事務所荒らし・空き巣に狙われないための対策とは

2017.03.30

【図】侵入窃盗の発生場所別認知件数(平成27年) 一戸建住宅:41.6% マンション:17.5% 一般事務所:12.9% 生活環境営業:8.3% 商店:7.5% 金融機関など:0.1% その他:12.1% 出典:警察庁発表の「侵入窃盗の発生場所別認知件数」(平成27年)

警察庁発表の「侵入窃盗の発生場所別認知件数」(平成27年)によると、一戸建て住宅(41.6%)、マンション(17.5%)に続いて侵入窃盗被害が発生しているのが、一般のオフィスや事務所(12.9%)です。※図参照 事務所荒らしや空き巣に狙われないようにするには何をすればいいのでしょう。オフィスの防犯対策についてまとめます。

事務所荒らしとは?

事務所荒らしとは、会社等の事務所・オフィスに侵入して金品などを窃盗する犯罪のことです。防犯システムや防犯カメラなどの普及によって被害は減少傾向にあるものの、先にも述べた通り、一戸建て住宅やマンションに次いで事務所が侵入窃盗のターゲットになっています。

「事務所に金目のものは置いていない」と考える方も多くいますが、実際のところ被害件数が多いのが事実です。事務所は営業時間外になると無人状態になる場合がほとんど。そして複数のテナントの従業員が出入りするビル、休日は人通りが少ないビジネス街のビルにある事務所など、“侵入しやすい”事務所が多数存在していることが大きな理由となっています。

テナントビルの場合、従業員や業者のふりをして正面から堂々と入ることも容易く、さらに一度ビルに入れば複数の事務所を狙えるということも犯人からすれば好都合。夜間のビジネス街なども、ほとんど人がいないため少々荒っぽい侵入をしても発見されない場合が多いのです。

事務所荒らしではどんなものが狙われている?

オフィスへの侵入窃盗、いわゆる事務所荒らしではどのようなものが盗まれるのでしょうか。多いのは現金、金庫、OA機器などです。金庫や大型のOA機器は重量もあって盗難されにくいと思われがちですが、台車などを使ってそのまま運び去されるケースが増えています。

金品は事務所内に置いていないという場合でも、備品、電子機器、個人情報、機密情報などが盗まれてしまうこともあります。PCやノートPCは狙われる確率も高く、運び出されると現物を失うだけでなく情報も流出してしまう可能性があるため、特に注意が必要です。

事務所荒らし被害の事例

事務所荒らしの被害はさまざま。単に金品が盗まれるだけでは済まないケースも非常に多くなっており、そもそも侵入されないような事務所作りを進めていかなければなりません。

近年は金庫の盗難被害が増えており、複数人数のグループによる犯行で100kg以上もある大型金庫をそのまま持ち去られるという例も実際に起こりました。現金だけでなく金庫内にあった株券や手形、権利書、機密書類なども同時に盗まれ、被害額は数千万円を超えています。

また、PC狙いの窃盗団が事務所のPC・ノートPCを一挙に盗み、ネットオークションで販売するという事例もありました。PCの盗難では、PCそのものや必要なデータを失ってしまうだけでなく、個人情報が漏洩したことが大きく報道されて賠償問題に発展したり、顧客リストなどを使った恐喝を受けたりする場合もあります。

一方で、内部の従業員・元従業員が休日の事務所に侵入してデータを盗むというケースなども。また、モノや情報は盗まれなかったとしても、盗むものがなかった腹いせに事務所を荒らしたり放火したりするケースもあり、事務所荒らしの被害は幅広くなっています。

狙われやすい事務所の特徴

侵入窃盗の被害に遭いやすい事務所には共通した特徴があります。まず休日や夜間に無人になるビルやオフィス。加えて、オフィス街などにあって、休日や夜間は人通りが少なくなる場所は、空き巣が狙いやすい立地とされています。

また、テナントなどが入っていて、誰でも自由に出入りできるビルも狙われやすい典型です。出入り口に警備員(ガードマン)がいない、照明が暗い、防犯・監視カメラの台数が少ないなど、セキュリティが甘いと見て判断されるような構えのビルや事務所も当然狙われます。窓から侵入しやすい構造、状況にあるビルも意外に多く、これも危険度が高いと言えます。

事務所荒らしや空き巣の侵入手段とは?

事務所荒らしや空き巣が侵入する手段で目立つのは、まずピッキングやサムターン回し、特殊な器具の使用によってドアが開錠されるケースです。ピッキングは針金のような専用工具を用いて錠前を開錠するもので、対策がされていないと数秒から数分で開錠される場合もあります。また、サムターン回しはドアにドリルなどで穴を開け、金属の棒を使用して内側のサムターン(つまみ)を回してロックを外す手口です。

ドリルやホールソー(木材や金属板に穴を開けるために、電動工具に取りつけて使われる円状の刃)を使って錠前が壊されることもあります。ドアを開けられれば、容易く事務所内に入り込まれてしまいます。

荒っぽい手口としては、ドアそのものを取り外す「戸外し」という方法もあります。また、錠壊しと似ていますが、ドアの隙間からバールなどを差し込んでドアの一部を変形させ、強引に開ける「こじ破り」という方法もよく見られます。ビル内の事務所のドアは、一部ガラスが使われていることが多く、このガラスが破られることもあります。窓も同様です。これら以外には、合鍵を作られていたり、セキュリティカードが盗難されて使われたりと、やや特殊なケースも考えられます。

事務所荒らし・空き巣の侵入手段についてはこちらも参考にしてください。

事務所荒らしの防犯対策

問題は上記のような事務所荒らしを、どのようにして防ぐかです。ドアや窓には二重ロック、補助錠を備えるのが基本。ドアの鍵も防犯性の高いタイプに交換することを考えたほうがよいでしょう。ピンが1列に並んでいるピンシリンダー錠などはピッキングされやすいため、ピンが複数方向から刺さっている構造のディンプルキーなどがおすすめです。

ドアの素材・構造を防犯性の高いものにする

犯人はガラスを破って開錠する手口が多いため、ガラスを防犯ガラスに変更したり、ガラス破りを防止する防犯フィルムを貼ったりすると効果的。さらに二重ロックや二重窓にすることで容易には侵入できなくなります。ドアについても、壊れにくい頑丈な素材・構造のものにするのもいいでしょう。

防犯・監視カメラや侵入検知センサーを設置する

ドアや窓といった侵入されやすいポイントに防犯・監視カメラや侵入検知センサーを設置することも有効です。防犯カメラはクラウドを介してスマートフォンなどで遠隔地からでもチェックすることもできます。

金庫を防犯性の高いものにする

金庫は防犯金庫で複数の鍵があるものや丈夫な丁番のものがよいでしょう。床にボルトで固定したり、車止めをつけたりして簡単には持ち出されないようにすると同時に、金庫内に振動検知センサー・ショックセンサーなどを設置して、異常時に威嚇や管理者へ自動通報が行われるようにしておくと安心です。

警備員を配置する

最も効果があるのは、警備員(ガードマン)がオフィスの出入り口で立哨(りっしょう)する常駐警備です。これに次ぐのが監視カメラ映像や画像を遠隔監視し、異常があれば警備員(ガードマン)がかけつける機械警備です。これらの方法は事務所だけでなく、店舗セキュリティでも効果を発揮します。

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一方、鍵やセキュリティカードの紛失、盗難、退職者による持ち帰りなどに対しては、紛失や盗難が判明した時点で該当する鍵、カードを無効にするなどの対策マニュアルを整備しておきましょう。退職者が出たら念のため暗証番号を変更するなどのルールも決めておくことが必要です。

事務所のセキュリティを強化するメリット

事務所荒らしの実態や対策などについて解説してきましたが、事務所・オフィスのセキュリティを強化することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。事務所荒らし被害に遭ってしまうと盗難による損害が生まれるだけでなく、社会的信用が低下してしまったり、情報の漏洩などの賠償によって大きなダメージを受けたりすることになります。

現代において情報は企業の大きな財産のひとつ。顧客データなどは売上に直結する重要な情報です。さらに、企業の社会的責任が増大し、個人情報の扱いなどにも厳重な注意が必要となった今、事務所内のPCが盗まれるような事態は大きな問題となる可能性が非常に高いと言えます。

反対に、情報を含め事務所のセキュリティ対策を万全にしておくことは、企業の貴重な財産を守るという意味だけでなく、顧客信頼度や企業イメージの向上にも一役買うことでしょう。また、セキュリティがしっかりしていることは従業員の安心材料となるとともに、セキュリティや防犯に対する意識を高めることにもつながるはずです。

防犯カメラの適切な設置方法

機密書類・データなどの保管庫、金庫を設置してある部屋、サーバールームなどは、生体認証などが使用できる最新の入退室管理を行うほか、防犯カメラも設置することが必須と言えます。ほかにも受付、事務所の出入り口(オフィスドア)、ビルのエントランスなども防犯カメラを備えることで防犯性と抑止力を高められます。ビル外になる出入り口前、駐車場、そのほか人通りや照明が少ない薄暗い場所なども設置の候補となります。

防犯カメラは、録画装置や入退出管理システムと連動させることで、入退出者を自動録画することができます。さらに機械警備を活用して強固な防犯システムを確立することも検討すべきでしょう。

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事務所セキュリティを徹底させることは、会社を守り、企業価値を向上させることにつながります。事務所荒らし・空き巣を寄せ付けない事務所作りを心がけてください。