介護保険で使えるサービス一覧|要介護認定の基準・区分支給限度基準額・費用の目安を徹底解説【2026年最新】
前編では、介護保険制度の仕組みや対象者、自己負担割合、費用の目安などを解説しました。後編では、実際にサービスを利用する際に重要となる要介護認定の基準、利用できる介護保険サービス、区分支給限度基準額について詳しく解説します。
【この記事で分かること】
- 要支援1~2・要介護1~5の認定区分ごとの特徴と区分支給限度基準額
- 居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの違い
- 自己負担割合や高額介護サービス費などの負担軽減制度
目次
要介護認定とは?申請から認定までの流れと判定基準
要支援・要介護認定は、市区町村が心身の状態や必要な介護の程度に応じて判定する制度です。認定区分によって利用できるサービスや区分支給限度基準額が異なるため、まずは認定を受ける必要があります。ここでは、要介護認定の申請から認定までの流れを解説します。
要介護認定の申請から認定までの流れ
まず、お住まいの市区町村の窓口で要介護認定を申請し、自治体職員などによる訪問調査を受けます。あわせて、市区町村が主治医に「主治医意見書」の作成を依頼します。主治医がいない場合は、医療機関を受診して主治医を決めたうえで、意見書を作成してもらう必要があります。
その後、訪問調査の結果と主治医意見書をもとに、コンピュータによる一次判定と介護認定審査会による二次判定が行われ、最終的な要支援・要介護認定が決定されます。
症状の重さ=認定区分ではない
注意したいのは、「病気の程度が重症だから要介護度も重くなる」とは限らない点です。
被保険者が病気でほぼ寝たきりであったとしても、日常生活で必要な介護が比較的少ない場合、要介護認定が重くならないことがあります。また、身体症状はなくても、認知症が進行していて介護に時間がかかる場合は、要介護度が重くなることがあります。
要介護認定区分の早見表
要支援・要介護認定は、心身の状態に応じて要支援1~2、要介護1~5の7段階に区分されます。また、認定区分ごとに1か月あたりに利用できる介護保険サービスの上限額(区分支給限度基準額)が定められています。下表は、各区分の心身の状態や利用できるサービス量の目安をまとめたものです。認定区分が上がるほど、利用できるサービスの上限額も大きくなります。
| 区分 | 心身の状態の目安 | 介護に必要な時間(目安) | 受けられる主なサービス例 | 区分支給限度基準額(月) |
|---|---|---|---|---|
| 要支援1 | 基本動作はほぼ自立。家事など生活の一部に支援が必要 | 25~32分 | 介護予防サービス、週1回程度の通所 | 約50,320円 |
| 要支援2 | 立ち座りなどに支えが必要だが、食事・排せつは自立 | 32~50分 | 介護予防サービス、通所・訪問 | 約105,310円 |
| 要介護1 | 生活の一部に介助が必要。理解力の低下がみられることもある | 32~50分 | 訪問介護、デイサービス、福祉用具 | 約167,650円 |
| 要介護2 | 食事・排せつなどに部分的な介助が必要 | 50~70分 | 訪問介護、デイサービス、ショートステイ | 約197,050円 |
| 要介護3 | 立ち座り・歩行が自力で困難。排せつの介助が必要 | 70~90分 | 施設サービス(特別養護老人ホーム入所の目安)、在宅サービス全般 | 約270,480円 |
| 要介護4 | 日常動作の多くに介助が必要。理解力の低下も | 90~110分 | 施設サービス、手厚い在宅サービス | 約309,380円 |
| 要介護5 | ほぼ寝たきり。食事・排せつも自力では困難 | 110分以上 | 施設サービス、24時間対応の在宅サービス | 約362,170円 |
※2026年7月現在。区分支給限度基準額は「単位」で定められており、1単位あたりの金額は利用するサービスの種類や事業所の所在地によって異なります。上記表では、1単位あたり10円で計算しています。
それぞれの区分支給限度基準額以内のサービス利用分については、利用額の1割~3割が自己負担額となります。
たとえば要支援1の方が、1か月間の利用料50,000円(区分支給限度基準額50,320円以内)で居宅サービスを利用した場合、その月の自己負担額は1割となり5,000円です。
要支援1
もっとも軽度の区分で、家事の一部などに支援が必要だが、入浴・食事・排せつなどの基本動作は自立。要介護認定等基準時間やサポートの必要性の高さの点で要支援2と異なる。
要支援2
要支援のうち重いほうの区分で、立ち座りや片足立ちに支えが必要だが、食事・排せつは自立。心身の状態は要介護1とほぼ同等だが、介護予防サービスなどにより生活機能の回復が見込まれる点で要介護1と区別される。基本動作の不安定さや支援の必要性が高い点で要支援1より重い。
要介護1
要介護のなかでもっとも軽度の区分で、生活の一部に介助が必要。身体の状態は要支援2と同等だが、精神的な混乱や理解力の低下がみられ、今後も状態の悪化が想定される点で要支援2と区別される。介助の頻度が上がる点で要介護2と異なる。
要介護2
中程度に近い区分で、食事・排せつなどに部分的な介助が必要。要介護1より介助を要する場面が増える一方、立ち座りや歩行の自立度が保たれている点で要介護3と異なる。
要介護3
中重度の区分で、立ち座りや歩行が自力で困難となり、排せつにも介助が必要。日常動作の自立度が大きく下がる点で要介護2より重く、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)への入所対象となる目安の区分でもある。介助の全面的な必要性の点で要介護4と異なる。
要介護4
重度の区分で、日常動作の多くに介助が必要となり、理解力の低下や不安行動もみられる。介助なしでの生活が難しくなる点で要介護3より重いが、わずかに残る動作の可否の点で、ほぼ寝たきりの要介護5と異なる。
要介護5
もっとも重度の区分で、ほぼ寝たきりの状態。食事・排せつを含め日常生活のほぼ全般に介助が必要。意思疎通が困難なことも多く、必要な介護量が最大となる点で要介護4と異なる。
利用できる主な介護保険サービス
介護保険サービスは、大きく「居宅」「施設」「地域密着型」の3つに分けられます。
| 介護サービスの種類 | 介護サービスの内容 | ||
|---|---|---|---|
| 居宅サービス | 自宅利用 | 訪問介護 | 訪問介護員(ホームヘルパー)による自宅介護サービス |
| 訪問看護 | 訪問看護師による自宅看護サービス | ||
| 福祉用具貸与 | 車いすやベッドなどの福祉用具のレンタル | ||
| 日帰り利用 | 通所介護 | デイサービス。介助支援やリハビリなどを提供する日帰りサービス | |
| 通所リハビリテーション | デイケア。施設や病院で心身の維持回復のためのリハビリテーションを提供するサービス | ||
| 宿泊利用 | 短期入所 生活介護 |
ショートステイ。短期間の宿泊で介護やリハビリを提供するサービス | |
| 特定施設入居者生活介護 | 有料老人ホームや軽費老人ホームなどの特定施設で生活支援や介助を提供するサービス | ||
| 施設サービス | 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 自宅での介護が困難な方に生活支援や介護を一体提供するサービス | |
| 介護老人保健施設 | リハビリを主とした医療と介護を提供するサービス | ||
| 介護医療院 | 医療・介護が必要な方向けの長期療養・生活のための施設 | ||
| 地域密着型サービス | 小規模多機能型居宅介護 | 通所に宿泊・訪問を組み合わせながら生活支援やリハビリを提供するサービス | |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 定期巡回や通報に応じた訪問などで、必要なときに必要な介護や看護を提供するもの | ||
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 認知症の高齢者が少人数の家庭的な環境で共同生活を送りながら、専門スタッフの支援や機能訓練を受ける | ||
介護の現場では「介助」と「介護」が明確に使い分けられています。
食事、排便、寝起きなど具体的な手助けのことを「介助」といい、疾病や障害などにより日常生活に支障がある場合、炊事・掃除・買い物といった介助を含む身の回りの世話を「介護」といいます。そのため、介護の中に介助も含まれています。
ここでは、介護保険で利用できるおもな介護サービスについてご紹介します。
居宅サービス
「要支援者・要介護者」が自宅に住みながら介護サービスを受けるものです。
訪問サービス
ホームヘルパーが要支援者・要介護者の自宅を定期訪問し、掃除や買い物など家事の支援や食事・排せつ・入浴などの介助、健康・衛生管理指導などの看護、リハビリを行うサービスです。
通所サービス(デイサービス)
要支援者・要介護者がサービス施設に通い、介護や支援を受けながら日中の時間帯を過ごすサービスです。施設では食事や排せつ・入浴の介助のほか健康・衛生管理の指導、リハビリなどを行います。
短期入所サービス(ショートステイ)
要支援者・要介護者が一定の期間を設けて施設へ入所し、食事や排せつ・入浴などの介助、健康・衛生管理などの看護、リハビリなどを行います。
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)
利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します。
施設サービス
「要介護者」が施設に長期入所し、介護サービスを受けるものです。
介護老人福祉施設
要介護者が「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」に長期入所し、介護・看護やリハビリテーション、レクリエーションなどの提供を受けるものです。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護認定3以上の方が対象の施設となります。
介護老人保健施設
医療処置を必要とする要介護者が「介護老人保健施設(老健)」に一定期間入所し、医療処置を受けながら介護の提供を受けるものです。介護老人保健施設は、要介護認定1以上の方が対象の施設となります。長期入所ではなく、あくまでリハビリテーションを目的とした介護施設です。
介護医療院
介護医療院は2018年4月から新しく追加された介護保険施設です。
長期的な医療が必要な要介護者が介護医療院に入所し、医療面でのケアと介護の一体的な提供を受けるものです。介護医療院は、要介護認定1以上の方が対象の施設となります。長期的な医療と介護が必要な要介護者を対象とした生活の場としての施設の機能を充実させています。
地域密着型サービス
要支援者・要介護者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、市区町村が指定する小規模なサービスです。
小規模多機能型居宅介護
一つの事業所で「通い」を中心に、「訪問」や「泊まり」を組み合わせて受けられるサービスです。利用者の状態や希望に応じて柔軟にサービスを切り替えられ、顔なじみのスタッフによるケアが受けられます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
日中・夜間を通じて定期的な巡回訪問を行うほか、利用者からの通報に応じて随時対応するサービスです。24時間体制で、介護と看護が一体的に提供されます。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症の要支援者・要介護者が、少人数で共同生活を送りながら、食事や入浴などの介助、機能訓練を受けるサービスです。家庭的な環境のなかで、自立した生活の維持を目指します。
介護保険サービスの自己負担割合とは?
介護保険サービスを利用したときの自己負担は、原則としてかかった費用の1割です。ただし、一定以上の所得がある方は、所得に応じて2割または3割に引き上げられます。
自己負担割合の基準
40~64歳の第2号被保険者は、所得にかかわらず一律1割負担です。一方、65歳以上の第1号被保険者は、本人や世帯の所得に応じて1~3割の負担となります。おおむね、本人の合計所得金額が160万円以上で2割、220万円以上で3割が目安です。
負担割合証とは
自己負担の割合は「介護保険負担割合証」で確認できます。これは一人ひとりの負担割合(1~3割)を証明する書類で、要支援・要介護認定を受けた65歳以上の方などに毎年交付されるものです。所得に応じて毎年判定されるため、割合が変わることもあります。介護サービスを利用する際は、この負担割合証の提示が必要です。
自己負担額の計算例
1か月のサービス利用額が10万円だった場合、自己負担額は次のようになります。
- 1割負担の方:1万円
- 2割負担の方:2万円
- 3割負担の方:3万円
同じサービスを利用しても、負担割合によって支払額が変わります。
区分支給限度基準額とは?
介護保険サービスのうち、居宅サービスを利用する場合は、介護保険より1か月に支給される限度基準額が決められています。これを「区分支給限度基準額」と呼びます。なお、居住系サービス・施設系サービスについて限度額は決められていません。
要介護認定区分ごとの区分支給限度基準額については、前述の「要介護認定区分の早見表」をご参照ください。
ただし区分支給限度基準額を超過したサービス利用料に関しては自己負担となります。要支援1の方が1か月間に60,000円サービス利用された場合は、区分支給限度基準額50,320円を超えた9,680円が自己負担額5,032円に加算され、合計14,712円になります。
所得区分に応じた負担軽減制度
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
介護保険サービスを利用する際、居住費や食費は基本的に自己負担となります。所得区分に応じて居住費・食費といった自己負担額の補助として、「負担限度額」が定められ、これを超えた分が「特定入所者介護サービス費」として支給されます。(負担限度額は所得金額や施設の種類、部屋タイプで異なります)。
この特定入所者介護サービス費は、負担限度額認定を受けることで利用できます。該当する方は、自治体への申請が必要です。
なお、介護付有料老人ホーム等に入所する場合、負担限度額は適用されません。
高額介護サービス費
月々の自己負担額(福祉用具の購入費、食費、居住費等一部を除く)の合計が、所得で区分された上限額を超えた場合に、超過分が介護保険より支給されます。
受給には自治体への申請が必要なため、該当する方はまず問い合わせてみるとよいでしょう。
高額医療・高額介護合算療養費制度
同じ世帯で、医療保険と介護保険の両方を利用し、1年間(毎年8月~翌年7月)の自己負担額の合計が定められた上限額を超えた場合に、超過分が支給される制度です。医療費と介護費の負担が重なる世帯の負担を軽減する仕組みで、高額療養費や高額介護サービス費で払い戻された分を差し引いてもなお上限を超える場合が対象となります。申請は加入している医療保険の窓口で行います。
地域包括支援センターに相談できること
地域包括支援センターは、高齢者の暮らしを総合的に支える専門機関です。介護予防支援(要支援者のケアプラン作成)や包括的支援事業(権利擁護・総合相談)を主な業務としています。
具体的には、以下のような相談に対応しています。
- 要介護認定の申請手続きの案内
- 居宅介護支援事業所の紹介
- 介護保険サービスの使い方の相談など
ケアプランの作成は、要支援1・2の方はセンターが担当し、要介護1以上の方は居宅介護支援事業所のケアマネジャーへ引き継がれます。介護について不安や疑問があれば、まずお近くのセンターに相談するとよいでしょう。
高齢者を支えるALSOKの介護サービス
高齢のご家族が離れて暮らしている場合の見守りにおすすめなのが「HOME ALSOKみまもりサポート」です。
体調が悪くなったときは緊急ボタンを押すことで、ALSOKがすぐに駆けつけ対応します。また、ヘルスセンターへつながる相談ボタンがあり、看護師資格を持つスタッフに健康や体調に関するお悩みをいつでも気軽に相談できます。
熱中症や災害時の危険なときは音声で警告。さらに、センサーが火災や煙を感知した場合に、ALSOKが駆けつけるオプションサービスもご用意しています。ご家族が安心して生活できるよう、ALSOKグループが24時間365日サポートいたします。
ALSOKでは、長期入所できる施設から通所施設、居宅介護支援までさまざまな介護サービスを多数ご提供しています。避難訓練や防災訓練にも積極的に取り組んでおり、緊急時や災害時などにはALSOKの隊員が駆けつけるため、施設利用時の安心につながります。警備会社のALSOKならではの万全のセキュリティのもと、安全・安心の介護サービスを展開していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
介護保険サービスは、要支援1~要介護5までの認定区分によって利用できるサービス量や区分支給限度基準額が異なります。また、自己負担割合や負担軽減制度を理解しておくことで、介護にかかる費用負担を抑えられる場合もあります。介護に関する不安や疑問がある場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーへ早めに相談しましょう。
ALSOKでも、さまざまな介護サービスを取り扱っています。介護サービスに関するご相談があれば、ぜひALSOKまでお問い合わせください。
介護保険や要介護認定に関するよくある質問
Q:要介護と要支援の違いは何ですか?
A:要介護は日常生活のさまざまな場面で継続的な介護が必要な状態で、要支援は生活機能の低下を防ぐために支援が必要な状態です。要介護は介護保険サービスの利用、要支援は介護予防サービスの利用が中心になります。
Q:介護認定の等級ごとに利用できる金額はどう違いますか?
A:介護認定の等級が上がるほど区分支給限度基準額も高くなり、要支援1から要介護5まで段階的に増加します。
Q:歩行が困難な場合、要介護度はどう判定されますか?
A:歩行困難の程度だけでは要介護度は決まりません。日常生活全体で必要となる介護時間(要介護認定等基準時間)や歩行、立ち上がり、衣服の着脱、認知症の影響などを総合的に判断して決まります。
Q:認知症があると要介護認定はどうなりますか?
A:身体機能に大きな問題がなくても、認知症の進行で介護に時間を要する場合は要支援や要介護の判定を受ける可能性があります。





















