工事現場の防犯対策とは?足場からの侵入などの手口と対策

工事現場の防犯対策とは?足場からの侵入などの手口と対策
2024.02.29

工事現場では、近年不法侵入や窃盗などの犯罪被害が増加しています。工事現場は建物と違って施錠が難しく、侵入しようと思えば侵入できてしまうため、被害に遭いやすい環境といえるでしょう。さらに、建物の修繕工事の際に足場を組む場合は、足場から侵入されないよう注意が必要です。この記事では、工事現場の犯罪手口や防犯対策について解説します。

目次

工事現場で気を付けるべき犯罪

工事現場で気を付けるべき犯罪

工事現場では、以下のような犯罪被害に遭う可能性があります。

金属の窃盗

工事現場や資材置き場に置かれている金属資材を窃盗されるケースです。工事現場や資材置き場は、夜間や無人時は人目につかないケースが多く、近年は金属価格高騰の影響で銅線や電気ケーブル、銅管、金属板、足場材、アルミなどさまざまな金属が主に転売目的のために盗まれるケースが相次いでいます。

機材の窃盗

金属資材と同じく、転売目的のために機材が窃盗に遭うケースもあります。
高圧コンプレッサーや発電機などの電動機材、油圧ショベル、クレーンなどの建設機械、精密測定器、電動工具なども窃盗の対象になることが多いです。電動機材や重機などは大きく重量があるため盗みにくい印象ですが、工事現場に置かれたままになっていることが多く、また高値で取り引きされることからも狙われやすいといえるでしょう。

事務所への侵入

現場事務所は作業員が現場に出ているため無人になりやすく、無人の事務所に不法侵入し、電動機材や重機の鍵を盗む、またはパソコンやスマートフォンなどの情報端末が盗難されるケースもあります。
鍵の盗難は、機材本体の盗難と二次被害に繋がる可能性があります。また、パソコンやスマートフォンなどの情報端末が狙われれば、顧客の情報や個人情報など会社の機密情報が漏洩する危険があり、セキュリティ管理の問題や損害に繋がる可能性があります。

足場を利用した住居への侵入(修繕工事の場合)

外壁塗装などの修繕工事の際には、建物の周囲に足場を設置します。その足場を利用して戸建て住宅やマンションに侵入され、窃盗被害に遭うケースも多く報告されています。本来、住宅への侵入口は玄関や1階の窓などが考えられますが、足場が組まれていることで2階以上にも簡単に登れるようになってしまい、窓やベランダから侵入も考えられます。

足場を利用した住居の覗き見(修繕工事の場合)

足場を利用して家の中を覗き見されるケースもあります。特に住宅の修繕工事の際は、建物に汚れや傷がつかないよう養生シートで覆う場合が多くあります。養生シートがあることで外部から見えにくくなるため、覗き見などの犯罪が起きやすくなってしまいます。

なぜ工事現場が狙われるのか

なぜ工事現場が狙われるのか

ここまで、工事現場で起こり得る犯罪をご説明しましたが、なぜ工事現場が狙われるのでしょうか。

金属資材価格の高騰

工事現場が狙われる一番の要因は、金属資材価格の高騰です。中小企業庁によりますと、鋼材類は2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し需要が低迷した後、経済活動の再開によって需要が急激に拡大したことで、原料価格が高騰しました。2022年に入ってからはウクライナ情勢の悪化などを背景に、さらに価格が上昇しています。

出典:中小企業庁「中小企業白書(第1部、第1章、第4節 原油・原材料価格の高騰)

このように金属資材価格の高騰によって窃盗被害が増加し、警察でも注意喚起を行っています。
神奈川県警察では、深夜の工事現場や資材置き場を狙った窃盗に注意を促しており、不審者、不審車両を見かけた場合は通報するよう呼び掛けています。

実際に、2023年4月には埼玉県の工事現場にあったアルミゲートの窃盗容疑で4人が逮捕されました。逮捕された4人は、アルミの価格が高騰していることを理由に1,766万円相当のアルミゲートを盗んでいました。
また、2023年12月には長野県の工事現場で道路補強のために使用されていた800kgの鉄板が相次いで盗まれ、総額150万円の被害が発生しています。

築40年以上のマンション増加に伴う修繕工事の増加

工事現場が狙われる2つ目の要因は、築40年以上経過したマンションの修繕工事が増加していることも挙げられます。1981年5月以前に建てられたマンションは、旧耐震基準が適用されているため、耐震工事や補強工事をする必要があります。また、中古マンションを安く購入しリノベーションやリフォームを行うことで好みの住まいにするという方も近年増えています。

国土交通省の調査によると、築40年以上のマンションは2022年末で125.7万戸ですが、10年後には260.8万戸、20年後の2042年末には445.0万戸と大幅な増加が見込まれています。

出典:国土交通省 築40年以上のマンションストック数の推移

そのため、工事現場では足場を利用した住居侵入などの犯罪対策が今後も必要になると予想されます。

工事現場で有効な防犯対策

ここでは、工事現場で有効な防犯対策の例をご紹介します。

資材置き場の施錠

基本的な対策ですが、資材置き場を施錠できる場合には、きちんと施錠することが重要です。電動機材や工具などもそのままにせず、可能な限り資材置き場に収納し施錠するようにしましょう。

資材はできるだけ当日搬入する

資材は現場に置いたままにせず、当日搬入するのも有効な対策です。しかし、工事のスケジュールによっては当日搬入が難しい場合もあり、大きな機材などは現場での管理となる場合もあるため、資材置き場の施錠など対策を講じることが必要です。

防犯カメラ・防犯センサーを設置する

防犯カメラや防犯センサー、センサーライトなどを設置することで、夜間や無人時の工事現場のセキュリティを強化します。
センサーライトは暗い場所で人が近づいたときに明るく照らし、侵入や窃盗といった犯罪行為を防止することが期待できます。また、防犯カメラを設置することで現場の映像を監視・録画し、犯罪行為を抑止します。万が一被害に遭ってしまっても、防犯カメラの録画映像が犯罪の早期解決に役立つ可能性があることも利点です。

警備員を配置する

工事現場に警備員を配置することで、警備員の存在が犯罪の抑止力になり、工事現場に不審者や部外者が侵入することを防ぎます。万が一不審者が侵入してしまった場合も防犯カメラや防犯センサーなどのシステムと連携して早期に発見し、関係機関への通報や不審者対応を行います。しかし、警備員の配置はコストがかかるため事前の資金計画が重要となるでしょう。

警備中であることをアピールする

「警備中」「防犯カメラ録画中」などと記載された防犯ステッカーや掲示物を人目につく場所に貼り付けます。犯罪を企てる人はリスクの高い現場は避ける傾向があるため、防犯対策を講じていることを相手に気づかせる必要があります。

ALSOKの足場警備で365日24時間の見守りを

ALSOKでは、仮設足場からの侵入を監視する警備サービス「ALSOK足場警備」をご提供しています。仮設足場に侵入センサーを設置し、足場からの侵入を検知した場合はガードマンが駆け付けます。仮設足場からの侵入や覗き見を防止します。

配線不要のセンサーを設置

無線センサーのため配線工事は不要で、すぐに警備を開始することができます。また、修繕工事の期間は比較的短期であることに合わせて、足場警備は最短で一カ月から契約が可能です。短期利用でもお気軽に導入いただけます。

ALSOKロゴ入り「防犯PRシート」で犯罪抑止

ALSOKのロゴが入った防犯PRシートを貼ることで、ALSOKが警備中であることを周囲にアピールでき、犯罪の抑止につながります。防犯PRシートは大中小3タイプをご用意。強風等の影響を考え、風を通すタイプと強度と美観を重視したタイプをご用意しています。

いざという時はガードマンが駆けつけ

24時間365日体制のオンライン警備で、夜間や工事休業日でもALSOKが工事現場を監視します。侵入を検知した場合はいつでもガードマンが駆けつけ、適切に対処します。夜間や休日など、管理者がすぐに対応できない場合でも安心です。

防犯カメラ:ALSOK画像クラウドサービス(クラウドカメラ)

ALSOKでは、屋外や夜間でも高画質で録画できる防犯カメラだけでなく、レコーダーが不要でクラウドにデータを保存できる画像クラウドサービスもご提供しています。ALSOKのデータセンターで映像データを保管するため、レコーダーの管理やバックアップなどの手間がかからず、導入費用を抑えることができます。
録画日数、保存日数に応じたプランを選択できるため、工事期間中の短期間でもご利用可能です。

まとめ

工事現場では金属資材価格の高騰から窃盗などの犯罪行為が多数起きています。工事現場の資材を盗難の被害から守り、また情報端末の盗難や足場からの住居侵入などによって顧客への被害を防止するためにも、適切な防犯対策を導入しましょう。足場からの侵入対策や防犯カメラの設置をご検討の場合は、ぜひALSOKにご相談ください。