GIGAスクール構想とは?求められる学校のICT化

GIGAスクール構想とは?求められる学校のICT化
2021.03.23

1990年代後半のいわゆる「IT革命」から20年が経過した2010年代終盤より、学校教育でも情報技術を活用する取り組みがなされています。政府文部科学省は2019年に、教育改革案の1つとして「GIGAスクール構想」を発表しました。
この記事では、GIGAスクール構想とはどのような取り組みかをご説明し、それに向けた学校の対応状況や対応の際の注意点などをご紹介します。

GIGAスクール構想とは

発表時の報道や、2020年のコロナ禍における計画の前倒しでも話題となったGIGAスクール構想ですが、どのような形で実施されているのでしょうか。ここでは、GIGAスクール構想の概要と実施計画についてご紹介します。

GIGAスクールとは

GIGAスクールという名前は、「GIGA=Global and Innovation Gateway for All」の頭文字を取ってつくられた略称です。
GIGAスクール構想の主要目的は、「個々の児童・生徒に最適化されたICT(情報通信技術)環境の整備によって、創造性を育てる教育の実現をめざすこと」です。GIGAスクール構想下においては、クラウドを活用した教材などを使用して、児童・生徒がデジタル端末で受けられる授業を、すべての学校で取り入れることを想定しています。
GIGAスクール構想下では、従来学校で使用してきたノートや鉛筆、教科書と同様に、すべての児童・生徒が1人1台のデジタル端末を使用します。また、それを前提に各校のネットワーク環境を構築することが必要です。

GIGAスクール構想実現への計画内容

GIGAスクール構想推進にあたり、現在各地の小中学校でWi-Fi環境の整備と、生徒1人当たり1台のパソコンやタブレット端末の支給が進められています。
本来の計画上は、2023年度末までに上記の「1人1台端末」を実現した上で、全学校のICT環境を整備するというものでした。しかし、2020年学校教育を取り巻く環境が急激に変化したことにともない、2020年度末までを目標とする約3年の前倒しが図られました。それらについてはこの先の項目でも、さらに詳しくご説明します。

GIGAスクール構想の背景

GIGAスクール構想の背景

わが国でGIGAスクール構想が発表・推進されるに至るまでには、どのような背景があったのでしょうか。ここではGIGAスクール構想が生まれ、提唱されるまでの経緯についてもご紹介します。

「ICT」とは

ICTは「Information and Communication Technology」の頭文字を取った略称で、「情報通信技術」を意味します。具体的にはインターネットを利用してEメールやチャットやSNSなど、情報通信を人対人のコミュニケーションに活用する方法を指します。

学校等のICT環境の実態

教育機関における、ICT環境の整備はどれほど進んでいるのでしょうか。ここでは国内の学校のICT環境について、その実態をデータに基づいてご紹介します。

【PC1台当たりの児童生徒数】

以下は、GIGAスクール構想発表前の2019年3月現在の、教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数をグラフ化したものです。

各都道府県における1台当たりの児童生徒数をグラフ

PCの普及度が最も低かった県が「1台当たり7.51人」であるのに対し、最も普及していた県が「1台当たり1.9人」と、地域ごとの差が大きく開く結果となりました。また普及度最大だった県も、2019年3月の時点では「1人1台」の実現にまだ遠い状況であったことが分かります。

【Wi-Fi環境】

また2017年に行った「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」において、各校の普通教室における無線LAN(Wi-Fi)環境の整備率は目標の100%に対して34.5%と大きく乖離している状況でした。PC1台当たりの児童生徒数に加え、無線LAN整備率などの数値も目標値に満たず、国内の教育現場におけるICT環境の整備が大きく遅れていたことを示しています。

GIGAスクール構想の前倒し

2020年の新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言にともない、全国の学校で臨時休校の措置が採られました。その状況下を反映し、学校でもオンライン授業が盛んに取り入れられた結果、GIGAスクール構想の有用性が注目されました。
本来GIGAスクール構想の計画は2019年から2023年の5年で完了させる予定でしたが、緊急事態宣言を踏まえ約3年の前倒しが行われました。現在も、急速なペースで学校のICT化が進められています。

GIGAスクール構想を実現するためには(実現パッケージ)

GIGAスクール構想の実現には、学校におけるICT環境を整えるだけではなくICT環境のメリットをフルに活用した学びの形を取り入れることが必要です。ここでは、GIGAスクール構想実現に向けた学習スタイルの変え方についてもご紹介します。

「1人1台端末・高速通信環境」を生かした学びの変容イメージ

生徒1人ひとりが端末を使用し、高速通信を利用した授業ができる強みは、動画活用やデータ分析、長文筆記などを学習に取り入れられる点です。
たとえば、実験や観察を行う際に端末で動画を撮影し、それを生徒の端末に共有することで振り返りをより容易にします。また、調べ物をする際に生徒自身が端末で情報を集め、その真偽を確認した上で根拠として取り入れるなど、教科書とノートだけでは難しかった学習に取り組めます。端末によって長文筆記も行いやすくなり、従来取り入れにくかったレポート課題などに活用できます。
ICT環境による新たな学習方法については、以下の文部科学省の資料もご参照ください。

「未来の学び」構築パッケージ

出典:「未来の学び」構築パッケージ(文部科学省)

実現パッケージで示された項目

GIGAスクール構想を実現するため、文科省が提案している以下のパッケージについても詳しく見ていきましょう。

GIGAスクール構想の実現パッケージ

(1)環境整備の標準仕様例示と調達改革

すべての学校が共同調達によって取り入れやすいよう、生徒用の端末については3つの標準仕様が定められています。

  • Windows端末+教育機関向けOffice 365
  • Chrome OS端末+G Suite for education
  • iPad端末+Apple社による教育用App

(2)クラウド活用前提のセキュリティガイドライン公表

教材をクラウド経由で利用することを前提に、各校および教育委員会には最新の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に則った運用が教育現場で求められます。

(3)学校ICT利活用ノウハウ集公表

学校および教育委員会、各教員がICTを活用した教育を行うにあたって「教育の情報化に関する手引き」でICTを活用した効果的な学習活動を紹介しています。

(4)関係省庁施策との連携

他省庁も、GIGAスクール構想のための施策を行っています。各省庁の取り組みによる教育コンテンツやローカル5Gの活用が、これからの学習に必要となります。

(5)民間企業等からの支援協力募集

学校へのICT導入や利活用に向け、文科省による民間企業の支援協力も募っています。

GIGAスクール構想における問題・注意点

GIGAスクール構想に基づいた授業を各校で行うには、さまざまな問題点もあります。ここではGIGAスクール構想実現に際しての問題点や、注意すべき点もご紹介します。

教師のITリテラシー

生徒たちにICTを活用した教育を行うには、教える側の教師もICT環境に親しみ、その活用法や利点について習得しておく必要があります。ICTを取り入れた授業を開始する前に、必ず教師を対象とした研修などを実施の上、ICTに馴染みがなかった教師もITリテラシー向上を図れるよう対処する必要があります。

ICT教育におけるサポート体制

ICT教育を行うためには、機器トラブルへの対処やカメラなど周辺機器の操作やその支援といったサポート体制を整える必要があります。専門知識を備えた職員をICT支援員として新規採用する学校もあるように、常時ICT関連のサポートが実施可能な状態を整えることが大事です。

セキュリティ面

授業でWi-Fiによるクラウド利用を行うにあたり、セキュリティ面で問題が発生しないよう対策を実施しなければなりません。ICT環境におけるセキュリティ対策だけでなく、生徒や職員の利用に関する規定が必要です。「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に則った対応をするとともに、学校単位でのセキュリティポリシーの策定も必要でしょう。生徒たちの端末利用状況を見ながら、2~3か月単位など定期的にポリシーの見直しを図るなど、都度柔軟に対処していく方法も有用です。

ALSOKのGIGAスクール構想実現に向けた支援

ALSOKのGIGAスクール構想実現に向けた支援

先に「GIGAスクール構想実現に向けた民間企業の協力」についてもご紹介しましたが、ALSOKでも支援の取り組みを実施しています。

タブレット用充電保管庫の販売

校内の既存ロッカー上部に設置でき、端末を最大22台まで収納可能なタブレット用充電保管庫をご用意しています。床置きではなく棚置きできるためかさばらず、耐震・落下防止対策済みです。充電しながら保管しておけるため、毎朝生徒たちが満充電の状態で端末を使い始められます。

タブレット端末の販売

ALSOKでは、生徒たちが学校で利用するタブレット端末の販売も行っています。ご要望に沿ったGIGAスクール構想の標準仕様端末を一括納入できるため、選定にお悩みであればぜひご相談ください。

情報セキュリティ

ALSOKでは、警備会社としてのノウハウを生かした情報セキュリティサービスもご提供しています。学校の規模やご予算に合わせたセキュリティ対策をご提案しますので、効果的な対策をご検討中でしたらぜひお問い合わせください。

「安全・安心なICT環境の実現」に向けた実証実験

ALSOKでは、実際にGIGAスクール構想実現に向けた支援も行ってきました。和歌山県立桐蔭中学校および日高高校附属中学校で、2018年4月から2019年3月までの1年間にわたり、ICT環境の整備とセキュアなクラウド等を活用した安全安心なICT環境の確立を目的とした実証実験を行っております。以下にて詳細をご紹介していますので、ぜひご参照ください。

ALSOKのGIGAスクール構想支援につきまして、詳しくはお近くの事業所へお問い合わせください。

「ALSOKあんしん教室」で子どもたちに正しい知識を

ALSOKでは、児童が安心してインターネットを利用するための特別授業「ALSOKあんしん教室 安全にインターネットを使用するために」を行っています。
「子どもたちにインターネットの安全利用をテーマとした授業をしてほしい」という要望が増え、2019年1月より提供を開始しました。小学校高学年を対象に、見やすく理解しやすいイラスト教材を活用し、集団で問題解決するグループワークを取り入れ楽しく身につく授業を展開します。

まとめ

GIGAスクール構想の概要や推進の背景、現在の情勢における導入の前倒しなどについてご紹介しました。急速な対応が求められているだけにさまざまな課題もともないますが、民間企業の協力を得てそれらの早期解決や対応のスピード化を図る手もあります。
GIGAスクール構想への対応でお悩みがありましたら、ぜひALSOKまでお気軽にご相談ください。