店舗の防犯対策を徹底解説!犯罪リスクの種類やおすすめの防犯設備

貴金属店
2026.07.21

本記事では、店舗が抱える犯罪リスクの種類と「トクリュウ」の主な手口を整理したうえで、今すぐ取り組むべき防犯対策、おすすめの防犯設備について徹底解説します。

2024年以降、闇バイトで集められた実行役が店舗・事業所を次々と狙う「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による犯罪が急増しており、「いつ自分の店が標的になるか分からない」という不安を抱く経営者・店舗オーナーも増えています。大切な店舗、従業員、顧客を守るためには、事件が起きてから対策を講じるのではなく、事前の防犯対策が不可欠です。

【この記事で分かること】

  • 店舗が抱える主な犯罪リスクの種類
  • 近年急増しているトクリュウの特徴と店舗を狙う手口
  • 店舗が今すぐ取り組むべき4つの防犯対策
  • 店舗に導入すべきおすすめの防犯設備とALSOKのサービス内容

目次

店舗が抱える犯罪リスク

店舗が直面する犯罪リスクは多岐にわたります。

  • 強盗
  • 不法侵入
  • 万引き
  • 放火
  • 暴行・傷害
  • 内部不正
  • カスタマーハラスメント

ここでは、それぞれのリスクの主な手口と受ける被害について解説します。

強盗

包丁を持った強盗

刃物や鈍器などの凶器を持った犯人が店舗に押し入り、従業員を脅迫して現金や商品を奪う犯罪です。近年はトクリュウによる組織的強盗が増加しており、複数人で同時に侵入するケースもみられます。金銭的被害だけでなく、従業員が負傷するケースや心理的トラウマを抱えるケースも多く、店舗運営の継続が困難になる事例もあります。

不法侵入・窃盗

人のいない時間帯に窓ガラスを破壊したり、鍵を不正に開けたりして店舗に侵入し、現金や商品を盗む犯罪です。特に、閉店後や休業日を狙って犯行に及ぶため、被害発覚が翌日以降になることも多く、店舗の営業にも支障をきたします。

万引き

店舗の営業時間中に客を装って侵入し、商品を盗む犯罪です。店員の視線の隙を狙って盗み出し、商品を偽物とすり替えるなどの手口で行われます。貴金属店などの場合は商品が高額なため、一つの被害でも大きな損失となるおそれがあります。

放火

放火は、怨恨や愉快犯的な動機から発生することが多い犯罪です。店舗の外壁や入り口付近、または店舗内に侵入したうえで放火される事例があります。建物の焼損・焼失に加え、従業員や近隣住民へ被害が及ぶ危険もあります。
深夜・早朝など人通りが少ない時間帯に狙われやすく、発見が遅れると被害が甚大になります。

暴行・傷害

客が従業員に暴力をふるうケースや、客同士のトラブル、不審者が店舗内に侵入し暴れるなどのケースがあります。被害者は身体的な怪我を負うだけでなく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的なダメージを受けるリスクがあります。

内部不正

従業員によるレジからの現金や商品の持ち出し(内引き)、顧客情報・売上データの不正持ち出しなどが、内部不正の代表的な手口です。外部犯罪に比べて発覚が遅れやすく、長期にわたって被害が続くこともあります。

カスタマーハラスメント

カスタマーハラスメントには、不当な値引き要求、長時間に及ぶ執拗なクレーム、SNSへの虚偽投稿による名誉毀損、従業員への暴言・脅迫・暴行などが含まれます。店舗側だけでは対応が難しく、従業員の精神的負担や離職の原因にもなります。なお、カスタマーハラスメント対策は企業の労務管理上も重要性が高まっており、相談体制や対応フローの整備も防犯・安全管理の一環として検討する必要があります。

近年被害が増えている店舗を狙う「トクリュウ」とは

トクリュウとは「匿名・流動型犯罪グループ」の略称で、SNSや闇バイト募集サイトを通じて実行役を集め、強盗や窃盗、詐欺などの犯罪を組織的に繰り返す集団を指します。
指示役はSNSや秘匿性の高いアプリを使用して遠隔から指示を出すため、実行役が逮捕されても組織のトップまで捜査が及びにくい構造が特徴です。

店舗・事業所を狙う主な手口

トクリュウと従来の組織犯罪との根本的な違いは、「闇バイト募集から数日で実行に移すスピード感」です。実行役同士が面識を持たず、メンバーも流動的なため、彼らは以下のような流れで一気に犯行に及びます。

  1. 事前下見・情報収集
  2. 実行役の招集
  3. 侵入・強盗
  4. 逃走(主に偽装ナンバー車)

トクリュウは、店舗の防犯体制や従業員数、金庫の場所などを事前に調べ、狙いやすい店舗を選んで犯行に及びます。深夜帯の少人数営業や現金・貴金属を多く扱う店舗は、特に注意が必要です。

実際に起きた店舗被害の事例

事例① 台東区上野の貴金属店での窃盗被害(2025年10月)

2025年10月に、台東区上野の時計店で腕時計4本など(約222万円相当)が盗まれた事例です。犯人らはドアをバールで破壊して侵入し犯行に及びました。警視庁はトクリュウによる犯行とみて他の侵入窃盗事件との関連を捜査しています。

事例② 歌舞伎町の質店への強盗未遂(2026年3月)

2026年3月10日の深夜0時55分ごろ、東京都新宿区歌舞伎町の質店に20代の男4人が押し入り、男性店員を足蹴りするなどして現金を要求した事例です。警視庁は、容疑者らが犯行直前に現場近くに集合していたことなどから、トクリュウによる犯行の可能性を視野に捜査を進めています。

事例③ 新宿区の会社事務所への強盗未遂(2026年4月)

2026年4月7日の午後2時10分ごろ、東京都新宿区内の会社事務所に配達員を装った男らが侵入し、男性会社役員にクマよけスプレーを噴射するなどして金品を奪おうとした事例です。逮捕された6人は栃木県在住の17~20歳で、実行役の一人が指示役と連絡を取っていたことから、警視庁はトクリュウが関与した可能性があるとみて捜査を進めています。

店舗がおこなうべき4つの防犯対策

店舗が取り組むべき主な防犯対策は以下の4つです。

  • 防犯マニュアルを作成・共有する
  • 挨拶や店内巡回を積極的におこなう
  • レジ金の管理方法を見直す
  • 防犯設備・防犯グッズを導入する

①防犯マニュアルを作成・共有する

防犯マニュアルは、トラブル発生時に従業員が冷静かつ安全に行動するための指針です。警察への通報手順、従業員ごとの役割分担、犯人の外見的特徴の覚え方、証拠保全の方法などを具体的に記載しましょう。作成後は、定期的な訓練や勉強会を通じて全スタッフに周知徹底することが不可欠です。

②挨拶や店内巡回を積極的におこなう

従業員による声掛けや定期的な店内見回りは、コストをかけずに実践できる防犯対策です。不審者に「見られている」という意識を与えることで、犯行を諦めさせる抑止効果が期待できます。店内巡回や死角をなくす工夫など、全従業員が意識的に取り組むことが重要であり、万引き対策にも有効です。

③レジ金の管理方法を見直す

レジ内に多額の現金を放置しないことは、店舗防犯の基本です。定期的に現金を金庫へ回収し、レジに釣り銭を残す場合は必要最小限にしましょう。売上金の計算は複数人で実施する、金庫の暗証番号を定期的に変更する、鍵の管理を責任者に限定するなど、現金管理のルールを明文化して厳格に運用することが重要です。

④防犯設備・防犯グッズを導入する

防犯設備や防犯グッズの導入は、犯罪への物理的・視覚的な抑止力を高める有効な手段です。機械警備システムを導入することで、非常時には外部へ緊急通報することができ、警備員が駆けつけて対応します。また、防犯カメラは心理的抑止効果があり、犯行を思いとどまらせることが期待できるほか、記録した映像を証拠として役立たせることもできます。
さらに最終防衛策として、さすまたやカラーボールを配備しておくのも対策の一つです。

店舗におすすめの防犯設備

店舗に導入すべきおすすめの防犯設備は、以下のとおりです。

【領域性】敷地への接近を抑止する(店舗の外側)

  • センサーライト

【監視性】犯行の様子を監視する(周囲・入口・店内)

  • 防犯カメラ

【抵抗性】物理的に侵入を阻み、時間を稼ぐ(境界・屋内)

  • 防犯ガラス・防犯フィルム
  • 入退室管理システム
  • 警備システム

センサーライト

センサーライトは、人の動きを感知して強烈な光で威嚇し、不審者の侵入やいたずらを未然に防ぎます。店舗裏口や駐車場など死角になりやすい場所へ設置することで、効果を高めることができます。比較的低コストで導入できるうえ、周囲に「防犯意識が高い店舗であること」をアピールできるため、費用対効果に優れた防犯設備の一つです。

防犯カメラ

店舗に設置されている防犯カメラ

防犯カメラは、犯罪抑止と証拠確保に欠かせない設備です。設置時は死角が生まれないよう工夫し、レジ周辺や入り口、カウンター、バックヤード付近を重点的にカバーすることで効果を高められます。近年はスマートフォンによる遠隔監視や、AI検知機能を搭載した機種も普及しており、小規模店舗でも導入しやすくなっています。

防犯ガラス・防犯フィルム

防犯ガラス・防犯フィルムは、窓や入り口のガラスドアからの「打ち破り」による侵入を防ぐための対策です。ガラスが割れにくく貫通しにくい構造により、侵入に時間をかけさせ犯行を断念させる効果が期待できます。特に防犯フィルムは既存のガラスに貼るだけで設置でき、手軽に取り組みやすい対策として活用されています。

入退室管理システム

入退室管理は、バックヤードや事務所、金庫室など、関係者以外の立ち入りを制限する設備です。暗証番号、ICカード、生体認証を用いて入退室履歴を記録できるため、外部からの不法侵入防止はもちろん、従業員による内部不正の抑止・証拠確保にも大きな効果を発揮します。

警備システム

センサーが異常を検知すると警備会社へ自動通報され、警備員が現場に急行する仕組みです。夜間・休業日の無人店舗を守るだけでなく、営業中の強盗やトラブルにも迅速に対応できます。非常通報ボタンやカメラ映像によるリアルタイム監視、音声威嚇機能を備えたシステムも普及しており、被害を最小限に抑える効果が期待できます。

店舗の防犯対策に役立つALSOKのサービス

ALSOKは、店舗・事業所向けに多様なセキュリティサービスを提供しています。店舗の防犯対策には、犯行抑止となる対策に加え、非常時に通報できる機械警備など、緊急時の対策が重要です。

機械警備・オンラインセキュリティ

ALSOKの機械警備システムは、24時間365日体制で監視し、不正侵入や火災などの異常発生時にはALSOKが駆けつけて即座に対応します。画像センサーによるリアルタイムの映像確認や音声威嚇、非常通報ボタンとの連携により、営業中はもちろん、深夜や休業日のトラブルにも対応可能です。

防犯カメラ・監視カメラサービス

ALSOKでは、店舗内外を24時間監視できる防犯カメラ・監視カメラサービスをご提供しています。不審者の侵入や従業員の不正行為を抑止するほか、異常発生時の事実確認や複数拠点の状況の一元管理にも役立ちます。クラウドストレージ式の防犯カメラであれば、レコーダーが破壊され録画データが消失するリスクを避けられます。店舗の規模に応じた最適な設置プランをご提案し、安全性向上に貢献します。

出入管理・入退室管理システム

ALSOKの出入管理システムは、1扉の簡易な出入管理システムから導入可能で、店舗の出入・入退室管理から警備までを一括管理するシステムです。顔認証をはじめとする生体認証システムにも対応しており、なりすましやICカードの偽造による不正侵入の防止に貢献します。

入金機オンラインシステム

ALSOKでは、店舗内で24時間365日現金処理が可能な入(出)金機オンラインシステムをご提供しています。店舗の売上金を入(出)金機に投入するだけで、売上金の集計、入金、管理を一元化でき、万が一盗難等が発生しても全額補償対象となるため安心です。現金を外に持ち出す必要がなくなるため、路上強盗に遭うリスクを避けられます。また、従業員が現金に触れる機会を最小限に抑えられるため、内部不正の防止にも役立ちます。

警備輸送(現金・貴重品)

ALSOKでは、店舗の売上現金や貴金属などの貴重品等を、安全かつ確実に輸送するサービスをご提供しています。高額商品などをALSOKが警備輸送することで、店舗の盗難・強盗リスクを未然に防ぐ体制を整えます。

店舗の防犯対策に関するよくある質問

Q:小規模店舗でも防犯カメラや入金機オンラインシステム、機械警備は必要ですか?

A:規模を問わず、防犯カメラや入金機オンラインシステム、機械警備の設置は有効です。
小規模店舗では、限られた人員で営業している場合も多く、防犯体制が手薄になりやすいため、規模にかかわらず対策を検討することが重要です。近年は低価格のクラウドカメラも普及しており、月額数千円程から導入できるサービスも登場しているため、導入のハードルは大幅に下がっています。入金機オンラインシステムや機械警備の導入は、特に夜間無人になる店舗や高額商品を扱う店舗におすすめしたい対策です。

Q:防犯設備導入に使える補助金はありますか?

A:自治体によっては、防犯カメラ設置に補助金・助成金制度を設けている場合があります。また、クラウド型防犯カメラシステムや入退室管理システムは、中小企業向けのIT導入補助金が適用される可能性もあります。詳細については、各自治体や中小企業庁の公式情報を確認してください。

Q:トクリュウによる強盗に狙われやすい店舗の特徴は?

A:深夜・早朝に少人数で営業している店舗、防犯カメラや警備システムを設置していない店舗、高級時計や貴金属など換金性の高い商品を多く扱う店舗、現金をレジや金庫に大量に保管している店舗などが狙われやすいとされています。「自分の店は大丈夫」と思わず、定期的に防犯体制を見直すことが重要です。

まとめ

店舗が抱える犯罪リスクは、強盗や不法侵入、万引き、内部不正、カスタマーハラスメントなど多岐にわたります。近年はトクリュウによる組織的な犯行も急増し、防犯体制の強化が求められます。防犯マニュアルの整備や従業員による巡回、現金管理の徹底に加え、機械警備(非常押ボタン)やクラウドストレージ式の防犯カメラ、入金機オンラインシステムなどを活用し、犯罪被害を未然に防ぐ体制を構築しましょう。