海の事故を防ぐために気をつけること

防災 2020.12.11(2023.10.20更新)

海や河川での水遊びは、子どもが好きなレジャーの1つですが、毎年夏になると水難事故が多発しているのが現状です。
今回は、子どもの水難事故を防ぐための対策と、事故が起きてしまったときの応急処置について解説いたします。

目次

水浴場での子どもの事故

水難者の死者・行方不明者数(場所別)

過去10年のデータを見ると、海では遊泳や釣り、サーフィンなどのマリンレジャーによる事故が発生しています。2022年では、全国水難事故発生件数は1,346件、水難者は1,640人[注1](うち死者・行方不明者が727人)でした。場所別の水難者数においては、海が全体の49.9%、河川が33.7%となっており、海と河川で全体の8割以上を占めております。

[注1]警察庁生活安全局生活安全企画課:令和4年における水難の概況

子どもの水難事故は夏休みに注意

7〜8月の夏休み期間は、海水浴場やキャンプ場の河川などに集まった子どもの水難事故が多発する時期でもあります。2023年7〜8月の水難者568人のうち、106人は中学生以下の子どもです。これは年齢層別に見たとき全体の18.7%を占めます。
子どもの水難事故による死者・行方不明者の行為として最も多いのが、海(49.2%)や河川(43.4%)での水遊びです[注2]

海や河川は、浅瀬であっても流され、溺れる可能性があります。実際にあったニュース事故では、水深30cmの水辺で子どもが足を取られ、流されてしまったというケースもあります。

[注2]警察庁生活安全局生活安全企画課:令和5年夏期における水難の概況

子どもに事故が起きたときの応急処置・対応

子どもが海で事故に遭ってしまったときの応急措置や対応は次のとおりです。

溺れてしまったとき

子どもが溺れてしまったときは、自分で助けに行こうとせず、まずはライフガード [注3] や119番(消防)、118番(海上保安庁)に連絡してください。海には海浜流 [注4] というさまざまな流れがあり、なかでも岸から沖にかけて発生する「離岸流」は、1秒間に約2m進むほどの速さになることもあります。仮に離岸流の速度が、1m/sとした場合、これに逆らって20m陸側に進むためには、静水中において25mを20秒で泳ぐパワーで80秒間泳ぎ続けなければなりません(静水中で100mを泳ぐのと同じ労力が必要です)。
泳ぎに自信のある大人であっても離岸流に流された場合、流れに逆らって泳いでも岸にたどり着くのは難しく、体力を消耗して溺れてしまう危険性があります。子どもが溺れてしまったときは、ためらうことなく救助を呼んでください〔ライフガード、119番(消防)、118番(海上保安庁)〕。


出典:海上保安庁ホームページ https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/ripcurrent/ripcurrent.htm

[注3] 水辺において人命救助・事故防止を行う緊急対処員を一般にライフセーバーと言うが、ボランティアとしてではなく職業としてこれを行う者を特にライフガードと言う。通常ライフガードは地方自治体や企業によって雇用されている。

[注4] 海浜流(かいひんりゅう)は、海浜の波打ち際周辺において、波浪を直接的な原因として起こる海水の流れの総称。

砂浜の貝殻やガラスなどで出血したとき

砂浜では、欠けた貝殻やガラスの破片などで手や足を切ってしまう場合があります。傷口が深く、出血が多いときは、圧迫止血による応急処置を行いましょう。傷口は洗い流したのち、清潔なガーゼやハンカチ、タオルなどをあて、傷口の上から手で押さえながら圧迫していきます。
出血が止まったら、傷口に創傷被覆材を貼りましょう。

創傷被覆材とは、キズや火傷を覆う素材です。
創傷被覆材には、従来の一般的なばんそうこうのほか、ハイドロコロイド製剤と呼ばれるものも市販されています。一般的なばんそうこうは、主に、傷口を物理的な衝撃や摩擦から保護する目的で使用されます。一方、ハイドロコロイド製剤は、傷口から染み出す体液を閉じ込めて傷の自己治癒を早くする目的で使用されます。市販の創傷被覆材を使用する際には、添付されている説明書をよく読み、正しい方法で使用するようにしましょう。

熱中症にかかってしまったとき

子どもは夢中になってしまうと、水分補給を忘れて遊び続けてしまうことがあります。海水浴場の強い日差しと水分不足で熱中症になってしまった場合、まずは日陰のできるだけ涼しい場所に(可能であればクーラーが効いている室内に)、移動して休ませましょう。

続いて、着用している衣服を緩め、水で濡らしたタオルまたは冷やした飲料水のペットボトルなどで、首の付け根や脇の下、太ももの付け根を冷やします(これらの近くには大きな血管が通っているため効率的に体を冷やすことができます)。冷却はできるだけ早く行う必要があります。重症の場合には水道につないだホースで全身に水をかけることを検討します。
次に、意識がはっきりしていれば、水分補給を促すとともに、塩分も摂取させるようにするとよいでしょう。
経口補水液や塩分が入ったスポーツドリンクがあれば、水分と塩分を一緒に補給できます。また、熱中症対策のための塩タブレットや塩飴なども市販されています。

呼びかけの反応が鈍かったり、自力で水分補給できなかったりするなどの場合は、直ちに119番で救急車を要請してください。

さらに詳しく熱中症について知っておきたい場合は、環境省の「熱中症予防情報サイト」などが参考になります。

子ども向け事故対策の4つのポイント

子どもが海で事故にあわないために次のような安全対策を忘れずに行いましょう。

  • 子どもの水遊びには必ず大人が付き添う
  • 危険場所を事前に確認しておく
  • 子ども同士だけでは水辺に近寄らないように言い聞かせる
  • 遊泳禁止区域には大人が同行していても絶対に近寄らない

海での子どもの水難事故を防ぐためには、保護者が目を離さないことが重要です。大人数で遊びに来ていると、「誰かが見てくれているだろう」という油断が生まれ、結果的に誰も子どもを見ていない時間が生まれてしまいます。

大人同士できちんと話し合い、交代制の見守りや子どもへの言い聞かせを徹底しましょう。

保護者は海水浴場での飲酒を控える

保護者が海水浴場で飲酒を控えるべき理由

また、海水浴場での飲酒は控えましょう。強い直射日光を浴びると体内の水分が奪われ、軽い脱水状態になります。そのような状態で飲酒をすると、体内のアルコール血中濃度の上昇が顕著となり、普段よりも酔いが回って判断力・体力が低下し、子どもをしっかり見守ることも困難になる危険性があります。

飲酒後の海水浴は水難事故のリスクが高くなるため、保護者自身にとってもよくありません。

子どもの海の事故防止は保護者の付添い・見守りが重要

海の事故から子どもを守るためには保護者が常につき添い、目を離さないことが大切です。しかし、ふとした瞬間に親のもとから離れてしまう、または子ども同士で遊びに行った先で事故にあってしまう場合もあります。日頃から子どもだけで水辺に行かない、遊泳禁止区域など危険な場所には立ち寄らないといったことを、十分に言い聞かせておきましょう。

小学校高学年くらいになると、子ども同士での行動範囲はどんどん広がっていきます。どれだけ言い聞かせていても、親としては、子どもが内緒で水辺に遊びに行ってしまうこともあるかもしれない、と心配することもあるでしょう。

そのような場合は、ALSOKのGPS端末「まもるっく」を日ごろから持たせておけば安心です。一緒にいなくても、子どもが今どこにいるのかすぐに確認できるうえ、子どもの行動履歴を見ることもできます。通話機能もあるのでキッズ携帯としても使えます。また、ストラップを引くと緊急通報され、依頼があればALSOKのガードマンがすぐに駆け付けます。
行動範囲の広くなる年齢のお子様に、ALSOKの「まもるっく」を持たせることを検討してみてはいかがでしょうか。

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