別荘の維持費はいくらかかる?資産価値を下げない管理のポイント

空き家管理 2023.12.25更新
別荘の維持費はいくらかかる?資産価値を下げない管理のポイント

別荘を維持するためには、管理費、借地料、電気料金、ガス料金、上下水道料、固定資産税、住民税、火災保険など、さまざまな費用がかかります。
本記事では、別荘の維持にかかる費用と維持するにあたって2つの注意点、資産価値を下げないための別荘管理のポイントをご紹介します。
(※所有する別荘や立地によってかかる維持費は異なるため、具体的な額については別荘を購入した不動産業者や管理会社に確認してください。)

目次

別荘の維持費はいくらかかるか?

別荘の管理費はいくら?

別荘を所有することでかかる維持費を以下にまとめました。維持管理のための費用と税金に大別されます。具体的な費用は、別荘の大きさや立地、土地の権利などで異なります。一般社団法人 不動産流通経営協会発表の「複数拠点生活に関する意向調査」(2022年3月)によれば、2021年11月の調査で、複数拠点生活者のサブ拠点(※)の月額の維持費は平均約54,000円でした。

※サブ拠点=主な住まいとは別の、補助の住まい
(補助の住まいが複数ある場合はその中で最も長く滞在している住まい)。賃貸物件も含まれる。

維持管理のための費用

  • 管理費
  • 電気料金・ガス料金
  • 上下水道料
  • 通信費(電話やインターネット等)
  • 火災保険料
  • 修繕のための費用
  • 汲み取り費
  • ごみ処理費
  • 温泉使用料、更新料
  • 共益施設管理費
  • 借地料 など

税金

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 住民税 など

維持管理のための費用

管理費

荘地内の定期清掃を管理清掃会社に委託すると費用が発生します。別荘をいつでも使用できる状態に維持するには定期的な清掃が必要なため、別荘に行く頻度が少なければ委託することをおすすめします。

電気料金・ガス料金

別荘で電気・ガスを使用しなかった場合でも、電気・ガスは基本料金がかかります。代表的な別荘地である軽井沢や蓼科の場合、電気の月額基本料は900~1,800円程度(中部電力使用による)です。ガスの基本料金は1,500~2,000円程度です。なお、契約している電力会社・ガス会社によって料金が異なる点に注意しましょう。
ガスには、都市ガスとプロパンガス(LPガス)があります。市街地では都市ガスが広く普及していますが、郊外ではプロパンガスも多く利用されています。

上下水道料

別荘地の水道は、公営ではなく私営の場合も多く、別荘地によっては修繕積立費などの一時金が必要なケースもあります。

通信費(電話やインターネット等)

別荘でインターネットを利用する場合、もしくは固定電話を置く場合は通信費がかかります。費用は一般家庭と変わらずインターネットが4,000円~6,000円程度、固定電話は2,000円程度となります。

火災保険料

無人期間が長い別荘では、通常の火災保険には加入できない場合があります。別荘向けの火災保険に加入し、万一に備えておきましょう。

修繕のための費用

別荘を快適に使うには、適切な時期に家電の入れ替えや建物の修繕を行う必要があります。雨漏りなど予期せぬ事態が起こり、屋根の補修などが必要になることもあるかもしれません。毎月かかる費用ではありませんが、突然の事態にも対応できるよう修繕費用を積み立てておくと安心です。

なお、リゾートマンションの場合は共有部分(廊下やエントランス、マンション内施設など所有している部屋以外の建物・敷地全体の部分)の管理費、修繕積立金が必要となります。

維持管理のための費用(場合によって必要となるもの)

別荘によっては、次のような費用が掛かる場合もあります。

汲み取り費

別荘が簡易水洗トイレの場合は、下水道料金のかわりに汲み取り費用がかかります。1回につき1万〜1万5,000円程度かかることが多いようです。汲み取りの頻度は、タンクの容量や使用状況によって変わってきますが、あまり使わない場合でも年に1回は汲み取りをしたほうが良いでしょう。

ゴミ処理費

管理費とは別で請求される場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

温泉更新料・使用料

温泉付き別荘を所有している場合に必要な費用です。温泉使用料は月額払い、温泉権は10年ごとの更新が一般的です。

共益施設負担金

別荘地内の道路や汚水処理施設などの整備のために必要な費用です。

借地料

別荘のなかには借地に建っている物件もあります。このような別荘の場合、地主さんに対して借地料を支払う必要があります。

別荘を持つことでかかる税金

別荘を持つことでかかる税金は、次のとおりです。

固定資産税・都市計画税

土地が借地の場合でも、所有権を持つ建物には固定資産税がかかります。金額は課税標準額の1.4%ですが、場合によってはセカンドハウスの定義内として、税率の軽減措置を受けられるケースもあります。また、別荘地が都市計画区域である場合は、最高で0.3%の都市計画税が課税されます[注1]

[注1]東京都主税局:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

住民税

住民税は、所得の額に応じて課税される「所得割」の部分と、所得金額に関わらず個人が等しく負担する「均等割」の部分から成り立っています。住民票のある住宅の場合、住民税の納税義務が発生し、「所得割」と「均等割」がともに課税されます。住民票がないセカンドハウスや別荘の場合でも、住民税の納税義務が発生しますが、家屋敷にかかる「均等割」のみが課税されます。

別荘を維持するための注意点

別荘維持のための2つの注意点

別荘を維持するにあたって、注意しておきたい2つのポイントは次のとおりです。

別荘購入の前に維持費のシミュレーションをしておく

「思った以上に維持費がかかり、所有して続けることが難しい」ということにならないよう、別荘を購入する前に、購入後にかかる維持費をしっかり確認しておきましょう。別荘を所有し続ける限り負担しなければならない費用です。
チェックリストを作成するなどして、別荘の利用頻度や利用時期などを考慮しながら綿密な支払いシミュレーションをしておきましょう。
上記の管理費用には含めていませんが、居住地が別荘地から離れている場合は往復の交通費も発生します。また、修繕費用等のために月々一定の金額を積み立てておくことをおすすめします。

設備の保守点検は定期的に行う

中古の別荘を購入する場合は、設備の古さにも注意しなければなりません。
キッチンやトイレ、電気などはリフォームすることである程度解決しますが、問題は下水道の整備です。
地方の別荘地は下水道が整備されていないところがあり、古い物件では単独処理浄化槽(※)を使用しているケースがあります。

※:単独処理浄化槽=し尿だけに対応した浄化槽であり、生活雑排水の浄化はできない。

単独処理浄化槽は下水道法改定により、現在では新設できない浄化槽です。万が一壊れてしまった場合は、新たに合併処理浄化槽(し尿だけでなく生活雑排水にも対応した浄化槽)を設置する必要があるのですが、80万〜100万円程度の費用がかかってしまいます。

浄化槽を維持するためには、定期的な保守検査・法定点検・清掃を怠らないようにしましょう。

別荘の管理が必要な理由

別荘は、管理を行わないで放置していた場合、劣化やトラブルの原因となります。

人が住んでいない家は劣化が進む

人が住んでいない家は劣化が進んでしまいます。人の出入りがなければ換気をする機会がなくなってしまうため、湿気がこもり、カビやシロアリ、ダニの発生につながります。木材も水分を吸収してしまうため、家全体の劣化に繋がってしまいます。

不法投棄や不法侵入の被害に遭う

管理状態がよくない場合、不法投棄や不法侵入の被害に遭いやすくなります。粗大ゴミや分別していないゴミが不法投棄される、侵入窃盗に遭う、犯罪者に住みつかれるといったリスクも発生します。

管理せずに放置すると近隣トラブルに発展することも

別荘を管理せずにいると、近隣トラブルに発展することがあります。屋根や外壁などの劣化、割られたガラス、不法投棄などをそのまま放置していた場合、別荘地としての景観を損ねたり、治安を悪化させたりしてしまうことから、周囲の住民から苦情・クレームにつながりかねません。また、敷地内に大きな樹木がある場合には、台風などで倒木したり、枝が折れて飛散したりする可能性があり、周辺住民の安全を脅かす危険があります。周辺住民に被害が発生した場合には、損害賠償を請求されてしまうおそれもあります。
また、管理を怠ることによって、別荘の資産価値が目減りする可能性もあります。

資産価値を下げないための別荘管理のポイント

別荘の資産価値を下げないためには以下の対策を行うことが大切です。

換気や通水をこまめに行う

別荘のように普段利用されていない家は、換気や通水を行わず放置していると老朽化が進みます。室内に湿気がたまることでカビやシロアリが発生し、家を腐食させる原因となります。また、長い間水道を使わずにいると水道管に錆が出て壊れてしまう可能性があります。別荘の老朽化を防いで大切な資産価値を落とさないためには、定期的な換気・通水などの管理が必要です。月に1回をメドに、換気を行い、水道の水を流すようにすることをおすすめします。

異常が発生した際にそのままにしない

破損や盗難、不法投棄など異常が発生した際には、早急な対応が必要です。異常な状態を放置すると、被害が甚大化したり、復旧のために必要な修繕費用がかさんでしまったりする可能性があります。そうならないように、異常が発生した場合には迅速な対応が望まれます。

遠方など自分で管理が出来ない場合は、空き家管理サービスを活用する

遠隔地の別荘などで自分で定期的に見に行くことが難しいような場合や仕事が忙しくて見に行く時間がとれない場合には、空き家管理サービスを活用することもおすすめです。ALSOKでは空き家(留守宅)の管理を代行する「るすたくサービス」を提供しています。月に1回の見回りや郵便物整理の基本サービスのほかに、オプションで換気・通水サービスを行っています。別荘管理に加えて防災・防犯面を強化することも可能です。オプションのるすたくセキュリティをご利用の場合、不審者の侵入があった場合は、ガードマン(警備員)が駆けつけて対応します(別途有償)。

別荘維持には必要な費用のシミュレーションとセキュリティ管理が重要

購入した別荘を維持するためには、必要な費用や税金を事前に把握することが大切です。別荘の維持のために必要な費用や税金について、支払いのシミュレーションをしっかりと行っておくことをおすすめします。また、長期不在になることが多い別荘では、空き巣対策などのセキュリティ管理も重要です。別荘のセキュリティ管理として、「HOME ALSOKるすたくサービス」をご検討ください。

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