扇風機のつけっぱなしは火災の原因になる?エアコンの火災事例と予防対策を徹底解説
本記事では、扇風機やエアコンが引き起こす火災の原因・事例と、火災を防ぐための具体的な対策を解説します。
夏の暑さをのりきるために欠かせない扇風機(サーキュレーター)やエアコンですが、これらの家電が原因となる火災事故が毎年発生しています。「つけっぱなしにしていたら危ないのでは?」「古い扇風機を使い続けていても大丈夫?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。使い方や製品の状態によっては、重大な火災につながるリスクがあるため、正しい知識を持って備えることが大切です。
【この記事で分かること】
- 扇風機をつけっぱなしにすると火災の原因になるか、具体的な事故事例
- エアコンの火災原因と代表的な事故事例
- 自宅の扇風機・エアコンの異常を見抜くチェックリスト
- 火災を防ぐための具体的な対策
目次
扇風機をつけっぱなしにすると火災の原因になる?
扇風機のつけっぱなし「だけ」で火災が起きるケースは多くありませんが、経年劣化・電源コードの損傷・ほこりの蓄積(トラッキング現象)などの条件が重なると火災発生のリスクが高まります。特に外出中・就寝中は異常に気づきにくいため、以下の原因と前兆を確認しましょう。
経年劣化
扇風機の主な火災原因の一つは「経年劣化」です。製造から10年以上経過した製品で火災事故が多く発生しており、長期間の使用によって内部部品が少しずつ劣化します。劣化した部品が発熱し、内部に溜まったほこりに引火するなどして発火するケースがあります。「まだ動いているから大丈夫」と判断せず、使用年数を必ず確認してください。
電源コードの断線・損傷
電源コードが過度に曲げられたり、家具に挟まれ続けたりすることで、内部が半断線状態になるケースです。この状態で通電すると異常発熱が生じ、発火につながる危険があります。コードに折り目や傷がないか、定期的に目視確認することが重要です。
家庭用扇風機の火災事例
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、扇風機の事故は2019年度(令和元年度)から2023年度(令和5年度)の5年間に63件発生しており、家屋の全焼や死亡事故につながった例もあります。以下に事例をご紹介します。
- 約50年間使用し続けた扇風機で、内部の電気部品がショートして出火。扇風機本体とその周辺が焼ける被害が発生した。
- 扇風機の使用中に電源コードが壁とテーブルの間に挟み込まれ、断線状態となって異常発熱し出火。扇風機とその周辺が焼損した。
- 長期間清掃されていなかった扇風機のモーター部にほこりが蓄積し、モーター発熱と相まって出火した。
古い製品や、設置環境・使用状況に注意が必要な製品は早めの点検・買い替えを検討しましょう。
出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)その“レトロ”ちょっと待った~!
~古いエアコン・扇風機の事故に注意~
携帯用小型扇風機の火災も発生している
夏の外出時に便利な小型扇風機(手持ち扇風機)についても、リチウムイオンバッテリーを内蔵した製品の火災事故が増加しています。消防庁の資料によると、2022年(令和4年)から2025年(令和7年)6月までに47件の火災が発生しています。
発火の主な原因は次のとおりです。
- リチウムイオンバッテリーの劣化・破損による、充電中の発火
- 熱・衝撃・水濡れによるバッテリー内部のショート
- 安全基準を満たしていない低価格品の使用
安価な製品の中には国内の安全基準を満たしていないものも出回っているため、購入時は信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
出典:消防庁 リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果について(通知)
エアコンの火災原因
エアコンの火災原因として主に挙げられるのは、①延長コードの使用・電源コードの不適切な加工、②洗浄スプレーによる誤った内部洗浄(トラッキング現象)、③小動物や虫などの侵入の3点です。
なお、「トラッキング現象」とは、蓄積したほこりが湿気を帯び、通電経路を形成することで発熱・発火に至る現象です。エアコン以外の家電でも起こりうる火災の代表的な原因の一つです。
延長コードの使用・電源コードの加工
エアコンの電源コードに延長コードを使用したり、断線部分をビニールテープで補修したりすることで、接続不良が生じ発火につながるケースがあります。エアコンは消費電力が大きいため、専用コンセントへの直接接続が必要です。
誤った内部洗浄
市販の洗浄スプレーを使って自分でエアコンの内部を洗浄した場合、洗浄液が電気部品に付着することがあります。付着した洗浄液がトラッキング現象を引き起こし、停止中のエアコンから出火するケースが報告されています。
小動物や虫などの侵入
エアコンの室外機や配管の隙間から、ネズミやゴキブリなどが室外機の内部に侵入し、内部の電気部品をかじるなどしてショートが発生し、発火につながるケースがあります。
エアコンの火災事例
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、エアコンの事故は平成30年度(2018年度)から令和4年度(2022年度)の5年間に302件発生しており、そのうち9件が死亡事故となっています。代表的な事例を以下に示します。
- 電源プラグを延長コードに接続し、接続部がゆるんだ状態で使用していたため接触不良が生じ異常発熱。エアコン本体とその周辺が焼損した。
- 使用者が市販の洗浄スプレーでエアコン内部を自己洗浄したところ、洗浄液が電気部品に付着し、停止中のエアコンから出火。建物が半焼する被害となった。
- 室外機の内部にネズミが侵入し、配線をかじったことでショートが発生し発火した。
扇風機・エアコンの異常を見抜くチェックリスト
火災を未然に防ぐためには、日常的な点検が欠かせません。政府広報オンラインが公表している「こんな異常に注意」の内容をもとに、扇風機・エアコンそれぞれの確認ポイントをまとめました。
【扇風機のチェックリスト】
上記の異常がなくても、製造から10年以上経過している製品は早めの買い替えを検討することをおすすめします。
【エアコンのチェックリスト】
引用:政府広報オンライン「扇風機やエアコンで火災発生!安全に使うための注意点とは?」
30秒でできる外出・就寝前の3点チェック
外出や就寝前に、次の3点を確認する習慣をつけましょう。30秒あれば確認できます。
- 焦げくさいにおい・異音・異常発熱がないか確認する
- 電源コードを束ねていないか、家具や扉に挟まれていないか確認する
- 電源プラグ周辺にほこりが溜まっていないか確認する(可能であればコンセントから抜いて確認)
扇風機・エアコンの火災を防ぐ対策
火災を防ぐには、「古い製品の見直し」「正しい使い方」「日常的なメンテナンス」の3点が基本です。
古い製品は買い替えを検討する
扇風機は、目立った異常がなくても製造から10年以上経過している場合は買い替えを検討しましょう。エアコンも使用開始から10年が経過すると部品の劣化が進み、不具合が起こりやすくなるといわれています。
設計上の標準使用期間と、「10年超」の見分け方(銘板・購入時期)
「長期使用製品安全表示制度」により、製品には①製造年、②設計上の標準使用期間、③注意喚起文の3点の表示が義務付けられています。製品の側面や底面などに貼付されている「銘板(金属プレートやシール)」を確認することで、標準使用期間を把握できます。
銘板がかすれて読めない場合や製造年が直接記載されていない場合は、製品の「型番(品番)」や「シリアル番号」からメーカーのウェブサイト等で製造年を調べることができます。
「製品安全ガイド」でリコール・注意情報をチェックする
経済産業省の「製品安全ガイド」では、製品のリコール情報や注意喚起情報を型番検索で確認できます。手順は以下のとおりです。
- 製品安全ガイド(https://www.meti.go.jp/product_safety/)にアクセスする
- 使用中の扇風機・エアコンの型番(品番)を製品本体や取扱説明書で確認する
- 検索フォームに型番を入力し、リコール情報や注意喚起情報がないか確認する
特に中古品や長期保管していた製品を使用する前に、必ず確認しておきましょう。
エアコンのねじり接続・延長コードは使用しない
エアコンは消費電力が大きいため、電源コードを他のコードとねじり接続(接続器具を使用せず、電線同士を直接ねじり合わせてつなぐ方法)したり、延長コードを使用することは危険です。コードの長さが足りない場合は、エアコンの位置変更かコンセントの増設工事を検討しましょう。家電販売店や設置業者に相談してください。
エアコンの内部洗浄は専門業者に依頼する
市販の洗浄スプレーを使用した自己洗浄は発火のリスクがあります。エアコン内部の洗浄は、知識・技術のある専門業者に依頼しましょう。フィルターの清掃(ほこりの除去)は自分でも行えますが、内部の電気部品周辺には触れないよう注意してください。
電源プラグにほこりを溜めない
コンセントに接続する電源プラグの周辺にほこりが蓄積すると、湿気との相互作用でトラッキング現象が発生しやすくなります。定期的に電源プラグをコンセントから抜き、プラグ周辺のほこりを乾いた布などで拭き取るようにしましょう。電源コードの周辺を清潔に保つことも重要です。
携帯用小型扇風機の発火防止対策
リチウムイオンバッテリー内蔵の小型扇風機は、熱・衝撃・水に弱いという特性があります。以下の点に注意して安全に使用してください。
- 炎天下の車内など高温環境に放置しない
- 水に濡らさない。万が一水に濡れた場合は使用を中止する
- 落下させるなど強い衝撃を与えた場合は使用を中止する
- 充電中に異常な発熱や膨張がある場合はただちに使用を中止し、販売店やメーカーに相談する
- 信頼できるメーカーの製品・正規の充電器を使用し、安全基準を満たしていない低価格品の使用を避ける
火災の早期発見に役立つALSOKのホームセキュリティ
火災による被害を最小限に抑えるためには、早期発見・早期対応が重要です。日頃の点検と対策に加え、万が一に備えた体制を整えておくことで、より安心した生活を送ることができます。
火災検知や異常通知に対応したホームセキュリティを導入することで、「早く気づける状態」を作ることが有効です。
ALSOKの「HOME ALSOK Connect」は、自宅の異常をスマートフォンに通知する機能などを備えており、外出中や就寝中でも状況を把握しやすくなります。対応できる機能や連動範囲はプランによって異なるため、公式の案内をご確認ください。
まとめ
扇風機・エアコンによる火災は、つけっぱなしにすること自体が直接の原因となるケースは多くありませんが、経年劣化・電源コードの断線・ほこりの蓄積・誤った使い方が重なることで発生リスクが高まります。
正しく使用し、外出・就寝前の簡単な3点チェック(焦げ臭・コードの状態・プラグ周辺のほこり確認)を習慣づけることで、火災リスクを大幅に低減できます。自宅で使用している扇風機やエアコンの製造年・使用状況を今一度見直し、安全で快適な夏を過ごしてください。





















