たこ足配線は危険?コンセント容量の限界と正しい使い方

たこ足配線は危険?コンセント容量の限界と正しい使い方

防災 2024.04.19更新(2021.05.31公開)
たこ足配線は危険?コンセント容量の限界と正しい使い方

ご自宅の電源コンセントの数が足りず、市販の延長コードや電源タップでコンセント口を増やして対処している方も多いのではないでしょうか。電源タップを使用してコンセントより多い数の家電をつなぐことは、一般的に「たこ足配線」と呼ばれます。
この記事では、たこ足配線が火災の危険につながる状況やその理由を説明し、家庭でのコンセントによる電気火災を防ぐポイントをご紹介します。

目次

コンセントや電源タップには容量の限界がある

容量の説明の前に、電気にまつわる基本的な単位を簡単に紹介します。

電流:アンペア(A)電気の流れの大きさを示す単位

電圧:ボルト(V)電流を流す力の大きさを示す単位

電力:ワット(W)電気がする仕事の大きさを示す単位

各家庭やコンセントにどれだけ電気を流せるかは「アンペア(A)」で表示します。
日本の一般家庭で、コンセント1箇所へ流せる電流のアンペア数の目安は「15Aまで」となっています。家庭用電源の電圧は100Vで、使用できる定格容量は1500Wとなります。電源タップでも容量の上限は1500Wまでとされており、本体に「合計1500Wまで」と書かれています。

複数の差込口がある場合、使用できる電気容量の上限は1500Wまでです。複数の家電を電源タップに接続して使用する場合も、総量1500Wを超えないようにする必要があります。しかし家電にはドライヤーや電子レンジなど、1台で1000W以上の電力を使用するものもあり、それらを同じ電源タップで複数使用すると容量オーバーを招く可能性があります。このため「たこ足配線は電力容量オーバーにつながりやすい」といわれています。

家電製品にも書かれている「消費電力」とはその製品がどれくらいの電力を使用するかを表しています。以下は代表的な家電製品の消費電力の目安です。

スマートフォン(充電時) 5.4Wから16.8Wほど

冷蔵庫 150Wほど

炊飯器 600Wほど

掃除機 200Wから1000Wほど

パソコン・テレビ 130Wから150Wほど

電子レンジ 400Wから1000Wほど

ドライヤー 1000Wから1500Wほど

なお、エアコンも消費電力の大きい家電として知られますが(1000Wから1400Wが目安)、エアコンは専用コンセントで使用することが一般的なため、たこ足配線への影響はあまりないと考えられます。
また、上記の消費電力はあくまで目安であり、各家電によって詳細な電力量は異なります。詳しく知りたい場合は家電の本体や取扱説明書、外箱の記載を確認しましょう。

電源タップを使用する場合は、その電源タップで使う家電の消費電力の合計が定格容量の1500Wを超えないようにすることが基本です。容量をオーバーしてしまうと電源タップが過熱し、発火の原因となることがあります。
たこ足配線そのものが絶対的に危険というわけではなく、正しい使用法を守って使うことで発火のリスクは抑えられます。

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たこ足配線の危険性

たこ足配線で火災が発生すると聞いただけでは、その危険の程度を現実的に把握することは難しいかもしれません。

たこ足配線の危険性

※出火原因が「電灯電話等の配線」「電気機器」「配線器具」の件数を合計し算出

出典:総務省消防庁「令和5年版 消防白書」

総務省消防庁による2016年から2022年の7年間で発生した電気火災の件数をグラフにしたものです。2016年に3,574件だった状況から2022年には4,924件と1,300件以上増加しています。火の気がない場所でも、電気を使用していれば火災を招く可能性があるといえるでしょう。

たこ足配線による火災の原理

たこ足配線による火災の原理

先に述べたとおり、電源タップを使うこと自体が危険というわけではありません。電源タップを使用する際は、各家電の消費電力量の合計が定格容量を超えないよう気を付けることが大切です。
しかし、たこ足配線には容量オーバー以外の原因で、発熱によるトラブルを起こす可能性もあります。たこ足配線で火災が発生する原因として、容量オーバー以外では以下のようなものが挙げられます。

トラッキング現象による火災

火災の原因として耳にする機会もある「トラッキング現象」。コンセントの差込口付近にたまったホコリに湿気などによる水分が付着し、その水分に電気が流れて発生した火花がホコリに着火することで起こります。

コードの破損や絶縁不良によるショート

電源タップや電源コードを、家具などで踏むことや折り曲げて使用すると、コードの破損や絶縁状態の劣化が起こる場合があります。それにより、コード内部にある2本の銅線が断線や接触などでショートし、発火を招くことがあります。

接続部分の緩みによる過熱

古い電源タップを使い続けていたり、点検せず放置したりしていると、接続端子の部分が緩んで来やすくなります。これをそのままの状態にしていると、接触不良を起こして端子部から繰り返し火花が出るなどで、過熱による出火の恐れがあります。

過電流

電源タップにつないだ家電の消費電力の合計がコンセントの定格容量を超えてしまう状態を「過電流」と呼びます。電流により発生する熱量は電流の2乗に比例しますので、過電流の状態が続くと、持続的に過熱し、電源タップやコードの絶縁物(コードの被膜やタップ本体、プラグ部分など)の発火を招くことがあり、非常に危険です。

たこ足配線などコンセントによる電気火災を防ぐために

たこ足配線などコンセントによる電気火災を防ぐために

ご家庭において、たこ足配線が必要になることもあると思います。その場合は火災の原因となる使い方を避け、正しい状態で適切な手入れをしながら使用することで、出火の危険を回避しましょう。

タップの容量を守って過電流を避ける

コンセントや電源タップの定格容量を超えないようにし、可能であれば少し容量に余裕を持たせて使用するようにしましょう。定格容量が1500Wだからと1500Wぎりぎりで使うよりも、1200W~1300W程度に抑えて使用する方が発熱のリスクも低くできます。

コードのねじれを放置しない

電源コードがねじれたり絡まったりしたままの状態は、内部の銅線をショートさせる原因となります。長い電源コードを邪魔だからとぐるぐる巻いたり束ねたりしたまま使用することも、発熱やコードの劣化を招くため避けましょう。

ホコリや水の付着を防ぐ

トラッキング火災はコンセント接続部のホコリと水分で引き起こされるため、定期的に接続部にホコリがたまっていないか点検し、こまめに清掃と差し直しを行いましょう。電源タップにつないだ家電の接続箇所だけでなく、壁のコンセントと電源タップの接続箇所を点検することも忘れずに。また接続部分の水濡れはトラッキングだけでなく、感電の原因にもなるため絶対に避けましょう。

コンセントやタップを隠して使わない

電源コードは見映えを損ねるからと、コンセントや電源タップを家具や敷物などで隠して使用することもNG。手入れが行き届かなくなりトラッキングを起こす可能性や、コードのねじれやたるみで発熱を招くこともあり得ます。接続部分の点検や手入れがしやすいよう、コンセントや電源タップは必ず家の方の目が届くようにしておくことが大切です 。

もしも火災が発生したら

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コンセントによる電気火災は静かに起こり、火の手が大きくなってから気づくこともあるため、大きな被害を招くことも。万一に備え、火災の兆候を感知して通報を行える家庭用のセキュリティサービスを導入することも1つの対策でしょう。

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コンセントや電源タップの使用状況を見直そう

コンセントが足りなくても、電源タップがあれば多くの家電が同時に使えると思い、あまり深く考えずに「たこ足配線」を行っているご家庭もあるのではないでしょうか。しかし今まで危険を感じずに暮らせていたのは、実はとても幸運だったのかもしれません。これを機会にご自宅のコンセントや電源タップの使用状況を見直し、正しい方法で使うことで電気火災の危険を防止しましょう。万一に備えて、火災に対処できるセキュリティサービスの利用を検討することもおすすめです。

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