安全かつ快適な環境を作るビル管理・清掃のポイントとは

2019.03.29 (2020.02.14修正)

オフィスビルやテナントビル、ホテル、商業施設、学校など、さまざまな建物において、安全で快適な環境を維持するためには設備等の管理・清掃といったメンテナンス業務が必須。ビルメンテナンスは利用者が気持ち良く過ごすためだけでなく、建物の寿命やランニングコストにも関わる重要事項です。
オーナーや責任者は、ビルのメンテナンスについてどのように考えていくべきなのでしょうか。管理・清掃の重要性から必要なメンテナンス内容の事例、業者を検討するうえで知っておきたい業界の事情や費用まで解説していきます。

ビルの運用における管理・清掃の重要性

ビルには寿命があります。RC・SRC造の場合、建物自体の寿命は100年以上に及ぶと言われます。そして、建物の寿命を延ばすうえで重要な役割を果たすのが、設備管理や清掃といったメンテナンスです。いかに丈夫なビルであっても、日頃のメンテナンスや必要に応じた修繕などを行わなければ寿命は短くなってしまいます。

私たちは普段、特に何事もなくビルを利用していますが、ビルを機能させるにも適切なメンテナンスが欠かせません。しっかりとビルを管理していなければ、いずれ不具合をきたし、やがては重大なトラブルにつながる恐れがあります。設備管理や清掃といったメンテナンス業務があって初めて、安全・快適にビルを利用できるのです。

例えば、ビルの空調や電気が使えるのは当たり前のことですが、突然それが使えなくなってしまったらどうなるでしょうか。自社の従業員が働くオフィスビル等の場合、空調が停止すれば、特に夏場や冬場は厳しい環境の中での業務を強いられることになります。電気がなければ、業務の継続すらままならないでしょう。テナントビルや一般のお客様が利用する建物の場合も多大な迷惑をかけることになり、深刻な問題に発展する可能性もあります。

また、ビルの衛生環境は利用者の印象を左右するだけでなく、そこで働く従業員や来訪者、お客様の居心地、健康にまで影響を及ぼすものです。それは企業や施設の評価にもつながり、きちんと整備しておかなければ賃料やリーシング、集客力などに響く可能性もないとは言い切れません。

ビルの環境を維持するために必要なメンテナンス業務

それでは、ビルの環境を維持していくためには具体的にどういったメンテナンスをしていく必要があるのか、例を挙げながら解説していきましょう。

設備管理について

メンテナンスが必要な設備の代表例を具体的に挙げると、以下のようになっています。

空調設備
空調に関わる、ボイラー等が設置された機械室を指します。
電気設備
電気系統を調整する電気室を指します
衛生設備
水の使用に関する屋上や地下にある水槽などの水回りを指します。

上記のような設備に万一トラブルが発生してしまうと、ビルそのものの機能にも大きく支障をきたすかもしれません。

トラブルを予防するためには、日常的に巡回しながら設備に異常がないか点検したり、経年劣化による故障等を防ぐために定期的に部品を交換したりする必要があります。こういった作業は資格が必要となる場合も多く、決して素人が対応できるものではありません。異常を放っておけば、さらに大きな問題に波及することもあります。また、建物が大規模になればなるほど、これらの業務の重要性は高くなるでしょう。

清掃について

衛生面に関しては、清掃の頻度や質によってビルの環境に差が出てきます。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」においては、建物の衛生的環境を確保すべきことが定められており、多くの人たちが利用するビルはさまざまな要件を満たさなければなりません。

ビルにおけるおもな清掃ポイントは、以下のようになっています。

空気環境測定

ビル衛生管理法という法律で、建物内の空気中にある成分の測定が求められています。それに基づき、不特定多数の人が利用する建造物の所有者には2か月に1回、各階の空気環境の測定が義務付けられています。この測定を怠ることや、測定結果が基準値を満たさない場合には罰則が適用されることもあります。

給水管理

ビル衛生管理法に基づき、水質検査を6か月に1回、残留塩素等の測定を7日に1回実施しなければなりません。また、自治体ごとに基準が定められている場合もあります。東京都の場合、水質検査は6か月以内に給水系統ごとに行い、残留塩素等の測定は毎日給水系統ごとに実施するとされています。

排水管理

ビルなど多くの人が立ち入る建物からの排水は、一般家庭よりも汚れやすい傾向にあるため適切な排水管理が必要です。排水設備に清掃を怠らないことに加え、排水口にごみや油などを流さないようにするなど、日ごろからの排水管理の徹底も重要です。

ねずみ・こん虫等防除

ねずみや害虫による建物内の汚染を防ぐため、ビル衛生管理法に基づき6か月に1回ねずみ・こん虫の防除を行わなければなりません。東京都の基準では、6か月に1回の防除に加えて1か月に1回生息状況等の点検を行うこととなっています。

当たり前のことですが、きちんと清掃を行わなければ美観を損ねるだけでは収まらず、ビルの劣化を早めてしまったり、ニオイや害虫といった実害を引き起こしたりする可能性があります。場合によっては、利用者のクレームにつながることもあるでしょう。そうならないためには日頃からの清掃が不可欠ですが、簡単な清掃と業者が行う本格的な清掃は別物であることも、ビルを管理するうえで認識しておきたいポイントです。

法律で定められた点検・管理

上記に挙げた基本的な設備管理や清掃のほか、必ず行わなければならないのが、法的に義務付けられた点検・管理です。

例えば、一定以上の規模のビルでは、汚水槽の清掃を年に2回(異なる地域もあり)行うことが義務付けられています。また、エレベーターや万が一の火災に備えた消防設備の点検なども法律で定められています。こういった業務を確実に行っていなければ、行政指導が入り、最悪の場合にはビルが使用できなくなってしまう可能性もあります。

また、以下の防災設備については法令に基づいた点検・管理が必要です。

消火設備
消火器や消火栓
警報設備
火災報知器
避難設備
誘導灯、避難はしご、救助袋

消火設備と警報設備、避難設備については消防法に基づき、6か月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検が義務付けられています。

防火設備
防火扉、防火シャッター

防火設備については、建築基準法の定期報告制度に基づき、年1回定期点検を行ってそれを報告することが義務付けられています。

ビルメンテナンス業者を選ぶ際に知っておきたいこと

ある程度規模が大きなビルであれば、基本的に管理業務を専門のビルメンテナンス業者に委託することになるでしょう。

なかには、業務内容によって複数の業者と契約しているビルもあるかもしれません。複数の業者と契約している場合、設備管理・清掃、場合によっては警備まで、カバー範囲の広いひとつの業者にまとめることで運用を効率化できる可能性があります。業務の性質上、コストはあまり変わらないものの、窓口が一本化でき、それぞれの連携も取りやすくなります。
業務の内容によって業者を分けているという場合は、一度ビルメンテナンス業者を見直してみましょう。

ビルメンテナンス業者に委託するコストについて

しかし、管理業務を委託するうえで気になるのがコストです。管理費は、ビルの運用上欠かすことのできないランニングコストに含まれます。ライフサイクルコストを抑えるためにも、メンテナンスの費用はできるだけ節約したいところでしょう。

ここで注意すべきが、メンテナンスの費用は品質に直結する可能性が高いという点です。清掃をはじめとするビルメンテナンス業務は労働集約型。人件費が費用の多くの割合を占め、業者がより安い単価で業務を請け負うためには、人件費を削るしかありません。しかし1人あたりの賃金は減らせないため、人件費を削減するためには、より少ない人員・時間でたくさんの業務を回すことになり、それは品質の低下を招く恐れがあるのです。

このようにビルメンテナンス業者を選ぶ際は、単に費用が安い業者を選べばよいというわけではありません。費用対効果を高めていくためには、メンテナンス業務の重要性や特徴をきちんと理解して業者を選ぶことが重要です。

ALSOKのビル管理・清掃業務

ALSOKでは警備業界最大級のグループネットワークを活かし、全国のオフィスビル・テナントビルやホテル、商業施設、学校など、あらゆる建物の管理・清掃業務を行っています。ALSOKならではの警備業務までワンセットでご依頼いただくことも可能です。長年培ってきた豊富な実績と経験・技術で、お客様の施設に高品質なサービスをお届けします。 ALSOKグループでは、現場で大きな力となる人材の育成に努めており、建築物環境衛生管理技術者や電気工事士、ビルクリーニング技能士など、メンテナンス業務に関わるさまざまな資格の保有者が多数在籍しています。

現場に常駐する人材までが有資格者であることは、業界における強みのひとつ。日頃からきめ細かいサービスを提供できるだけでなく、状況に応じて適切な提案をしたり、トラブル発生時も臨機応変に対応したりすることが可能です。さらに、独自の品質基準に基づいて業務を管理する体制を構築しており、定期的なスペシャリストによる監査を行うなど、より安心して利用できる施設づくりをお手伝い致します。

まとめ

今回は、ビル内外の環境を安全かつ快適に保つためのビル管理・清掃のポイントについてご紹介しました。
入居者や訪問者が安心して利用できるビル環境を維持するには、法令を遵守した適切な管理の実施が不可欠です。管理・清掃を効率化しつつ、より良い環境づくりをしたいとお考えであれば、ぜひ1度ALSOKにご相談ください。

参照URL

防火設備の定期検査とは – 定期報告net
https://www.teikihoukoku.net/boukasetsubi-kensa/#i

法改正(平成28年6月) 対象建築物の政令指定、防火設備検査の新設、資格者制度の見直し – 定期報告net
https://www.teikihoukoku.net/houkaisei-h28june/

消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票 | 火災予防等 | 総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/post-1.html

経営者のみなさん-排水管理してますか?(その1)/千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/suiho/haisui/koujou/keieisha/keiei.html

ビル衛生管理法
http://www.ginzakasei.net/buil.html

東京消防庁<安全・安心情報><事業所向けアドバイス><消防用設備等点検報告制度>
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/office_adv/tenken_houkoku/index.html