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ビル管理や点検を円滑にする中央監視システムとは

ビル管理や点検を円滑にする中央監視システムとは
2021.04.08

1棟のビル内にはさまざまな設備が設けられており、それぞれが多彩な機能を備えています。この記事では、複雑になりがちなビル管理や点検などの作業を円滑に行うために設けられる「中央監視システム」についてご紹介します。

中央監視システムとは

さまざまな設備を備えたビルの管理を一元管理し、データを得ることで管理コストの平準化・最小化を図る仕組みを「中央監視システム」と呼びます。

従来の中央監視システムは、専用配線を建物全体に敷設して多くの機器を設けるなど、大掛かりな設備を必要とするものでした。しかし近年ではIT(情報技術)を活用するシステムが中心となり、コンピュータを利用した監視制御装置が使用されているケースが主流です。
ITの活用により、現在は監視制御対象を受変電設備に限定せず、施設全体を包括したシステム監視が可能となっています。

中央監視システムがビルを一元管理する仕組みを図にすると、以下のようになります。

中央監視システムとは

現在の中央監視システムは、一般的に「ビルオートメーション(BA)」と呼ばれています。ビル施設における各設備の自動化、故障の監視・記録など施設管理を実施するための各種機能を搭載したシステムを指します。
受変電設備の操作や監視・計測、照明の発停、空調機の操作や監視・計測、火災信号の受発信、セキュリティ管理などがビルオートメーションの代表的な機能です。

なお、ビルオートメーションの法定耐用年数は15年と定められているため、それに合わせて計画的にシステムのリニューアル(入れ替え)を実施する必要もあります。下図のように中央監視システムが法定耐用年数を超えると故障率が上がるため、テナント入居者のクレームにつながることがあります。また管理会社への負担をはじめとするさまざまな問題が発生するため、計画的なリニューアルの実施は欠かせません。

中央監視システムとは

【モデル図】運転時間が長いと故障率が上がり、リニューアルが必要になる

ビル管理業務

ビル管理業務はどのような仕事内容で、産業としてどのような特色を持っているのでしょうか。ここでは、ビル管理業務の概要をご説明します。

ビル管理業務とは

ビル管理(ビルメンテナンス)業務とは、ビルの利用者がビル内で快適に過ごせるよう、あらゆる設備をメンテナンスする仕事です。なお、床面積が3,000㎡を超えるビルは「ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)」という法律で定められた管理方法に則って管理しなければなりません。

ビル管理業務のアウトソーシング

ビル管理業務には、多くの人員が携わる必要性が生じます。そのため、管理コストも人件費の割合が高くなりがちです。
ビル管理業務の内訳は、清掃、設備の管理や改修、そして警備の3つに分けられます。いずれの業務も人手への依存度が高く、このような産業は「労働集約型産業」と呼ばれます。
ビルの持ち主が管理業務まで引き受ければ、多くの人員と経費を要するため、ビル管理業務をアウトソーシング(外部委託)することで効率化を実現しているケースも多く見られます。

ファシリティマネジメントに基づく施設の管理運営

ファシリティマネジメントとは「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と日本ファシリティマネジメント協会に定義されています。今回ご紹介しているビル管理業務も、ファシリティマネジメントの一環に含まれると考えられます。
ここでは、ファシリティマネジメントの考え方に基づく、ビルなど施設の管理の目的と、そのための手法についてご紹介します。

資産価値向上

適切な管理と必要に応じた改修が継続的に実施されていなければ、施設の資産としての価値を低下させてしまう可能性があります。日常の清掃や設備の管理・改修業務、また万一に備えての防災対策など、施設・資産のすべてを最適な状態で維持し、管理運営の最適化と資産価値の向上を目指します。

環境負担の低減

予防保全を徹底し、施設の安全性保持と長寿化を図ります。また省エネ施策の導入なども加えそれらの施策を継続することで、環境負荷の低減につなげます。

執務・居住環境の改善

ただ施設を通常通り使用できる状態に管理することにとどまらず、ホスピタリティ(もてなし、歓待)の精神をビル管理に活かすことも大切です。ホスピタリティを重視した管理・運営によって、利用者のより快適な利用を可能とし、利用するほどに魅力を感じてもらえる施設を実現します。

社会のニーズへの柔軟な対応

社会情勢が変化することにより、施設利用者のニーズや目的も変化していきます。今現在の世の中の動きに対応するコンプライアンスを徹底し、社会や利用者が求めるニーズが変わっても柔軟に対応していき、さらなる快適性と満足度の向上につなげていきます。

ファシリティマネジメントにおけるビル管理の具体的手法

現代のニーズに即した最適なビル管理を持続的に行っていくためには、ファシリティマネジメントの考え方だけでなく具体的な管理手法も押さえておく必要があります。ここでは、ファシリティマネジメントの考え方に基づいた具体的なビル管理の方法についてもご紹介します。

防災業務

安心・安全なビルを実現するには、万一の災害に備えた防災への取り組みが大前提にあります。消防点検、防火対象物定期点検など、義務付けられている防災関連の各種点検は必ず実施し、どなたでも安心して利用できる状態を維持します。

清掃業務

多岐にわたるビル管理業務のなかでも、基本中の基本といえる仕事がこの清掃業務です。ビル内を常時清潔で衛生的な状態に保つための日常清掃、一定のサイクルで実施する住宅でいう「大掃除」のような定期清掃をしっかりと行います。ビルの中がいつもきれいで良い衛生状態が保たれているだけでも、ビルの持ち主や入居者に対する信頼度の向上につながります。

設備管理業務

電気通信設備などの機器および通信インフラ、昇降機設備(エレベーター)などの設備において、常時快調な稼働状況を維持するために点検・修理を行って管理します。

環境衛生管理業務

利用者の健康や快適性を損なわないよう、空調や換気システムによって空気環境の調整を行います。また水回りを衛生的に利用可能な状態を保つため、給水や排水の管理なども実施します。

建築物保全管理業務

建築物の状態を定期的に調査・検査し、保全管理に努めることも適切なビル管理には欠かせません。「屋上・屋根」「建物内部」「避難施設・非常用進入口」などについて調査する特定建築物調査、「換気設備」「排煙設備」「非常用照明」「給水・排水設備」について点検し報告を行う建築設備検査などがこの業務に含まれます。

中央監視システム導入によるメリット

現代のコンピュータを基幹とする中央監視システムを導入することで、ビル管理においてどのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、中央監視システムを導入することで得られる具体的なメリットについてご紹介します。

建物設備の遠隔操作が可能

スマートフォンやタブレットなどの小型端末からも、ビル内におけるあらゆる設備の制御・監視が可能となります。空調や照明などの主要な設備を離れた所からも制御できます。

施設内電力の効率的運用と見える化

施設全体のエネルギー量を節減するため、デマンド計測・制御および動力個別設備の電力計測を行えます。これらによって設備ごとの状態監視を一元化でき、取得した計測結果はデータの分析にも活かすことができます。また、設備ごとの電力使用量を、テナントごとの電気料金算出にも活用できるため、経理での手間を省くことにもつなげられます。
そのほか、デマンド監視装置とデマンドコントローラーを活用し、電気の基本料金に大きくかかわる「最大需要電力を抑える方法」を検討できるため、ビル全体の省エネ対策にも役立ちます。

時間とコストの削減につながる

建物内の機器の状況を遠隔から閲覧し、それらの操作やプログラム変更を行うことができます。またデバイスごとの安定動作や、ステータスの確認もサーバー経由で遠隔から可能となります。各機器のメンテナンスも、遠隔から実施できるため現場での作業を最小限に抑えられ、メンテナンスにかかるコストも削減できます。
このように、メンテナンス時の連絡や施設設備の状態履歴監視を遠隔で行え、時間とコストが削減できるとともに必要機能への人員の適正な分散配置が行えます。

長期的に運用するメリット

中央監視システムを運用することで、照明や空調の制御で入居者の快適性の向上、衛生管理が可能となります。またコンピュータを基幹としたシステムとなるため、メンテナンスや改修も従来型と比較すると容易になります。これらのメリットを長期にわたって継続的に実施していくと、ビルの資産価値向上にもつながり、集客力や稼働率の向上も期待できると考えられます。

ALSOK 中央監視システムの特長

ALSOK中央監視システムの特長

ALSOKでは、ファシリティ事業で培ったノウハウを活かしたメンテナンスと保守・警備を一元化したファシリティマネジメントサービスをご提供しており、中央監視システムも取り扱っております。

ALSOKが提供する中央監視システムの特長は3つあります。
1つ目は、クラウド多棟管理システムです。この導入により複数の施設を一元管理することでエネルギーを「見える化」することができ、省エネ機能(電力デマンド機能)を活用することでランニングコストの低減が可能となります。
2つ目は、「オープンシステム」の採用です。オープンシステムとは、特定のメーカー機器で構成された独自システムではなく、標準化された通信規格を採用して様々なメーカーの機器を相互接続して構築することを指します。様々なメーカーの機器が接続できるため、フロアやテナント毎に部分更新することも可能となるなど、柔軟な機器選定が可能で、コストを低く抑えられます。
3つ目は、警備業で培った迅速なメンテナンス体制です。メンテナンス契約では、24時間365日対応可能な運用体制、インターネットによるリモート保守で、障害発生時も素早い復旧が可能です。

その他、ALSOKではビルの常駐警備や機械警備・オンラインセキュリティサービスも展開しています。

まとめ

ビル管理といえば、さまざまな技能を持つ人たちが多数で実施するものという印象をお持ちの方も多かったと思います。しかし現在ではコンピュータを基幹とするビルオートメーションが普及し、ビル管理業務にとどまらず省エネ対策への活用も可能となっています。
ALSOKでは「警備システムとの連動」という特色を活かした、ワンストップのファシリティマネジメントサービスをご提供しています。煩雑なビル管理業務を一気に効率化したいとお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。