火災を防ぐ初期消火の方法

防災 2020.11.13

火災が起きたとき、私達一般人にできることは「初期消火」です。初期消火の方法次第では、大きな火災になることを防ぐことができます。

そこで今回は、私達ができる初期消火の方法について詳しく解説します。

初期消火とは出火後1〜2分の鎮火行為

初期消火とは
初期消火とは

まず、初期消火の方法を解説する前に、初期消火とはどのようなことを指すのかを知っておきましょう。初期消火とは、まだ出火して間もない段階、すなわちまだ火が広がっていない状態のときに鎮火させる行為のことを指します。

状況によりますが、一般的に建物内で火災が起こった場合、3分以内に天井に火が燃え移り、初期消火では鎮火できない状態になると考えられています。そのため、初期消火はできる限り1〜2分を目安に行う必要があります。

もし、それ以上かかっても鎮火できない場合は、すぐにその場から避難しましょう。

ただし、1~2分の間に、消火活動とあわせて消防署への通報も行うことが大切です。次からは、具体的な初期消火の流れをご紹介しましょう。

初期消火を行うときの流れ

初期消火の流れ
初期消火の流れ

初期消火を行うときの流れは、「火事を知らせる」「消火活動を行う」「現場から離れる」といった順番になります。ポイントは、いかに早く火事を知らせるかという点です。早く119番に通報できれば、消防が到着する時間も早くなり、消火活動も早く始められます。

1火事を知らせる

出火している光景や黒い煙を発見したら、すぐに火事であることを周りに知らせましょう。知らせる方法はどのような方法でも構いません。もし近くに非常ベル等の火災報知設備がある場合は、迷わず鳴らしてください。

近くに非常ベル等の火災報知設備が無い場合は、まず119番(消防署)に連絡をしましょう。それから可能な限り大声で周りの人達に火事であることを伝えてください。初期消火に協力してくれる人が見つかる可能性もあります。

2消火活動を行う

火事であることを周りに知らせたら、自身ができる範囲の消火活動をします。

上述したように、一般的に出火後3分経つと火は天井まで昇ってしまうので、まだ火が燃え広がらないうちに消火活動を行なってください。もし3分以上経っても火が消えない場合や、火が天井に昇ってしまいそうな場合は、すぐに次の行動に移る判断が必要です。

もし人手がある場合は、協力して消火活動を行なってください。

3現場から離れる

初期消火の行動3つ目は、「現場から離れること」です。人の命より大切なものはこの世にありません。初期消火が難しいと判断したらすぐに避難しましょう。

このように、初期消火とは「消火」だけをするのではなく、人命を第一に考えつつ、出火に伴う被害を最小限に抑えることを指します。

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初期消火の際に注意すべき2つの点

初期消火を行う際は、いくつか注意しなければいけない点があります。以下に示す注意点を知っておけば、初期消火の効率や成功率を上げられるかもしれません。

いざというときのために、確認しておきましょう。

1消火活動の方法は出火元によって異なる

初期消火の際、どこが出火元になっているかによって消火方法が異なります。それぞれの消火方法を知ることで消火の成功率を上げられるので、以下を参考にぜひ覚えておきましょう。

コンロ、鍋 天ぷらなどに使う油をはった鍋から出火した場合、粉末消火器を鍋全面にかける。強化液消火器を使用する時は鍋の縁に向けて噴射するように心がける。 もし消火器がない場合はシーツやバスタオルを濡らして手前から覆うようにかぶせる。空気を遮断することで出火を抑えられる。ただし、油面に水が入らないように、また鍋をひっくり返さないように十分に注意。可能な限り、ガスの元栓を早めに締める。
レンジ、オーブン
電気器具
出火元となる機器のコンセント、もしくはブレーカーを可能な限り切り、粉末消火器を使用して消火する。水をかけたり泡消火器を使用したりすると、感電の恐れがあるため使用しない。消火器に表示されている適応火災を要確認。
焚火 種類問わず消火器、もしくは水で消火する。消火器がない場合や水がすぐに用意できない場合はほうきや木による叩き消しが有効。ただし叩き消しを行なった後は必ず水で焚火を湿らせておくこと。
カーテン・ふすま ストーブ等からカーテンに火が移ってしまった場合は、火が点いたカーテンを引きちぎり拡散するのを防ぐ。ふすまに火が移ってしまった場合はふすまを外し、出火部分を消火する。ただし火傷に注意。まず、他のどこにも火が移らないようにすることが優先される。
ストーブ 一般的に消火器を使用する場合は火元に向ける。石油ストーブの場合は粉末消火器が最適。 消火器がない場合は、湿らせた毛布や大きいタオルをストーブにかぶせて空気を遮断する。ただし火傷に注意。

2消火器にはいくつかの種類があり、消火できるものが異なる

消火器には種類があり、それぞれで消火できる燃焼物が異なります。燃焼物によっては噴射してはいけない消火器もあるので、可能な範囲で覚えておきましょう。

以下は、一般社団法人「日本消火器工業会」が示している消火器の種類と特徴、そしてその対応法です。[注1]

<消火器の種類とその特徴>

粉末系消火器 ABC粉末消火器 主成分がリン酸アンモニウムの粉を使用。炎の抑制効果が高い。一般的な消火器のひとつ。
水系消火器 強化液消火器 主成分が炭酸カリウムの水溶液を使用。抑制だけではなく冷却効果も高い。てんぷら油による火災に特に効果が高い。
中性強化液消火器 消火しにくい樹脂や繊維に対して効果のある水溶液を使用。粉末系と併せて使用すると効果が上がる。樹脂類、繊維による火災に特に効果が高い。
機械泡消火器 冷却・窒息作用のある薬剤を使用し消火する。油面を泡で被覆し可燃性気体の発生を抑えるので、ガソリンや灯油による火災向き。
水消火器(浸潤剤入) 浸透性のある成分を添加しており、再燃防止が期待できる消火器。純水を使用することで放射後の残留物を抑えた、精密機器への影響が少ないものもある。
ガス系消火器 CO2消火器 二酸化炭素ガスを使用した窒息作用のある消火器。周囲を汚損しないので、精密機器や電気設備の消火に適するが、窒息作用があるため法令によって設置場所が制限されている。

<種類別消火器と燃焼物の対応表>

消火器種類 消火器名称 木製品

繊維製品
ガソリン
灯油
てんぷら油
コンセント
粉末系消火器 ABC消火器
水系消火器 強化液消火器
中性強化液消火器
機械泡消火器 ×
水消火器(浸潤剤入) ×
ガス系消火器 CO2消火器

※〇=使用可 ×=使用不可

ほぼすべての消火器が使えるようにはなっていますが、使用してはいけない消火器もあるので、使用してはいけない方のみ覚えておくと判断しやすいでしょう。

大きな火災を防ぐためにも初期消火は重要

初期消火は火災による被害を出火元から広げないようにするために必要な行動です。

ただ初期消火をスムーズに行い効果を最大限に出すには、消火器の種類や初期消火の流れを事前に把握しておくことが必要です。火災はいつ起きてもおかしくない災害であるため、この機会に、いざという時の備えを万全にしておきましょう。

ALSOKでは、ほぼすべての火災で使用できる蓄圧式消火器(粉末ABC)も販売しておりますので、ぜひご活用ください。

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