小学生の子どもが自転車に乗ってひとりで外出するのは危険?
小学生になると、行動範囲が広がるため、移動手段として自転車を使用することが多くなります。ひとりや子どもだけで自転車に乗って外出することもあるでしょう。親としては子どもの成長がうれしい反面、見知らぬ土地に行くことが多くなると、事故に遭わないかが心配になってくるもの。
そこで今回は、小学生の交通事故の実態調査を参考にしながら、子どもにどんな安全対策を教えれば良いのかをご紹介します。
小学生の自転車乗用中の事故は高学年になると増加
内閣府がまとめた小学生の交通事故による死者・重傷者数を事故当時の状況別で見ると、小学生全体では歩行中による事故がもっとも多く、自転車乗用中の事故は2番目に多い結果となっています。
これをさらに学年ごとに分けてみると、小学1~4年生は「歩行中」による事故がもっとも多く、小学5~6年生は自転車乗用中の事故がもっとも多くなっています。
ここから分かることは、小学校の低学年までは特に歩行中の事故に気をつけ、高学年にあがるにしたがって自転車の事故に気をつける必要があるということです。
自転車がある程度上手に乗れるようになり行動範囲が広がり始めるものの、まだ経験が浅い小学校4~5年生あたりが小学生の自転車事故のピークとなっているようです。
子どもがひとりで自転車に乗って外出するときの危険性
子どもは、危険を察知する能力や事故を回避する能力などが十分ではありません。そのため、子どもがひとりで自転車に乗って外出すると、さまざまなトラブルが起こる可能性が考えられます。
交通事故に遭う
まずは、データからも分かるように、危険を察知する能力が十分ではないことから自転車で外出することで交通事故に遭う可能性が高まります。自転車による交通事故は、8割が自動車との接触事故です。自動車が原因の事故もありますが、自転車側が安全確認や一時停止、信号無視など、交通ルールを守らなければ自動車と接触する可能性があります。また、自転車同士の接触事故が起こる場合もあります。
事故の加害者になる
子どもが事故に遭う危険性だけではありません。子どもが自転車に乗っていて、人とぶつかってしまい「加害者」になるケースも想定できます。
実際に小学生が自転車で人とぶつかり、相手に後遺症が残るなどの重症を負わせてしまった事故が起こっています。この事故は、小学生の前方不注意だけではなくヘルメットを着用していなかったことから、監督義務を怠ったとして保護者が責任を負うことになりました。
そして相手の将来における介護費が高額であることから、多額の損害賠償支払い命令が下されたのです。
連れ去りなどの事件に巻き込まれる
子どもがひとりで自転車に乗って外出する際、心配なのは事故だけではありません。
お子さまが、連れ去りなどの事件に巻き込まれることも考えられます。過去には不審者が自転車に乗っていた小学生を止め、自転車ごと押し倒した上で、乗用車で連れ去る事件も起こっています。
自転車に乗ってひとりで出かけるとなると行動範囲が広がるため、こうした事件に巻き込まれる危険性もあるのです。
何歳から自転車での外出許可を出すべき?
自転車による事故のデータや自転車外出による危険性を見ると、子どもだけで自転車で外出させることに不安が高まってくるかもしれません。
では何歳くらいから自転車で外出を許可するのが適当なのでしょうか。
埼玉県や広島市では、小学生を対象に自転車運転免許制度があり、実技試験と学科試験を合格した子どもたちに自転車の運転免許を交付しているそうです。
もちろん、子どもによって自転車のスキルは異なりますが、この運転免許取得を目安とするのも一つの方法といえます。
多くの小学校では小学3・4年生で自転車安全教室を実施しているため、そのタイミングと子どものスキルを鑑みた上で、外出許可を検討するのでも良いでしょう。
子どもと一緒に自転車の交通ルールをかくにんしよう
子どもが自転車に乗るときには、事前に親子で交通ルールをしっかりかくにんし、安全上の対さくを忘れないようきちんと教えましょう。話だけではなく、子どもと一緒に走りながらじょうきょうに合った交通ルールを実せんすることも大切です。ここでは、自転車に乗るときの交通ルールと安全上のたいさくについてご紹介します。お子さまと一緒に読んでみてはいかがでしょうか。
信号を守る
信号を守らないと自動車や人とぶつかる事故(じこ)につながってしまいます。信号は必ず守りましょう。信号が青から赤に変わりそうなとき(青信号の点めつや黄色信号)は無理に渡らずに止まります。法りつ上でも、黄色信号のときは「道路の横断(おうだん)を始めてはならない」と決められています。
自転車は左側通行
車道を走る場合、自転車は左側通行と決められています。右側通行は、左側通行(向かいから来る)をしている自転車や、自動車・バイクとぶつかる原因になります。路側帯を走る場合も、左側通行を守りましょう。
歩道を走る際は道路標しきなどにより通って良いとされている部分、または歩道の中央から車道よりの部分をゆっくり進み、歩行者が通行する場合は一時停止(いちじていし)しなければなりません。
一時停止(いちじていし)を守る
標しきや道路に「止まれ」と書いてあるときは、必ず一時停止(いちじていし)して安全をたしかめます。標しきがなくても、見通しの悪い交差点では必ずゆっくり進み、左右を見て自動車や歩行者が来ないことをたしかめてから通行しましょう。
ヘルメットを必ず着用する
子どもが自転車に乗る、もしくは運転する場合は必ずヘルメットを着用しなければなりません。ほご者の方にも、13才未満の子どもにヘルメットをかぶらせる努力ぎむがあると、道路交通法で決められています。必ず、お子さまに合ったサイズの乗車用ヘルメットをかぶらせるようにしましょう。
夜は必ずライトをつける
暗くなったら、自転車のライトを点灯させます。ライトをつけることで、前方が見えやすくなるだけではなく、前方からやってくる自動車・バイク・人などに自分がいることを知らせることができます。ライトを点灯していないと、自転車で走っていることが見えづらく事故(じこ)にあうかのうせいが高くなるので、必ず点灯させましょう。
また、後方の安全のために反しゃ材も取り付けましょう。
スピードを出しすぎない
スピードを出しすぎると、すぐに止まることができません。バランスをくずして転んだり、自動車や歩行者とぶつかったりして大きな事故(じこ)になることもあります。友達と競争してスピードを出すということはやめましょう。
二人乗りしない
自転車は子どもをチャイルドシートに乗せるなどの場合をのぞいて、一人用の乗り物です。二人乗りはきん止されています。転んで事故(じこ)の原因になり、大変キケンなため、二人乗りはやめましょう。
並んで走らない
自転車どうしで横に並んで走ると、車道側を走る自転車が車道の中央よりを走ることになるため、大変キケンです。道路に広がると、他の人が通れないため、並んで走らないようにしましょう。
歩行者がいたらゆっくり走るか自転車をおして歩く
道路交通法では自転車は軽車両の部類となるため、歩道と車道が分かれている場合は、「車道」を走ります。しかし、13才未満の子どもが自転車に乗る場合は歩道を走ることがみとめられています。
歩道を走るときは、車道側を走るようにしましょう。また、事故(じこ)をふせぐため、歩行者がいる場合はゆっくり走るか自転車をおして歩くようにしましょう。
ながら運転はしない
スマートフォンを見たりさわったりしながら運転したり、かさを差しながら運転することは大変キケンです。ながら運転は、まわりが見えなくなるため、事故(じこ)にあったり歩行者とぶつかったりするおそれがあります。
また、イヤホンやヘッドホンで音楽をききながらの運転もやめましょう。まわりの音が聞こえなくなるため、後ろから来る車に気づかずに事故(じこ)にあうかのうせいがあります。
もしものときを考えて「GPS付きの防犯アイテム」を持たせる
防犯面での対策は、出かけた先で自転車盗難に遭わないよう、自転車の防犯登録や鍵の装着を忘れずに行いましょう。万が一のために、自転車保険に加入することをお勧めします。(自転車保険の加入を義務付けている自治体もあります。)
また、自転車で出かけた子どもの所在確認や状況が把握できるようにしておけば安心できるのではないでしょうか。
ALSOKでは、お子さまが手軽に携帯できるGPS付きの防犯アイテム「まもるっく」をご提供しています。「まもるっく」は、GPSを内蔵した携帯しやすい小型端末です。保護者との通話もでき、万一のときは付属のストラップを引っ張ることで「緊急通報・防犯ブザーの鳴動」を同時に行えます。緊急通報があると、すぐに保護者へ通報現場の位置情報と情報を通知。依頼があればガードマンが現場に駆けつけて対処します。大切なお子さまを、もしもの事態から守るアイテムとしておすすめします。
まとめ
今回は、小学生の子どもが自転車を利用する際の危険性についてご紹介しました。
子どもは、危険を察知する能力や事故を回避する能力などが十分ではないことから、事故に遭いやすいといわれています。お子さまが加害者となった場合、保護者の方が責任を負うことになります。
お子さまがひとりで安全に自転車に乗って外出できるよう、ヘルメットを着用させることはもちろん、親子で一緒に自転車に乗る際の交通ルールを確認しておきましょう。