着衣着火とは?防止のポイントと対処法

防災 2023.10.06
着衣着火とは?防止のポイントと対処法

服に火が燃え移る着衣着火は、ささいな不注意から起こる事故です。毎年全国で約100人の方が、着衣着火が原因で亡くなっています。着衣着火は特定の人だけではなく、普段から料理をされる方はいつでも起こる可能性があります。

そこで今回は、日常生活で誰にでも起こる着衣着火についてご紹介します。

着衣着火とは

着衣着火とは、衣服に火がついて燃え始めてしまう事故を指します。コンロや焚き火といった火元が近くにある場合や、火を扱う作業中に起こりやすい火災です。特に袖口から着火する場合が多く、重度のやけどや死亡事故につながることもあり、大変危険です。

さらに、被災者が焦って動き回ってしまうことで、炎が燃え広がってしまう可能性もあります。

着衣着火の原因は

着衣着火は、以下のような事例で多発しています。

出火原因別の死傷者が発生した着衣着火件数(R1~R3住宅内 自損は除く)

出典:東京消防庁「STOP!着衣着火」(令和4年)

  • ガスコンロの火
  • お仏壇のロウソクの火
  • 電気ストーブやファンヒーターなどの熱源
  • バーベキューやキャンプの最中の焚き火

着衣着火の原因の8割がコンロと最も多い結果となっています。
さらにお仏壇のロウソクの火が衣服に燃え移ってしまう事例も多発しています。
お線香をあげるときや、お供えものを取るときなど、お仏壇の奥に手を伸ばす際は、ロウソクの火に十分気を付けましょう。ガスコンロやお仏壇など、奥に手を伸ばす際には、必ず火を消して行うことが大切です。

他にも、電気ストーブのように火が出ない熱源でも、着衣着火は起こります。電気ストーブなどに背中を向けて暖まっていたところ、熱源に近づきすぎて衣服が加熱され、着衣着火が発生した事例もあります。

また、バーベキューやキャンプなどで火を使用する際にも、着衣着火は起こりやすくなります。

表面フラッシュ現象とは

ほんのわずかな炎が衣服に着火し、その火があっという間に衣服の表面に広がってしまうことがあります。これを「表面フラッシュ現象」と呼び、やけどや火災の原因となる着衣着火の一種でもあります。
表面フラッシュ現象は、火元の近くにいたり、火花が衣服に飛び移ったりした場合に発生する現象です。

炎は目に見えにくいこともあり、明るいところでは、火が衣服に広がっていることに気付かない場合もあります。気付くのが遅れて、髪の毛にも火が燃え移ってしまうなど、思わぬ火災や事故にもつながってしまう危険があります。

表面フラッシュ現象は、生地の表面が起毛しているような、毛羽立っている衣服で起こりやすいです。毛羽立ちの多い素材は、空気との接触面も多く、思わぬ速さで火が燃え広がります。特に冬は、毛羽立っている素材の衣服を着用する機会も多く、注意が必要です。

着衣着火の発生しやすい時期

着衣着火の発生月

出典:東京消防庁「STOP!着衣着火」(令和4年)

グラフを見ると、着衣着火は季節を問わず年中発生していることが分かります。
夏場は暑くなり袖口がゆるやかな服装が多くなることから、着衣着火しやすくなるのでしょう。また、外でバーベキューや花火をする時期でもあり、8月はお盆のため仏壇に設置したロウソクで着衣着火が起こっていることが予想されます。

また、冬場は厚着をしているため温度が感じにくく、厚手の燃えやすい素材の衣服も多いため、気を付けたい季節です。

着衣着火を防止するポイント

着衣着火を防止するポイント

着衣着火を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

燃えやすい素材の服を避ける

火を取り扱う際は、燃えやすい素材の服を着るのは避けましょう。特に綿やキュプラ、レーヨン素材は燃えやすく、アクリル素材など、融けながら燃え広がっていく素材です。
また、ネルシャツやフリース素材、パイル織り生地など、表面が起毛している素材は空気を含みやすいため燃えやすく危険です。着古して表面が毛羽立っている素材などにも気をつけましょう。

また、ガスコンロや電気ストーブを使用する際は、熱源に近づきすぎないよう、背後にも気をつける必要があります。

袖口の広い服など、燃えやすい形状の服を避ける

火を使う場所では、なるべくゆとりの少ない衣服の着用を心掛けることも大切です。
特に衣服の裾や袖口などにゆとりがあると、手を伸ばした際に、火と接触してしまうことがあります。

マフラーやストールなども、火を使う際には必ず外し、紐付きの衣服も火を使う際は紐を服の内側にしまうといった対応が必要です。特に上着は、体に密着していない形状も多く、着衣着火につながりやすいため、ゆとりの少ない衣服を着用することが大切です。

燃えにくい素材のエプロンなどを使用する

着衣着火を防ぐために、燃えにくい素材を使用したエプロンやアームカバーを付けることをおすすめします。
炊事中はもちろん、キャンプやバーベキューなどで直火を使用する際にも、防炎性能のあるエプロンや手袋などを着用すると安心です。

ただし、燃えにくい素材のものを着用していても、着衣着火が起こらないとは限りません。
火の周りで作業する際には、十分に気をつけましょう。

コンロの周りを整理整頓する

ガスコンロの周りに燃えやすい物を置かないことも重要な対策です。
コンロの周辺に紙や油などの燃えやすいものがあると、火が不意に燃え移り、一気に燃え広がってしまうこともあります。

また、コンロの奥に調味料などを置いてあると、調味料を取ろうと手を伸ばした際に、衣服に火が燃え移ってしまうことがあり危険です。
調味料などをコンロの奥に置くことは避け、点火する前には、周囲を今一度確認しましょう。

事故が発生してしまったら

事故が発生してしまったら

気をつけていても、着衣着火が起こる可能性もあります。ここでは、着衣着火してしまった際の対処方法をご紹介します。

服を脱ぐ

衣服に火が燃え移ってしまった場合、着ている服を脱げる場合は、すぐに脱いで体から火を離します。マフラーやストールなどは、他の衣服に火が燃え移る前にすぐに外します。

引火部分を叩く、床に転がるなどして消火する

服をすぐに脱ぐことができない場合は、引火してしまった部分を叩いたり、燃えている部分を押しつけるように地面に倒れ込んだりして、消火していきましょう。

火は上に燃え上がっていくため、立ったままでいると顔や髪の毛に火が燃え移ってしまいます。また、慌てて走り回ってしまうと、火がさらに勢いを増してしまい大変危険です。
屋外など、周りに延焼する物がない場所では、その場で倒れ込み、燃えている箇所を押さえつけるように左右に転がり消火します。

ただし屋内などでは、周りに火が燃え移ってしまう可能性もあり、火災が広がってしまう危険もあります。

水をかける

衣服に火がついてしまったら、とにかくすぐに水をかけることが肝心です。
水道の水やコップの水、花瓶の水など、近くにある水をただちに燃えている箇所にかけましょう。お風呂場が近くにある場合は、残り湯やシャワーなどをかぶって消火します。

やけどを負ってしまった場合も、すぐに水道の水などを流して患部を冷やしてください。
着ている衣服が脱げない場合、無理に脱ごうとせず、衣服の上から水をかけましょう。

119番をする

やけどを負ってしまった場合は、すぐに119番通報をして救急車を呼びましょう。救急車が到着するまでも、流水で患部を冷やし続けます。

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日頃から危険リスクを意識し、着衣着火を防ぎましょう

着衣着火は、屋内や屋外問わず火や熱源のある場所で、どこでも起こる可能性があります。
衣服に火が燃え移ると、重度のやけどや死亡事故にもつながりかねないことを日頃から意識して、火の取り扱いには十分気を付けましょう。
着衣着火してしまった場合に備えて、上記で紹介した5つの対処法を頭に入れておき、いざというときに素早く対応して被害を最小限に抑えましょう。

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