ALSOKあんしん通信

安全安心とロボット

「安全安心とロボット」 皆さんは、ロボットと聞いて、どのような姿を思い浮かべますか? 世の中で活躍しているロボットの多くは、工場の生産ラインで使われるような産業用ロボットです。しかし、ソニーのAIBOやホンダのASHIMOが世の中に発表されてからは、もっと“身近な”ロボットをイメージする人も増えたのではないでしょうか?実際に、今は産業用だけではなく、生活支援、医療・福祉、防災、レスキュー、警備などを目的としたサービスロボットの研究開発が活発になってきています。

最新のロボット事情

2009年11月、東京ビッグサイトで国際ロボット展が開催されました。10万人以上が訪れたこの展示会では、国内外250以上の企業や団体がロボットを出展しました。どのようなロボットが展示されていたのか、その一部をご紹介しましょう。



  災害対応ロボット

ヘビのような形をしたロボットが、瓦礫を乗り越え、人の入れないところへ潜り込み、中の状況を私達に知らせてくれます。


  オフィス清掃ロボット

人が簡単な情報を入力するだけで、ロボットが掃除の経路を判断し、オフィス内を自動的に移動して掃除をしてくれます。


  料理ロボット

2本のアームを人間のように動かし、お客に話しかけながら鉄板の上でお好み焼きをひっくり返してくれます。


  介護用ロボット

椅子に座って行う体操を中心に、約30種類の介護予防リハビリ体操を行うことができ、指導士の方を補助することができます。


  ウェイターロボット

タッチパネルで指定された飲み物のボトルを探し出し、自身に装備されたテーブルに載せて持ってきてくれます。


いかがでしょうか? サービスロボットの分野が「簡単なコミュニケーション(エンターテイナー)」から「人の役に立つ」「実生活で役立つ」というフェイズへ移行しつつあることが分かるでしょう。当社の警備用ロボットも、まさに「実用」という点に重きをおいて研究開発が行われています。


ロボットが日常生活に溶け込むには!?

ロボットの技術は年々進歩していますが、まだまだ、私達の身の回りでロボットを見かけることが少ないのが現状です。ロボットが私達の日常生活に溶け込むには、一体何が必要なのでしょうか?多くの課題がありますが、その1つに「安全性」の問題があります。

雑踏の中で、人と人とがぶつかってもそれほど大事にはなりませんが、人とロボットがぶつかった場合、人が怪我をしてしまうことも考えられます。子どもや高齢者なら、重傷を負う可能性もあるでしょう。こうした事態を防ぐため、人への「安全性」を考慮することが、ロボットには求められるのです。

例えば、当社の「ガードロボ」は、館内を巡回して、来場するお客様を案内する機能を持っています。その際には、様々な動きをする不特定多数の人達の中で巡回しなければなりません。「周囲に人がいないか?」「人とどのくらいの距離を保てばよいのか?」「人にケガをさせない移動スピードは?」、「ガードロボ」は常にそのような事を意識しています。

当社では、警備員とロボットを融合したサービスを提供しています。ロボットには判断できない、対処できない部分を「人」で補完できることが大きなメリットで、ロボット単体では獲得が難しい「安全性」を「人」の介入により実現しているのです。

人間よりも大きな力を持つ反面、柔軟な力のコントロールを苦手とするロボットにとって、人を傷つけないようにするルール作りは、ロボット普及の大前提として必要不可欠なことなのです。

ロボットが日常生活に溶け込むには!?

また、「安全」は人とロボットの物理的な接触の問題だけではありません。ロボットが普及することで、悪意ある人物がロボットをコントロールする可能性もあります。そうすると、ロボットを用いた犯罪が一般の人の安全を脅かすかもしれません。ロボットの制御方法や管理方法、メンテナンス等も重要な問題なのです。


■ 今後のロボット産業

今、日本では高齢化が進み、労働力が絶対的に不足する時代を迎えようとしています。そのような中、様々なシステムの自動化・ロボット化の需要が大きくなっています。また、介護サービスへの対応など、より安全安心な社会の構築に向けてロボットへの期待が急速に拡大してきています。

しかし、ロボットの機能ばかりを追求していては、ロボットが普及した後に予期せぬ事故が起き、私達の安全が脅かされるかもしれません。来たるべき将来に向け、私達もロボットとの付き合い方を考えてみてはどうでしょうか?

TOPへ戻る