一人暮らしの親が心配。見守りサービスなどの対策を紹介

高齢者・介護 2024.01.10更新

現在日本では高齢者の一人暮らしが増加しています。高齢の親御さんを持つ方の中には、遠方で親が一人暮らしすることに不安を覚える人もいるかもしれません。

今回は、親が一人暮らしすることに伴う子どもの悩みや、どのような対策を講じられるかについて見ていきましょう。

目次

親が一人暮らしするうえでの心配や悩み

親が一人暮らしするうえでの悩み

冒頭にあったとおり日本では、65歳以上の高齢者が一人暮らしをしているケースが増えています。内閣府が発表した「令和5年版高齢社会白書」によれば、65歳以上で一人暮らしをしている高齢者の数は、2030年には約796万人になると予想されています[注1]

まずは、一人暮らしをしている高齢の親を持つ子どもの心配や悩みを見ていきましょう。

[注1] 内閣府:令和5年版高齢社会白書

けがや病気をしていないか

親が離れた場所で一人暮らしをしていると、けがをしたり病気になったりした場合にすぐ駆け付けるのは難しいものです。

急病や重大なけがのとき、自分でご家族へ連絡することもできず、誰にも助けを求められない状況になることも考えられます。

特に高齢の方の場合には、転倒やヒートショックのリスクも高くなります。一人で暮らしている親が、自分で助けを求められず、誰にも気づかれない状況で倒れている、という状況は、他人事ではなく実際に起こるかもしれないと感じる方も多いのではないでしょうか。

栄養不足になっていないか

一人暮らしをしている高齢者は、食事の回数や内容、栄養の偏りなどに気を配らなくなることがあります。場合によっては栄養失調となり、入院が必要となるケースもあります。

認知症の発症・進行

認知症は高齢者にとって非常に身近な病気となっています。認知症が発症すると一人暮らしを続けられなくなり、介護が必要な状態になります。

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合、発症に気づくことができれば治療によって進行を遅らせることができます。しかし親が一人暮らしをしている場合には、認知症の発症や進行に気づくことができずに適切な治療が受けられないおそれがあります。

特殊詐欺などの犯罪被害に遭っていないか

現在、高齢者を狙った犯罪が増加の一途をたどっていることから、一人暮らしをしている親が犯罪被害に遭わないか、心配に思われる方も多いと思います。特に、オレオレ詐欺や預貯金詐欺などの特殊詐欺において高齢者がターゲットとされやすくなっていますが、詐欺だけでなく、殺人、窃盗、傷害といったさまざまな犯罪に高齢者が巻き込まれる事例も発生していることにも留意が必要です。

・オレオレ詐欺

「オレオレ詐欺」被害者の年齢別割合

息子や孫などの親族を名乗り、「会社の金で株をやったら失敗した」「交通事故を起こしてしまい示談金が必要だ」などと言って現金を騙し取る手口です。警察庁が公開した「令和5年10月の特殊詐欺認知・検挙状況等について」の統計データ[注2]によると、「オレオレ詐欺」の被害者のうち94.1%が70歳以上の高齢者です。

・預貯金詐欺

「預貯金詐欺」被害者の年齢別割合

警察官、金融機関の職員などを名乗り、「カードが不正に使用されているのでカードを預かります」などと言って、キャッシュカードを騙し取る手口です。
預貯金詐欺の被害者も70歳以上の方が97.1%を占めています。

・還付金等詐欺

「還付金詐欺」被害者の年齢別割合

市役所や年金事務所などの職員を名乗り、「医療費(保険料)の還付金(払戻金・返戻金)があります」などと言って、ATMに行かせて現金を振り込ませる手口です。
還付金詐欺の被害者は60歳~64歳以上の割合が18.3%、65歳以上の高齢者が77.0%と比較的幅の広い層がターゲットになっています。

・架空料金請求詐欺

「架空料金請求詐欺」被害者の年齢別割合

「未払いの料金があり、今日中に支払わなければ裁判になります」などとメール・はがき・封書などで知らせ、電子マネーを購入させるなどして金銭を騙し取る手口です。有料サイトの利用料や名義貸し名目、パソコンのサポート詐欺などさまざまな事例があります。
被害者の割合は比較的若い年齢層も多くなっていますが、65歳以上の高齢者も半数以上を占めています。

[注2]警察庁:令和5年10月の特殊詐欺認知・検挙状況等について

火の不始末による火災

ガスコンロのつけっぱなしやたばこの不始末など、火の不始末による火災の心配をされる方も多いでしょう。特に認知症の場合、注意力が散漫になり火を消し忘れてしまうことも考えられます。

ガスコンロをIH調理器(IHクッキングヒーター)に変更することや、カーテン・カーペット・壁紙・布団・家具などを燃えにくいものにすることで、火災リスクを低減させることができます。

ご近所トラブル

認知症が進むと被害妄想や作り話などで人間関係が悪化したり、徘徊によりご近所の方に迷惑を掛けてしまったりすることもあります。事前にご近所の方に相談しておくなどの対処が必要です。

親が一人暮らしをされている場合は、これまで説明してきたような、いろいろな不安を抱えてしまうこともあるでしょう。

同居以外にもさまざまなサポートの方法がある

心情的に親と同居してあげたいと考える方も多いでしょう。「同居するしかない」と決めつけてしまう前に、同居以外の現実的な選択肢について検討するとともに、親の立場に立って何がベストであるか考えてみると良いかもしれません。

親が住み慣れた家で暮らしたいと考えているケース

「長年住み慣れた家の方が安心する」「現在の家にずっと住み続けたい」と思っている親もいらっしゃいます。同居を決める前に親がどう思っているかをしっかりと聞いておかれることをおすすめします。

相互に気を遣ってしまうケース

同居すれば確かに目が行き届くようになりますが、生活する中で親も家族もお互いに気を遣いすぎてしまうことがあります。普段何気なく交わす会話の内容や見るテレビ番組、食事やお風呂のタイミング、家事の分担など、親に合わせなければならない事柄は多岐にわたります。
特に義理の親との同居となれば自分の親よりも気を遣ってしまう場面が多く、ストレスが溜まりやすくなる傾向にあります。また、介護が必要な場合には、負担は非常に重くなります。

親が自由に過ごすことを希望しているケース

子ども自身が親に援助が必要だと考えていても、親本人がそう思っているとは限りません。高齢者の中には自分はまだまだ一人で好きなことを自由に行って暮らしたいと考えている方もいます。親のほうが、同居によって行動を制限されたり監視されたりする可能性を懸念している場合もあるでしょう。
そのような状況で無理に同居させようとすると、気分を害してしまうかもしれません。さらに自分が一人暮らしできることを証明しようと、無理に動いてけがをしてしまう恐れもあります。

同居以外のさまざまな選択肢を考えてみる

同居することが唯一の解決策ではありません。たとえば地域包括支援センターを活用すれば、介護認定以外にもさまざまな相談に乗ってくれます。利用できる制度や窓口の説明を受ければ、同居以外の選択肢がきっと見つかるでしょう。
数日だけ訪問介護サービスを依頼する、デイサービスに通ってもらうという選択肢も考えられます。

一人暮らしの親のためにできる対策

親をサポートする際は、本人と相談しながらベストな方法を選択することが大切です。ここからは、一人暮らしをしている親のためにできる対策についてご紹介します。

親戚や近所の方に協力を仰ぐ

親戚や近所の方に協力してもらうことも一つの方法です。自分たちが遠方に住んでいる場合やすぐに会いに行けない状況の場合に、実家の近くに住んでいる周りの方に様子を見に行ってもらうようお願いして、元気で無事に暮らしていることを確認してもらうという方法が考えられます。

外出する機会を設けるためにデイサービスなどを利用する

デイサービスなどを利用すれば、介護サービスのほか、健康管理などのサポートを受けることが可能です。一人暮らしであっても、いろいろな支援を受けながら日常生活を楽しむことができます。外出する機会を設けることで、引きこもりになることを予防でき、心身の健康の維持に役立ちます。

食事宅配サービスなどを活用し家事の負担を減らす

一人で毎日ご飯の支度をすることは大変ですが、食事宅配サービスを利用することで毎日しっかりと栄養のある食事をとることができます。また、食事を宅配する際に安否確認をすることができるというメリットもあります。

見守りサービスの利用もおすすめ

みまもりサービスとは

一人暮らしの親が心配な方におすすめしたいサービスの1つが「見守りサービス」です。

いざという時の駆け付け

見守りサービスには、体調が悪いなどの非常時にボタンを押せば警備員が駆け付けてくれるものもあります。
また万が一、不審者が侵入した場合にも、センサーで異常を察知してすぐさま家族に情報を伝えることが可能です。

元気でいるかの安否確認

毎日親がどのように過ごしているのか、元気にしているかをメールで知らせてくれるサポートもあります。仕事で忙しくあまり親元を訪問できない方にぴったりです。

通話サポート

体調に関して相談したいときに利用できる通話サポートもあります。ALSOKは、24時間いつでも健康相談ができるサービスを提供しています。

自宅にカメラを設置し、スマホで確認もできる

親の自宅にカメラを設置して、遠隔地からご自身のスマートフォンやタブレットで親の様子を確認することができるというサービスもあります。プライバシーを心配されるかもしれませんが、カメラの映像データへアクセスできるユーザーを制限することができるので安心です。
また、設置場所の温度のお知らせが可能なサービスもあり、熱中症対策にも有効です。
ALSOKの見守りサービスである「HOME ALSOK アルボeye」の導入をご検討ください。

まとめ

一人暮らしを続けたいと願う親を心配している方は大勢いらっしゃいます。同居が唯一の正解とは限りませんので、さまざまな選択肢を検討されることをおすすめします。また、親の意思を尊重しながら見守りたいという場合は、見守りサービスの活用についてもご検討ください。
ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」をご利用いただくことで、緊急ボタンを押せばすぐにガードマンが家に駆け付けます。また、24時間いつでも健康相談ができます。
また、「HOME ALSOK アルボeye」を使えば親の自宅を映像で確認でき、さらに温度感知による熱中症対策も可能です。スマートフォンを通して声かけも可能なので、親を安心させることもできるでしょう。

親の一人暮らしを見守りサービスで「見守る」というのも、新しい親孝行の形の一つと言えるでしょう。

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