ガラスが割れる原因と修理

外出していて帰ってきたら家のガラスが割れていた!びっくりしますね。
近所の悪ガキがいたずらしたのか? 誰かが何かをぶつけたのか? 風で何かが飛んできたのか? はたまた泥棒?…。いろいろな推測が頭をよぎります。ここではガラスの割れ方から何が起きたのかを推測する方法と対策法をみてみることにしましょう。
経年劣化によるガラス割れ
ガラスは何かが衝突すると割れます。当たり前ですね。でも実はそれが以外にもガラスが割れる原因があります。それは熱割れとサビ割れです。この2つが原因の場合は、もちろん修理は必要ですが、空き巣とかそういった類ではないので、「狙われているのでは?」という心配からは心を解放することができます。

熱割れ
冬に起こりやすい現象で、ガラス面に一定以上の温度差が生じたときに耐えきれずガラスが割れるというものです。たとえば気温が低い時に直射日光などがあたってガラスの中心部だけが急に暖かくなると発生します。
熱割れの特徴はガラスの端の部分から枠に対して直角に1本ないし2本の細いヒビがすっと入るというもの。衝突の場合は衝突部分から放射状に何本ものヒビが入りますから、違いはすぐにわかります。熱割れの原因はガラスの部分的な温度差ですから、実はちょっとしたことで発生することがあります。冬に使っている加湿器の蒸気が直接当たっているとか、コンロの熱が伝わりやすいところにガラスがあるとか、寒いからとガラスに断熱シートを貼っているとか、は熱割れを比較的起こしやすい環境であるといえます。ちなみに網入りガラスや複層ガラスは通常のガラスに比べて熱割れしやすいので注意が必要です。
サビ割れ
サビ割れは網入りガラスの中に入っている金属のワイヤーが経年劣化で錆びることによって膨張し、ガラスが耐えきれなくなって割れるというものです。「ガラスの中に入っているワイヤーが何で錆びるの?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、サビ割れの場合はだいたいサッシなどの窓枠に隠れている端の部分から水分が侵入し、錆が進行するというケースが多いです。なので、割れる部分も必然的に窓の端の方、ガラスとサッシが触れている部分あたりから進行するケースが多いのが特徴です。サビ割れの場合はよくみると中のワイヤーが錆びているのが目視できると思いますので、このような割れ方をしていたら確認してみてください。
空き巣などが疑われる割れ方
上のふたつとは明らかに違う割れ方をしている場合に心配になるのが空き巣ですね。空き巣の場合は割れ方にやはり特徴があるので、見つけたらすぐに修理を依頼するとともに警察に連絡をしましょう。

三角割り
これは日本独特の空き巣の手口だそうで、世界中の防犯ガラスの規定をみてもこの方法を想定している基準はないそうです。具体的な方法としてはガラスとサッシの間のゴムの部分にマイナスドライバーのようなものを差し込みこじるだけです。これを窓の鍵(クレセント錠)の上下にやると、対策をしていない普通のガラスならものの数秒で、大した音もなく簡単に割れ、鍵が開けられてしまいます。三角割りをされたガラスの割れ方の特徴は、複数のヒビが繋がって、鍵のあたりのガラスが外されています。何かが衝突した場合は衝突した箇所を中心に蜘蛛の巣状にヒビが入るのが普通ですから、明らかに違いがわかります。

打ち破り
こちらは同じ空き巣でもオーソドックスに物を投げ込んだり、バールなどの道具を用いてガラスを打ちつけたりしてガラスを破壊するやり方です。特徴としてはガラス面に不規則に打ちつけたような跡が複数残ります。線路脇や工業地帯など、騒音が激しい地域ではこの手口をつかう空き巣が多いようです。
焼き破り
まだ件数は少ないですが、最近話題になってきている空き巣の手口です。焼き破りは鍵の付近にあたる箇所をバーナーなどで熱したりして、脆くなったガラスに穴をあける手口です。ガラス全体にはダメージがないのに、ある箇所だけにダメージが集中していて、その中心に丸い穴が空いているのでみれば違和感を感じるはずです。
ガラス修理の際のガラス種類の選び方
ガラスが割れてしまったらどんな理由にせよ修理しなければなりません。インターネットなどで「ガラス」「修理」と検索をすると、近所のガラス修理をやってくれる業者がたくさん出てくるので、その中からできるだけ早く来てくれそうなところをいくつかピックアップして見積りをお願いしましょう。業者によって出張料や作業料はもちろん、ガラス自体の値段も違う場合もありますから、複数の業者から相見積もりをとることをおススメします。中には見積もりのための出張にも料金がかかるというところもありますので、事前に確認しておきましょう。
また、ここで注意したいのはガラスの種類です。
ガラスにはいくつもの種類があり、それぞれ特徴があります。熱割れしやすい場所に熱割れに弱いガラスを入れてもまたすぐ割れてしまって意味がありません。
窓ガラスによく使用されているガラスの種類と特徴を一覧にまとめましたので、参考にしてください。
ガラスの種類 | 特徴 | 防火性 | 防犯性 | 熱割れ防止 | サビ割れ防止 |
---|---|---|---|---|---|
フロートガス | 一般的な透明なガラス。もっとも種類が多く、住宅のさまざまなところに使用されている。割れると鋭く刃物のような破片となり危険。 | ✖ | ✖ | ✖ | 〇 |
網入りガラス | 都市計画法の防止地域・準防火地域に指定されている場合は延防止のため、防火設備ガラスの使用が義務つけられている。その代表がこの網入りガラス。網入りガラスは災害時などに破片が枠から落ちにくいという性質を持つが、強度が強いわけではないので防犯に不向き。 | 〇 | ✖ | ✖ | ✖ |
強化ガラス | フロートガスに熱処理を加えて急激に冷やすことで強度を強化したガラスで、通常のガラスに比べて3~5倍の強度を持つ。フロートガスよりも割れにくいが、割れると紛々に砕け散る性質をもち、安全性は高いが、防犯には向かない。最近では網なしでも防火設備ガラスの基準を満たした網なし耐熱強化ガラスも出てきている。 | △耐熱なら可 | ✖ | △耐熱ならOK | 〇 |
合わせガラス | 2枚以上のガラスを樹脂の中間膜で接着して作られたもの。ガラス間に樹脂の膜があるので、割れても飛び散りにくく、破られにくい。中間膜の厚さや材質によって防犯性能に優れたもの、防音性能に優れたものなどがある。防犯性能に優れたサッシやガラスなどの建物部品にはCPマークが入っているので、防犯機能を高めたい場合はCPマークが入っているものを選ぶと良い。 | △中間膜による | 〇 | 〇 | 〇 |
複層ガラス | 2枚ガラスの間に断熱性能向上のために中空層を持たせたガラス。ペアガラスともいわれる。2枚のガラスは用途によって選べるので、網入りと防犯合わせガラスを組み合わせたりして防火と防犯の2つを兼ねた窓を作ることができる。 | 〇 | 〇 | △選ぶガラスによる | △選ぶガラスによる |
空き巣が疑われたらホームセキュリティ導入を検討
いかがでしたか?
ガラスにもいろいろな種類があること、割れ方にも特徴があることがご理解いただけましたでしょうか。窓ガラスが割れた時、上のように空き巣が疑われるような割れ方をしていたら、防犯機能の高い強化ガラスとともにぜひホームセキュリティの導入を検討しましょう。
一戸建てや店舗兼住居のような建物の場合、どうしても死角になるところが多く、空き巣に狙われやすくなります。ホームセキュリティを導入すれば24時間365日、不正侵入やガラス割りなどを自動で見守って知らせてくれます。またいざという時にはガードマンが駆けつけてくれますので、万一侵入者と鉢合わせなどという時にも力強い味方となります。
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