なぜ大雪になると立ち往生が起こるのか?

防災2021.03.25

大雪が降ると、車の立ち往生や停電などが起きてしまい、私たちの生活に大きな支障が生じてしまいます。とくに雪に慣れていない地域で大雪が降ると、雪が積もった道路での運転ができないドライバーが増え、立ち往生が生じてしまう可能性が高まってしまいます。

もし立ち往生に遭遇したとき、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか。この記事では、大雪によって生じる立ち往生の原因や注意点について解説します。

大雪時に立ち往生する原因は?

大雪時に立ち往生してしまう原因
大雪時に立ち往生してしまう原因

国土交通省の調査によれば、毎年約500台以上の立ち往生車両が発生していることがわかっています。[注1]そもそも、大雪が降るとどうして立ち往生が起きてしまうのでしょうか。

まずは、大雪の際に立ち往生が生じてしまう原因について見ていきましょう。

1吹雪で見通しが悪くなるため

立ち往生が発生する大きな要因は、視界の悪さでしょう。

大雪が降ると、雪のせいで見通しが悪くなってしまいます。とくに風が強く吹雪になっているときは、数センチ先の道路状況もわからないくらい視界が雪で埋め尽くされることもあるでしょう。たとえ雪が止んだとしても、強風で雪が舞い上がって視界が悪くなる「ホワイトアウト」が発生してしまうリスクもあります。

こうなってしまった場合、無理に車を動かすと大きな事故につながってしまう可能性が高まります。安全のために車を停止することで自然渋滞が起き、周囲に雪が降り積もって身動きが取れなくなることで、立ち往生に発展してしまうのです。

2チェーンを装着していない車があるため

都心や暖かい地域などあまり雪が降らない地域では、チェーンの未装着が原因で立ち往生に発展してしまうケースが非常に多いです。

国土交通省が行なった平成27年度の調査によれば、立ち往生をしていた車のうち75%が冬タイヤを装着していたにもかかわらず、立ち往生してしまったことがわかっています。このデータを見ると、大雪のときは冬タイヤの装着だけでは安全に運転をすることができないことが読み取れます。

また冬タイヤ装着車両のうち、89%もの車両がチェーンを装着していなかったことがわかりました。くわえて、とくに大型車や中型車の立ち往生が非常に多いことも同調査で判明しています。

もちろん、大雪の際はすべての車両でチェーンの装着が重要となります。しかし、なかでも中型以上の車両を運転するときは、必ずチェーンを装着する必要があることを知っておきましょう。[注2]

3停車する車に続いて停車してしまう人が多いため

立ち往生が発生してしまう原因には、人間の心理状況も関係しています。何らかの原因によって停止してしまった車がある場合、ドライバーはほかのドライバーの行動を参考にして、同じように車を停車させる傾向にあります。

大雪の際に一度車を停止してしまえば、車の周りの積雪量が増加してしまい、車を再発進できなくなってしまうことも少なくはありません。その結果、停止してしまう車が次第に増えていき、立ち往生が発生してしまうのです。

しかし安全な運転という観点からは、基本的に停車や減速をするのは悪いことではありません。雪が降る日に立ち往生をしないための対策として、不要な外出は控えること、チェーンをすることが重要です。

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大雪で立ち往生した場合に気を付けること

大雪時で立ち往生した場合に気を付けるべき4つのこと
大雪時で立ち往生した場合に気を付けるべき4つのこと

どんなに気をつけていても、雪の日に車に乗る以上、立ち往生を完全に防ぐことはできません。そこで大切になるのは、万が一立ち往生したときに正しい行動で命を守れるかどうかというポイントです。

ここからは、大雪で立ち往生してしまったとき、安全のために気をつけたいことについて解説します。

1一酸化炭素中毒対策をする

大雪で立ち往生してしまった場合、脱出が可能になるまで車のなかで仮眠をとったりエンジンをかけたまま救助を待ったりすることもあるでしょう。そのときに注意してほしいのが、排気ガスによる一酸化炭素中毒です。

車の周辺に雪が積もってしまっていると、マフラーから出た排気ガスがエアコンなどを経由して車内に入り込んでしまう危険性があります。排気ガスによって車内の一酸化炭素の濃度が一定レベルを超えると、「一酸化炭素中毒」になってしまいます。頭痛やめまい、吐き気や意識障害などが一酸化炭素中毒の主な症状ですが、死に至るケースも少なくはありません。

一酸化炭素中毒対策をするためには、マフラーのまわりを定期的に除雪することが有効です。また、窓を開けて車内の換気を行うことも忘れてはいけません。

ただし、窓を開けても風がないと十分な換気はできないため、マフラーまわりの除雪は必ず行なっておく必要があります。

2しっかりと防寒対策をする

立ち往生に巻き込まれたときは、防寒対策も重要です。

実際にJAFで行われた、令和3年2月の長野県で立ち往生した場合の車内温度に関する実験では、以下のことがわかっています。[注3]

  • 車内温度25度の状態でエンジンを止めてから3時間で車内温度は1.8度を下回った
  • 5時間後には-3.9度を下回った
  • 8時間後には外気温-12.9度に近い-7度に達した

あまりにも車内の温度が下がると、命が危険にさらされることもあります。立ち往生中は、一酸化炭素中毒を防ぐために車のエンジンを切ることもあるかもしれません。こういったときも寒さ対策ができるように、毛布や使い捨てカイロ、寝袋などを車に積んでおくことが大切です。

3ドアが開くことを定期的に確認する

立ち往生中に車内で避難する場合、車のドアが開くことを定期的に確認することも大切です。せっかく救助部隊が来ても、車の周りに積雪してドアが開かなくなってしまえば、外に出ることができなくなってしまうためです。

一定時間ごとにドアの周辺を除雪し、いつでも外に出られるようにしておきましょう。

4救援部隊に連絡する

しばらく待っても状況が好転しなさそうな場合は、ためらわず救助部隊に連絡をしましょう。道路緊急ダイヤル(#9910)もしくはJAF(#8139)に連絡し、必要に応じて警察や消防にも連絡しておくと安心です。

救助までに時間がかかるときは、上記の注意点を守って車内や近くの施設で安全に待つようにしましょう。

立ち往生以外にも大雪時に気を付けること

最後に、大雪のときに立ち往生以外にも気をつけておきたいことについて3つ解説します。

1ライフラインの停止に備える

大雪が降って設備が破損された場合、電気やガス、水道などといったライフラインが停止される可能性があります。万が一に備え、防寒用具や燃料、水などはあらかじめ用意しておきましょう。

また、あまりにも降雪量が多い場合、通行止めなどで地域が孤立してしまう危険性もあります。こういったときも安全に過ごせるように、非常食や常備薬などは余裕を持って用意しておいてください。

2移動時は足元だけではなく頭上に気をつける

大雪の場合でも、やむを得ない理由で外出が必要になる場合があります。外に出るときは転倒に注意してゆっくり歩くことはもちろん、頭上からの落雪にも注意しましょう。

なかには落雪が直撃し、命を落としてしまうケースもあります。できるだけ屋根の下を歩くことは避け、電信柱や電線などにも注意してください。

3無理な雪下ろしはせず、安全なところへ避難する

雪が屋根に積もってしまうと、建物が重さに耐えられず崩壊してしまう危険性があります。だからといって、慣れていない人が雪下ろしをすることはおすすめできません。

雪下ろしをしたい場合は、必ず屋根や柱などに命綱を固定してから行いましょう。危険だと感じたらすぐに安全なところへ避難するようにしてください。

大雪の防災対策で立ち往生を防ごう!

大雪が降ってしまうと、さまざまな理由で立ち往生が発生してしまいます。すぐに救助してもらえなさそうなときは、この記事で紹介した注意点を意識して車や周辺施設で安全に救助を待ちましょう。

大雪の際に気をつけたいのは、決して立ち往生だけではありません。日頃から防災グッズを用意しておき、大雪が降っても慌てないように備えておくことが大切です。

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