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飲食店の開業には具体的に何が必要?準備したい5つのこと

飲食店の開業には具体的に何が必要?準備したい5つのこと
2020.08.28

飲食店の開業計画においては、営業開始までの準備にとどまらず、その先を長期的に考えて息の長い経営を継続できるための体力を備えておくことも大切です。飲食業は開業する店舗が多い反面、開業からわずかな期間のうちに店をたたむ事例もそれ以上に多いとされ、一般的な小売・サービス業以上に厳しい業界と言われています。

今回は、飲食店を開業するにあたり必ず行っておきたい準備について、具体的にご紹介します。開業までのおおまかな流れを把握し、それぞれの準備段階で考えておくべきことについてまとめました。

開業準備のスケジュールと流れ

開業準備のスケジュールと流れ

飲食店の開業までには、具体的にどのような手順・流れを経る必要があるのでしょうか。ここでは、店舗物件が確保できた時点から行う開業準備の流れについてご紹介します。
なお、物件探しは開業の「半年前」までには始め、「3カ月前」までには契約を結んでおくことが目安と言われています。

1.内外装の整備(開業3カ月前~)

店舗となる物件を確保できたら、あらかじめ立てた計画に沿って店舗内外の改装をスタートさせます。開業までに改装が終わっていれば良いとはいっても、従業員を募集する際に店の雰囲気などを見てもらった方が望ましいでしょう。できるだけ早めに改装に着手し、余裕を持って完成させられるようにしましょう。

また、改装の施工期間中にはご近所の方へあいさつに回るなど、この時点で顔を合わせる人たちがお客様になる可能性を考えながら丁寧な対応を心掛けましょう。

2.備品の調達(開業2カ月前~)

調理用の器材や席、料理を提供する食器などの備品も、開業までに用意しなければなりません。特に人気のある備品や珍しい備品を店内で使用したい場合は、開業に間に合わない事態を防ぐためにも早めに調達しておきましょう。

3.従業員の確保(開業2カ月前~)

開業に際し従業員を雇う場合は、開業までに人員の確保が必要です。現在はあらゆる業界で慢性的に人手不足が続いているため、採用活動も期間に余裕を持って行いましょう。開業の前日までにマニュアルに沿ったトレーニングが行えるよう、早めに採用を済ませられることが理想的です。

4.メニューの開発(開業1カ月前までに決定)

提供する料理や飲料を店主やオーナー自身で開発する場合、開業の半年以上前など、かなり早い段階から考案や試作を行う必要があります。店舗プロデューサーや開業コンサルタントへ依頼する場合も含め、開業の1カ月前までにはメニュー構成を決定しておきましょう。

5.店舗オペレーションの整備(開業1カ月前までに)

店舗運営のオペレーションマニュアルなどは開業1カ月前には作成しておき、開業までには従業員に伝えてトレーニングと最終確認を行わなければなりません。コンセプト設計や事業計画の段階から案をまとめておき、人材採用の時点で従業員に伝えられるよう準備できていればベストでしょう。

ここでご紹介したスケジュールの流れは、あくまで目安です。これより早期に準備を進められればそれに越したことはありませんが、準備が早すぎれば情勢やトレンドの変化に直面することもあり得ます。社会や流行の動向にもしっかり目を配り、臨機応変に立ち回っていくことが求められるでしょう。

内外装で考えておくこと

内外装で考えておくこと

飲食店の開業準備では、どうしても店内の環境や設備に意識が集中しがちになります。しかし、外装も含めてさまざまな設備を整えておくことが求められます。ここでは、お客様が気軽に入店し気持ちよく店内で過ごせる店舗作りのために内外装で気を配りたい点をご紹介します。

1.厨房設備について

お客様に美味しいメニューを効率的に提供するためにも、厨房設備に妥協は禁物と考えている方が多いでしょう。しかし限られた予算内で最大公約数を実現するには、一定の要件を設けて設備選定を検討する必要があります。

厨房設備の選定では「提供するメニューの傾向や種類」が決まっていることが重要です。たとえば、カジュアルランチやスイーツをメインで提供するカフェに、大きなビールサーバーを入れてもあまり役に立ちません。まずは店舗コンセプトを明確にし、それに合わせた設備をチョイスすることで予算を有効に活用できます。

2.建具や照明機器について

店内の建具や照明を選定する際には、店舗のコンセプトをしっかり確立しておくことに越したことはありません。それに加え、店内照明の明るさ(照度)には一定の配慮が必要です。飲食店の場合、照度が低すぎると(照度10ルクス以下の場合)風俗店営業扱いとなってしまい、管轄公安委員会の許可が必要となるからです。
一般的に飲食店の場合、厨房部分に関しては作業効率を保つ目安として500ルクス以上の明るさが望ましいでしょう。

建具に関しても、店舗のコンセプトで提示したイメージに即した選定が基本です。明るい雰囲気か落ち着いた印象か、和のイメージか洋風のイメージかなど、「こんなお店にしたい」と想定する雰囲気に即したものを選ぶと良いでしょう。内装に限らず外装においても一目で店舗コンセプトが分かり、お客様に「入ってみたい」と思っていただけることを意識して色合いや質感を選ぶようにしましょう。

備品調達で考えておくこと

備品調達で考えておくこと

お客様にメニューを提供する食器や、テーブル・椅子・カウンターなどの備品も開業までには十分な数を調達する必要があります。ここでは、店内の備品調達で意識したいポイントをご紹介します。

1.食器やホール内の備品について

ホール内の備品を揃える際には、「何人のお客様を同時に収容できるか」から必要数を算出することが大切です。開業直後から店舗が忙しくなれば理想的ですが、食器を洗っている時間の確保も難しくなることを想定しなければなりません。

カウンターに5名、テーブルに計20名で合計25名を収容可能な店舗の場合、可能であれば収容人数の3倍=75名分の食器があれば十分であると言われています。ただし、お客様の回転率によっても必要な食器の調達数は変わるでしょう。「席がいくつか」に加え、「お客様が1日あたり何回転するか」を想定して必要数を割り出すようにしましょう。

2.従業員のユニフォームについて

店内で従業員が着るユニフォームは、開業の2カ月前には決定の上、調達を行うことが目安です。全身分を用意せず、店舗指定は上衣のみでボトムスはどなたでも持っている衣類を着用するスタイルを選ぶ店舗もあります(指定のシャツに黒のズボン・スカートとするなど)。

素早く動き回ってよく汗をかくラーメン屋さんの店内着にTシャツが多いように、店舗の特徴に合う材質や用途を考慮したユニフォーム選定も大切です。
また店舗の特徴によりますが、一般的にユニフォームは「白色」ではない方が良いと言われています。白は清潔感によって好印象を与える反面、汚れが目立ちやすいといった弱点があることから、頻繁に着替えが必要となり印象や効率の面でのデメリットがあるからです。

従業員の確保について

従業員の確保について

従業員を雇って飲食店を開く場合は、従業員の人件費を設定する必要もあります。
人件費は売上中に占める人件費率で考えることが一般的で、その目安は「総売上の3割」と言われています。この場合の人件費には、実際に支払う給与だけではなく通勤交通費等の手当や社会保険などの福利厚生費も含まれます。

人件費率は低く抑えたいと店側は考えるものですが、現在は人手不足の状況が続いており、低い給与での人材確保は難しいでしょう。そのような社会的背景を理解し、経営効率の向上を実現しながら適正な給与での従業員雇用をめざすことが最優先事項となります。

メニュー開発について

メニュー開発について

メニューの開発や決定にはスケジュールも大切ですが、使用する食材の原価などに気を配ることも重要です。一般に、飲食店の食材原価は「売上の3割まで」が目安とされており、先にご紹介した従業員の人件費と合わせて「6割まで」と言われています。

飲食店のおもな支出はこの食材原価と人件費となりますから、メニュー開発の際に原価を意識することは必須です。ただし、業態によっては原価率の目安に縛られすぎない方が良い場合もあるでしょう。一般的にドリンク類は原価率を抑えられるため、ドリンク類をメインに据える構成ならフードの原価率を少し上げられます。

オペレーション

オペレーション

飲食店のオペレーションとは、「店舗をスムーズに運営するための全作業」を指します。接客や厨房作業だけではなく、食材や厨房機器・備品などの管理もオペレーションに含まれます。

先に「開業1カ月前にはマニュアルを整備する」とご紹介しましたが、その理由は直前の1カ月間で従業員への意識合わせやトレーニングの実施が必要なためです。開業直前にプレオープン日を設定して友人・知人を招待し、トレーニングで身についたオペレーションを実践する機会を作っても効果的でしょう。

まとめ

今回は、飲食店開業までに具体的に行うべきこととその流れ、また実践すべき項目ごとの注意点をご紹介しました。

スケジュールやコストの目安を意識することは大切ですが、それらに縛られすぎては適切な店舗の経営が難しくなることもあり得ます。あらゆる側面を考慮しつつ、「自店舗に最適な目安」が意識できた状態で店舗を開業できることが理想的でしょう。

次の記事では、飲食店で備えておきたいことをご紹介します。開業後に抱える不安をカテゴリごとに解決します。ぜひご参考にしてみてはいかがでしょうか。

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