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ネットワーク監視とは?導入のメリットや選び方

ネットワーク監視とは?安定したネット環境を構築する方法について
2022.03.14(2024.03.11更新)

近年、あらゆるビジネスにとって、ネットワークを24時間365日正常に稼働させておくことが欠かせなくなりました。ビジネスに不可欠なネットワークの維持やサポートをし、さらにはウイルスなどの脅威からネットワークを守る目的で取り入れられているのが、ネットワーク監視です。
この記事では、ネットワーク監視サービスの監視対象、具体的な監視項目や導入のメリット、選び方のポイントなどをご紹介します。

目次

ネットワーク監視とは?

ネットワーク監視とは、ネットワークが何らかの原因でダウンしたり、ネットワーク機器の性能が著しく低下したりしていないかをシステムなどにより監視することです。ビジネスに不可欠となっているネットワークを常時正常に稼働できなければ、企業は事業活動を円滑に実行できません。

ネットワーク監視を実施することで、ネットワーク障害の発生を未然に防ぎ、万一発生したとしても、早期復旧により大規模な障害への進展を防ぐことができます。また、ネットワーク監視サービスを導入することで、社内に専門の担当者がいない場合にもアウトソーシングが容易に可能です。

近年ではオンライン上のサービスを主軸とする企業も増えており、数時間単位のネットワーク障害でも致命的な損害を招く可能性があります。 企業にとって、利益獲得機会の損失やユーザーの信頼を失うことはなんとしても回避しなければなりません。いまやネットワーク障害の予防は、ビジネスにとって欠かせない重要な取り組みの1つです。 そして常時ネットワークを正常な状態に保つには、ネットワーク監視の適切な管理が必要です。

ネットワーク監視を含め総合的にセキュリティリスクを管理するには、UTM(統合脅威管理)の導入も一つの方法です。UTMについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
ALSOKの関連コラム UTM(統合脅威管理)とは?導入の必要性と選び方

ネットワーク監視サービスの対象

ネットワーク監視サービスが監視を行う対象には、一般的に以下の表で示したものが挙げられます。

ネットワークの監視対象
サーバの性能監視 OS ・CPU使用率
・メモリ使用率
・ハードディスク使用量
・ネットワークの利用状況 など
データベース ・サーバの応答時間やエラー情報
・ロック発生状況
・データベース使用率
・構成パラメータ情報
・トランザクション数 など
アプリケーション ・サーバの応答時間やエラー情報
・セッション情報
・応答までの時間 など
サーバのハードウェア動作の監視 機器 ・サーバ温度など動作状況
・ハードディスク故障の有無など機器動作
・トラフィック
ネットワーク上の周辺機器の監視 機器の性能 ・ループなどネットワーク障害の発生
・ルーターやスイッチなどネットワーク機器の動作環境
・サービスやプロトコル
・帯域利用率
・死活監視
・トラフィック

ネットワーク監視サービスの主な監視項目

ネットワーク監視サービスの主な監視項目についても見ていきましょう。一般的なネットワーク監視サービスの監視項目は、以下の5つに分類できます。

死活監視

サーバやその周辺機器が正常に稼働しているかどうかを確認するための監視が「死活監視」です。監視方法には2通りあり、1つ目はサーバからの応答速度を測定して異常の有無を確かめる「Ping」です。2つ目は、Webサーバのポートへアクセスする際に異常の有無を確かめる「ポート監視」です。

経路監視

ネットワークに問題がない場合でも、ネットワークを利用するデータ量が集中してしまうとネットワークが混雑し、速度が低下するためレスポンスが遅くなります。
経路監視は「トラフィック監視」とも呼ばれ、ネットワーク回線の混雑状況(トラフィック量)を監視することを指します。経路監視を行うことでトラフィック量を把握でき、混雑時には機器の増強を行うなど適切な対処ができます。

遅延監視

業務中に、ネットワーク遅延によって処理が重くなっていないか、レスポンスの速度が落ちていないかを監視します。動作遅延の原因にはさまざまなものがあるため、ネットワーク遅延以外の原因を究明するためにも役立つ監視といえるでしょう。動作遅延の検知方法には、アクセス反応時間をグラフによって可視化することや、反応の遅れが一時的か否か確かめることなどが挙げられます。

状態監視

サーバやその周辺機器など、ネットワークに接続されているハードウェア全般の状態を監視します。サーバのCPUやメモリの稼働状況、ハードディスクの使用量など各機器の稼働状況を確かめることで、パフォーマンスの低下を検知・適切に対処できるため、障害の発生を未然に防止することができます。
また、TRAP監視による障害発生の検知も行います。TRAP監視とは、ネットワーク機器に備わった仕組みの1つで、ネットワーク機器に障害や故障を含む問題が発生した場合に通知されるシグナル(TRAP)を監視することです。ネットワーク監視システムによってTRAPを監視することで、ネットワーク機器に問題が発生しているかどうかを検知できます。

インターネット境界の監視

インターネットと自社ネットワークとの境界線を監視することで、ウイルスや不正侵入などの外部脅威から自社ネットワークを守る役割があります。不正侵入を防ぐという面では、不正なアクセスを遮断する「ファイアウォール」や、ネットワーク上から不正侵入を検知する「IDS」、検知した上で通信を遮断する「IPS」などがこの監視サービスにあたります。

インターネット境界の監視

ネットワーク監視サービスを導入するメリット

企業がネットワーク監視サービスを導入することには、以下のようなメリットがあります。

ネットワーク障害の予防

ビジネスに大きな損害を及ぼす可能性もあるネットワーク障害の発生を未然に防ぎ、常時円滑な企業活動を行うことにつながります。ネットワーク監視によって機器の異常やトラフィック量の増加などを検知し、障害発生前に対策をとることができます。

ネットワーク障害の早期解決が可能

万一ネットワークに障害が発生し、企業活動への影響が予測される場合も、原因をすぐに究明して早期に解決へ導くことができ、損害を最小限に抑えられます。

サイバー攻撃の早期発見

サイバー攻撃の主な目的は、情報の売買や金銭の要求、損害を発生させることを目的として企業内のシステムに侵入し、企業活動の妨害や個人情報・機密情報の窃取などを行うことです。サイバー攻撃の手口は近年巧妙化しており、いつどのように攻撃を受けるか予想できません。ネットワーク監視を行うことで、サイバー攻撃を早期に発見し、被害の未然防止・拡大防止に役立ちます。

ネットワーク監視の安定した運用が可能

監視項目などの詳細設定がテンプレート化されているため、設定上の人為ミスなどを防止でき、常時安定したシステムの運用・管理を実現できます。

管理者の工数や設備・費用を削減できる

ネットワークの状態を担当者が監視することには、大きな負担がともないます。ネットワーク監視サービスを導入することでサーバの監視を自動化できるため、業務効率化に役立ちます。さらに、監視だけでなく運用までアウトソーシングが可能なため、インシデント発生時や復旧作業にも人材を割く必要がありません。安全なネットワーク環境整備のための費用も抑えることができます。

ネットワーク監視サービスを導入するデメリット

企業に多くのメリットをもたらすネットワーク監視サービスですが、デメリットもあるため、導入に際して押さえておく必要があります。

監視システムの故障によるネットワーク障害の発生

ネットワークを監視するシステムが故障するとすべてのセキュリティ機能がダウンしてしまい、ネットワークに遅延が発生する可能性があります。そのため、万が一トラブルが発生した際に早期解決が見込めるサービス会社を選ぶことが大切です。

監視範囲に応じてコストが増加する可能性がある

ネットワーク監視サービスを新規導入する場合には、一定のコストがかかります。さらに、監視対象となるネットワーク機器の増加や、管理の範囲が広くなることでコストが増加する点にも注意しましょう。
しかし、人的リソースに頼って監視することを想定した場合、ネットワーク監視サービスを導入するほうが相対的には低コストに抑えられます。

ネットワーク監視を導入する際のポイント・選び方

さまざまなネットワーク監視サービスがあるため、自社に最適なサービスを選定することが大切です。導入する際に注目すべきポイントについて、以下で見ていきましょう。

監視したい対象や範囲が自社に合っているか

どこまでの範囲を監視できるか、サービスの監視対象が自社の求めるものと合致しているかを確かめて選びましょう。ネットワーク機器およびOSの動作を確かめられればよいのか、それともプロセスやアプリケーションまでの監視が必要なのかによって、適したネットワーク監視サービスも異なります。

システムのカスタマイズが可能か

ネットワークサーバの周辺機器が多いと、テンプレートによるカスタマイズの可否が利便性や効率化に大きく影響します。自社が保有するネットワーク機器に対応した設定ができるネットワーク監視サービスを選ぶとよいでしょう。テンプレートでの設定ができることで、運用担当者に高い専門知識がなくても活用しやすくなるメリットもあります。

監視結果のレポート

障害が発生していないときも、一定頻度で監視結果レポートを発行する監視サービスを選定することがおすすめです。定期的にレポートが発行されることで状況を認識でき、問題が起こった際に早急な判断が可能になります。とはいえ、頻度が多すぎるとネットワークやシステムに負荷がかかる可能性がある上、レポートも膨大な量になります。自社の必要とする頻度でレポートを発行するサービスを選んだり、監視の間隔が負荷にならないサービスを選んだりするなどの工夫も重要です。

セキュリティ面における信頼性の高いツールを導入する

監視システムの脆弱性を放置した場合は、サイバー攻撃のきっかけになるなど、セキュリティ面でのリスクが発生することがあります。このデメリットを克服するには、セキュリティの専門チームがある、常に最新の状況を維持するためのパッチ適用があるなど、セキュリティ面における信頼性の高さを実証できる監視サービスを導入することがおすすめです。

初期費用や運用コスト

ネットワーク監視サービス導入の際には初期費用、基本料金、オプション料金が発生するケースが一般的です。基本料金にどこまでが含まれるのか、保守・運用はオプションとなるかなどによって運用コストが変わってきますので、自社の管理範囲や必要な機能などと照らして検討する必要があります。

使い勝手のよさ

ネットワーク監視については専門的な知識が必要になります。監視サービスを導入する場合であっても範囲によっては社内で対応する必要があるため、必要な機能やレポートの見やすさなど、担当者が使いやすいと思えるサービスを選ぶことも重要です。

管理運用のアウトソースが自社に必要かどうか

ネットワーク監視サービスは、監視・インシデントの検知までを委託する場合と、復旧作業を含めた管理・運用までをアウトソーシング可能な場合など、サービス内容に違いがあります。監視のみのサービスの場合はコストが抑えられる分、異常が発生した際に社内で対応しなければなりません。社内の人材確保が難しい場合は、運用までの対応が含まれたサービスを選択することをおすすめします。

安定したネットワーク環境の維持が非常に重要

ネットワーク環境にトラブルが発生してしまうと、一時的に事業活動が停止し損失を招いてしまう可能性があります。また障害が起こった事実が明るみに出ることで、ユーザーや取ネットワーク環境にトラブルが発生してしまうと、一時的に事業活動が停止し損失を招いてしまう可能性があります。また障害が起こった事実が明るみに出ることで、ユーザーや取引先の信頼が失われるおそれもあるでしょう。 安定して事業を継続させるためにはネットワーク監視サービスの導入や見直しは不可欠ともいえます。ネットワーク監視サービスやツールを導入済みの企業様も見直してみてはいかがでしょうか。

ALSOK UTM運用サービス

ALSOKでは、今回ご紹介したネットワーク監視の主な項目のうち、「インターネット境界の監視」が行える「ALSOK UTM運用サービス」をご提供しています。
「ALSOK UTM運用サービス」は、ファイアウォールやアンチウイルス、不正侵入防御などのセキュリティ機能を統合したセキュリティ装置で、緊急時の対応や通信状況のレポートまで一括でアウトソーシングが可能です。障害への備えとともに、ネットワーク管理の手間とコストの削減も実現でき、業務効率化との両立を可能とします。

「インターネット境界の監視」以外の監視も承っております。ネットワーク監視やセキュリティに関するお悩みはALSOKにご相談ください。

まとめ

ネットワーク監視サービスは、企業におけるネットワークトラブルの予防策となるだけではありません。安定したネットワークの稼働状態を維持しつつ、万一の障害発生時も被害を最小限にとどめることにつなげられます。この機会にネットワーク監視サービスの導入や見直しをぜひご検討ください。