コーポレート・ガバナンス

 当社は、経営理念を「我が社は『ありがとうの心』と『武士の精神』をもって社業を推進し、お客様と社会の安全・安心の確保のために最善を尽くす」と定めるとともに、「社会・公共への貢献」を経営指針のひとつに掲げ、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループであり続けるために、経営の執行と監督の分離、迅速な意思決定、企業倫理の確立、経営の透明性の確保等によるコーポレート・ガバナンスの充実に努めております。また、情報開示を重視し、投資家・アナリスト向け決算説明会の開催、機関投資家の皆様への訪問説明の実施等、内外での積極的なIR活動に努めております。

 また、当社は、企業統治に関する指針として東京証券取引所が策定した「コーポレートガバナンス・コード」の諸原則に則り、社内の組織体制等の点検・見直しをきめ細かく行っております。当社は、「コーポレートガバナンス・コード」への対応等を記載した「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を、東京証券取引所に毎年提出しており、当該報告書を同取引所及び当社のホームページに掲載しております。

 今後とも、当社では、コーポレート・ガバナンスがより有効に機能する組織体制の構築を目指し、諸制度の施策について検討を継続してまいります。

企業統治の体制の概要及び当該企業統治の体制を採用する理由

 当社は監査役会設置会社であり、後述する体制の下で、監査役による実効的かつ充実した監査が行われており、経営陣に対するガバナンスが有効に機能しているものと認識しております。

 2021年6月24日現在の取締役は12名(うち社外取締役4名)、監査役は4名(うち社外監査役3名)で構成されております。取締役会は原則として月1回開催し、経営の基本方針及び業務執行に関する重要事項を決定するとともに、取締役及び執行役員の職務の執行の監督を行っております。さらに、代表取締役会長を議長とする経営会議を原則として月2回開催し、取締役会に付議すべき案件を決定するとともに、取締役会の決定に基づく業務執行方針の協議を行っております。監査役会は原則として月1回開催し、監査に関する重要な事項について報告を受け協議を行い、又は決議を行っております。また、監査役1名は経営会議に出席し、経営執行状況の適切な監視を行っております。

 こうした現在の体制により経営の公正性及び透明性が適正に確保されているものと判断し、本体制を採用しております。

 なお、当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく賠償責任の限度額は、10百万円又は同法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額としております。これは、社外取締役及び社外監査役がその期待される役割を十分に発揮できることを目的とするものであります。

社外役員の選任理由と活動状況

 社外取締役及び社外監査役については、当社において、客観的・中立的な立場から、経営陣を監視・監督する機能を担っていただくことを想定しております。また、当社においては、社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準又は方針を明示的には定めてはいませんが、社外取締役及び社外監査役の選任に当たっては、㈱東京証券取引所の定めるいわゆる独立役員の要件などを参考に、独立性の有無を判断材料の一つとしております。

 当社は、㈱東京証券取引所に対して、社外取締役4名及び社外監査役3名を独立役員として届け出ております。

 社外取締役は、社外監査役とともに当社の取締役会に出席し、出席した取締役会において適宜適切な発言を行っております。また、社外取締役は、社外監査役とともに事前に各業務主管部長等から取締役会で予定されている事項の概要説明を受けるなど実効的な経営の監視に努めております。さらに、社外監査役は、他の監査役と同様に支社及び子会社への往査を実施するとともに監査部及び監査法人と定期的に情報交換、意見交換を行っており、これらにより、社外取締役による監督、監査役監査、内部監査及び会計監査との相互の連携を図っております。

 これらの監督又は監査と内部統制部門との関係は、次のとおりであります。

 社外取締役は、取締役会への参加を通じ、内部統制部門等における他の取締役の業務執行状況に対し、独立した立場から監督を行っております。

 社外監査役は、他の監査役と同様に内部統制部門に対する業務監査及び会計監査の実施、各種資料の閲覧を通じて、内部統制部門における業務の適法性の評価を実施しております。

役員報酬関係

報酬額総額

 2021年3月期における役員区分ごとの員数及び報酬等の総額は以下のとおりとなります。

取締役(社外取締役を除く) 9名 323百万円
監査役(社外監査役を除く) 1名 23百万円
社外役員 9名 69百万円

役員の報酬等の額に関する方針の内容

 当社における取締役報酬については、第37回定時株主総会(2002年6月27日)決議により総額400百万円(当該決議に係る取締役の員数は7名。)、監査役については、第33回定時株主総会(1998年6月30日)決議により総額120百万円を限度額としております(当該決議に係る監査役の員数は4名。)。

 また、当社取締役の報酬は、取締役会決議により決定した以下の方針に基づき、役職及び社外取締役、それ以外の取締役の別により定められている定額部分と、一定の基準に基づき各取締役の職務執行に対する業績評価を行い算定する業績連動部分から構成されております。

 監査役の報酬は、定額であり、その具体的な金額は、監査役会で取り決めた基準に従って決定しております。

業績連動報酬と業績連動報酬以外の報酬の支給割合の決定に関する方針

 当社取締役(社外取締役を除く。)の報酬につきましては、毎年6月に支給される事前確定届出給与(いわゆる賞与)が業績連動報酬に該当し、支給割合は、会社業績支給率及び個人業績支給率がいずれも100%の場合、年間総支給額の20%となります。また、定額である月額報酬が業績連動報酬以外の報酬に該当し、支給割合は、会社業績支給率及び個人業績支給率がいずれも100%の場合、年間総支給額の80%となります。

役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する役職ごとの方針

 当社取締役(社外取締役を除く。)の報酬のうち、月額報酬につきましては、「役付手当」及び「取締役等手当」を基本給に加算することにより、役位別に支給額が定められております。また、事前確定届出給与については、月額報酬に連動して基準額が定められております。

当該業績連動報酬に係る指標、当該指標を選択した理由及び当該業績連動報酬の額の決定方法

 業績連動報酬である事前確定届出給与の算定に当たっては、下図のとおり連結営業利益を加工したものを基準指標とし、その計画達成状況に応じた支給水準をあらかじめ定め、業績との連動に透明性を確保した上で、当社取締役会において会社業績支給率を決定します。さらに、個人別に設定した目標の達成度合いによって個人業績支給率を決定します。そのうえで、次の算定式のとおりそれぞれの支給率を基準額に乗じることで、個人別支給額を最終的に決定しております。

 [基準指標の構成]
 連結営業利益+持分法投資利益+連結賞与

 [事前確定届出給与個人別支給額の算定式]
 個人別支給額=基準額×会社業績支給率×個人業績支給率

 上記の基準指標を採用した理由は、次のとおりです。

 1.持分法適用会社を含めたグループ全体の業績向上が役員の主要な役割であるため。
 2.賞与支給額の変動影響を除いた連結営業利益が、会社業績の判断指標としてより優れていると考えられるため。

役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に係る方針の決定権限を有する者の氏名又は名称、その権限の内容及び裁量の範囲

 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に係る方針については、全て取締役会で決定しております。なお、当該事業年度の取締役への業績連動報酬の支給額の決定に際し、個人業績支給率について、当社取締役会は、職務上各取締役の個人別評価を最も適切に行い得る立場にあると考えられることから、代表取締役会長村井 温及び代表取締役社長 青山 幸恭に対し、具体的に設定された各取締役の当該事業年度の取組課題及び達成目標(KPI)の実績を踏まえた支給率の決定を委任しております。

 当社取締役会は、取締役の個人別の報酬等が上記の方法で決定されることから、その内容が決定方針に沿うものであると判断しております。

最近事業年度の役員の報酬等の額の決定過程における、取締役会の活動内容

 当社取締役の報酬は、取締役会規則により取締役会決議事項としており、これまで、報酬体系、事前確定届出給与の算定方法の改定、当該事業年度の事前確定届出給与における業績支給率及び個人業績支給率等を審議してまいりました。

 当事業年度においては、2020年5月12日開催の取締役会において、同年6月支給予定の事前確定届出給与に関する会社業績支給率及び個人業績支給率について審議いたしました。

 なお、当事業年度の会社業績支給率の審議において、基準指標の実績は65,677百万円の計画に対し、66,913百万円(達成率101.9%)でした。

今後の役員報酬制度の改定について

 当社は、当事業年度までは上記の制度により役員報酬を支給してまいりましたが、第57期からは、新たな中期経営計画の策定に合わせて、経営陣における業績責任をこれまで以上に強化し、中長期的な事業成長を見据えた経営戦略を実践するために、これまでの報酬支給割合を変更(業績連動報酬の支給比率の引上げ)するとともに、業績連動報酬に新たに中長期インセンティブを導入します。

 1.報酬支給割合の変更について

 会社業績支給率及び個人業績支給率がいずれも100%の場合の非業績連動報酬(定額報酬)の比率をこれまでの80%から55%に引き下げるとともに、業績連動報酬比率を20%から45%(短期インセンティブ:30%、中長期インセンティブ:15%)に引き上げます。

 2.短期及び中長期インセンティブの概要について

 短期インセンティブについては、これまで業績連動報酬の算定に使用していた基準指標(連結営業利益+持分法投資利益+連結賞与)から会社業績支給率を算定し、中長期インセンティブについては、その基準指標の3年間の年平均成長率をもとに会社業績支給率を算定し、それぞれ会社業績支給率と個人業績支給率を基準額に乗じることにより個人別支給額を決定します。

内部統制システムの整備の状況

 当社は、会社法、金融商品取引法等に基づき、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するための体制を整備しております。

当社の取締役と使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

  1. 会社創業以来の精神や社訓を集大成した基本理念として「綜警憲章」を制定し、あらゆる企業活動の前提とする。
  2. 「取締役会規則」「稟議規程」「業務分掌規程」及び「職務権限規程」を制定し、職務権限を適切に分担させ、担当権限を超えるものについて決裁を義務付けることにより、職務の執行を監視する。
  3. 「倫理規則」を制定し、誠実な職務執行と倫理に基づく行動のための規範とする。
  4. 「コンプライアンス規則」を制定し、コンプライアンス担当役員を指名するとともに、活動状況について、必要に応じ取締役会及び経営会議に報告させる。
  5. 「内部通報規則」を制定し、内部通報体制を確立するとともに、その適正な運用を図る。
  6. 社長直轄の内部監査専管部署を設置し、本社各部及び事業所等に対して、定期的に経営活動を検証するとともに、その結果を取締役及び監査役に報告させる。
  7. 金融商品取引法その他の法令に基づき、財務報告が適正に作成されるための体制を整備し、運用する。
  8. 取締役及び使用人に対する、法令並びに定款及び社内規則に関する各種教育を適切に実施する。

当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

  1. 株主総会議事録、取締役会議事録、経営会議議事録、稟議書、契約書、会計帳簿・計算書類その他業務の執行状況を示す主要な情報の取扱いに関する規程を制定し、当該情報を適正に保存管理する。
  2. 取締役及び監査役は、これらの情報をいつでも閲覧できるものとする。

当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

  1. 「リスク管理規則」を制定し、リスク管理担当役員を指名するとともに、リスクの予測及び評価を行い、リスクの予防、軽減、移転その他必要な措置を講じ、又はリスク発生時の対処方法を定め、必要に応じ取締役会及び経営会議に報告させる。
  2. 「事業継続計画」を制定し、大災害や大事故、疫病の蔓延等の不測の事態発生時でも事業の継続や早期の復旧・再開ができる体制を構築する。
  3. 「情報資産管理規則」を制定し、情報資産管理担当役員を指名するとともに、情報資産を盗難、漏えい、改ざん、破壊、災害等の脅威から保護するための体制を構築し、必要に応じ取締役会及び経営会議に報告させる。

当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

  1. 経営目標に基づき中期経営計画及び年度経営計画を作成する。
  2. 年度経営計画については、毎月、取締役会及び経営会議に報告し、月次単位で進捗管理を行う。
  3. 「職務権限規程」を制定し、職務権限の分担により、効率的な意思決定を行う。
  4. ITを活用した基幹業務システムにより事業処理を簡素化し、経営及び業務の合理化、効率化を図る。

当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

  1. 子会社の業務管理のための規則を制定するとともに子会社管理のための専管部署を設置し、子会社に対し、職務の執行に係る事項の報告を義務付けるほか、当社から取締役又は監査役を派遣するなどして、厳正な指導、監督を行う。
  2. 子会社の損失の危険に係る重要な情報については、子会社の業務管理の規則に基づき当社の子会社管理専管部署に報告させ、当社と連携してリスク対応を行う。
  3. 子会社は、各種会議、社内電子掲示板等を通じて当社と情報を共有するとともに、子会社共通の業務システムの利用などを通じて業務の効率化を図る。また、グループの中期経営計画及び年度経営計画を策定し、子会社から毎月の業況を当社に報告させ計画の進捗管理を行う。
  4. 当社及び子会社は、相互に連携してコンプライアンス活動の実施及び内部通報制度の運用を行うとともに、反社会的勢力との関係を完全に遮断し、そのために必要な社内体制の整備、外部専門機関と連携等の取組みを行う。また、子会社と連携し、重要な子会社に対しては年一回の内部監査を実施する。

監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

  1. 当社は、監査役会事務局を設置し、監査役の職務を補助する使用人を配置する。
  2. 監査役会事務局員の人事については監査役会の同意を得る。また、監査役会事務局員は、もっぱら監査役の指揮命令に従う。
  3. 当社の取締役及び使用人は、監査役に対して、業務に関する重要な事項について報告するとともに、当社の内部監査専管部署は、監査役と相互連携し、子会社の状況も含め、定期的に情報交換を行う。また、監査役は、当社の取締役会及び経営会議に出席する。
  4. 子会社の取締役及び使用人は、当社の監査役から業務執行に関する事項について報告を求められたときは、速やかに適切な報告を行う。また、当社の内部通報の窓口部署は、子会社からの通報を含め、重要な通報について監査役会に報告する。
    なお、監査役へ報告を行った当社の取締役、使用人及び子会社の取締役等に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止する。
  5. 当社は、監査役の職務の執行について生ずる費用等を支弁するため、毎年、一定額の予算を設ける。また、監査役が当該費用等の請求をしたときは適切に処理する。
  6. 監査役は、代表取締役及び本社各部長等と定期的に意見交換又はヒアリングを行うとともに、各事業所及び子会社へ往査する。また、定期的に監査法人と意見交換会を開催する。

リスク管理体制の整備の状況

 当社は、社会安全の確保を社業とする性質上、リスク管理を特に重要視しております。2002年に制定したリスク管理規程(現リスク管理規則)に基づき、リスク管理委員会を組織し、リスク管理担当役員である村井豪をその委員長としております。また、本社及び各事業所単位でリスク管理検討組織を設置しており、リスクの洗出し、評価、予防策、対策案の策定といったリスクマネジメントについて全社網羅的に取り組んでおります。さらに、リスク管理委員会に分野別のリスク検討部会をおき、該当分野ごとにリスク情報の収集、分析及び評価を行い、リスク軽減のための施策を検討しております。重大事案発生時の緊急連絡体制、対策本部の設置等につきましても、迅速な対応が図れるよう組織体制を整備しております。

 コンプライアンスに関しては、コンプライアンス担当役員である村井豪を委員長とするコンプライアンス委員会を組織し、法令遵守に努めております。コンプライアンス委員会は、2002年に制定したコンプライアンス規程(現コンプライアンス規則)に基づき、役員及び従業員に対するコンプライアンス意識の周知徹底に努め、定期的に業務活動状況等のチェックを行っております。

 企業倫理上の問題の早期発見と予防についても、2004年より「ALSOKホットライン」を設け、役員及び従業員が会社に係る違法行為、不正行為及び反倫理的行為に遭遇した際、不利益な扱いを受けることなく、電子メールや電話、文書にて内部通報が可能な体制を構築しております。なお、通報の受付窓口として、従来の社内窓口に加え、2016年より社外窓口を設置しております。

 加えて、全社的な情報セキュリティ確保の礎として「情報セキュリティ基本方針」を定め、この基本方針を、役員を含む全社員、保有する全ての情報資産に適用しております。また、情報資産管理担当役員である村井豪を委員長とする情報資産管理委員会を組織し、情報資産管理規則に基づき、全社的な情報資産管理体制の構築及び推進、重大な情報資産事故に関する訓練等を実施しております。なお、重大な情報資産事故が発生した場合には、ALSOK-CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置することとしており、事故対応から再発防止策の検討・実行まで適切に対応する体制を整えております。

 訴訟、紛争、その他の法的リスクについては、法務室を設置し、各業務部門と連携しながら対応しております。また、当社は7箇所の法律事務所と顧問契約を締結し、重要な法的問題やコンプライアンスに関する事象等について、適宜助言、指導を受けるなど、リスクを未然に防止する体制を整えております。そして、このような助言、指導を仰ぎつつコンプライアンスを維持することを通じて、弁護士をコーポレート・ガバナンスに関与させております。