ISO22000とは?食品安全における目的やメリット、取得方法について

ISO22000とは?食品安全における目的やメリット、取得方法について
2022.04.15

食品を取り扱う事業に携わる方が取り組むべき、食品安全というと「HACCP」を挙げる方が多いでしょう。しかし近年ではHACCPのほか、国際規格として有名な食品マネジメントシステム「ISO22000」の認証を取得する食品事業者も増えています。
ISO22000とはどのようなルールで、どのような目的のもとに設けられた国際規格なのでしょうか。
この記事ではISO22000の概要をご説明し、HACCPとの違いや認証取得の流れについてご紹介します。

目次

ISO22000とは?

ISO22000とは、スイスに本部のある「国際標準化機構(ISO)」によって定められた「食品安全に関する国際規格」です。別名FSMS(Food Safety Management System:食品安全マネジメントシステム)とも呼ばれ、食品の衛生面を含んだ安全な管理を実施するためのマネジメントシステム規格を指します。
HACCPにおける食品の衛生管理手法をもとにした考え方で、食品安全にかかわるリスクを抑制し、安全な食品の供給体制の実現を図るものです。

食品安全を目的としたHACCPとISO22000

食品安全を目的としたHACCPとISO22000

先にも述べたとおり、ISO22000はHACCPと密接なつながりを持っています。ここでは、ISO22000はHACCPとどのような違いがあるかをご説明します。

ISO22000は「HACCP」と「ISO9001」から成り立つ

ISO22000は、「HACCP」と「ISO9001」の2規格から成り立つ「適切な衛生管理手法に基づき品質マネジメントを図るための規格」です。まずHACCPは、食品の安全を保つための衛生管理手法をまとめた規格です。一方でISO9001は、食品に限らないすべての商品・サービスの品質を高め、顧客満足度向上を図るための品質マネジメントシステム規格です。

なお、このISO22000にさらなる追加要求事項を加え、より確実に食品の安全管理を行うためのマネジメント規格として「FSSC22000」が設けられています。FSSC22000は、ISO22000の上位規格にあたります。

ISO9001 品質マネジメントシステム
HACCP 食品安全のための衛生管理の手法
ISO22000 適正な衛生管理の実施を前提とした食品の品質マネジメント規格
FSSC22000 ISO22000に、さらに追加要求事項を加えた上位規格

ISO22000の目的は「食品事故発生のリスク低減と再発防止」

HACCPでも食品事故を防止するためのリスク低減措置が事業所の各現場に対して唱えられていますが、ISO22000ではその認証範囲が拡大されています。
HACCPでは事業所の屋内や工場、流通の現場が認証範囲とされていますが、ISO22000では、食品加工工場の外周警備なども含まれ、さらに幅広い現場を認証範囲としています。
ISO22000では、フードチェーンに直接・間接的にかかわる、すべての食品安全に関する取り組みが認証の対象とされているのです。

ISO22000認証取得をするメリット・デメリット

ここでは企業がISO22000を取得するメリットを整理します。

食品事業者がISO22000認証を取得するメリット

1.安全性をアピールできる

企業のWebサイトやリーフレット、社屋などに「ISO22000認証」と記載することで、食品安全や品質向上への取り組みを積極的に実施している事業者であるというアピールが可能です。

2.二者監査の軽減・免除

取引先からの二者監査を受けている場合、規格取得によって監査を免除されたり、監査の回数や内容について軽減措置を受けたりできる可能性があります。

3.販路拡大

ISO22000の認証取得を条件に取引先を選ぶ企業もあるため、安全に関する認証取得企業として信頼性を高めることで、販路の拡大も見込むことができます。

4.従業員の意識向上

ISO22000の認証取得によって、従業員の食品安全に関する意識改革を実現できるでしょう。従業員を教育することにより、組織単位で業務面での知識やスキルの向上を図ることも可能です。

5.食品安全リスクの低減

従業員へ安全管理について継続的な指導を行うことで、事業所内全体においても食品安全に関するリスクを減らしていくことが可能です。

ISO22000を認証取得するデメリット

事業者にとってのデメリットとなり得る点を挙げるとすれば、認証取得や取得後の設備の整備などにかかる費用が増えることや、工数がかかることなど限定的なものでしょう。

ISO22000認証取得による効果の事例

食品事業者による、ISO22000の認証取得にともない具体的な効果があった事例を、以下にご紹介します。

【1.工数やコストの削減を実現したギフト食品メーカーの例】

ISO22000を認証取得し、作業マニュアルの見直しやインフラの整備を実施した結果、安全性や品質を損なうことなく作業工数やコストを削減できました。

【2.第三者認証による安心感と信頼性が増した商業印刷メーカーの例】

食品パッケージ印刷など新たに食品マーケットへチャレンジするため、バックヤード強化として認証を取得し、ISO22000という第三者認証により、顧客に安心感を与えることに成功し、信頼が顧客獲得武器につながりました。

【3.組織全体の活性化につながった食品香料や制菓材料等の輸入メーカーの例】

商品の安全安心のリスク管理や対外的な信頼性向上を図るため認証を取得しました。取引先からの二者監査の削減やマニュアルの見直しにより社内コミュニケーションが活発となり、組織全体の活性化につながりました。

ISO22000認証取得までの流れ

実際に食品事業者がISO22000を取得するためには、どのような手順や流れを踏む必要があるのでしょうか。ここでは、ISO22000認証取得までのおおまかな流れをご紹介します。

1.システム構築

ISO22000は「マネジメントシステム」です。事業所内で実施するための仕組み(システム)を構築しなければなりません。
まず、ISO22000に記載の要求事項をもとに、社内で取り組む案件に関する文書やルールを作ります。
自社の食品安全マネジメントの仕組みを構築する方法としては、主に以下の2つがあります。

  • 自社内で1から実施する
  • ISO認証取得を専門とするコンサルタントを活用する

2つの構築手法の特徴やメリット・デメリットを、以下の表にまとめています。

自社内での構築 ISOコンサルタントへ依頼しての構築
コスト 基本的には安価で済む コンサルによって費用に差がある
メリット ・認証継続時の運用がスムーズ
・現場状況に応じたシステムが作れる
・規格改訂時なども自力で対応できる力量がつく
・社内の人材リソースを削減できる
・ISO認証取得のプロとして知見があり、認定取得の支援を行ってくれるため安心感がある
・期日に合わせて計画的に対応してくれる
デメリット ・構築に一定の期間を要する
・相応の工数や人件費が必要
・期間に合わせた対応が難しい場合がある
・コンサルの選定次第で効果が異なる
・認証継続の依頼にも費用がかかる
・社内に知識や経験値が残りにくい
・実務が反映されていないマニュアルや企業規模にそぐわない規定など
実際の現場状況とは異なるシステムとなる可能性がある

2.審査・認証取得

システムが構築できたら、自社内でそれを運用します。その運用状況に関する審査が行われ、審査を通過することでISO22000の認証を受け、登録証が発行されます。
審査は「ファーストステージ審査」と「セカンドステージ審査」の2段階に分かれており、ファーストステージ審査とセカンドステージ審査の間隔は最短で1か月、最長6か月となっています。このため、審査を開始してから認証取得・登録証発行までの期間の目安は2か月~8か月と考えてよいでしょう。
ISO22000の審査を実施している審査機関は多数あるため、自社の取得目的や予算などに合わせて審査機関を選定しましょう。要求事項に沿ってシステムが運用できているかのチェックのみを行う機関も、企業成長のため高度な指摘を積極的に行う機関もあります。

システム運用、認証維持

ISO22000を認証取得すると登録証が発行されますが、登録証の有効期限は3年です。認証を維持するためには、構築されているシステムが引き続き適正に運用されているか1年に1度の定期審査を受け、通過することで認証の更新を行わなければなりません。
初回の認証取得後1年で「第1回定期審査」が実施され、2年後に「第2回定期審査」が行われます。その1年後(初回認証から3年後)に「更新審査」があり、すべてに通過すると認証が更新されます。これ以降は、同様に定期審査を行い、更新審査を受けるサイクルとなります。

食品安全に役立つALSOKサービスを活用しませんか

ALSOKでは、食品事業者に向けたフードディフェンスに繋がるサービスを多数提供しています。適正な衛生管理のもとに品質や顧客満足度を高め、事業拡大につなげるために、ぜひALSOKサービスの活用をご検討ください。

エムビックらいふの食品検査

ALSOKグループのエムビックらいふでは、食品事業者に向けた食品検査・衛生点検を実施しています。事業所内の衛生管理に、ぜひお役立てください。

サーマルカメラなど非接触商材

食品事業における感染症予防は重要な取り組みです。検温機能を備えたサーマルカメラは、「顔」を登録することで顔認証も可能となり、入退室管理にも対応。事業活動における接触を極力減らしながら検温と防犯強化を実現します。

事業所の衛生・安全管理については、以下のコラムもぜひご参照ください。

まとめ

これからISO22000認証を取得しようとお考えの食品事業者様も多いのではないでしょうか。また、認証取得までは自社で行えたものの、今後の認証維持やシステムの継続運用を検討中の方もいらっしゃることでしょう。
ALSOKでは、ISO22000認証取得に向けて必要となるシステムや設備、各種サービスを取り扱っております。ご希望に合わせてさまざまな側面からサポートをお選びいただけますので、ぜひご相談ください。