高齢者の不慮の事故を防ぐには?家庭内事故の原因と対策

高齢者の不慮の事故を防ぐには?家庭内事故の原因と対策

高齢者の不慮の事故を防ぐには?家庭内事故の原因と対策

高齢者の方が家にいらっしゃると、家の中でも何かにつまずいて転んだりしないかと心配になる機会があるかと思います。また、高齢のご親族と離れて暮らす方も「しばらく連絡を取っていないが、事故に遭っていないだろうか」と不安を感じることがあるでしょう。
実際に、高齢者の方が家庭内で事故に遭って怪我をする事案は数多く発生していますが、それに関連する死者の数が年間30,000人近くに上ると聞くと驚くかもしれません。そこで、この記事では高齢の方が家庭内で遭いやすい不慮の事故のリスクや、その対策についてご紹介します。

高齢者のヒヤリハット

高齢者のヒヤリハット

高齢者の方が日常生活にともなって注意すべき事故といえば、まずは交通事故を想定する方が多いでしょう。その点については「今は単独で外出させる機会がないのであまり心配ない」と思う方もいるかもしれません。

しかし「家庭内で起こり得る事故」にも、交通事故と同様に注意を払わなければなりません。特に高齢の方であれば、暮らし慣れたご自宅であっても咄嗟の危険回避が難しい場合があります。そのため、お子さんやお孫さんの世代が難なく避けられる障害物であっても、それが原因となって思わぬ怪我につながることがあります。
以下に、不慮の事故によって亡くなる高齢者の数の推移について、厚生労働省の「人口動態調査」を基にご紹介します。

高齢者の不慮の事故による死者数

厚生労働省の「人口動態調査」による2018年(平成30年)の統計で、高齢者の不慮の事故による死者数が報告されています。その数は高齢者の交通事故による死者数と比較し、年間で数倍にも上ることが分かっています。また、年代が上がるにつれて(高齢になるにつれて)不慮の事故による人口あたりの死者数が多くなっています。

高齢者(65歳以上)の不慮の事故による死者数(交通事故・自然災害を除く)

出典:高齢者の事故の状況について(消費者庁)

上記は、厚生労働省「人口動態調査」による、高齢者(65歳以上)の不慮の事故による死者数から、交通事故と自然災害によるものを除いたデータをグラフ化したものです。
2007年(平成19年)から2016年(平成28年)の推移をみると10年間で5,000人以上死者が増加しており、減少に転じる年もあるものの全体的には微増の傾向が続いているといえます。

この大きな要因としては、わが国全体で高齢化が進んでいることが挙げられます。高齢者にあたる人の数が多くなっていることから、高齢者が不慮の事故に遭う事例も増えているものと考えられます。

しかし「全体の数が増えているから仕方がない」と思わず、高齢者特有の身体機能や健康状態に寄り添った有効な対策を積極的に考えていく必要があるでしょう。

高齢者の住宅内事故の重症度

高齢者の住宅内事故の重症度

家庭内で同じ事故に遭って怪我をするケースでも、年代によって重症度が異なるという興味深い報告があります。消費者庁・国民生活センターによる「医療機関ネットワーク事業」のデータでは、家庭内事故による怪我における「重傷・重篤」の割合が20歳~65歳未満で1.6%でした。しかし65歳以上になるとそれが6.4%にまで跳ね上がり、高齢の方が住宅内事故に遭うと重症化のリスクが高いことが分かっています。

若いご家族の感覚では「この程度なら大丈夫」と軽視しがちなリスクも、高齢の方にとってはより大きなものとなる可能性があるといえます。ご自身はもとより一緒に暮らすご家族も遠方にお住まいのご家族も、家庭内の事故につながる要因を「大したことはない」と思わず、十分に注意を払っておくことが大切です。

高齢者の3大事故とは

高齢者の3大事故とは

特に高齢の方が怪我をしやすい3つの事故について、「高齢者の3大事故」と呼ばれることがあります。これは、高齢者が遭いやすい事故のうち外出時に起こる交通事故を除いたもので、いずれも家庭内で発生する可能性が高いものです。
以下に、高齢者の3大事故について概要を説明し、家庭内でとれる対策についてもご紹介します。

転倒

家庭内で発生する事故の中でも、高い割合を占めるのが「転倒・転落」です。2階建て・3階建てなど階段の上り下りが避けられない家や、構造が古く段差の多い家では特にこの事故のリスクが高くなります。また、床の上にある物品につまずいて転倒する事故も少なくありません。カーペットや電気コード、敷居など若い方なら簡単に気づいて回避できるものも、高齢の方にとっては怪我のリスクとなり得る場合があるのです。
床での転倒や階段からの転落を防止する対策としては、まず壁面への手すりの設置が有効です。特に事故があると重症化のリスクが高い階段部分には、手すりを取り付けることをおすすめします。また、床にものを置かず、電気コードを床面に這わせないなどすぐにできるつまずき対策も大切です。敷居のように簡単に取り除けないものの場合、段差部分に追加してつまずきを防ぐ段差解消スロープなども有効。比較的安価で購入できるため、敷居の段差が気になるならぜひ試してみてください。

窒息

誤飲や誤嚥による窒息も、高齢者に多い深刻な家庭内事故です。発生すると重篤化や死亡のリスクも高いため、未然に防ぐ対策が重要な事故でもあります。高齢者の方のお食事を用意する際には、できるだけ対策を講じましょう。
冬に食べることの多いお餅は、特に誤嚥・誤飲事故のリスクが高い食材です。高齢の方は噛む力が低下していることもあるため細かく切るなど、食べやすく飲み込みやすくなるよう配慮しましょう。もちろんお餅に限らず、高齢の方のお口に入るものは小さめに切る習慣をつけるとより良いでしょう。
また、熱いものは急いで飲み込みたくなるため誤嚥のリスクが上がります。料理を提供するときは、熱々よりもお口の中で熱さを感じない程度の適温を心がけましょう。

ヒートショック

深刻な家庭内事故として報じられることも多いヒートショックですが、この事故が起こるおもな場所は浴室です。冬の寒い脱衣所や浴室から移動してバスタブのお湯につかることで、温度差による血圧変動が原因となって脳疾患や心疾患を引き起こすものです。症状による心肺停止などにとどまらず、浴槽内で急に意識を失うことで溺死するケースもあります。
ヒートショック自体の発生を防ぐ対策としては、浴室や脱衣所に安全な暖房設備を設けるなどで室内を適温に調整することが有効です。また、高血圧や糖尿病など生活習慣病と呼ばれる基礎疾患を持つ方はヒートショックのリスクが高いとされるため、生活習慣の改善も並行するとよいでしょう。その他、お風呂の湯温を上げすぎない(41℃以下が目安)、飲酒したら入浴を控える、ご家族に一声かけてから入浴するなど、今日からすぐにできる対策も数多くあります。

ALSOKの高齢者見守りサービス

ALSOKの高齢者見守りサービス

高齢のご家族と離れて暮らしていたり、高齢の方を家に残して留守にすることが多かったりすると、目が届かない所で事故に遭うのではと心配が尽きないものです。
ALSOKでは、離れて暮らすご家族でも安心して過ごせるよう、緊急時にはガードマンが駆けつける「みまもりサービス」をご提供しています。
ALSOKのみまもりサービスは、24時間健康相談ができ、異常時にはボタン1つでガードマンが駆けつけてくれる「HOME ALSOK みまもりサポート」と、家の中をしっかり確認できるカメラの「HOME ALSOK アルボeye」の2つ。HOME ALSOK アルボeyeでは、離れた場所からでもスマートフォンやPCでご家族の様子を確認できます。

まとめ

高齢になると瞬発力や持久力などの身体能力が低下するほか、「何かに注意を払いながら別の行動をする」など、2つ以上のことを同時に行うことが難しくなるともいわれます。急いで何かをしようとしたり、何かに集中しながら無理に他のことをしようとしたりする機会を、なるべく減らしましょう。心にゆとりを持って1つひとつのことがゆっくりできるよう、周囲の方の配慮も必要です。
離れた場所にお住まいで、どうしても直接ケアすることが難しいという場合は、いつでも様子を確かめられる「みまもりサービス」を活用することも一案です。高齢者の方とご家族が、ともに安心して暮らせる家庭環境づくりをぜひ始めてみてはいかがでしょうか。

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