もし高層マンション・タワーマンションで火災が起きたら?

快適な毎日が実現できる、高層マンションやタワーマンションでの暮らし。しかし実際に高層マンション・タワーマンションにお住まいの方は、「もし火災が起こったら…」と不安を感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、日本のマンションの安全性やマンション火災に関する情報を取りあげながら、高層マンションやタワーマンションにおける火災発生時の対応についてご紹介します。
高層マンションでの火災の発生状況

東京消防庁の「令和3年中の火災の状況」によると、平成24年から令和3年までの10年間における管轄区域内の11階以上のマンションの火災発生数は計1,074件です。そのうち、年次の新しい令和元年~3年においては1年あたりの発生件数が124件以上となっています。なお、令和以前の平成28年~30年では1年あたり約103件の発生件数となっており、微増という結果となりました。
近年、高層マンションの建築件数が伸びていることを背景に、高層マンションにおける火災の発生件数も徐々に増加しつつあることが分かります。
国内で大規模な高層マンション火災が発生した事例はまだありませんが、海外では2017年6月に発生した英国ロンドンのグレンフェル・タワー火災が記憶に新しいところです。
英国での火災対策は「延焼を防ぐ措置を徹底し、建物内部の人は炎や煙が至近にない限りは避難せず屋内待機すること」による安全確保が基本とされています。このため、ロンドン消防局ではこの火災の際にも同様の指示を出しました。避難経路に住人が殺到し、パニックを起こすことを防ぐ意図もあったとされています。しかし、グレンフェル・タワーのケースでは想定を超える速さで炎が燃え広がったため、この対策が多大な被害を出す結果となりました。
また2022年1月にはニューヨークの19階建てのマンションで火災が発生し、子どもを含む19人が死亡したというニュースもありました。火元は暖房機器で、2~3階の部屋にドアが開いた状態で設置されたことで、短時間に火災の煙が上層階まで広がったと報道されています。
日本の高層マンションは安全か

英国における高層マンション火災の事例をご紹介しましたが、日本国内の高層マンションは構造・設備などの面でどのような防火対策がなされているのでしょうか。
法令による規定について
高さ31メートルを超える高層マンションは、消防法において「防炎防火対象物」に該当する建築物とされています。このため、室内の物品の一部は「防炎対象物品」に指定されており、基準を満たす防炎性能を備えていなければなりません。
【高層マンション内で指定されるおもな防炎対象物品】
カーテン、布製ブラインド、絨毯 など
これらのほか、全住宅に設置が義務付けられている住宅用火災警報器ももちろん必要です。またマンションに限らず、11階以上の建物にはスプリンクラー設備の設置も義務付けられています。
また高さ31メートルを超える建物(政令で定めるものを除く)においては、建築基準法で非常用エレベーターの設置が義務付けられています。さらに15階以上の建物の場合は、特別避難階段の設置が原則義務付けられています。
このように、日本の高層建築物は法律でさまざまな規定が設けられており、きちんとした防火対策がとられています。日本の高層マンションは、世界基準で見ても安全性の高い建物であると言って良いと思われます。
もし万が一、火災が発生したら?

高層マンションで火災が発生した場合、住人はどのような行動をとると良いのでしょうか。ここでは高層マンションで火災が発生した場合の対処法をご紹介します。
避難する際は非常階段で下りる
先ほど非常用エレベーターについて触れましたが、高層マンションの場合は火災発生時に避難階で自動停止するエレベーターが設けられている場合も多くなります。このため、高層マンションでの火災時にはエレベーターを使用せず、非常階段を使って避難することが基本です。
ドア・窓は閉めての避難を
避難する際には、室内のドアは閉めてから避難しましょう。扉や窓が開放されていると空気が供給されて延焼が速くなってしまいます。扉や窓を閉めてから非難することで被害の拡大を防ぐことができます。
避難ハッチを有効利用する
避難はしごにつながる「避難ハッチ」がベランダに設置されていますので、そちらを避難の際に活用する方法もあります。玄関からは避難できない状況で、非常階段も使えないという場合は避難ハッチから階下へ降り、安全な場所への避難が可能な階まで逃げるようにしましょう。
ただし、避難ハッチは全室にあるとは限らないため、自室にない場合はベランダから設置場所まで移動する必要があります。自室の階の避難ハッチが設置されている場所は確認しておきましょう。また、11階以上の階層では避難ハッチ自体設置されていない場合もあります。
火災が起こる前に確認しておくべきこと

いざ火災が起こってしまってから慌てることのないよう、火災が起こる前に今一度、お住まいのマンションの火災の備えについて確認しておきましょう。ここでは、火災が起こってしまう前に確認すべきことについてご紹介します。
自室からの避難経路
お住まいの部屋から、どのような経路を通って避難できるのかを必ず確かめておきましょう。避難ハッチや非常階段までの経路、ベランダ間の移動方法など複数の経路が想定できるはずです。あらゆる状況を想定し、1つの経路だけでなく「逃げることができるすべての道筋」を確認しておくと良いでしょう。
火災保険の加入の有無や契約状況
分譲マンションにお住まいであれば、多くの方が火災保険に加入されていると思いますが、保険契約の内容や約款などは必ず確認し、万一の際に受けられる補償について確実に把握しておきましょう。マンションの場合は火災保険も個人単位ではなく、管理組合が一括で加入するケースが一般的でしょう。その場合は、管理組合に問い合わせるなどして契約内容の確認を行ってください。
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火災感知
温度の上昇や煙の発生など、火災発生を知らせるサインを感知し、ガードセンターへも自動通報を行うことで、火災の早期発見・緊急対応が可能です。
侵入感知
ガラスの破壊やピッキングなどによる不審者の侵入を感知し、ガードセンターへ通報します。
非常通報
不審者に対面した際や急病など、身の安全に不安を感じたとき非常ボタンでガードセンターへ通報できます。
万一の事態でガードセンターへ通報が行われると、ガードマンが現場へ急行します。24時間365日体制はもちろん、GPSを利用し現場からもっとも近い待機所にいるガードマンを派遣する隊員指令システムを備え、スピード駆けつけを実現しています。
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まとめ
今回は、高層マンション火災に関するデータや事例を取りあげながら、高層マンションやタワーマンションで火災が起きた時の避難方法や事前に備えておきたいポイントをご紹介しました。
日本の高層マンションは火災に対して安全性が高いとはいえ、100%安心して良いということはありません。火災発生件数を見ると年々増加しており、いざ巻き込まれたときの怖さを想像すると備えておくに越したことはないと感じるはずです。
警備会社のセキュリティサービスは、おもに戸建住宅の防犯用というイメージがあるかもしれません。しかし、火災の発生時にも役立つHOME ALSOKアパート・マンションプランなら、マンションでの暮らしにも安心感を加えられます。