「登下校防犯プラン」とは?

子ども2021.03.25

平成30年5月、新潟市で下校中の児童が殺害される痛ましい事件が発生しました。許し難いこの事件を受けて、子どもたちを犯罪の被害から守る登下校時における総合的な防犯対策を強化するための対策として策定されたのが、「登下校防犯プラン」です。本記事では、子どもを危険から守るための「登下校防犯プラン」についてご紹介します。

「登下校防犯プラン」は子どもたちを犯罪の被害から守る具体的な対策

登下校プラン
登下校プラン

子どもを狙った卑劣で悪質な事件は、児童だけになりがちな登下校時に多く発生しています。なかでも、下校時の15~18時は特に多く発生しています。[注1]

これまでも、地域ごとにさまざまな防犯対策がなされてきました。しかしながら、防犯ボランティア参加者の高齢化や共働き家族の増加によって、深刻な担い手不足に悩まされています。

悲しい事件を二度と繰り返さないために、地域ごとではなく社会全体で子どもを犯罪から守るために政府が取り組むものとして策定されたのが、「登下校防犯プラン」です。

登下校防犯プランの詳細を解説します。

1地域における連携の強化

徹底した防犯対策を実現するためには、地域における連携の強化が必要となります。

自治体や警察、教育委員会および学校に加えて、保護者や地域住民、放課後の子ども教室および児童クラブ関係者の連携が非常に大切です。

連携をとるためには、情報を共有し合うことが重要です。地域関係者が意見を交換・調整し、地域ごとにおける具体的な対策を行える地域の連携の場を構築していくこととしています。

情報面では、内閣府のホームページに「登下校防犯ポータルサイト」を新設しています。

「登下校防犯ポータルサイト」では、地域の取り組みを支援するため、登下校時における防犯対策に関連した、他の地域が行っている取り組みや関係省庁の施策などを確認できます。また、文部科学省や警察庁をはじめとした関係省庁のホームページでも、登下校時における防犯対策の参考となる情報や対策案を充実していくこととしています。

2通学路の合同点検の徹底と環境の整備・改善

防犯ボランティア参加者の高齢化や共働き家族の増加により見守りを行う担い手が不足しており、通学路の中に大人の目が行き届かない場所が多く存在します。

平成30年12月までに12,024の公立小学校で、地域関係者が連携し通学路の安全点検を実施しています。緊急合同点検を踏まえて、危険箇所をわかりやすい媒体でまとめて共有するよう推進されています。

可視化された危険箇所については、警察によるパトロールや防犯ボランティア・地域住民による見守りを重点的に行う方針です。これらに加え、安全性の確保のため危険箇所や必要な場所への防犯カメラや防犯灯の設置、見通しのよい環境作りを政府として支援することとしています。

この他にも、防犯の観点から管理されていない空き家を他施設や公園等への整備を推進すること、また、事案の発生状況等の研究を行い、防犯環境整備を推進することとしています。

3不審者情報等の共有と迅速な対応

不審者に関する情報や子どもの犯罪被害などを指して、「不審者情報等」といいます。

これまでも警察が把握した不審者情報等は、教育委員会を通じて学校と共有していますが、より粒度の高い情報を共有し、必要に応じて警察の子供女性安全対策班(JWAT)が先制・予防的活動を行うことに加え、見守りの配置・ルートの変更等、保護者や地域住民等が効果的な防犯対策がとれるような情報等を警察から情報発信することとしています。また、放課後子ども教室・児童クラブや児童館の来所・帰宅時の安全対策として「来所・帰宅時における安全点検リスト」を改訂するとともに適切な利用を図ること、放課後子ども教室・児童クラブや児童館と警察との連携体制を構築することとしています。

4多様な担い手による見守りの活性化

子どもを凶悪な犯罪から守るためには、大人の目が必要不可欠です。しかし、時代の流れとともに見守りを行う担い手が減少しています。子どもを孤立させないために、見守りの活性化を図る必要があります。

登下校防犯プランでは、「ながら見守り」を推進しています。買い物やジョギング、ウォーキング、犬の散歩など、日常活動のなかで外出する際、地域の大人が子どもたちを見守る視点を持ってもらうのです。「ながら見守り」は、この他にも以下のような方法があります。

  • 企業の事業活動のなかで「ながら見守り」を実施する
  • 「ながら見守り」の協力要請として自動車運送業者へドライブレコーダーの設置を依頼する
  • 見守り活動の協力者の方に向けた表彰や情報の共有を推進する

また、

  • 学校安全ボランティア(スクールガード)の養成
  • 青色回転灯装備車で防犯パトロールをする防犯ボランティア団体への助言、ドライブレコーダーの補助制度等の支援
  • 「子供110番・車」への支援強化と教育委員会・学校との連携強化等を推進していくこととしています。

5子どもの危険回避に関する対策の促進

社会全体で子どもを犯罪から守ることが大切です。また、子どもたちにも、犯罪に対する意識を持つように指導することも必要です。まだ幼い子どもたちでも、知識を持っていれば、自ら危険を回避できる可能性が高まります。

そのためには防犯教育の充実が欠かせません。そこで、次のとおり専門家の意見を取り入れながら、子どもと子どもを守る側の双方の意識啓発や知見の伝達を行っていくこととしています。

  • 防犯教育を行う教職員のスキルアップ
  • 実践的な防犯教育の推進
  • 保護者による家庭内でできる防犯への取組の推進

また、ICタグ等のICTを使用した防犯対策をはじめとした全国の防犯対策好事例と実施時の留意点を、前述しました「登下校防犯ポータルサイト」で紹介し、地域・学校に適したより効果的な登下校の安全確保の取組を推進していくこととしています。

登下校時に気を付ける子どもの防犯対策

登下校時子どもの防犯対策
登下校時子どもの防犯対策

周囲の大人たちによる見守りは重要ですが、子どもたち自身が防犯に対する意識を持つことが大切です。どれだけ見守りをしていたり、集団やスクールバスなどで集まって登下校したりしたとしても、自宅の手前ではどうしても1人になってしまう瞬間があるかもしれません。

子どもが覚えておくべき防犯対策として、警視庁は覚え言葉「いかのおすし」を考案しています。

  • いか:行かない(知らない人には付いて行かない)
  • の:乗らない(知らない人の車に乗車しない)
  • お:大声を出す(何かあったら大声を出す)
  • す:すぐに逃げる
  • し:知らせる(何かあったら必ず周囲の人に知らせる)

これらを子どもたちが理解できるように伝えることで、危険回避に繋がります。

子どもたちを犯罪から守るためには登下校時が肝心

子どもだけになったタイミングを狙った卑劣で凶悪な事件は、登下校中に多く発生しています。地域ごとにおける対策だけでなく、社会全体で守っていくことが大切です。子どもたちの未来のために、社会全体で取り組んでいかなければなりません。

ALSOKでは、子どもの安全を守るためのセキュリティサービスとして通話ができ、緊急時にはガードマンを呼ぶこともできるGPS端末「まもるっく」をご用意しています。防犯サービスを利用することも家の外にいる子どもを守る手段の一つとなりますのでおすすめです。

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