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顔認証の仕組みとは?マスク社会でも導入が進む顔認証システム

顔認証の仕組みとは?マスク社会でも導入が進む顔認証システム
2021.03.19

デジタルカメラやスマートフォン内蔵のカメラアプリに備わっている「顔認識」という機能をご存じの方は多いでしょう。撮影画像内で人の顔を検知し、笑顔かそうでないかなどを判別する仕組みです。近年は、この顔認識機能をより進化させた「顔認証システム」が、施設の出入りにおけるセキュリティ管理などで役立てられています。
この記事では、現在急速に普及している「顔認証システム」についてご紹介します。

顔認証システムとは

顔認証システムとは、人の顔を認証して本人確認をする技術です。さまざまな場面で導入が図られている生体認証の1つで、生体認証には顔認証のほか、指の指紋認証、手の静脈認証や眼球の虹彩認証などがあります。
顔認証をはじめとする生体認証技術は、企業サービスから強固なセキュリティが求められる銀行、ひいては国家インフラまでにわたり幅広く活用されるようになりました。
以下は、総務省の「平成29年版 情報通信白書」による、AIおよびIoTの市場規模と実質GDPの2030年までの推計をグラフ化したものです。

市場規模と実質GDPの2030年までの推計グラフ

上記を分かりやすく説明すると、「IoTやAIが経済成長にどれくらいの影響を与えるか推計したもの」となります。これによると、2030年にはAIやIoTは実質GDPを132兆円も底上げできる効果があるとみられています。もちろんAIやIoTの活用と経済成長への結びつきには、今回ご紹介している顔認証技術の普及もかかわっています。

顔認証と混同しやすい画像認証技術に「顔認識」があります。顔認識の場合は画像から人の顔がどこに写っているか検知し、その性別や年代、表情(笑顔なのか泣き顔なのかなど)を判別する技術を指すことが一般的です。いっぽう顔認証は、検知した顔の特徴などを登録されたデータと照合し、間違いなく特定の個人であることを認証するための技術です。
顔認証以外にも、指紋や掌紋、静脈や虹彩などによる生体認証技術があります。しかし顔認証がそれらと異なるのは、デバイスへの接触が不要で持ち物等で手がふさがっている人の認証処理もできる点や、立ち止まらなくても認証処理ができる点です。また、顔認証は複数の人の認証処理を一度に行うことも可能です。
これらのことから、生体認証は本人確認を行う現場の特性に応じた使い分けが必要と言えます。

顔認証システムとは

顔認証システムの仕組み

容易な手段と高い精度で本人確認を行える顔認証システムですが、顔認証システムはどのような仕組みで認証を行っているのでしょうか。
顔認証の仕組みにはディープラーニング(深層記憶)を行える高度なAIが使用されています。ビッグデータより取得した情報を基に、画像や映像から個人の顔を検出し特定を行っています。認証は目や鼻、口の位置といった個人の顔が持つ特徴から、顔の大きさに至るまで顔に関するさまざまな要素の識別によって実行されます。
顔認証システムの仕組みは、画像や映像から顔を検出し特定の個人であると認識することを大前提としていますが、顔認証を含む生体認証のシステムには以下の2種類があります。

認証システム

顔認証端末(デバイス)型

専用カメラや機材など特定のデバイスを据え置き、それによって認証を行う方式です。認証速度が早く、ランニングコストが安価です。個人情報が建物内で管理されるなど、自社のニーズに合った性能・特徴を備えたデバイスを導入できるメリットもあります。
しかし、機器の更新を行わない限り一般的には認証精度が向上しないなどデメリットも存在します。

クラウドサービス型

クラウド(インターネット上の仮想スペース)に用意された専用システムで環境認証を行う方式です。一般的なカメラやスマートフォンを活用することもでき、システム更新などの運用管理も不要です。このため導入コストが低く済み、OSや認証システムを常時最新の状態で使用できるメリットがあります。
ただし、認証速度が遅く、ランニングコストが高価、インターネットが使用不可の状態になるとすべての認証システムが使えなくなってしまう、などデメリットもあります。個人情報をネットワーク上に流すことへのリスクも想定されるでしょう。

また、認証の方式にも以下のように、2つの種類があります。

顔認証の認証方式

2D顔認証システム

画像に写った顔の目・鼻・口などの位置を認識し、それをデータベースの人物情報と照合することにより特定の人物であると認証する方法です。対応する端末が多く、選択肢が豊富であるというメリットがあります。ただし、太陽や照明による現場の光量が認証の精度へ影響を及ぼす点や、髪型や化粧によって正常に認証できない可能性があるなど、現在では複数の課題があるとされています。

3D顔認証システム

2D顔認証システムの仕組みに赤外線センサーを加え、顔を立体データとして認識できる機能を付加したシステムです。顔認証の機能が増えるため、2D顔認証システムより認証の精度は高くなります。最大のメリットは、顔写真では認証ができない点です。化粧や髪型が変わっても影響がなく、赤外線によって現場の光量にかかわらず顔認証システムを動作させられるメリットもあります。
デメリットとしては、赤外線認証に対応する端末が必要となる点が挙げられます。

顔認証システム導入のメリット

顔認証システムを導入して本人認証を行うことのメリットには、以下のようなものが挙げられます。

デバイスへの接触が不要

指紋・静脈認証などと異なり、特定のデバイスへ手で触れなくても認証が可能です。

幅広いシーンで活用が可能

複数の人の顔を一度に認識可能で、1人ずつ認証を行わなくても良いため、多人数が集まる場所などさまざまな場面での活用を想定できます。

専用の読み込み機材が不要

カメラやスマートフォンなど多くの一般的な機材を活用できる顔認証システムも選べるため、それらを用いることで専用の機材を準備しなくても済みます。

不正な認証を防げる

精度の高い認証システムの導入で認証ミスをなくし、不正を防止できます。

手袋の使用時や手がふさがった状態でも認証可能

手袋をした人や、荷物で両手がふさがった人も本人認証が可能です。

受付の無人化

受付担当者が目視や署名で本人確認していた現場でも、顔認証システムの導入で受付担当者の省人化ができます。

ブラック・ホワイトリストの検知

本人確認と同時に、その場所を通行する許可を受けた人とそうでない人を選別することも可能です。

なりすましを防止できる

カード認証で行えてしまう「なりすまし」も、顔認証では不可能です。

コロナ禍における顔認証活用

新型コロナウイルス感染症予防の観点からも、顔認証システムは有用です。顔認証システムに検温機能を備えたシステムを選ぶことで、認証と検温チェックが同時に行えます。

顔認証システムの注意点

顔認証システムの導入にあたっては注意すべき点もあります。おもに以下3つの注意点があるため、導入を検討する際にはこれらを意識することが必要です。

プライバシーに関すること

人の顔写真や、それによる本人認証で得た個人情報に関するデータは、慎重な取り扱いが求められます。顔認証システムによる本人認証という目的以外での、顔写真をはじめとする個人情報やそれに準ずるデータの流用は法的に罰せられます。

認証精度の問題

導入している顔認証システムの技術しだいでは、認証精度にばらつきがある可能性があります。また昨今ではマスクを着用する機会も多く、マスク着用によって認証精度が左右される場合もあり得ます。

データサイズの問題

顔認証システムで撮影する画像データのサイズは非常に大きくなります。そのため、認証に用いる機器もそれに応じた性能の高さが求められます。

顔認証システムが使用されているシーン

顔認証システムは、さまざまなシーンで活用されています。ここでは、日常生活における顔認証システムの活用シーンについてご紹介します。

スマートフォンのロック解除や決済手続き

Apple社のスマートフォン「iPhone」においても、「iPhone X」以降のシリーズには「Face ID」という顔認証システムが搭載されています。スマホを覗き込んで顔を認識させることで画面のロック解除が可能なほか、電子マネーによる支払いも顔認証機能を活用して行えます。

空港内での通行時

世界各国の空港内でも、保安検査場や搭乗口、入出国ゲートや税関の電子申告ゲート通過時などにおいて、顔認証システムが活用されています。

事業所などの入館システム

企業の事業所へ入館する際の本人認証にも、顔認証システムが多く用いられるようになりました。以前は社員証によるICカード認証が主流でしたが、現在ではその代わりとして顔認証システムが普及しつつあります。

テーマパークのアトラクション搭乗時など

大型テーマパークの一部でも顔認証システムが活用されています。アトラクションへ搭乗する際、紙のチケットを見せる手間があり、搭乗まで時間がかかっていました。顔認証による手続き(顔パス)を導入することで、入り口付近で来場者が滞留することがなくなっているようです

マーケティングリサーチ

マーケティングリサーチを目的として、店頭に顔認証システムを設けている店舗も数多くあります。顔認証はすべての来店者について決済の有無にかかわらず確認が行え、購入などを行わなかったユーザーに関するリサーチの実施も可能となるためです。

工場内での活用

工場内の通行時も、以前は社員証などICカードによる本人認証を行っていましたが、最近では顔認証システムを導入するケースが増えています。顔認証システムでは非接触で本人確認ができるため、手袋を着用したスタッフや両手で荷物を持ったスタッフが工場内のセキュリティ管理を要する場所へ立ち入ることを容易にしています。

スポーツジムなどの受付の無人化

スポーツジムなど、深夜や早朝に営業を行う施設でも入館の際に顔認証システムを設けるケースが増えました。受付担当者が目視で確認を行う代わりに顔認証システムを設置することで、スタッフの確保が難しい時間帯での営業も可能にしています。また、ICカードによる認証を行っていた施設でも、顔認証に切り替えることで他人のカードを使ったなりすましなどによる不正利用を防止できます。

コロナ禍で注目される非接触での出入り管理

昨今の新型コロナウイルス感染症予防が必要とされる状況下においては、出入り管理にも多くの新たな課題が生まれました。
署名などによる認証をはじめ、生体認証のうち指紋認証や静脈認証など、接触を要する認証システムは感染経路になる恐れもあります。また、本人確認と共に検温を実施するなど、チェック項目が複数にわたる際には運用がさらに複雑になるでしょう。
上記のように、人を介した受付を行う出入り管理では感染リスクをゼロにすることは難しいと言われています。
そこで、感染リスクを最小限に抑えられる出入り管理の手段として顔認証システムが注目されています。

コロナ禍における顔認証の利点

顔を向ければ認証が完了するため端末との接触が不要となり、感染リスクを抑えられます。また検温チェック機能が備わった顔認証システムもあり、それらを使用することで顔認証と検温が同時に行えます。ともすると煩雑になりがちな運用も簡略化でき、スムーズな出入り管理を実現できます。また、それにともなう省人化を実現し、人と人との接触を減らすことにもつながります。

コロナ禍における顔認証の注意点

マスク着用時の顔の認証率には、注意を払う必要があります。認証に用いる機器によってはマスクによって認証率が下がることがあるため、目的しだいでは専門家のアドバイスを受けて活用を図る必要が出るでしょう。

ALSOKが提供するサービス

ALSOKでは、顔認証をはじめとする非接触認証システムを活用したさまざまなサービスを提供しています。
顔認証でセキュリティ管理が必要な個所への出入り管理を行える「顔認証システム」なら、ICカードもパスワード入力も不要。接触機会を極力なくしながら、スムーズな出入りを実現します。またカードなどのように貸し借りや偽造ができないため、不正な入退場の防止にもつながります。

また、顔認証システムと体温測定を組み合わせた端末もご提供しています。感染症対策が欠かせない現代においても、通過するだけでの一瞬で認証を完了。出入り管理を煩雑にすることなく、2つの認証処理を一度に行えます。

店頭での決済処理が非接触で行えることも、時間短縮のメリットに加え有効な感染対策になります。さまざまなキャッシュレス決済サービスに対応できる「ALSOKマルチ決済ソリューション」なら、多くの決済ブランドを1つの端末で利用可能に。売上のチャンスを拡大できることに加え、非接触決済で感染リスクも抑えられます。

まとめ

顔認証システムは非接触かつ即時に本人確認を行えるため、スピーディで衛生的な出入り管理が可能です。また、施設内のセキュリティ管理を目的とした導入にとどまらず、多くのアプリケーションやシステムなどのログインにも顔認証システムが活用されるかもしれません。
しかし、顔認証によって取得した顔写真のデータは重要な個人情報にあたります。顔認証システムを導入する際は、規約やセキュリティポリシーの徹底および必要に応じた見直しを実施し、正しい運用に努めましょう。