はじめてのお留守番は何歳から?子どもだけのお留守番事情
子どもが小学校に入学すると、一般的には、4時間授業の日で13時半頃、5時間授業の日で14時半頃に下校します。また、公立の学童保育の預かり時間は、基本は下校後から18時までというところが多いようです。仕事の調整がつかず、子どもに留守番をさせなければならなくなり、子ども一人でお留守番できるかどうか心配されている保護者の方々もいらっしゃることでしょう。
本コラムでは、年少~小学生の子どもを持つ保護者1406名を対象に2013年にベネッセが行った調査「子どもだけのお留守番」の結果を解説し、いつごろから子どもにお留守番させるのがよいのかを考えてみたいと思います。
目次
最初の留守番は小学校1年生から、週1回以上3時間以内が一般的
まず、「子どもだけで留守番をさせたことがあるか」という質問に対し、「ある」という回答は、86.1%でした。(ベネッセ調査「子どもだけのお留守番」2013年による。以下同様)多くの家庭で、子どもだけでの留守番が行われていることが分かります。
留守番をさせる頻度をみてみると、「週1回以上」という回答は、「留守番をしたことがある」という回答の全体の33.1%であり、これに「月1回以上」の回答を加えると72.0%となります。留守番をさせる頻度については、家庭によってかなり差があることが分かります。
留守番の1回あたりの時間をみてみると、「1時間未満」という回答は、「留守番をしたことがある」という回答の全体の29.4%であり、これに「1時間以上2時間未満」の回答を加えると全体の63.6%となります。さらに「2時間以上3時間未満」の回答を加えると85.3%となることから、子どもだけのお留守番の時間は3時間未満であるケースがほとんであることが分かります。
次に、「いつから留守番をさせているか」についてみてみると、小学1年~小学4年のときに留守番を始めたというケースが全体の約70%を占めています。個々の状況を考慮する必要はありますが、一般的には、子どもだけでの初めての留守番の時期は、小学1年~小学4年ぐらいが目安と考えられます。
国内外に留守番に関する法律はある?
ニュージーランドでは、しっかりと安全が確保されていない状況において、14歳未満の子どもを1人で長時間留守番させることは違法とされています。ただし、適切に子どもの管理・世話ができ、緊急事態にも対応できるような14歳以上の人によって監督されている場合は、留守番が認められます。
そのほか、アメリカ合衆国のメリーランド州(ボルチモアなど)では8歳から、イリノイ州(シカゴなど)では14歳からと留守番をできる年齢が州法で定められています。
しかし、日本においては子ども一人での留守番について法的基準や年齢制限などはありません。子どもの成長度合いを考慮し、子どもの安全を重視した上で、保護者が適切に判断する必要があります。
子どもだけの留守番時に考えられる危険
子どもだけで留守番をさせるにあたってどのようなリスクがあるか考えてみましょう。
火事や地震などの災害
火事の原因は、電化製品や電気配線からの発火、第三者による放火、子どもの火遊びなどさまざまで、子どもが留守番をしているときに発生する可能性もあります。地震などの自然災害もいつ起こるか分かりません。突然火事や地震が起きると、子どもはどうすれば良いか分からずパニックになってしまうでしょう。そのため、子どもだけで留守番をさせる際は、もしもの時に備えて対策しておくことが大切です。
事故
子どもだけで留守番をしているときに、ポットのお湯で火傷をしてしまう、お風呂で溺れてしまう、ベランダなどから転落してしまう、といった事故が起こる可能性が考えられます。
体調不良
留守番中に子どもが急に体調不良となることも考えられます。とくに、低学年の子どもは成長途中で身体が未発達なため体調を崩しやすいものです。留守番中に体調が悪くなると、具合が悪いことを大人に伝えられず症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。
不審者
家に子どもしかいないことが分かると不審者に狙われる可能性が高まります。家の中に侵入してきた不審者によって、子どもに危害を加えられてしまう危険もあります。留守番させる際には、大切な子どもを守るためにしっかりと家の防犯対策を強化しておく必要があります。
やむを得ず留守番をさせる場合の対策
保護者の多くは、子どもに留守番させることはできれば避けたいと思っていることでしょう。成長したといっても小学校1年生はまだ6~7歳、やむを得ず留守番をさせなければならない場合でも、長時間にならないように注意しましょう。
もし子どもに留守番をさせる際には、防犯・防災、そして事故防止への配慮が必要です。
防犯対策
子どもだけで留守番させる場合は、家に子どもしかいないことを不審者に知られないようにすることが大切です。「誰か来てもドアを開けない」「家族以外の電話番号からかかってきた電話には出ない」などルールを決めておきましょう。
電話のルールを決める
不審者からの電話に子どもが出てしまうと、家に子どもしかいないということが露見してしまいます。ナンバーディスプレイ機能を利用して電話に出る前に発信元の電話番号を確認すること、そして、家族以外の電話番号からかかってきた電話には出ないようにすることを、子どもにしっかりと伝えておくようにしましょう。留守番電話機能を利用し、留守録にメッセージを残している段階で家族からの電話であることが分かったときのみ電話に出るようにする、という方法も考えられます。
誰か来てもドアを開けない
留守番をしていて、誰かが訪問してきたり、インターフォンが鳴ったりしても、絶対にドアを開けない、というルールを定めておくのが良いでしょう。子どもだけで留守番をしていること、家に大人がいないことを、訪問者に知られることのないようにすることが重要です。
防犯カメラを設置する
留守番中の子どもの様子を確認したいという場合は、防犯カメラを設置すると良いでしょう。最近はスマホなどと連携させて外出先から家の中の状況を把握できたり、子どもと会話ができる種類も増えています。留守番をしている子どもの見守りに役立ちます。
ホームセキュリティを導入する
電話をかけても誰も出ない、インターフォンを鳴らしても応答がない場合、空き巣が侵入を図ろうとすることがあります。そのような空き巣と留守番中の子どもが鉢合わせしてしまうと、子どもに危害が及ぶことも考えられます。対策として、いざという時に子どもの安全を守るため、ホームセキュリティサービスを導入するのがおすすめです。
防災対策
子どもに留守番させる際は、災害への対策も重要です。とくに子どもの火遊びやキッチンの火器類の誤使用などは心配事のひとつです。東京消防庁のWebサイトによると、子どもの火遊びに起因する火災は過去5年間、東京消防庁管内で87件発生しています。
では、どのように対策を行えば良いでしょうか。
キッチンに近寄らせない
64.2%の保護者が「一切キッチンには近寄らせないようにしている」と答えています。外出中は室内の様子が分からないため、子どもが何をしているか分かりません。危険な場所にはそもそも近寄らないよう約束しておけば、子どもがコンロや火器に触れるリスクを減らせるでしょう。
地震発生時の訓練をしておく
子どもが留守番中に地震が発生した場合にはどのような行動をとるべきかを伝えておくことも重要です。「机の下に移動する」「近くの物で頭を守る」「窓に近寄らない」「家具のそばに近寄らない」など、自分の身を守るための行動を教えましょう。
事故防止対策
留守番中、家の中で起こりうる事故・リスクに対して対策しておくことが大切です。
ベランダに足場となるものを置かない
子どもがベランダから転落する事故は過去に何度も発生しています。柵を乗り越えられるような足場となるものは絶対にベランダに置かないようにしましょう。
洗濯機の中に入れないようにドアロックをする
ドラム式洗濯機の中に入って遊んだりできないようドアロックをかけておくと安心です。
お風呂場の水を抜いておく
子どもは数㎝の水でも溺れる恐れがあります。お風呂の水は必ず抜いておき、浴室のドアを閉めておきましょう。
以上のように、留守番中に発生し得る事故などを想定して適切な対策を講じておき、子どもが安全に留守番できる環境を整えることが大切です。そして、留守番中の禁止事項をリストにまとめ、子どもと一緒に確認しておくと良いでしょう。
万一に備えてご家族への連絡手段(電話やSNSなど)を決めて訓練し、体調不良や地震など緊急時にはすぐに大人に連絡するよう伝えておきましょう。日頃からお子さんとよく話し合っておくようにして、約束を守ることができるか、危機意識がどれくらいあるかなどを随時確認しておくことも重要です。
離れていてもお子さまの様子を確認できるホームセキュリティ
お子さまがひとりで留守番をする時間が多い世帯には、ホームセキュリティサービスの導入を強くおすすめします。ALSOKのホームセキュリティでは、不審者の侵入や子どもの体調不良、事故などの緊急事態発生時にはガードマンの駆けつけを要請することができます。この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。