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ALSOKセキュリティレポート

防犯対策1.進化する窃盗の手口と対抗策 世間を騒がせ、我が家の財産を狙うドロボウの最新動向を追跡!

(2004年3月 掲載)

サムターン回しの被害が急増!

 「ピッキング犯罪が大幅に減っています」などと書くと「本当に?」と思われる人が多いかもしれません。でも、これは事実。   警察庁の調査によれば、2003年1月〜12月の「ピッキング用具を使用した侵入盗の件数」は9,351件。前年同期比で50%以上(9,770件)も減少しているのです。   そのかわり、と言うのも変ですが、「ドリル・サムターン回しによる侵入盗の件数」は5倍以上も増えています。つまり、「手口」が変わったというだけのこと。トータルでは、住宅を狙った空き巣などの侵入盗は増加しているのです。   では、なぜピッキングが減少してサムターン回しが増加したのでしょうか。じつは、ここに窃盗犯罪の奥深さ(!)と、これに対抗するための防衛策のヒントが隠されています。

カギの改良や規制法の施行などピッキング対策は進んだが・・・

 「ピッキング」とはカギ穴に特殊な工具を差し入れて解錠するものです。カギの種類やその人の技術によっては、わずか数秒で開けることもできるといいます。そのために2000年ごろに急増し、一躍、マンションを狙った空き巣の主要な手口となりました。   カギメーカーとしては黙っているわけにはいきません。業界全体の信用問題ですから。そこで、ディンプルキーなどのようにピッキング被害を受けにくいカギの普及を急ぎました。   さらに(財)全国防犯協会連合会がピッキングに強いカギであることを認定する「CP-C認定制度」を設けるなど、業界をあげてピッキング犯罪の一掃に乗り出したわけです。   行政も連動します。自治体の中にはカギの取り替えなどにかかる費用の一部を補助するところが出ました。さらに2003年9月には、ピッキング用具などを不法に持ち歩いたりしただけで逮捕される法律が施行。1ヶ月間に67名が逮捕され、多くの犯行が未然に防がれました。ピッキング犯罪の大幅な減少の裏にはこのような理由があったのです。

犯罪の手口と防犯対策は“イタチごっこ”

しかし窃盗犯も黙ってはいられません。こちらも死活問題ですから。ピッキングにかわる侵入手口として急浮上したのが「サムターン回し」でした。

 サムターンとは、ドアの内側から施錠する際に回す「ツマミ」のこと。たいていのドアについているはずです。サムターン回しとは、ドアスコープをはずしたり、ドア自体にドリルを使って穴を開けたりするなどして、ドアの外側から工具を差し込み、サムターンを回して解錠するのです。これに対しても、外部からサムターンに触れられないようにする「サムターンカバー」を取り付けることなどで、いまではかなりの確率で犯行を防ぐことができるようになりました。

  すると今度は、カギ穴を使わずにデッドボルト(かんぬき)をはずしてしまう「カム送り(バイパス解錠)」という新しい手口が登場します。   これに対しては、警察庁が被害を受ける可能性のあるカギのメーカー名や機種名を公表。警察内に相談窓口を設けたり、メーカーや関係団体でも問い合わせやカギの交換に対応する体制を整えたりするなど、犯行の広がりを未然に防止するような手立てが取られました。   こうしてみると、まさに「イタチごっこ」そのものですよね。

“完璧なカギ”はないが“有効な対策”はある

  このような現状から何を学べばいいのでしょうか。ひとつは「完璧なカギ」は存在しないということです。極端な話、ATM荒らしのようにパワーショベルなどの重機を使われたら、ピッキングに強いカギをいくつ付けたところで歯が立ちません。そこまでいかなくとも、窓ガラスを割られてしまえば侵入は簡単なことです。   事実、一戸建て住宅を対象にした空き巣ねらいの侵入手段では、ガラス破りが7割を占めています(2002年)。完璧な侵入盗を防ぐ方法は、残念ながら存在しないと言わざるを得ません。   しかし、正しい対策を講じることで、ある程度の防犯効果が得られるということも、これまでの「イタチごっこ」は教えてくれています。つまり、窃盗犯の一歩先を行き、できるだけ狙われにくい状況を作り出すことで、少なくとも「あなたが狙われる確率」は大幅に下げられるのです。

最新情報の入手と即実行がポイント

 具体的に何をしたらいいのでしょうか。まずは情報収集です。窃盗犯がどのような手口を使って、どのような家を狙うのか。そして、それを防ぐためにはどうしたらいいのか。情報は、新聞やテレビ、警察などのホームページ、自治体の広報紙などさまざまなソースを活用しましょう。

  情報を得たら次には実行する。これも大切です。警察の発表した「カム送り解錠の危険性が高いカギ」の機種名を知ったら、大切なのは自分の家のカギがどうなのかを調べること。該当していればすぐに交換しなければなりません。   もし、あなたの家の両隣が「対策済み」のカギなのに、あなたの家だけが「未対策」だったとしたら、窃盗犯は迷わずにあなたの家を狙うでしょう。窃盗犯にとって狙いにくい環境を造り上げることが大切です。

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