海外赴任前のやることリスト!必要な準備や手続きを時期別に解説
本記事では、海外赴任・海外駐在のための準備やタスクについて、渡航3か月前から直前までの時系列順に解説します。
海外赴任が決まったら、限られた期間内でさまざまな手続きや準備を進めなければいけません。直前になって慌てないためにも、準備の全体像や事前にやるべきタスクを把握し、すぐに実行できる態勢を整えておくことが大切です。
【この記事で分かること】
- 海外赴任(海外駐在)前に必要な準備の流れ
- 3か月前・2か月前・1か月前・1~2週間前にやること
- 持ち家がある場合の判断ポイント
- 関連する手続きの確認先
目次
海外赴任が決まったらやるべきこと
海外赴任(海外駐在)が決まったら、「やることリスト・手続き一覧・チェックリスト」を作成し、全体像を把握したうえで、対応事項を整理することが重要です。
なかでも、「会社が対応すること」と「自分で対応すること」を早い段階で切り分けることがポイントです。ビザの取得や現地住居の手配などは会社主導で進められるケースが多い一方、住民票の異動(海外転出届)や自宅の管理などは本人が手続きを行うのが一般的です。
ただし、これらの対応範囲は会社によって大きく異なるため、会社がどこまで対応してくれるのかを事前に確認しておくことが重要です。特に、社会保険や税務、住居関連の取り扱いは条件によって差が出やすいため、早めに把握しておくと安心です。
赴任日が確定したらスケジュールを逆算し、余裕をもって準備を進めましょう。
また「自分でやること」は下記のように、大きく4つのフェーズに分かれます。3か月前は計画の立ち上げ、2か月前は自宅の扱いを確定、1か月前は実務手続き、1〜2週間前は出発直前の最終確認などが必要です。
- 海外赴任(海外駐在)3か月前(計画フェーズ)
時間を要する手続き(引越し業者の手配・予防接種の開始・ビザ申請など)への着手
自宅の扱い(方針)を検討 - 海外赴任(海外駐在)2か月前(確定フェーズ)
荷物の仕分け・年金や保険の整理
自宅の扱い(方針)の確定 - 海外赴任(海外駐在)1か月前(手続きフェーズ)
海外保険の加入・ライフライン(電気・ガス・水道など)の解約
実務的な手続きの完了(転校手続きなど) - 海外赴任(海外駐在)1〜2週間前(最終確認フェーズ)
海外転出届の提出や荷物の搬出
出発直前の最終対応(現地通貨の準備など)
海外赴任(海外駐在)の内示は3か月前が目安とされていますが、1か月前などに急遽伝えられるケースも少なくありません。住居や家族帯同の方針など、関係者への確認や調整が必要な事項は特に早めに着手しましょう。
海外赴任の準備:3か月前にやることリスト
| 海外赴任の3か月前にやること | |
|---|---|
ここからは、3か月前に海外赴任を伝えられたと仮定し、タイミングごとにやるべきことをリスト順にご紹介します。
なお、持ち家がある場合は3か月前までに「空き家で残す/賃貸に出す/売却する」の方針決定が必要です。詳細は後述の「自宅の管理はどうする?」で解説します。
赴任までのスケジュール作り
まずは、出発日から逆算して赴任までのスケジュールを立てましょう。複数の手続きを漏れなく対応するには、最初に「何を」「どの順序」で行うか決めておくと安心です。
現地の情報確認
渡航先の気候や生活環境、治安などを確認しましょう。
渡航先によってさまざまな生活習慣があり、日本で日常的に行えたことも現地では迷惑行為にあたったり、場合によっては犯罪と見なされたりする可能性もあります。渡航先の情報を調べる段階で、それらを把握しておき、現地での生活をスムーズに始められるようにしましょう。
特に治安面については、国や都市によってリスクの度合いが大きく異なります。夜間の外出や公共交通機関の利用を避けた方が良い地域もあるため、外務省の海外安全ホームページなどで最新の情勢を確認しておきましょう。スリや強盗などの犯罪が多発している地域では、日中であっても警戒が必要です。
また、日本と気候が大きく異なる地域へ渡航する場合は、衣類なども現地の気候に合わせたものを準備する必要があります。
現地住居の手配、引越し業者の選定
ご自身で住居探し・引越しを手配する場合は、3か月前からの着手が必須です。引越し業者は繁忙期(3~4月、7~8月、12月末)に予約が埋まりやすいため、早めに複数社へ見積もりを依頼しましょう。
荷物は「手荷物・航空便・船便・国内保管・処分」の5分類で仕分け計画を立てておくと、スムーズに準備を進められます。ただし、船便は到着まで最大2か月程度かかるため、赴任直後に荷物を受け取れない事態も想定されます。赴任後すぐに必要となるアイテムは航空便や手荷物に回し、船便は可能な限り早く発送できるようにタイミングを逆算しておきましょう。
健康診断の受診、予防接種
6か月以上海外へ派遣される場合、企業には労働安全衛生規則に基づき、派遣前および帰国後に健康診断を実施する義務があります。
また、渡航先の衛生状況によっては、渡航前に予防接種の必要な場合もあるため、早めに確認しましょう。もし接種が必要な場合は「いつまでに、どの予防接種が必要か」を確認することが大切です。
必要なワクチンや接種時期は渡航先や・個人によって異なります。トラベルクリニックや公的案内で必ず確認しておきましょう。
また、海外での虫歯や歯周病などの治療は保険適用外になるケースが多いため、事前に済ませておくと安心です。
ビザやパスポートの申請・取得
パスポートを持っていない場合は速やかに申請しましょう。すでに持っている場合でも、有効期限や残存期間の確認が必須です。国によっては赴任期間をカバーするだけの有効期間を求められる場合もあるため、各都道府県のパスポート申請窓口で忘れず手続きしてください。
また、就労ビザは基本的に企業が用意することが多いですが、卒業証明書や残高証明などの書類提出を求められる場合もあります。必要書類や審査期間は国・赴任形態で異なるため、会社案内と公式情報を確認しておきましょう。
渡航先での教育機関の確認
お子さんがいる場合は、渡航先で通わせる学校の情報収集も重要です。日本人学校やインター校、現地校などの選択肢があります。前任者や経験者に相談したり、専門のアドバイザーを頼ったりするのもおすすめです。
海外赴任の準備:2か月前にやることリスト
| 海外赴任の2か月前にやること | |
|---|---|
赴任の2か月前になったら、自宅の整理や年金・保険などの手続きに本格的に着手しましょう。
航空券の手配
航空券は会社が手配するケースが一般的ですが、会社側が費用を負担したうえで予約は本人が行う場合もあります。ご自身で航空券を用意する場合は、スケジュールに余裕を持って手配しておくことをおすすめします。
年金や社会保険の手続き
年金や社会保険に関する確認も必要です。日本企業に在籍したまま海外に派遣される場合は、原則として日本の社会保険制度に継続して加入します。一方、現地法人へ転籍する場合は、日本との雇用関係がなくなるため、現地の社会保険制度が適用されることが一般的です。 また、海外勤務では日本と赴任先の双方で年金制度への加入が求められ、保険料の二重負担が生じる場合があります。ただし、日本は多くの国と社会保障協定を締結しており、一定の条件を満たせば二重加入を回避できる仕組みもあります。 加入区分や必要な手続きは、赴任形態や派遣期間、赴任先の国によって異なるため、勤務先や年金事務所、自治体窓口などで事前に確認することが重要です。
クレジットカードや証券口座に関する届け出、契約変更
住民票を抜いて海外転出届を提出すると非居住者扱いとなり、金融サービスの利用条件が変わる場合があります。
クレジットカードについては、日本国内の銀行口座に紐づいているため、口座の解約や利用制限に伴い、カードが利用できなくなる可能性があります。渡航後も使用する場合は、カード会社に利用可否を確認し、必要に応じて解約や乗り換えを検討しましょう。
銀行口座についても、非居住者となると口座の利用制限や解約を求められるケースがあり、金融機関によって対応が異なります。海外赴任前に取引銀行へ確認しておくことが重要です。
また、日本の証券会社は原則として日本の居住者向けに金融商品取引サービスを提供しているため、海外での取引が制限されたり、赴任先の法令や規制との関係で利用できなくなる場合があります。証券会社ごとに対応が異なるため、出国前に手続き内容を確認し、必要に応じて口座整理を検討しましょう。
運転免許に関する手続き
国内運転免許証は、海外赴任を理由に早期更新が認められる場合があります。赴任中に有効期限が切れるおそれがある方は、運転免許センターへ確認のうえ、更新手続きを行いましょう。
また、赴任先で車の運転を予定している場合は、国外運転免許証の取得も必要です。加えて、国内に所有している車の処分や保管についても、この時点で検討しておくと安心です。
別居親族の生活や介護の確認
単身赴任や親族を日本に残して渡航する場合は、渡航中の連絡手段や支援体制の整備が必要です。特に、介護が必要な家族がいる場合は、福祉サービスの利用や親族間の役割分担について話し合っておきましょう。
引越し準備
この時期から本格的に荷造りを開始します。最初に、当日の手荷物や船便・航空便で送るもの、処分するものなどを仕分けましょう。特に、船便で荷物を送る場合は、航路や時期によっては1~2か月以上かかることもあるため、この時点で荷造りを行い、業者を手配しましょう。なお、通関手続きに必要な書類(インボイス)を作成するため、事前に段ボールの中身とおおよその金額をメモしておくと、引越し業者とのやり取りがスムーズに進みます。
空き家管理の手配
持ち家を空き家として残す場合は、建物の劣化や空き巣被害などを防ぐため、定期的な点検や清掃、水回りの管理などが必要です。親族や知人に依頼するケースもありますが、負担となる場合は専門の空き家管理サービスを契約するのがおすすめです。特に長期間の赴任となる場合は、建物の見回りや郵便物の転送なども行ってもらえるサービスを選ぶと良いでしょう。
海外赴任の準備:1か月前にやることリスト
| 海外赴任の1か月前にやること | |
|---|---|
海外赴任の1か月前になると、出発に向けた手続きや荷造りが本格化します。現地での生活をスムーズに始めるためにも、必要な準備を漏れなく進めておきましょう。
海外保険への加入
万が一に備えて、海外保険への加入をおすすめします。会社側が用意してくれるケースが一般的ですが、個別で手続きが必要な場合もあります。会社からの案内がない場合は、担当部署に早めに連絡しましょう。また、家族帯同の場合は、家族も保険の対象に含まれているかを忘れずに確認してください。
引越し手続き
このタイミングで、住まいの退去手続きと並行して水道やガス、電気、インターネットなどのライフラインの解約を進めます。業者によって申請期限や立ち合いの有無が異なるため、早めの計画が重要です。
また、郵便物の転送手続きも忘れずに行いましょう。転送先を実家にしたり郵便物受取代行サービスなどを使ったりすることで、重要な書類や通知の受け取り漏れを防げます。
さらに、航空便で送る荷物の荷造り・発送も赴任の1か月前を目安に行いましょう。
海外転出後も日本で確定申告などの納税手続きが必要となる場合、納税管理人の選任が必要です。
転校手続き
子どもを帯同する場合、転校に必要な書類の準備も必要です。在学証明書や指導要録の写し、健康診断票の写しなどの提出を求められます。発行に時間がかかる場合もあるため、在学中の学校に早めに依頼しましょう。
日本国内での通信手段(SIM)のプラン変更や一時休止、解約
現在使用している携帯電話やSIMカードについては、渡航後の利用方法に応じて、プランの見直しや一時休止、解約などの手続きを事前に検討しておくと安心です。海外でも継続して利用する場合は、対応エリアや利用条件を確認したうえで、国際ローミングが利用できるかどうかをチェックしておきましょう。また、日本の電話番号を引き続き利用したい場合は、番号を維持できるプランや通話転送サービスの活用、eSIMやデュアルSIM機能による併用も選択肢となります。
海外赴任の準備:1~2週間前にやることリスト
| 海外赴任の1~2週間前にやること | |
|---|---|
出発が目前に迫ったこの時期は、行政手続きや出発直後に必要となるものの準備を進めましょう。ここでは、海外赴任の1~2週間前に対応しておきたい重要な手続きをご紹介します。
海外転出届の提出
日本での住民登録を抹消する「海外転出届」は、海外に1年以上居住する場合に必要です。出国予定日の14日前から出国日まで(市区町村により異なる)提出でき、住民票のある市区町村役場で手続きを行います。
一方で、1年未満の滞在であれば転出届は原則不要ですが、3か月以上の滞在では現地の日本国大使館または総領事館への「在留届」の提出が義務づけられています。
また、海外転出届を提出する際は、マイナンバーカードの切り替え手続きも併せて行いましょう。これにより、国外転出後もマイナンバーカードを継続利用できるようになります。
現地通貨の用意
現地到着後すぐに現金が必要になる場面も多いため、事前に最低限の現地通貨を準備しておくことをおすすめします。空港からの交通費や食事代、緊急時の支払いなどに備え、手元に現金があると安心です。
日本国内の銀行や両替所、空港の外貨両替カウンターで両替が可能ですが、店舗によっては取り扱いのない通貨もあるため、余裕を持って準備しておきましょう。
海外赴任が決まったら、持ち家の管理はどうする?
持ち家をどうするかは、3か月前の段階で「赴任期間・帰任の可能性・家族帯同の有無」という3つの軸から逆算し、方針を決める取り組みが必要です。
選択を先送りにすると、賃貸に出す場合の入居者募集期間が確保できなくなったり、空き家のまま放置して建物の劣化や空き巣被害のリスクが高まる恐れがあります。
選択肢は「空き家として残す・賃貸に出す・売却する」の3つです。それぞれのメリット・デメリットを把握し、ご自身の状況に合った方針を早めに固めましょう。
空き家として残す
【メリット】
- 帰国後すぐに住める
- 資産として将来的な選択肢を残せる
- 家財の保管ができる
- 他人を敷地内にいれないため、トラブルの心配がない
【デメリット】
- 維持コストが発生する
- 建物の劣化や故障の可能性がある
- 不法侵入のリスクがある
- おすすめの人:赴任期間が短い(1~3年)方、帰国後に再入居したい方
空き家を選んだ場合、無人となった家は郵便物の滞留や建物劣化のほか、不審者に侵入されるといった防犯上のリスクがあります。リスクを避けるための管理方法と、防犯対策の詳細は関連記事をご覧ください。
賃貸に出す
【メリット】
- 家賃収入が得られる
- 建物の劣化を防げる
- 防犯リスクの低減
- 将来の選択肢を残せる
【デメリット】
- 帰国後すぐに住めない
- 入居者による室内の傷や設備故障で修繕費が発生する
- 借り手が見つからない
- 管理の手間・コスト
- おすすめの人:赴任が長期(3年以上)になる方、ローン返済を家賃で賄いたい方
売却する
【メリット】
- 維持費・税金の負担がなくなる
- まとまった資金を確保できる
- 建物劣化による資産価値低下の心配がなくなる
- トラブルのリスクがなくなる
【デメリット】
- 帰国時に別の住まいを用意する必要がある
- 市場の状況によっては想定より安くなる可能性がある
- 諸費用・税金が発生する
- おすすめの人:将来的に住み替えを予定している方、ローンの負担を軽減したい方
ALSOKのるすたくサービス
前述のとおり、海外赴任中に自宅を空き家として残す場合は、建物の劣化や防犯面での対策が課題となります。こうした管理負担や不安を軽減したい方に向けた選択肢が、ALSOKの「るすたくサービス」です。
「るすたくサービス」では、ALSOKの担当者が海外赴任(海外駐在)中の空き家を月1回巡回し、建物に異常がないかを確認します。万が一、破損やゴミの投棄などの異常を発見した場合には、メールでご報告します。また、郵便受けの投函物の廃棄や、指定先への転送にも対応しています。
さらに、より強固な防犯対策を希望する方には「るすたくセキュリティ」、空き家を良好な状態で維持したい方には「換気サービス」もご用意しています。「るすたくセキュリティ」は、るすたくサービスにホームセキュリティ機能を組み合わせたサービスで、不審者の侵入時にはALSOKが駆けつけて対応します。「換気サービス」では、留守宅の換気や通水、室内外の確認などを行います。
留守宅管理のプロに任せることで、建物の劣化と防犯リスクの双方に対応できます。海外赴任中の自宅の状況が気になる方は、ぜひご相談ください。
まとめ
海外赴任(海外駐在)が決まると、国内での転勤と比較してやるべきことが多岐にわたるうえ、時間を要する手続きも多くなります。安心して渡航先での生活を始めるためには、ご自身やご家族の準備に加え、赴任期間中に不安なく家を空けられるよう、事前の備えが大切です。
帰国後に安心して自宅に戻れるよう、留守宅管理サービスを活用するなどの「家を空けるための準備」も忘れずに行っておきましょう。





















