神社での犯罪被害を防ぐためには

神社での犯罪被害を防ぐためには
2020.03.25(2023.11.10更新)

神社の賽銭泥棒、建物への落書き、史跡に油が巻かれるなど、神社・仏閣や史跡が犯罪被害にあうケースが少なくありません。
そこで今回は、神社や仏閣、史跡が見舞われやすい犯罪被害やその理由、適切な安全対策の手段などについてご紹介します。

目次

神社仏閣や史跡で多い被害とは

神社仏閣や史跡で多い被害とは

神社や仏閣だけでなく、観光で訪れることも多い史跡などで起こっている犯罪についてご紹介します。

賽銭泥棒

賽銭泥棒のニュースはお正月や祭事の後などによく報じられます。神様や仏様のためのお金を盗むことなんてあるのかと思いますが、各地で実に多数の被害が発生しています。

仏像や神像などの盗難

本堂や屋外に安置されている仏像・神像などの盗難も、たびたびニュースで耳にする機会があります。海外で高く取引されることを狙って、仏像や神像などが盗難に遭いやすいようです。

落書き

歴史ある建物に落書きするなど信じられないことですが、神社や仏閣が落書きの被害に遭ったというケースも少なくありません。建物への落書きのほか、塗料や油などで汚損されるケースも発生しています。

その他にも不法侵入や置き引きなどの被害もあり、神社・仏閣や史跡は意外にさまざまな犯罪被害に遭いやすい場所であることが分かります。

寺社仏閣における刑法犯の認知件数
出典:警察庁「令和3年の犯罪」14 罪種別発生場所別認知件数・15 窃盗手口別発生場所別認知件数より引用

神社・仏閣・史跡が犯罪に遭いやすい理由とは

神社・仏閣・史跡が犯罪に遭いやすい理由とは

観光スポットとしても多くの人が訪れる神社・仏閣や史跡ですが、なぜ犯罪被害が多発してしまうのでしょうか。ここでは、神社仏閣や史跡が犯罪被害を受けやすい理由をご紹介します。

1.参拝者や観光客のために開放的になっている

どんな人も訪ねてほしいという施設側の配慮が、弱点になってしまっていることもあります。神社や仏閣は、近隣住民や観光客が訪れやすいよう開放されています。敷地内の建物は重要度によって扉が閉ざされている・入館制限していることもありますが、基本的に日中の時間帯は開放されていることがほとんどです。

2.夜間は照明が少なく、高い塀や木で外部からの見通しが悪い

神社や仏閣は、夕方になると閉まる所が多く、夜は施設関係者以外ほとんど人がいません。照明が少ないため夜は暗く、また構造上、塀や植樹などがあり内部への見通しもよくありません。
人目に付かず内部が見えづらいため、犯罪を企てる者が侵入しやすい状況が整ってしまっているといえます。

3.仏像・神像の海外への転売目的と考えられる盗難が多い

海外の美術品・骨とう品マニアに向けて、仏像や神像の転売を目的に窃盗する事案が毎年のように起きています。

リンク:文化庁「盗難を含む所在不明に関する情報提供について~取り戻そう!みんなの文化財~」

4.無住の神社や仏閣が被害に遭いやすい

神社や仏閣には、そこに住んでいる人がいない「無住」の施設も多数あります。定期的に管理がされていても、人のいない時間帯が多ければ犯罪の被害に遭うリスクも高くなります。

必要な防犯対策

必要な防犯対策

犯罪のターゲットになりやすい神社や仏閣を、セキュリティ面でどのように適切に管理することが必要なのでしょうか。ここでは、神社や仏閣・史跡に必要な防犯対策についてご紹介します。

1.監視体制の強化

不審者や不審な行為を24時間監視できる防犯カメラや各種センサーなどを設置し、犯罪が起こったらすぐに対処できるようにしましょう。また、カメラやセンサーを設置していることで犯罪を未然に防ぐ抑止効果も期待できます。

2.侵入対策

不審者の侵入を防ぐため、警備員の配置や、近辺のパトロールを強化して対策しましょう。あるいは、防犯カメラやセンサーなどで侵入者を検知した際に、すぐ現場に警備スタッフが急行できるサービスの利用なども有用です。

3.放火対策

神社や仏閣が、不審火や放火の被害に遭うこともあります。神社や仏閣の建物・施設は木造建築が多いため燃えやすい傾向にあります。万一火災が発生しても迅速に検知・初期消火にあたれるよう火災報知器等を設置し、消火器等の消火設備を整えておくことが大切です。

被害を出さないために

被害を出さないために

神社や仏閣が犯罪被害に遭わないために、日常ではどのような取り組みが必要なのでしょうか。ここでは、犯罪被害防止のための日頃の備えについてご紹介します。

1.落書きなどを放置しない

落書きやいたずらがそのままになっていると、「管理が行き届いていない場所」とみなされ、犯罪のターゲットになりやすいといわれています。落書きや汚損、ごみの不法投棄などがあれば軽微なものでも早急に対処し、常時管理が行き届いている場所であることをアピールしましょう。

2.段ボールなど放火されやすいものを放置しない

建物・施設への放火は、基本的に燃えやすいものに火をつける手段で行われます。つまり、燃えやすいものがその場になければ未然に防げる可能性もあるということです。段ボールや古新聞などすぐ燃えるものを放置せず、簡単に火をつけられない状況を整えておくことも大切です。

3.防犯意識が低いと思われないようにする

必ず門や扉を施錠する、賽銭箱も鍵をかけるなど、セキュリティ対策がきちんとされている場所だと分かるような対策を行いましょう。「きちんと管理されていない、あまり人が立ち入らない所だ」と思われると、さらに不審者のターゲットにされやすくなります。
また、防犯カメラやセンサーを目につく場所に設置することや、警備会社と契約していることが分かるステッカーを掲示することも効果的です。

その他、文化財など貴重な所蔵品を備える神社や仏閣などであれば、専門家に相談し、協力のもとで厳重な防犯対策を図る方法などもおすすめです。

ALSOKの神社仏閣ソリューションパッケージサービス

さまざまな警備・防犯の実績とノウハウを持つALSOKでは、神社や仏閣に特定した防犯対策をセットにしたソリューションサービスをご提供しています。神社仏閣特有の弱点にしっかり対応した、効果的で強固なセキュリティをすぐに導入できます。
自分たちで管理してきたけれど限界を感じているという方や、近くの神社や仏閣が犯罪の被害に遭って他人事ではなくなってきたという方なども、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回は、神社仏閣の犯罪被害の内容や被害に遭う理由、効果的な防犯対策などについてご紹介しました。
歴史的な建物や貴重品が多い神社や仏閣ですが、窃盗やいたずらなどのある意味非人道的な犯罪が多発しています。大切な財産を守るためには、適切なセキュリティ対策を行うことが欠かせません。対策についてお悩みの方はお気軽にALSOKにご相談ください。