マンションに防犯カメラを個人で設置できる?設置場所と許可の取り方を解説

賃貸2026.08.31更新(2020.12.11公開)
防犯カメラ

本記事では、個人が賃貸や分譲マンションにおいて防犯カメラを設置できるかの判断基準や、許可申請の手順、機器の選び方を解説します。
空き巣やご近所トラブルへの不安から、自宅に防犯カメラを付けたいと考えつつも「管理会社への許可が必要なのか」や「近隣の迷惑にならないか」といった悩みを抱える方は少なくありません。
マンションには共用部と専有部が設定されており、各エリアにおいて守るべきルールが明確に定められています。トラブルを回避するためにも、設置前の予備知識と必要な手続きの把握が大切です。

【この記事で分かること】

  • 賃貸・分譲マンションで個人が設置できる場所・できない場所の判断基準
  • 管理組合・管理会社から許可を得るための手順と注意点
  • マンションに適した工事不要の防犯カメラの選び方

目次

賃貸マンションに自分で防犯カメラは設置できる?

自宅の室内(専有部分)であれば、工事を伴わないカメラは原則設置可能です。一方で、廊下・ベランダなどの共用部に設置したい場合は、管理規約の確認と管理組合(または管理会社、大家さん)の許可が必要です。
下表に、カメラの設置場所と設置可否をまとめました。

場所 設置可否 備考
室内 工事不要であれば原則可
玄関ドア内側 専有部分のため設置可。共用部が映り込まないよう画角に注意
ベランダ内側 △(規約を確認) 専用使用権があるが管理上は共用部分。管理規約の確認が必要
共用廊下 × 共用部分のため個人設置は原則不可
エレベーター × 共用部分のため個人設置は原則不可
駐車場共用部 × 共用部分のため個人設置は原則不可

注意点として、室外の玄関ドア付近やベランダなど、個人で利用できる専用使用部分であっても管理上は共用部分として扱われる場合があります。設置前には管理組合や大家さんへ相談し、設置許可を求める必要があるほか、近隣住民のプライバシーにも配慮を要します。

マンションに設置された防犯カメラの防犯効果

マンションにある防犯カメラの2つの効果

マンションに設置されている防犯カメラには「犯罪抑止」と「証拠記録」という2つの防犯効果があります。ただし、防犯カメラだけでは犯罪を抑止しきれないケースもあるため、特性を理解したうえで活用することが大切です。

犯罪・迷惑行為の抑止

防犯カメラを目につきやすい場所に設置することで、不審者に「犯行を見られている」という心理的圧力を与えられます。空き巣やストーカー被害といった犯罪行為だけでなく、ゴミの不法投棄や深夜の騒音トラブルなどの迷惑行為への抑止も期待できます。
実際に、防犯カメラの設置によって犯罪抑止に成功した事例もあります。愛知県警察によると、2023年の半年間で県内20地区に防犯カメラを設置した結果、住宅対象侵入盗が45.5%減少しています。

参考:愛知県警察「犯罪抑止効果、安心感の向上効果」

防犯カメラの中でも特に犯罪抑止効果が高いのが「ボックス型カメラ」です。大きくて四角く、存在感があるタイプであるため、防犯カメラの存在をアピールし、犯罪抑止を図りたい場合に有効です。

トラブル発生時の確認・記録

防犯カメラは犯罪の発生を防ぐだけでなく、万が一敷地内で犯罪行為やトラブルが起きた際の証拠を記録する役割も果たします。防犯カメラの映像を警察に提出することで、迅速な犯人の特定・逮捕につながる可能性があります。

防犯カメラだけでは防ぎきれないケース

より安心な防犯対策を目指すなら、防犯カメラに加えて異常をいち早く検知し、迅速な対応につなげる仕組みを備えることが重要です。たとえば、センサーによって異常を検知し、必要に応じて警備員が現場に駆けつけるホームセキュリティは、防犯カメラだけでは補いきれないリスク対策として有効です。

マンション共用部における防犯カメラの設置場所

マンションの共用部には、管理組合や管理会社によって防犯カメラが設置されているケースが一般的です。まずは共用部にどのような防犯カメラがあるかを理解しておくと、専有部への設置で個人として「何ができるか・何をすべきなのか」を考えるうえでの参考になります。
共用部の防犯カメラを見るうえで押さえておきたいポイントは「カメラの設置場所と種類」の2点です。代表的な設置場所は、いずれも不審者が侵入・移動しやすい下記の5カ所です。

  • エントランス:外部からの侵入監視に加え不審者・来訪者の顔を記録する
  • 廊下・通路:住人以外の建物内立ち入りを監視する
  • エレベーター内:密室でのトラブルや暴行を記録する
  • 駐車場・駐輪場:車上荒らし・盗難・違法駐車を抑止
  • ゴミ置き場:不法投棄やゴミ出しルール違反の証拠を記録する

設置場所ごとに適したカメラの種類を知っておくと、建物全体としてどのような防犯対策がとられているかをイメージしやすくなります。

設置場所ごとのカメラの種類

防犯カメラは、設置場所の特性に応じて使い分けるのが一般的です。下表のように、共用部では威圧感の少ない「ドーム型」を、抑止効果を高めたい場所では「BOX型(ボックス型)」が採用される傾向にあります。

カメラの種類 特徴 向いている設置場所
ドーム型 目立ちにくく威圧感が少ない エレベーター内・廊下
BOX型(ボックス型) 存在感があり抑止効果が高い エントランス・駐車場

なお、共用部への防犯カメラ設置は、管理組合や管理会社・大家さんが判断して実施するケースが大半です。個人による無許可での設置はできないため、次の章で解説する「許可を取るために必要な手続き」を確認しておきましょう。

防犯カメラの設置許可を得るために必要なことは?

個人でマンションに防犯カメラを設置する場合は、事前に管理会社や管理組合へ相談することが重要です。特に共用部分や共用部分が映り込む場所では、許可が必要になるケースがあります。設置許可を得るうえで重要なポイントは「撮影範囲の事前相談」と「工事不要なカメラを選ぶ」の2点です。

設置場所と撮影範囲を事前に相談する

防犯カメラは、設置場所によっては近隣住民が映り込む可能性があります。プライバシーの侵害につながるおそれがあるため、設置場所やカメラの向き・撮影範囲について、事前に大家さんや管理会社に相談し、共通認識を持つことが大切です。
無断で設置すると、「監視されている」と不信感を与えたり、トラブルに発展したりするケースもあります。あらかじめ話し合っておくことで、万が一問題が起きた際の認識の食い違いも防ぐことが可能です。
また、個人による防犯カメラの設置がマンションの管理規約で禁止されている場合もあります。分譲マンションの共用部への設置は区分所有法の規定により、管理組合の決議やほかの区分所有者の承認が必要なケースがあります。管理組合への事前確認を欠かしてしまうと、後々トラブルになるおそれがあるため、必ず確認したうえで、設置を検討しましょう。

共用部分を傷つけないように配慮する

防犯カメラの中には、設置時に壁に穴を開けたり、配線工事を伴ったりする機種もあります。マンションでは、共用部分に傷をつける行為は基本的に禁止されているため、物理的な工事が必要な場合は設置が認められない可能性があります。そのため、設置の際は共用部分を傷つけずに取り付けられるタイプのカメラを選ぶのがおすすめです。工具不要で簡単に取り付けられるモデルであれば、大家さんや管理会社の理解を得やすくなります。

防犯カメラを自分で設置する場合の注意点

自分で防犯カメラを設置する際に押さえておきたい注意点は下記です。

  • 設置場所の選定
  • 映像の管理方法
  • 近隣への周知

ここからは、どのような点に気をつければよいのかを解説します。

室内に防犯カメラを設置する場合

室内への設置であれば、賃貸マンションにお住まいの場合でも基本的に問題はありません。特に、壁や天井に穴を開けるような工事を伴わないタイプであれば、管理会社や大家さんへの許可なしで設置できるケースがほとんどです。
ただし、壁や天井に穴を開ける場合は、退去時に原状回復(補修)が必要となるため、注意が必要です。あとからトラブルになるのを防ぐために、設置前に大家さんや管理会社へ相談しましょう。
また、ベランダや窓のある方向を撮影することで他人の部屋が映り込む可能性もあります。プライバシーの侵害となる場合があるため、映り込みに配慮が必要です。
室内用の防犯カメラはコンパクトな製品が多く、部屋のインテリアとも調和します。比較的設置も簡単で、製品によっては取り付けの際の工事が必要ないものもあります。
ALSOKの「HOME ALSOK アルボeye」は、コンパクトなサイズで設置が簡単なだけでなく、外出先でもスマートフォンによる映像確認が可能なため、室内の見守り用カメラとして最適です。

室外に防犯カメラを設置する場合

室外に防犯カメラを設置したい場合は、近隣住民のプライバシーへの配慮が必要です。マンションの管理規約によっては、プライバシーの保護を目的として、防犯カメラ・監視カメラの設置を禁止しているケースもあります。賃貸マンション・アパートにお住まいの場合は、まず管理規約や賃貸契約書を確認したうえで、大家さんや管理会社に相談してみましょう。
分譲マンションの場合も同様で、玄関ドアの前であってもマンションの廊下は共用部分のため十分な配慮が必要です。自治体によって防犯カメラのガイドラインを定めている場合もあるため確認してみましょう。
ベランダや玄関前への設置を検討している方には、電源・ネットワークの配線工事が不要な「HOME ALSOK Connect Eye」がおすすめです。

映像の管理や取扱いについて

防犯カメラの映像に他の人が映り込んでいると、個人情報に関するトラブルの元となる場合があります。
第三者へ流出しないよう、映像を見るためのログインIDやパスワードは初期設定のままにせず、推測されにくいものに設定したうえで、定期的に変更するなど、厳重に管理・運用しましょう。
また、録画データを長期間保存しすぎると、他人の行動履歴などが過度に蓄積されてしまい、プライバシーの侵害につながるおそれがあります。そのため、防犯の目的やプライバシーへの配慮に加え、保存媒体の容量やカメラの画素数、通信環境などを総合的に考慮し、録画の保存期間は1週間から1カ月程度に設定しましょう。期間が短すぎても、トラブルが起きた際にさかのぼって映像を確認できなくなるため、一定期間は保存するのがおすすめです。

近隣住民への周知

室外に防犯カメラを設置する場合は、前もって近隣住民に周知する必要があります。防犯のためとはいえ、突然自分が利用するスペースにカメラが設置されていたら、不安に思う方も少なくないためです。また、実際には映り込むことがなくても、カメラの大きさや角度によっては自分の部屋や玄関を映しているのではと思われる可能性もあります。
大家さんや近隣住民に対してきちんと防犯カメラを設置する理由や撮影範囲などの説明を行っておきましょう。

賃貸マンションでは工事不要タイプがおすすめ

賃貸マンションでは、配線工事や壁への穴あけを伴わない工事不要型の防犯カメラが最適です。一般的には、通常の使用範囲を超える工事を実施する場合、退去時に借主側の負担で原状回復が求められるケースがあります。
工事不要なカメラであれば退去時の原状回復費用を抑えられるだけでなく、管理会社からも許可を得やすい傾向にあります。
ただし玄関の外側など、共用部への設置には管理会社や組合、大家さんへの事前確認を忘れないようにしましょう。

賃貸マンション向けの防犯カメラの選び方

賃貸マンションに設置する防犯カメラを比較する際は「IP65以上の防水性能・フルHD以上の画質・工事不要の設置方式」の3点を基準に選ぶと安心です。
ここからは、賃貸マンション向けの防犯カメラの選び方について解説します。

カメラの性能・機能

屋外に防犯カメラを設置する場合、雨風やほこりに強く、耐久性に優れたモデルを選ぶことが重要です。耐久性の基準となるのが「IP規格」で、これは製品の防塵・防水性能を表しています。IPの後に続く数字のうち、十の位が防塵性能を、一の位が防水性能を示しており、数字が大きいほど防塵・防水性能に優れた防犯カメラとなっています。目安としてIP65以上の製品が屋外設置に適しています。
また、防犯カメラは犯行の瞬間を確実に記録できなければ、設置の意味が薄れてしまいます。夜間や暗い場所でも鮮明に映像を記録できるよう、フルHD以上の高画質に対応し、赤外線ナイトビジョンやHDR機能などを備えた高性能モデルを選ぶと安心です。

設置・運用コスト

賃貸マンションの場合は、壁や天井に穴を開ける工事が許可されないケースも多いため、工事不要で簡単に設置できる防犯カメラがおすすめです。さらに、設置スペースに限りがあることを考えると、コンパクトなモデルのほうが扱いやすいでしょう。
ただし、工事不要の防犯カメラは充電式や電池式のものが多いため、定期的なバッテリーの充電や電池交換が必要になります。防犯カメラを選ぶ際は、連続動作時間やメンテナンスの頻度も事前に確認しておくと、設置後の手間を減らすことができます。
バッテリーの種類や動作時間ごとの違いをふまえたカメラの選び方や、おすすめ機種は下記のコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

マンションの防犯性をさらに高めるには

防犯カメラ以外の防犯対策3つ

防犯カメラ以外の防犯対策としては、窓や玄関に補助錠を設置してワンドア・ツーロックにしたり、ガラス破り対策のため窓に防犯フィルムを貼りつけたりする方法があります。
いずれも、管理会社の了承が得られるものを選ぶ必要があります。さらに防犯性を高められる方法が、ホームセキュリティの導入です。

防犯カメラは侵入の抑止と証拠記録に有効ですが、万が一の際の現場対応には限界があります。ホームセキュリティとの組み合わせでより高い安心を実現できます。
ホームセキュリティを導入すれば、在宅中はもちろん、子どもの留守番や長期外出時も、警備会社が24時間365日体制で住まいの安全を見守ります。万が一室内へ侵入された場合でも侵入時に大音量のアラームが鳴り、警備会社へ自動通報されたあと、警備員が駆けつけるといった、より高い防犯効果を得られます。
これから防犯カメラを導入しようとお考えの方は、あわせてホームセキュリティを導入することをおすすめします。

マンションの防犯カメラ設置に関するよくある質問

Q:分譲マンションと賃貸マンションで防犯カメラ設置のルールは違いますか?

A:分譲マンションの場合、共用部への設置には区分所有法に基づく管理組合の決議が必要です。一方、賃貸マンションは所有者である大家さんや管理会社への相談のみで、手続きが完結しやすい傾向にある点が異なります。
ただし、どちらのマンションであっても事前に管理規約を確認し、住人のプライバシーを侵害しない配慮が必要です。

Q:マンションの廊下(共用部分)に個人で防犯カメラを設置することはできますか?

A:共用部分には、個人で防犯カメラを設置することは原則として認められていません。個人が無断で防犯カメラを設置した場合、管理規約違反となり管理組合から撤去を要求されるといったリスクが発生します。
共用部分の防犯を強化したい場合は、管理組合や管理会社へ要望を出し、組織としての対応を求める方法が最適です。

Q:マンションの防犯カメラの映像は誰が確認できますか?

A:防犯カメラの映像は、管理組合や管理会社が定めた運用ルールに基づいて管理されているため、居住者であっても自由に閲覧できるわけではありません。
映像を閲覧できるタイミングも事件や事故の発生時、あるいは警察への捜査協力といった有事の際に限られます。
また、個人情報保護法の観点から、映像の保存期間も1カ月程度が目安となっており、期間経過後は自動的に上書き消去される仕組みとなっている場合が一般的です。

まとめ

防犯カメラには、不審者への抑止効果や証拠を記録できるメリットがありますが、設置できる範囲や方法は、専有部分か共用部分かで異なります。
室内などの専有部分であれば、工事不要タイプの防犯カメラを比較的自由に設置可能です。特に賃貸マンションであれば、退去時の原状回復費用を抑えやすく、管理会社からの許可も得やすい、工事不要タイプの防犯カメラが最適です。
一方、共用部分へ個人が設置することは原則として認められておらず、事前に管理会社や管理組合への相談が欠かせません。また、撮影範囲が近隣住民のプライバシーを侵害しないような配慮も必要です。
こうした制約を守りつつも防犯対策を万全にしたい場合は、防犯カメラとホームセキュリティの併用がおすすめです。映像による記録・犯罪抑止に加え、異常発生時に警備員が駆けつける体制まで整えられるため、防犯カメラだけでは対応しきれない防犯リスクにも備えられます。
お住まいの状況に合った防犯対策を知りたい方は、お気軽にALSOKにご相談ください。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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