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お子さまのスマートフォン、ちゃんとフィルタリングしてますか?

「未成年の約9割がスマートフォンを所有している」 いまやすっかり生活に手放せないツールになったスマートフォン。実際にスマートフォンを所有する子どもは現在どのくらいの割合でいるのでしょうか?

内閣府の「令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学生(10歳以上)・中学生・高校生の青少年の97.7%がインターネットを利用していると回答しています。また、そのうち子どもが自分用のスマートフォンを所有している割合は89.4%、年代別では小学生(10歳以上)の63.3%、中学生の91.1%、高校生の99.3%であることがわかっています。※出典:内閣府「令和3年度 ⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査 調査結果(概要)」

子どものスマートフォン所有については賛否両論ありますが、スマートフォンを使いこなす子どもたちは以前よりも増えています。しかし普及の拡大にともない、残念なことにスマートフォンを経由してインターネットサイトから犯罪に巻き込まれる子どもたちが後を絶ちません。

出会い系サイトの児童被害のうち半数以上が児童買春

-たとえばこんな事件です-

  容疑者Sは市内のホテルで、携帯電話の出会い系サイトで知り合った女子中学生Y(14歳)に、現金2万5千円を渡してわいせつな行為をした。

 女子高生N(17歳)は、出会い系サイトの掲示板に書き込みをしたところ、だまされて性風俗店に連れていかれ、売春を強要された。

出会い系サイトをきっかけにした事件の大きな特徴は、被害者の半数以上が児童買春の被害に遭っていることです。警察庁の「平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策」によると、出会い系サイトに関係する事件のうち、被害者の6割以上が児童買春の被害に遭っています。これは、いわゆる援助交際の手段として出会い系サイトが悪用されるためと思われます。

○危険なのは出会い系サイトだけ?・・・いいえ、それだけではありません!

出会い系とは異なるサイト(非出会い系サイト)を経由して子どもが犯罪被害に遭うケースが増えています。非出会い系サイトとは、SNS、ブログ、ゲームサイト内チャットなど、出会い系サイトよりも幅広い交流を目的としているコミュニティサイトのことです。 同じ警察庁の統計をみると、平成29年上半期にこうした非出会い系サイトを通じて犯罪被害に遭った子どもは919人、そのうち「青少年保護育成条例違反」「児童ポルノ」「児童買春」などの性犯罪に関連する被害に遭った子どもは882人です。下図のとおり、出会い系サイトよりも、非出会い系サイトを通じて犯罪被害に遭うケースのほうが、今や格段に多くなっています。また被害に遭った子どものおよそ9割(およそ791人)がスマートフォンを利用していたことがわかっています。

出会い系サイト・非出会い系サイトを利用して犯罪被害にあった児童数

出典:警視庁「平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策」

これは、出会い系サイトの規制が強化されたことにともない、悪意を持った人物が、非出会い系サイトを利用して子どもを誘い出す手口にシフトしていることが原因と思われます。

SNSなどのコミュニティサイトは多くの子どもが利用しており、一般的に普及している安心感はありますが、その分だけ性犯罪をはじめとした犯罪が身近に潜んでいるといえるでしょう。

子どものスマートフォンにはフィルタリングが必要です

こうした状況への懸念から、平成21年4月に若者のインターネット利用に関する新しい法律が施行されました。また、近年のスマートフォンや公衆無線LANの普及に伴うフィルタリング利用率の低迷を受け、平成22年、平成30年に法改正が行われています。
最新の法律では、携帯電話事業者及び代理店に対して以下のように義務付けています。

「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」

★契約者または端末の使用者が未成年の場合、フィルタリングサービスの利用を条件としてサービスを提供しなければならない(保護者が不要だと申し出た場合を除く)

★契約者または端末の使用者が18歳未満か確認しなければならない

★「青少年有害情報を閲覧する恐れ」と「フィルタリングサービスの必要性・その内容」を保護者または未成年者に対し、説明しなければならない

★契約時に販売する携帯電話端末等は、販売時にフィルタリングソフトウェアの設定を行わなければならない

※携帯電話(スマートフォン)・PHS・タブレットなどのデータ通信用端末がフィルタリング義務の対象

出典:e-gov「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」

つまり、18歳未満の子どもがスマートフォンやタブレットなどでインターネットサイトを利用する場合は、フィルタリングを用いて有害なサイトへアクセスできないようにする動きが進んでいるのです。

まずは、家庭でスマートフォン利用についての話し合いを

親が「うちにはルールがある」と安心していても、子どものほうは「ルールはとくにない」と感じているなど、利用について親子間の意識のずれが生じやすいのもスマートフォンによるトラブルの特徴です。 フィルタリングでシステム的に子どものスマートフォンに制限を加えることも有効ですが、子どもとよく話し合い、スマートフォンの利用に関する家庭でのルールを明確にしてみてはいかがでしょうか。

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