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オフィス換気の重要性とは?二酸化炭素濃度の影響や換気の方法を解説

オフィス換気の重要性とは?二酸化炭素濃度の影響や換気の方法を解説
2021.03.15

オフィス内の換気がしっかり行われていない状態が続くと、次第によどんだ空気が不快に感じられてくるもの。最近は感染対策の必要性もあり、屋内換気の重要性が高まっています。今回は、「換気」にまつわる情報についてご紹介します。

換気の重要性とは

人が室内で健康で安全に過ごすため、皆さまが働くオフィスの空気環境には一定の基準が設けられています。
ここでは、空気環境の基準を定めた法律やそれを管轄する省庁、具体的な基準の詳細についてご紹介します。また、近年感染症対策にともない見直されている換気の重要性についてもご説明します。

換気とは

換気とは、室内の汚れた空気を新鮮な外気と入れ換えをすることを指す言葉です。換気には大きく分けて、以下の2つの手段によって実施されます。

  1. 自然換気:窓を開けることで、風の力など自然の力で換気を行うもの
  2. 機械換気:送風機や換気扇を使用し、機械による力で換気を行うもの

オフィスの空気環境基準

オフィス内の空気環境基準は、厚生労働省によって具体的に定められています。基準の詳細については、以下の表をご覧ください。なお、空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準となります。

1.浮遊粉じんの量 0.15mg/m3(※1)以下
2.一酸化炭素の含有率 100万分の10以下(=10ppm(※2)以下)
※特例として、外気の濃度がすでに10ppm以上ある場合20ppm以下
3.二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000ppm以下)
4.温度 ①17℃以上28℃以下
②居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと
5.相対湿度 40%以上、70%以下
6.気流 0.5m/秒以下
7.ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(=0.08ppm以下)

※1:mg/m3は空気1m3(1,000L)中に存在するmg数を指す

※2:1ppm(100万分の1)=0.0001%。10,000ppmが1%にあたる

感染症対策にともなう換気の重要性

2020年から世界的に流行している新型コロナウイルス感染症や、インフルエンザなどの感染症対策としても、こまめに室内の換気を行うことの重要性が見直されています。
特に2020年以降は、新型コロナウイルス感染症対策として屋内の「三つの密(三密)」を回避することが提唱されています。それにより施設や店舗などでも、三密回避に向けた取り組みが実践されるようになりました。

複数の人が仕事をするオフィス内では、人と人との距離を必要以上に近づけて会話などをすること(密接)、1つの空間に多人数が集まること(密集)、こもった空気の中に長時間滞在すること(密閉)の「三密」が発生しやすくなります。オフィスでもこれらの状況を可能な限り避け、ウイルスや細菌など病原体の蔓延を防ぐ取り組みを常時行わなければなりません。

室内の換気ができない状態は「三密」のうち「密閉」の状態にあたり、空気が定期的に入れ換えられずこもりがちな状況は、感染症リスクを高めると指摘されています。
また、オフィスをこまめに換気することで、感染症を防げるだけでなく業務における生産性の改善も期待されています。
次の項目では、事業所内で換気を行わないことによって業務面でどのような弊害が危惧されるかについても、ご紹介します。

換気をしないことによる弊害

オフィス内の換気については、最近では感染症対策としてほとんどの事業所が積極的に導入を図っているかと思います。しかし換気を行わないことで、感染症にとどまらず業務上においてもさまざまな弊害が生じることをご存じでしょうか。

二酸化炭素濃度の上昇による健康被害

多くの人が業務を行うオフィス内では、換気をしなければ次第に室内の二酸化炭素濃度が上昇し、酸素濃度が低下します。この影響で、勤務するスタッフに頭痛やめまい、眠気など健康上の弊害が発生してしまうことがあります。

湿度上昇によるカビの発生

換気をしないことで湿度が上昇し、室内がカビなどの菌類の生育に適した環境となることで不衛生な状態を招いてしまう可能性があります。

アレルギー物質の濃度の上昇

オフィス内の空気にも、ハウスダストや建材から放出される化学物質などのアレルギー物質が混入している可能性があります。それらも、こまめな換気を行わなければ次第に濃度が上昇します。その結果アレルギー体質のスタッフの体調へ悪影響を及ぼしたり、新規アレルギー症状の発生を誘発したりする可能性があります。

感染症リスクの増加

先述していますが、室内の換気を行わず空気がこもったままの状況にしておくことで、ウイルスや菌などによる感染症のリスクが高まります。感染症リスクを高めるとされる「三密」の1つ、「密閉」状態を回避するため定期的な換気はとても重要です。

一酸化炭素濃度の上昇による健康被害

二酸化炭素濃度とともに、換気を怠ることで室内濃度が上昇すると健康に悪影響を及ぼすとされる物質に、一酸化炭素があります。一酸化炭素は空気中の濃度が急激に上昇すると中毒症状を誘発し、死亡することもある危険な物質です。またそのような危険に至らない程度の濃度であっても、一定濃度を上回れば室内の人に頭痛や疲労感、吐き気やめまいなどの症状が現れる可能性があります。

近年注目されている二酸化炭素濃度と生産性

二酸化炭素とは、空気中に含まれる物質の1つで、私たちの呼吸や物の燃焼などの生産活動によって生成されます。
室内の二酸化炭素濃度がごく少量であれば人体への影響は見られません。しかし換気の不足などで濃度が上昇すると、倦怠感や頭痛、耳鳴りなど不快な症状が出ることがあります。

そのため室内の二酸化炭素濃度が高くなりすぎると、室内にいる人の健康に悪影響を与えてしまいます。また健康被害に至るほどではなくとも、二酸化炭素濃度が高い室内で作業をすることは、従業員の生産性にも影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
このためオフィスの二酸化炭素濃度が上がると業務効率にも悪影響を及ぼすといわれており、換気による空気の入れ換えを積極的に行うことで生産性の維持や向上にもつながる可能性があります。

二酸化炭素濃度の基準

屋内の二酸化炭素濃度には各省庁によって一定の基準が設けられており、室内の人の健康を守るためにこの濃度を上回らないよう努めることが必要です。
おもな施設内での二酸化炭素濃度の基準値と、基準を定めている省庁は以下のとおりです。

  • 建築物(全体)において:1000ppm以下(厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」による)
  • 教育施設において:1500ppm以下(文部科学省の「学校環境衛生基準」による)

また、室内において快適とされる二酸化炭素濃度は600ppmとされています。CO2モニターの設置により、室内の二酸化炭素濃度の状況をどなたでも確認することが可能です。スタッフの健康と業務生産性確保のためには、これを上回ることがないようこまめな換気に努めることが必要といえるでしょう。

オフィスでの換気方法

オフィスでの換気方法

一定のサイクルで室内の換気を行うためには、業務効率やスタッフの快適性を損なわないよう配慮のもとに実施することが大切です。ここでは、オフィスで効果的に換気を実施する方法やポイントをご紹介します。

換気するときのポイント

換気を行うためには、空気の入り口と出口が必要となります。たとえば窓を開放して換気する場合に、開けるのが1箇所だけでは効率的な換気ができません。
また、換気による空気の出入りは部屋の端ともう一端で行われることが理想的です。オフィスのどこか限定的な箇所だけに空気の流れを生むのではなく、空気がオフィス全体を流れるように換気を実施しましょう。もしオフィス内に窓が1箇所しかなければ、窓の代わりにドアを開けると良いでしょう。

1.対角線上の2箇所で換気を行う

もし換気扇や換気口が室内にあるなら、その対角線上にある窓を開けることで空気の通り道を作ると効果的です。窓が対角線上(向かい合った状態)で2箇所以上あるなら、その両方の窓を開放して換気しましょう。

2.窓と換気扇/サーキュレーターの併用

窓を開けることと換気扇の活用をともに行い、より効率的に換気を行うこともおすすめです。換気扇による24時間換気を導入しているオフィスも多いと思いますが、24時間換気の換気効率は窓による定期的な換気(1時間あたり2回、5分弱の窓開け換気を行うモデル)よりも若干低めです。24時間換気を取り入れているオフィスでも、窓開け換気を併用して効率的に換気を実施しましょう。
もし、換気口があっても窓がない/窓が開かないオフィスの場合、ドアを開けて室内に扇風機を置くことで窓開け換気と同等の換気を行えます。排気用の換気口が室内にある場合は、換気口から室内の空気を外に出すように扇風機を置きましょう。換気口が室外(廊下など)にあれば、室内奥とドア付近の2箇所に扇風機を置き、いずれも室外に向けて空気が排出される向きにしましょう。

3.窓の高低差を利用

複数の窓の位置(高さ)が異なる場合は、高低差によって生じる温度差を利用して空気の流れを作ると効果的です。暖められた空気は上へと流れる性質があるため、高い窓と低い窓がある場合は低い窓→高い窓へと空気が流れます。

4.窓が少ない・換気が難しい場合

窓が1つしかない部屋や、空気がこもりやすいスペースの換気には、扇風機やサーキュレーターを活用して空気を循環させましょう。上記の2でご紹介した方法も、ご参照ください。

換気の時間・回数

オフィスで換気を行う際は、できるだけ業務に支障をきたさず円滑な実施も考慮する必要があります。オフィスにおける換気の考え方について、一般的に提唱されているものを以下にご紹介します。

オフィスに必要な換気量

建築基準法第20条に基づいて算出されたオフィスの必要換気量は、「在室スタッフ1人あたり20m³/h」です。その一方で、空調・衛生工学会規格による必要換気量は「1人あたり30m³/h」となっています。このため一般的には、在室1人あたり30m³/hを満たしていれば十分な換気量にあたるとされています。この30㎥/hを浴槽の水にたとえると、浴槽1杯の水0.2㎥(200L)×150となり、お風呂150杯分もの換気が必要ということとなります。

必要な換気回数・時間

一般的には、「1時間あたり10分程度」の窓開け換気を実施することが理想的とされています。季節によっては室温に影響を及ぼす可能性もあるため、多くの場合は「換気1回あたり5分より少し短い時間とし、それを1時間に2度実施する」ことが望ましいといわれています。

換気対策と換気するときのポイント

より効率的な換気のために、適切な換気のタイミングを知ることも大切です。ここでは、換気対策のために取り入れると有効な方法や機器についてもご紹介します。

二酸化炭素濃度センサーの導入

二酸化炭素濃度センサーとは、室内の二酸化炭素濃度を測定し、その数値を目安に換気を促すシステムです。二酸化炭素濃度が一定値を上回ると記録が行われ、通知がされるため換気が必要となったタイミングがどなたにでも判断できます。
とても便利で有効なシステムですが、オフィスの室数が多い場合などは設置するセンサーの数も多くなります。センサーの数が増えると、管理が煩雑になるデメリットもあるため、導入を検討する際はその点も意識する必要があります。

換気扇の定期メンテナンスの必要性

オフィス内の二酸化炭素濃度を、継続的に基準内に収めるためには換気扇の定期的なメンテナンスも必要となります。
換気扇の点検や清掃などの定期メンテナンスに関して、社内対応が難しい場合は専門業者に依頼して清潔で好調な状態を維持しましょう。

換気扇の交換タイミングとは?

換気扇を稼働させてみて、以下の状況であれば機器を入れ換えるタイミングといえます。もしこれまであまり動かしていなかった換気扇を換気のために活用したい場合、必ず状態を確認して入れ換えの判断をしましょう。

  • スイッチを入れても動作しない
  • 普段の使用時と異なる音が気になる
  • 換気扇を動作させても、空気を吸い込まない

オフィス内のスタッフだけでは交換が必要かどうか判断することが難しい場合は、専門業者(取り付けを依頼した販売店など)に相談して早めに対処しましょう。

換気扇の定期的なメンテナンスとは?

換気扇はファンを回すことで空気を流動させる機器ですから、継続使用することで汚れが発生しやすい特徴があります。汚れが付着したままでは不衛生になりやすく、せっかく感染予防のために行っている換気の効果が適切に得られません。
オフィス内のスタッフが行える換気扇の定期的なメンテナンスは、おもに清掃に関することになります。

換気扇ファンのホコリ掃除

ファンにたまったホコリによる汚れを、ハタキやハンディモップなどで掃って落としましょう。ファンに油性の汚れがこびりついているときは、中性洗剤での拭き掃除や取り外しての洗浄が有効です。

ダクト清掃

換気扇の使用にともない、ファンが格納されている換気ダクトの内部にも、さまざまな汚れが付着しやすくなっています。掃き掃除や拭き掃除で、ダクト内の汚れもしっかり落としましょう。

もちろんこれらの清掃も、換気扇が高所や危険をともなう箇所に設置されている場合、スタッフの手で行うことは困難です。そのようなときには販売店や専門業者に相談し、メンテナンスを依頼しましょう。

ALSOKの換気ソリューションサービス

ALSOKでは、既存のオンライン警備システム「ALSOK-G7」に追加して導入が可能な「換気ソリューションサービス」をご提供しています。

ALSOKの換気ソリューションサービスは、ALSOK-G7に二酸化炭素濃度センサーを追加し、オフィス内のスタッフに換気の目安を自動通知する仕組みです。G7の既存配線を活用するため、G7を導入しているオフィスであれば追加工事も最小限で済みます。
すでにG7を導入済のオフィスはもちろん、これから機械警備の導入をお考えのオフィスも、セキュリティ対策と同時に換気対策を取り入れることができます。

換気対策の強化とともに、換気設備の定期メンテナンスの実施もALSOKにお任せください。ALSOKのファシリティマネジメントは、ビル管理の一環として換気扇など換気設備のメンテナンスもお引き受けします。

まとめ

オフィスの換気といえば、スタッフの健康状態を良好に保つことで業務効率の維持や向上に役立つものとされてきました。最近は感染対策としての有効性も叫ばれ、より屋内換気の必要性が強調される機会が増えています。
二酸化炭素濃度センサーによる換気お知らせ機能を備えた警備システムも登場し、より効果的・効率的な換気を実施するための選択肢がどんどん増えています。ぜひ今一度、オフィスの換気について見直しを図ってみてはいかがでしょうか。