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キャッシュレス決済で知っておきたい種類や導入方法とは?

キャッシュレス決済で知っておきたい種類や導入方法とは?
2020.08.25

キャッシュレス決済とは、現金以外で代金の支払いを行うすべての決済手段を指す言葉です。馴染みのある手段としては「クレジットカード決済」や「電子マネー決済」がありますが、近年は「QRコード決済」など新たな決済方法も台頭しています。

日本でのキャッシュレス決済導入は、海外と比較して遅れていると指摘されています。経済産業省の調査によると、2016年現在のキャッシュレス決済導入率は韓国の96.4%を筆頭に中国や英国なども60%超であることに対し、日本では僅か20%弱です。

各国のキャッシュレス比率(2016年)

2025年の大阪関西万博等の開催を控え、国際社会の一員としてさらなるキャッシュレス化を進めていく必要があると考えられています。

キャッシュレス化のメリット

キャッシュレス化のメリット

店舗などで決済業務のキャッシュレス化を進めることには、消費者側と企業・店舗側それぞれに複数のメリットがあります。

1.消費者側のメリット

店舗を利用する消費者がキャッシュレス化で得られるメリットの代表的なものには、「支払いをスピーディに行える」という点があります。都度財布を取り出して小銭を探すなどの手間が省け、煩わしさがありません。

また、多くのキャッシュレス決済では利用特典としてポイント還元サービスを用意しています。同じ金額の買い物をしても、現金からキャッシュレス決済に替えるだけでポイントを効率よく貯めることができます。

また最近は新型コロナウイルス感染症の流行により、さまざまな場で人との接触機会を減らす取り組みが実施されています。キャッシュレス決済を利用することで、不特定多数の人の手を経由する現金に触ることなく支払いを済ませることが可能です。

2.企業・店舗側のメリット

消費者側のメリットである「支払いのスピード化」が実現することで、同時に店舗側にも「業務を効率化できる」というメリットが生じます。また、日々会計を締める際も現金を数えて帳簿と照合するなどの手間が省けるため、会計処理の効率化につながります。

また、キャッシュレス決済を利用してもらうことでその場で確実にその日の売上とできるため、代金を回収できない事態を回避することが可能です。
ポイント還元については消費者側のメリットでも述べていますが、消費者にポイント還元の形で特典を配布することで顧客の獲得ができる点は店舗側のメリットとなります。

海外からの観光客など、言葉によるコミュニケーションを上手く取れない場合にも、キャッシュレス決済を利用してもらうことでスムーズに決済処理を行うことができます。

キャッシュレス化の背景

キャッシュレス化の背景

国内でキャッシュレス化の推進が図られていることには、どのような社会的背景があるのでしょうか。

1.経済産業省による「キャッシュレス・ビジョン」

キャッシュレス・ビジョンは、平成30年4月に経済産業省キャッシュレス検討会によって策定されました。
国内のキャッシュレス決済比率を「2027年までに40%」とした目標の達成を、2025年開催の大阪関西万博に向け前倒しする施策展望です。またその先の将来へ向けては、キャッシュレス決済比率80%をめざして取り組むとされています。

2.キャッシュレス化推進の背景

国を挙げてキャッシュレス決済のさらなる普及を進めている背景には、2010年代以降からの外国人観光客の急増があります。現金の場合は訪問国の通貨に両替することが必要ですが、キャッシュレス決済の準備さえできていれば両替をする手間がありません。また先にも述べた通り、言葉が通じにくい状況でも正確でスピーディな決済処理が可能です。

また2019年10月から2020年6月にかけては、対象の店舗でキャッシュレス決済を利用することで最大5%のポイントが還元される消費者還元事業「キャッシュレス・ポイント還元事業」が行われました。
これらの社会的背景や施策により、国内では海外と比較し遅れているといわれていたキャッシュレス決済の普及へ向けた取り組みが加速されている状況です。

キャッシュレス化への取り組み

キャッシュレス化への取り組み

先にご紹介したキャッシュレス・ポイント還元事業は2020年6月で終了しましたが、今後も国内ではさらなるキャッシュレス決済普及に向けた取り組みが実施されます。

「マイナポイント」とは?

マイナポイントは、国民一人ひとりが保有する「マイナンバー」を活用した、キャッシュレス決済によるポイント還元事業です。利用希望者は、マイナンバーカードを申し込んで作成し、マイナンバーカードを経由して任意のキャッシュレス決済を選択します。選択したキャッシュレス決済を店舗で利用(チャージ・支払いのいずれか)することにより、最大25%(上限5,000円分)のポイント還元が受けられるという仕組みになっています。

マイナポイントの申し込み方法

利用を希望する方は、まずマイナンバーカードを申し込んで取得します。マイナンバーカードを申し込んだ際に設定した「数字4桁のパスワード(暗証番号)」を準備しておきましょう。その上で、マイナンバーカードと連携したい決済サービスを選び、そのIDとセキュリティコードを準備しましょう。なお選択する決済サービスによっては、事前に登録を行う必要があります。

上記の準備ができたら、各自のスマートフォンかパソコンでマイナポイント利用の予約・申込を行います。所定のアプリのダウンロード・マイナポイントのホームページでの手続きが必要です。パソコンやスマートフォンからの手続きができない場合は、全国にあるマイナポイント手続きスポットにある支援端末から予約・申込が可能です。

申込の際にはマイナポイントを取得したい決済サービスの登録が必要になりますので、その際事前に準備したIDとセキュリティコードを入力します。申し込み画面のリンクにしたがい、決済サービスを選んで登録します。一度申し込んだ決済サービスの変更は出来ません。

マイナポイントの申込は7月から受付を開始していますが、利用開始は2020年9月からを予定しています。2021年3月までの期間限定キャンペーンのため、利用者は早めの申し込みが必要です。

マイナポイントを利用するメリット

マイナポイントを利用するメリットは、消費者側ではなんといっても最大25%という高い比率でポイント還元を受けられる点でしょう(上限は5,000円分)。また事業者側としては、取り扱っている決済サービスを利用する顧客を獲得できる点がメリットとなり得ます。
また、キャッシュレス決済事業者に対しては、マイナポイント付与に関する補助や事務費の補助として「マイナポイント事業費補助金」が給付されるメリットもあります。

キャッシュレスは3つに分類される

キャッシュレスは3つに分類される

消費者が利用できるキャッシュレス決済には、さまざまな種類があります。ここでは、決済方法ごとにキャッシュレス決済の種類を3つに分けてご紹介します。

1.前払い制のキャッシュレス決済

消費者自身が事前にチャージを行う「前払い」の方式(プリペイド型)で利用できるキャッシュレス決済です。「電子マネー」と呼ばれているものが、前払い制のキャッシュレス決済の代表格であると説明すると分かりやすいでしょう。電子マネーにはSuica、PASMOなどの「交通系ICカード」や、nanacoやWAONなどの「流通系ICカード」が含まれます。

2.即時払い制のキャッシュレス決済

カードで決済を行うと、その時点で消費者自身の口座から自動引き落としが行われるキャッシュレス決済です。おもに銀行などが取り扱っている「デビットカード」がこれに該当します。日本国内ではまだデビットカードの普及はそれほど進んでいませんが、海外では2000年代頃から広く普及が進んでいます。

3.後払い制のキャッシュレス決済

こちらは、決済処理を行った翌月や翌々月などに口座引き落としが行われる後払い式(ポストペイ型)キャッシュレス決済です。代表的なものには「クレジットカード」が挙げられます。また携帯電話の料金と合算して後から請求される「キャリア決済」も、後払い制キャッシュレス決済に含まれます。

4.QRコード決済は「何払い制」のキャッシュレス決済?

上記3つのキャッシュレス決済に、「QRコード決済」が含まれていないことに気づいた方も多いでしょう。QRコード決済は、決済サービスによって支払いの仕組みが異なります。このため、「前払い」に含まれるものもあれば「後払い」に含まれるものもあると考えて良いでしょう。また決済サービスによっては、利用者が支払い方法をその都度決めて利用できる場合もあります。

代表的なキャッシュレス決済

代表的なキャッシュレス決済

キャッシュレス決済サービスにはさまざまな種類がありますが、今度は決済方法ごとにさらに詳細な特徴をご紹介します。

1.電子マネー

電子(デジタル)データで決済手続きを行う決済手段全般を指します。交通系・流通系ICカードやQRコード決済、携帯・スマートフォン決済など通信によって決済が完了するサービス全般が広義に「電子マネー」と呼ばれます。また、電子マネーの利用には利用者個人に関する審査が必要ない点も特徴です。このため、利用開始に際して個人審査が必要なクレジットカードは電子マネーには含まれません。

2.プリペイドカード

電子マネーのなかでも事前に決まった金額をチャージし、そのチャージ分だけ利用できるカード決済がプリペイドカードです。SuicaやPASMOなどの交通系ICカードや、nanaco、WAONなどの流通系ICカードが代表的なプリペイドカードです。また、クレジット会社などが発行する審査不要の「プリペイド型デビットカード」も含まれます。

3.クレジットカード

クレジットカードは決済の段階では一旦クレジットカード会社が支払いを代行し、後で利用者への請求を行う形で決済が行われます。後払いという意味で「ポストペイ型」キャッシュレス決済とも呼ばれます。

4.デビットカード

利用者の銀行口座と紐づけがされており、決済を行った時点で利用者の口座から直接代金の引き落としが行われる決済サービスです。銀行が口座の利用者に対して発行するものが中心で、銀行キャッシュカードと一体になっているものも数多くあります。口座と紐づくタイプの「即時決済型デビットカード」のほか、クレジット会社などが発行している「プリペイド式デビットカード」もあります。こちらは、コンビニエンスストアなどでどなたでも入手でき、都度チャージを行っての利用が可能です。

5.QRコード決済

スマートフォンの画面に表示されるQRコードを店頭の端末で読み取り、決済を行います(店頭で提示されるQRコードを、利用者のスマホなどで読み取る形のものもあります)。「○○ペイ」「○○払い」などの名称で、スマートフォンアプリ経由で利用できるものがほとんどです。
支払いのタイミングは決済サービスによってプリペイド型、ポストペイ型があり、都度利用者がいずれかを選択の上利用できるサービスもあります。

6.スマホ決済

スマホ決済とは「おサイフケータイ」「Apple Pay」などに代表される「非接触型モバイルアプリ決済」を指します。スマートフォンに内蔵されているICチップと専用アプリが連携し、端末を店頭の専用機器にかざすことで決済を行います。こちらにもQRコード決済と同様プリペイド型、ポストペイ型があり、それらの両方が利用可能なものもあります。

キャッシュレス決済を導入するには

キャッシュレス決済を導入するには

最近では大手チェーンのみならず、個人が経営する店舗においてもキャッシュレス決済を導入するケースが増えてきました。キャッシュレス決済を導入する方法や、方法ごとの手順などについてご紹介します。

1.キャッシュレス決済の導入方法

キャッシュレス決済を店舗で導入する方法は、大きく分けて以下の2つです。

キャッシュレス決済事業者と直接契約する方法

決済サービス会社1社ずつと、直接個別で契約を結んで利用する方法です。決済事業者が用意する専用端末を契約したサービスの数だけ用意し、それぞれのサービスの締め日や入金日に合わせて会計管理を行う必要があります。

決済代行会社を経由して契約を行う方法

キャッシュレス決済を代行する会社1社と契約し、複数のキャッシュレス決済サービスを同時利用する方法です。決済代行会社が用意する端末1台で複数の決済サービスを利用可能で、入金日なども統一されるため会計管理が効率化できます。

2.導入・維持管理にかかるコスト

上記2つの導入方法によって、導入時および維持管理にかかるコスト面でも違いがある場合があります。

端末導入にかかるコスト

決済事業者1社と契約するごとに専用端末を1台ずつ導入する必要があり、それらの導入コストが契約した事業者の数だけかかります。
決済代行会社を経由して契約を行った場合は、代行会社で利用可能な決済事業者すべてに対応する1台の端末を導入することで決済の取り扱いをスタートできます。端末導入コストも、1台分で済みます。

決済にともなうネット通信費用

決済を実行する際にはインターネット通信を行うため、店舗にインターネット回線を設置する必要があります。こちらは導入方法によって大きな違いはありませんが、モバイルまたはWi-Fiなどの安定した回線の設置にともなうコストと維持費はともに必要となります。

決済手数料

各決済事業者に所定の決済手数料を支払う必要があります(ほとんどの事業者で手数料率3%台)。決済金額に手数料率を掛けた金額を、事業者に支払わなければなりません。1社ごとに契約する場合はその支払日が事業者によって異なるなど手続きが煩雑になりますが、決済代行会社を経由する場合はワンストップで手続きが可能です。

3.導入に対する補助金事業など

キャッシュレス決済の導入に際して事業者に設けられていた補助金制度には「キャッシュレス・消費者還元事業」に関する補助金と「軽減税率対策補助金」がありました。しかし、いずれも2020年8月現在は受付を終了しています。

ただし経産省によるキャッシュレス・ビジョンでは今後もさらなるキャッシュレス化を推進する意向が表明されており、新たな制度が設けられる可能性もないとはいえません。

4.キャッシュレス決済導入に際しての課題

キャッシュレス決済導入に際しての課題

キャッシュレス決済には業務効率化や顧客の定着など、企業・店舗にとっても多くのメリットがあります。しかし、課題もまだいくつかあるため、導入の際にはそれらも意識して活用していくことが必要です。

アプリの利用に関する課題

QRコード決済やスマホ決済では、利用者が専用アプリをインストールすることが前提とされています。スマートフォンなどのモバイル端末を持たない人は利用が困難であるという点は、キャッシュレス決済を推進する上で大きな課題となっています。
また、電子決済に馴染みの薄い高齢者の方などへいかに利用推進を図っていくかも、今後の課題のひとつでしょう。

セキュリティ管理に関する課題

キャッシュレス決済の実行時には、インターネット回線を必ず利用します。また決済においては利用者の個人情報等を都度やり取りするため、セキュリティの強化が必須となります。

現金との分別管理に関する課題

キャッシュレス決済の導入後も、現金決済を行う顧客がいます。キャッシュレス決済を導入することで現金を管理する手間とリスクがなくなるわけではないため、売上金や釣銭の管理なども並行して行っていかなければなりません。

ALSOKマルチQR決済ソリューション

ALSOKマルチQR決済ソリューション

ALSOKでは、8種のキャッシュレス決済に対応した「マルチ決済ソリューション」を取り扱っています。代表的な8つの決済サービスを端末1台で利用でき、初期費用も端末1台あたりの導入につき38,500円と低コスト。その端末も、金額入力からお客様・加盟店控えの印字まで1台で行え、とても機能的で使い方も簡単です。決済システムと端末の維持管理および保守がセットになった、警備会社のALSOKならではのキャッシュレス決済ソリューションです。

まとめ

2020年上半期まで行われた「キャッシュレス・消費者還元事業」を契機に、消費者がキャッシュレス決済を利用する習慣はかなり定着したといえます。今後もキャッシュレス・ビジョンに則り、わが国におけるキャッシュレス化の流れは加速を続けるでしょう。

キャッシュレス決済の導入は、少し前までは難しいというイメージがありました。しかしALSOKマルチ決済ソリューションの例からも分かる通り、現在はかなり導入のハードルが下がっています。
お客様の利便性と店舗業務の効率化を両立できるキャッシュレス決済の導入を、今こそぜひ検討してみてはいかがでしょうか。