自宅で看取るには?必要な準備や心構え、在宅医療について解説!

高齢者・介護 2024.03.26
車椅子に乗る男性

高齢の家族を持つ方のなかには、自宅で看取りたいと思う方もいらっしゃるでしょう。自宅で看取るにはさまざまな準備や心構えが必要となります。当記事では、自宅で看取るために必要な準備や手順、メリット・デメリットなどを解説します。家族の最期についてしっかりと考えたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそも「自宅で看取る」とは?

そもそも「自宅で看取る」とは、どういう意味なのでしょうか。自宅で看取るとは、終末期を迎えた本人の世話を自宅で行い、その最期を見届けるという意味です。自宅で看取ることで、本人の精神的・肉体的な苦痛を和らげ、穏やかな最期を迎えさせてあげられます。終末期を迎えた本人の尊厳、意思を尊重することが大切です。

自宅で看取るための事前準備

自宅での看取り

終末期を迎えた本人を自宅で看取るためには、事前にさまざまな準備が必要になります。ここでは、自宅で看取るために必要な準備を詳しく解説します。

在宅医・ケアマネジャーを探す

まずは、お近くの地域包括支援センターでケアマネジャーを探しましょう。ケアマネジャーは、自宅で看取る準備や在宅医療に関するアドバイスをしてくれます。かかりつけ医でも問題ありませんが、ケアマネジャーに相談すれば在宅医を紹介しもらえます。市区町村の役場にある「在宅医療相談」や「在宅医療介護連携」などの窓口に、相談するのも良い方法です。

チームを組んで対応する

1人で介護をするのは、体力だけでなく精神的にも厳しいです。ケアマネジャーや在宅医だけでなく家族一丸となって対応しましょう。本人の状況に応じて、以下のようなサポートも必要です。

  • 在宅歯科医や歯科衛生士(虫歯や歯周病の治療や口腔ケアなどをする)
  • 訪問看護師(医師の診療補助、本人や家族のサポートやアドバイスをする)
  • 薬剤師(医薬品の提供や服薬の指導・管理をする)
  • 介護福祉士(身体介護や生活支援をする)
  • 理学療法士(QOL維持のために、日常生活動作や機能を下げないためのケア・リハビリテーションをする)
  • 管理栄養士(QOLの維持ための食事量の調整や栄養管理をする)

このようなチームを組むことで、病気の予防や合併症の早期発見、健康状態への助言などが受けられます。

自宅の環境を整備する

自宅の環境整備も重要なポイントです。終末期を迎えた本人が、穏やかな気持ちで心地よく過ごせるような環境にしましょう。例としては、本人が好きな音楽をかける、思い出の品や趣味のものを身近に置く、などが挙げられます。孤独感を感じさせない工夫も必要です。いつでも家族の気配が感じられるような部屋にするとよいでしょう。

在宅医療に切り替えるタイミングとは

在宅医療

施設に入居している場合には、自宅で看取るために在宅医療に切り替える必要があります。本人の希望だけでなく、家族の受け入れ態勢が整っているかも考慮しましょう。また、在宅医療に切り替えるタイミングは、担当医によっても異なります。

高齢者の場合、基本的には食事ができなくなったタイミングで、在宅医療に切り替えるケースが多いようです。人は、死期が近づくと食欲が低下し、終末期に入ったと判断されるためです。在宅医療に切り替える際には、施設担当医や看護師、ケアマネジャーともしっかり相談して決めましょう。

自宅で看取った後の手順

ここでは、自宅で看取った後の手順を解説します。

手順1.必要な書類をそろえる

最期を迎えた際には、早めに医師へと連絡しましょう。医師が臨終を確認して死亡の宣告を受け、死亡診断書を受け取ります。医師への連絡が難しい場合には、警察署に連絡しても構いません。死亡診断書がない状態だと、法律上は死亡が認められないため、必ず死亡診断書をもらいましょう。死亡が認められなければ葬儀が開けません。

手順2.死亡届を出す

医師の場合は死亡診断書、警察署の場合は死体検案書を、市区町村の役場に提出しましょう。この際提出するのが、いわゆる「死亡届」になります。死亡届は死亡診断書や死体検案書と一体化しているため、新しく取得する必要はありません。死亡届は、原則として亡くなったと知ってから7日以内に提出する必要がありますが、葬儀をスムーズに行うためにも、早めに提出しましょう。

手順3.葬儀会社を手配する

死亡届を提出した後は、葬儀会社へ連絡しましょう。葬儀会社のなかには、書類の手続きを代行したりサポートしてくれたりするところもあります。亡くなった後にはさまざまな手続きが必要になり、遺族の負担も大きいため、サポートを受けられる葬儀会社を選ぶのもよいでしょう。また、事前に相談しておくのもおすすめです。

自宅で看取り後の葬儀の流れ

自宅で家族を看取った後は、葬儀を行います。ここでは、葬儀の流れを解説します。

末期の水を行う

末期の水とは、亡くなった本人の口へ水を注ぐ行為です。臨終に立ち会った家族や親族、友人などによって行われます。末期の水は仏教における儀式であり、多くの宗派で行われますが、浄土真宗の場合には行いません。亡くなった本人の喉へ水を流し、苦しみを取り除くといった意味がある儀式です。

遺体の着替え・死化粧を施す

次に死装束を着せて、死化粧を施します。死装束は宗派によって異なりますが、日本では一般的に清らかさを象徴するとして、白い経帷子(きょうかたびら)を着せます。ただし、浄土真宗では死装束を用意しないため、注意しましょう。死化粧とは、亡くなった本人の遺体を清める儀式で、男性は髭剃り、女性は薄化粧に紅を差すのが基本となります。

遺体を安置して納棺する

安置とは、葬儀までの間亡くなった本人の遺体を保管しておくことです。腐敗を遅らせるため、基本的にはドライアイスが使われます。また、春夏は冷房を稼働させて冬場は暖房を切り、安置する部屋を涼しくするのが一般的です。自宅で安置できない場合は、葬儀会社の遺体安置所で保管できるため、相談してみるとよいでしょう。

その後、納棺が行われます。納棺とは棺に遺体を入れる儀式で、家族で見守りながら葬儀会社が執り行うケースが一般的です。家族は亡くなった本人とともに埋葬する、「副葬品」を用意します。亡くなった本人の好物や愛用品などを用意しましょう。

通夜の後に葬儀を行う

葬儀・告別式は、通夜の後に執り行うのが一般的です。通夜は、午後6~7時に始めて午後9時頃に終了するのが基本となっています。最近では、家族や親族のみで執り行う仮通夜を行うケースも増えているようです。

通夜が終わった後は、葬儀が執り行われます。葬儀の種類はさまざまで、一般葬や家族葬、一日葬などがあるため、亡くなった本人や家族の意向を踏まえて選びましょう。また、最近では宗教や宗派にとらわれない自由葬も増加しています。

後悔やパニックを避けるためのポイント

家族を看取る際、あまりの悲しさにパニックに陥ってしまうケースもあるでしょう。ここでは、後悔やパニックを避けるためのポイントを解説します。

介護者の状態に応じて覚悟しておく

パニックを起こさないためにも、家族にもある程度の覚悟が必要になります。死期が近づいてきた人には、以下のような共通点があるといわれています。

  • 食欲が低下する
  • 眠っている時間が多くなる
  • 時間や場所の感覚が鈍くなる
  • 皮膚が青白くなる
  • 呼吸が弱くなる

このような状態になった場合は、死期が近づいていると覚悟しましょう。ただし、症状には個人差があり、誰にでも当てはまるわけではないため、このような変化が起こらないケースもあります。

本人の意思を尊重する

家族を看取る際に後悔しないようにするには、どのように看取るのかが重要です。まずは、本人の意思を尊重しましょう。本人が希望しない過度な延命治療は、避けたほうが無難です。本人がどのような治療を望むのか、最期を迎える際の希望などを尊重しつつ、家族の思いや意向も叶えられる方法がないかを模索しましょう。

自宅で看取るメリット・デメリット

家族を自宅で看取る際には、メリット・デメリットがあります。ここでは、自宅で看取るメリットとデメリットを解説します。

自宅で看取るメリット

自宅で看取る場合は、住み慣れた家で最期を迎えることができます。そのため、本人が穏やかな気持ちで過ごすことができ、家族に囲まれて最期を迎えられる点は、大きなメリットでしょう。また、病院のように持ち込めるものや食べ物、飲み物などに制限がないため、好きなものを自由に楽しめます。

自宅で看取るデメリット

自宅で看取る場合、24時間365日介護が必要です。専門家のサポートを受けても、家族に負担はかかってしまいます。また、家族といえども介護の知識やスキルが十分にあるわけではないため、プロと同じような介護をすることはできない場合が多いでしょう。

自宅で看取るメリット・デメリットを以下でまとめています。

メリット デメリット
  • 本人が安らかな気持ちで最期を迎えられる
  • 制限がなく自由な時間を過ごせる
  • 家族の負担が大きい
  • プロと同じクオリティの介護はできない

検視と解剖について

人が亡くなった際、場合によっては検視や解剖が必要になります。ここでは、検視と解剖とは何なのか、詳しく解説します。

検視の詳細

検視とは、亡くなった人の状態を確認し、事件性の有無を確認する行為です。病院で亡くなった場合は、医師がいるため基本的に検視は行われません。しかし、自宅で看取る場合には検視が必要です。基本的に検視は検察官が行い、費用はかかりませんが、遺体の輸送や保管に費用がかかるケースも少なくありません。また、検視・検案・解剖を組み合わせて、「検死」と呼ぶ場合もあります。

解剖の詳細

解剖とは遺体を切開して死因を特定することです。病死の場合は病変や死因を特定するために行います。解剖は「行政解剖」と「司法解剖」の2種類に大別されます。行政解剖は、事件性がない遺体の死因特定のために行われ、司法解剖は、事件性のある遺体の死因を特定する際に行われます。司法解剖は高度な知識のある法医学者が担当するのが一般的です。

まとめ

家族を自宅で看取る際には、さまざまな準備や覚悟が必要です。そのため、ケアマネジャーに相談して、自宅で看取る環境を整えましょう。また、自宅で看取ることで後悔やパニックに陥らないためにも、本人の意思を尊重しながら準備を整えることが大切です。

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