今日はおうちレストランごちそう猪レシピ

冬のレシピ

脂をたっぷり蓄えた冬の猪肉のおいしさは格別です。寒い冬にピッタリの、体がぽかぽかと温まるレシピをご紹介します。

Recipe 1

スパゲッティ 猪肉のトマト風味ラグー和え

材料[4人分]

猪モモ肉・・・120g
水・・・適量
玉ねぎ・・・25g
にんじん・・・25g
セロリ・・・25g
にんにく・・・1/2片
ローリエ・・・1/2枚

(猪肉のトマト風味ラグー)

玉ねぎ・・・50g
にんじん・・・30g
セロリ・・・15g
白ワイン(辛口)・・・50ml
カットトマト(缶詰)・・・200g
猪モモ肉の煮汁・・・300ml
オリーブ油・・・30ml

スパゲッティ・・・320g
EXバージン・オリーブ油・・・20ml
パルメザン・チーズ・・・10g
パセリ・・・少量
塩、こしょう・・・適量

作り方

STEP1

猪モモ肉は2~3cm角に、煮込み用の玉ねぎ、にんじん、セロリは4~5cmに切る。
にんにくは皮を剥いて半分に切り、芽を取り除いたら、包丁の腹などで叩いてつぶす。

猪肉の下処理の方法についてはこちら

STEP2

猪モモ肉の煮込みを作る。
STEP1の材料とローリエを鍋に入れ、ひたひたになるまで水を注ぐ。強火にかけ、アクを適宜取り除きながら沸騰するまで加熱する。沸騰したら火を弱め、塩をひとつまみ加えて蓋をし、コトコトと沸く火加減で約1時間煮込む。10分おきに鍋の中を確認し、アクを適宜取り除き、肉が液体から出ている場合はかぶるように適宜お湯を加える。 猪肉に竹串がスッと刺さる程度まで柔らかくなったら、塩、こしょうで調味する。ザルなどで煮汁を漉し、煮込み用の野菜は取り除く。

STEP3

猪モモ肉の煮込みを粗刻みにする。にんじん、セロリ、にんにくをみじん切りにする。 フライパンにオリーブ油を入れて熱し、にんじん、セロリ、にんにくを入れる。塩をひとつまみ加えて、具材がしんなりするまで弱火でじっくりと炒める。
塩を加えることで野菜の水分が飛んで、甘みが出る。
猪モモ肉を加えて、中火で炒める。

※写真は2人分の分量です。

STEP4

STEP3に白ワインを加え、沸騰させてアルコール分を飛ばす。
カットトマトを加えて、さっと炒める。
具材がオレンジ色になったら猪モモ肉の煮汁を加え、沸騰させる。 

※写真は2人分の分量です。

STEP5

味見をし、必要に応じて塩、こしょうをひとつまみ加えて、弱火でコトコトと5分ほど煮込む。焦げないようにときどきかき混ぜる。肉が液体から顔を出すくらいまで煮込んで味を凝縮させる。

※写真は2人分の分量です。

STEP6

鍋に湯を沸かし、塩(湯の量の1%)を加える。沸騰した状態を保ちながら、スパゲッティをアル・デンテになるまでゆでる。
STEP5を火にかけて、ひと煮立ちさせる。
ゆで上がったスパゲッティをSTEP5に加えて、しっかりと和える。EXバージン・オリーブ油を加えて、さらに和える。
器に盛り、パルメザン・チーズと、パセリのみじん切りを振りかける。

※写真は2人分の分量です。

料理のポイント

じっくり煮込んだモモ肉は、とろっとしていながら歯ごたえがしっかり残り、口の中でうまみが広がります。合わせる麺はショートパスタやペンネ、ニョッキなどでもOKですが、太めの麺がおすすめです。季節に応じて、キノコやサツマイモ、山菜、豆などの具材を足してアレンジしてみてください。猪肉は味がしっかり出るので、どんな具材ともよく合いますよ。バジリコ等のハーブの風味を効かせてもよいでしょう。辛いのがお好きな方は、煮込むときに唐辛子を加えてみても。

Recipe2

香ばしく焼いた猪肉を添えたにんにくのスープ

材料[4人分]

猪バラ肉スライス・・・16枚
パン(バゲットなど)・・・40g
にんにく・・・12g
玉ねぎ・・・50g
オリーブ油・・・30ml
パプリカパウダー・・・大さじ1/2
チキンブイヨン・・・1リットル
卵・・・4個
パセリ・・・少量
塩、こしょう・・・・・・適量

作り方

STEP1

猪バラ肉スライスを半分に切り、片面にのみ塩を多めに振る。ラップをふんわりとかけて、冷蔵庫に30分間入れる。
パンを薄切りにして、焼き色がしっかりつくまでトーストする。 

猪肉の下処理の方法についてはこちら

STEP2

オリーブ油とにんにくのみじん切りを鍋に入れて中火にかけ、ゆっくりと香りを出しながら炒める。
にんにくがうっすらとキツネ色になったら火を止める。玉ねぎのみじん切りを加えて、しんなりするまで弱火でじっくりと炒める。にんにくと玉ねぎは焦がさないように注意しながらゆっくりと炒め、香りと甘みを十分に引き出す。 

STEP3

火を止めてパプリカパウダーを加え、余熱でさっと炒めて香りを出す。
チキンブイヨンを加え、沸騰させる。アクが気になったら適宜取り除く。
塩、こしょうをして、弱火でコトコトと15分ほど煮る。
パンを加えて、さらに5分ほど煮る。途中でパンをひっくり返したり、上からスープをかける。

STEP4

耐熱のスープ皿にSTEP3と全卵を入れ、250℃のオーブンで5分ほど加熱する(オーブンがない場合は、鍋に卵を落とす)。
猪バラ肉スライスの表面の水分を拭き取り、フライパンでキツネ色になるまで焼く。このとき、焦がさないように気をつける。
スープ皿に猪バラ肉スライスを盛りつけ、パセリのみじん切りを散らす。

料理のポイント

塩をしっかりと振ったスライス肉は、ベーコンのように香ばしく、カリカリの食感です。スープに加えてふわふわになったパンやまろやかな卵と一緒に食べると、クセになるおいしさ。また、ガツンと効いたにんにくと、発汗作用のあるパプリカパウダーで、体が芯から温まります。味にとがりのないスープなので、スープに入れるのは食パンや甘いパンではなく、バゲット等の塩気のあるパンのほうがよく合います。カリカリになるまでしっかりトーストするのがポイント!

Recipe3

猪鍋

材料[4人分]

(猪つくね)

猪モモ肉・・・300g
塩・・・小さじ1/2
片栗粉・・・小さじ2
おろし生姜・・・小さじ1
卵・・・1/2個
レンコン・・・50g

猪モモ肉スライス・・・200g
大根・・・1/2本
にんじん・・・1本
春菊・・・1束

(特製味噌ダレ)

味噌・・・50g
煎り胡麻・・・大さじ1
砂糖・・・小さじ1
七味唐辛子・・・小さじ1/2
きざみねぎ・・・15g

水・・・2000cc
昆布・・・10g

作り方

STEP1(つくね生地)

猪モモ肉を5mm角に切る。
レンコンは皮をむいて5mm角に切る。
ボウルに猪モモ肉、塩、片栗粉、おろし生姜、よく溶きほぐした卵、レンコンを入れて、よく混ぜ合わせる。

猪肉の下処理の方法についてはこちら

STEP2(野菜)

大根とにんじんは皮をむき、ピーラーを使ってスライスする。
春菊は葉と茎に分けて、茎の太い部分は縦半分に切る。それぞれ5cmくらいの長さにする。

STEP3(特製味噌ダレ)

すり鉢に煎り胡麻を入れて、よくすり混ぜる(すり鉢がない場合は、市販のすり胡麻を使う)。
味噌、砂糖、七味唐辛子を加えて、さらにすり混ぜる。
全体が混ざれば、きざみねぎを入れて混ぜる。

STEP4

鍋に水と昆布を入れて火にかける。昆布の味が出てきたら昆布を取り出す。
沸騰直前の昆布だしに、つくね生地を濡らしたスプーンで丸めて入れる。
つくねに火が通ったら取り出し、ゆで汁を漉す。
土鍋に漉したゆで汁を入れ、沸騰させたら野菜や猪モモ肉スライスを入れて火を通す。つくねは温める。鍋から煮汁を少し取り出し、特製味噌ダレを調整しながらいただく。

料理のポイント

昆布だしが効いた煮汁は、猪肉の味を引き出し、野菜にもうまみがたっぷり染みこみます。猪つくねは、ミンチ肉を使わずブロック肉を切ることで、弾力が残るので、ひと手間ですがお試しください。さらにレンコンのシャキシャキとした歯ごたえで、食感に変化が出ます。猪モモ肉スライスは、適度な歯ごたえがあり、噛めば噛むほどお肉のうまみを感じられます。特製味噌ダレの味噌は、お好みの味噌を。白菜やほうれん草、きのこなどお好きな野菜を入れてもよいでしょう。締めにごはんやうどん、餅などを入れて、最後の一滴まで味わってください。

レシピ監修者

辻󠄀調理師専門学校 西洋料理教員

秋元 真一郎 氏

千葉県出身。1992年エコール 辻󠄀 東京(辻󠄀調グループ)卒業。
テレビ「料理天国」「どっちの料理ショー」、映画・ドラマの監修などメディア協力多数。
2017年より日本ジビエ振興協会との共催で、全国各地で国産ジビエ料理セミナーを行なうなどジビエの利活用促進に尽力。
農林水産省ジビエ利用拡大専門家チーム構成員。

辻󠄀調理師専門学校 日本料理教員

野中 覚 氏

東京都出身。2004年エコール 辻󠄀 東京(辻󠄀調グループ)卒業。
テレビ「二人の食卓」、ドラマ「高校生レストラン」などに協力。日本ジビエ振興協会との共催で、全国各地で国産ジビエ料理セミナーを行なうなどジビエの利活用促進に尽力。