など犯人の「手」が届きにくい場所にカバンを置くように心がけましょう。
  • 新聞や携帯電話を閲覧したり、居眠りをしそうな時、などは要注意です。
    自分の周りの怪しい動作にすぐ気づくように、荷物を自分の側に寄せておくようにしましょう。

CASE2.暴行(車内暴力など)

ここ最近、駅や電車内で増えているのが暴力を振るわれる「暴行」事件です。
警察庁の統計によると、2004年時には全体の8.7%に過ぎなかったものが、2008年には15.7%を占めるようになりました。
例えば、以下のような事件が起きています。

  • 粗暴犯Aは、午前8時ごろ、走行中の電車内で「混んでいるのにゲームをしないで」と注意した会社員の女性の顔を殴り、下あごの骨を折る重傷を負わせた。
  • 粗暴犯Kは、午後6時ごろ、電車内で、近くにいた会社員女性と足が触れた際、「けらないで下さい」と注意された後、ボールペンで女性の右太ももを2度刺し、1週間のけがを負わせた。

暴行事件は、何かの拍子で突発的に発生する場合もあり、対策が非常に難しくなっています。
また、いざ事件が発生しても、巻き込まれたくないという心情から、周囲の助けが得られない事も少なくないようです。
発生してからの対策よりも、発生させないような行動がポイントとなります。

【事件に遭遇しない為に】

  • 暴行事件は、加害者が飲酒状態などで正常な判断ができない場合が多々あります。
    駅構内や電車内では、まずそのような人物がいないか確認し、近寄ったり目を合わせたりしないようにすることが重要です。
  • マナーの悪い人物へ話しかける場合には、接し方に気をつけましょう。
    言葉遣いや言い回しをきっかけに、暴行事件に発展する場合があります。

【事件に遭遇したら】

  • 暴行事件に発展しそうな場合は、1人で対処しようとせずに、駅員などの助けを借りるようにしましょう。
    この際、周囲の人に駅員を呼んでもらうようお願いすると良いでしょう。

CASE3.痴漢

毎年一定の割合で起きている犯罪が「痴漢」です。
痴漢のような性犯罪は、実際には泣き寝入りする被害者が存在しますから、統計上よりもずっと多くの件数が発生していると考えられます。
最近では、インターネットの掲示板などで痴漢の仲間を募り、集団で行為に及ぶ悪質な手口も増えているようです。
痴漢に関しては、警視庁のホームページで大きく取り扱われており、痴漢を防ぐための対策や、都内の痴漢被害相談所の場所が確認できます。
他にも全国の警察で被害相談所を設けているケースが多くなっているので、確認してみるとよいでしょう。

【被害を防ぐ為に】

  • 乗車場所に気をつけましょう。
    停車した時に駅の階段や改札に近い車両は人の出入りが激しく逃走しやすい為、痴漢が起きやすいと言えます。
  • 通勤・通学時間や、乗車する車両を変えてみましょう。
    犯人は同じ場所や時間帯で乗車する人を狙う場合があります。

【事件に遭遇したら】

  • 声を出し、周囲に助けを求めましょう。
    ただし、実際には恐怖で声が出せない場合もあります。そのような時に備え、防犯ブザーを携帯しておくと良いでしょう。
  • 触っている手を捕まえ犯人を特定し、警察・駅員に訴え出ましょう。
    怖くてそのような行動に移れない場合であっても、身長(肩の位置など)や髪型、また、身につけている時計やアクセサリーなど、出来るだけ犯人の特徴を抑えておき、警察や駅員に相談しましょう。
    泣き寝入りをしないことが大切です。

まとめ

いかがでしたか。
これらの事件は、いつ自分の身に起こっても不思議ではありません。
その時になって呆然としてしまわないように、駅や電車を利用する際には、このような事件が起きていることを頭の片隅に入れておいて下さい。