スポーツ施設の安全対策とは?スポーツ事故を防止するために施設がすべきこと

スポーツ施設の安全対策とは?スポーツ事故を防止するために施設がすべきこと
2024.01.30更新(2022.03.10公開)

スポーツ競技やトレーニングにおけるリスクと聞き、何を思い浮かべるでしょうか。競技中の他選手との衝突や怪我を連想する方が多いと思います。しかし、スポーツには怪我以外にも多くのトラブル・リスクがともないます。
この記事では、スポーツ施設における安全対策・リスクマネジメントについてご紹介します。

目次

スポーツ施設におけるリスク

スポーツ施設で発生する「リスク」とは?

スポーツをする際に発生するリスクの種類は、多岐にわたります。ここではスポーツ施設におけるさまざまなリスクについてご紹介します。

・自然災害のリスク

屋外型のスポーツ施設では地震や津波だけでなく、台風やゲリラ豪雨などの自然災害により施設が被害を受けるリスクがともないます。屋内型の施設であっても、飛来物によって窓ガラスが破損したり、豪雨によって浸水する可能性もあります。

・外部からの不法な攻撃のリスク

スポーツ施設では様々な団体のスポーツ大会が開催されるため、試合や催し物などに対する外部からの不法な攻撃や建物施設の破壊、放火のリスクがあります。

・個人情報の流出

様々な人が利用するスポーツ施設では、会員制など利用者の個人情報を登録する場合もあります。また、利用者の所持品にも個人情報が含まれているため、盗難やサーバへの攻撃などにより利用者だけでなくスタッフの個人情報が流出する恐れがあります。

・利用者間のトラブル

スポーツ施設には複数の利用者が出入りするため、利用者が関係するトラブルが発生するリスクも想定しなければなりません。利用者の所持品や備品の盗難、所持品の紛失、利用者同士のトラブルも施設運営の上でのリスクの一環といえます。

・スポーツ中の体調不良や怪我

以下は、総務省「救急・救助の現況」による運動競技事故によって救急搬送された人の数を、2015年(平成27年)から2022年(令和4年)までの8年間にわたってグラフにまとめたものです。

運動協議中の搬送人員数
出典:[総務省消防庁]救急救助の現況(2015年~2022年)

スポーツ中の救急搬送は2019年まで年あたり40,000件を超える状況が続き、横ばいを続けていることが分かります。2020年に関しては20,000件弱と大幅に減少しましたが、2021年からは再び増加傾向にあります。2020年に関しては新型コロナウイルス感染症の拡大により、学校の一斉休校や部活動の停止学校行事の中止・縮小が行われるなど学校生活にも大きな変化をもたらしました。そのため、スポーツを行う機会が例年より少なく、スポーツ中の救急搬送についても大幅に減少した可能性が考えられます。

出典:総務省「令和5年版 救急・救助の現況」

スポーツ施設におけるリスクを防ぐためにやるべき対策

スポーツ施設におけるリスクを防ぐためにやるべき対策

リスク発生に際しては、事前の備えと、万一のリスク発生時に被害や損害を最小限に抑える事後の対応が重要です。この「事前の対策」と「事後の適切な対応」を合わせて「リスクマネジメント」と呼んでいます。
スポーツ施設におけるリスクマネジメントでは、施設の利用者やスタッフ、建物施設そのものが重大な事故に遭うことやリスクに晒される事態を回避するため、管理者やスタッフはもちろんのこと、利用者同士の配慮や行動が大切です。

リスク発生前の予防対策

施設の管理者やスタッフは、いつでも利用者に施設を開放できるよう設備を維持し、利用者の安全を守る対策を行わなければなりません。具体的には施設の清掃や設備の点検、入退館の確認、巡回や監視など業務は多岐にわたります。また管理者やスタッフは、怪我や熱中症が発生した際の応急処置や、重篤な体調不良があった場合の心肺蘇生法などの対処法、それらに関する知識の習得が必要です。
緊急時に適切な対応がとれるよう、事前に対策マニュアルを作っておき、全スタッフ間で共有・周知を図っておかなければなりません。

【競技施設やジムで日頃行うリスク対策】

  • 利用時刻や映像などによる入退館記録の保管
  • 緊急時における通報手段の整備
  • 救急箱やAEDのある場所の周知徹底
  • リスク発生時の行動に関する役割分担
  • 最寄りの病院の把握や診療時間などの確認 など

リスク発生に備えて訓練が重要

スポーツにおけるリスクは予測が難しく、突如発生してしまうものです。このため、万一の事態を想定して訓練を定期的に行っておくことが大切です。
具体的には、全スタッフがAEDを使用できるよう訓練を行う、施設やジム内で怪我人や利用者同士のトラブルが発生した際の連絡や行動に関する教育を行うなどし、万一に備えましょう。
また、感染症対策や体調不良時の運動を控えることも重要なリスクマネジメントです。以下のような対策を実施し、利用者が安心してスポーツを楽しめる状況を整えましょう。

【スポーツ施設の感染症対策】

  • 発熱などの体調不良時、飲酒した状態での運動を控えるよう呼びかけ
  • 入館時、入場時の検温・消毒
  • 複数人が使用する設備・備品の消毒
  • AEDの設置
  • 感染症が発生した際の消毒 など

ALSOKがスポーツにおけるリスク対策をサポート

ALSOKでは、スポーツ施設でのリスク対策をサポートする数々のサービスをご提供しています。施設全体を確認するための防犯カメラ・監視カメラ、入退館記録から来館人数を把握できる出入管理システム、急な心停止に対応するAED(自動体外除細動器)、利用者同士のトラブルや急な体調不良など緊急時にボタンを押すだけでALSOKへ通知できる機械警備システムなどを導入することで、とっさの事態に速やかに対応することが可能です。

また感染症対策も施設単位で万全に行っておくことも必要です。

スポーツ施設のリスク対策とセキュリティ対策は、一見関連性が薄く感じられると思います。しかし、リスク発生時に参加者や現場の状況を速やかに把握するには、監視カメラや機械警備システムが役立ちます。この機会に、セキュリティ強化も兼ねてスポーツリスクへの対策を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、スポーツ施設やスタッフが意識すべきスポーツ施設におけるリスクの概要や、必要となるリスクマネジメントについて具体的な対策・対応をご紹介しました。
緊急事態が起こった際もリスク拡大を最小限に抑えられる取り組みを、早期に実施しましょう。