警察から電話がきたら詐欺?ニセ警察詐欺の手口・見分け方・対処法

防犯2026.08.27
偽の警察官

本記事では、急増している「ニセ警察詐欺」の手口、本物と見分けるポイント、詐欺電話を受けてしまったときの対処法や予防策について解説します。

近年、警察を名乗る電話で「口座が犯罪に使われている」「逮捕状が出ている」などと不安をあおり、お金を振り込ませる詐欺被害が全国で相次いでいます。特に一人暮らしの高齢者は、電話の相手が本物か偽物かをその場で判断することが難しく、家族へ相談する前に被害に遭うケースも少なくありません。

【この記事で分かること】

  • ニセ警察詐欺のよくある手口と電話がかかってくるまでの流れ
  • 本物の警察と詐欺電話を見分けるチェックポイント
  • 詐欺電話を受けたときの正しい対処法
  • 高齢の親を詐欺被害から守るための具体的な予防策

目次

警察からの電話は「ニセ警察詐欺」を疑うべき理由

警察官を名乗る電話詐欺は近年急増しており、電話口で「口座が犯罪に使われている」「逮捕状が出ている」「お金を振り込め」などと告げられた場合は、ほぼ詐欺だと判断してよい状況です。ただし、落とし物の連絡や参考人としての呼び出しなど、警察から正規に電話がかかってくる場合もあるため、電話がきた事実だけですべてを詐欺と断定することはできません。会話の内容から、詐欺電話かどうかを冷静に判断することが重要です。

ニセ警察詐欺(警察官をかたる特殊詐欺)とは

ニセ警察詐欺とは、警察官や検察官を装った人物が電話をかけ、捜査を口実に現金を振り込ませたり、暗号資産を送金させたりする特殊詐欺の一種です。

ニセ警察詐欺の被害状況の推移

出典:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ ニセ警察詐欺に注意! #ニセ警察詐欺

警察庁によると、警察をかたる詐欺被害は増加傾向にあり、令和7年の被害件数は11,014件、被害額は約 1,005億円です。令和7年は年間を通して増加傾向で、年末にかけて急増していることが分かります。被害者層は、20代~30代の若い世代が多いという特徴があります。電話番号の偽装やSNSを使った巧妙な誘導手口も増えており、世代を問わず誰もが被害者になり得る状況といえます。

本物の警察から電話がくることもある(落とし物・呼び出しなど)

警察から本人へ直接電話がかかってくる正規のケースも存在します。

  • 落とし物や忘れ物が見つかったという連絡
  • 家族が事故や事件に巻き込まれた際の連絡
  • 参考人・被害者としての事情聴取や出頭要請
  • 交通違反など軽微な手続きに関する確認連絡

これらの連絡がくること自体は不自然ではありません。ただし、会話の中で金銭の話やSNSでのやり取り、逮捕状の話題が出た瞬間に、詐欺だと判断できます。

ニセ警察詐欺のよくある手口・電話がくるまでの流れ

ニセ警察詐欺は、電話一本で完結するものではなく、複数の段階を踏んで被害者を追い込む点が特徴です。一連の流れをあらかじめ知っておくことで、電話の途中でも「これは詐欺の型に当てはまる」と気づきやすくなります。

  1. 警察を名乗る人物から電話がかかる
  2. 「口座が犯罪に使われている」などと不安をあおる
  3. SNSやビデオ通話への切り替えを求める
  4. 偽の警察手帳や逮捕状の画像を見せて信じ込ませる
  5. インターネットバンキングや暗号資産口座への振込・送金を要求する

実際にかかってくる電話・言われるセリフの例

ニセ警察詐欺では、実際に次のような言葉が使われています。いずれも不安をあおり、冷静な判断を失わせることが目的です。

  • 「あなたの口座が特殊詐欺グループに利用されています」
  • 「あなた名義で逮捕状が出ています」
  • 「捜査に協力いただかないと逮捕することになります」
  • 「資産を保護するため、一時的にお金を移してください」
  • 「このことは誰にも話さないでください」

電話番号の偽装(スプーフィング)

犯人グループは「スプーフィング」という技術を悪用し、実在する警察署や警察本部の代表番号、末尾が「0110」の番号を着信画面に表示させます。電話番号だけでは真偽を見分けられないため、たとえ番号が実在していても、本物の警察と判断するのは危険です。

SNS・ビデオ通話への誘導

テレビ通話に映る偽警察官

電話で信用させた後、LINEなどのビデオ通話アプリへ移行を求める手口が増えています。画面上で顔写真付きの偽の警察手帳や逮捕状を見せ、視覚的に信じ込ませる手法です。相手が氏名や住所などの個人情報を把握している場合もありますが、それだけで本物だと判断してはいけません。

金銭の要求

最終的には、インターネットバンキングを操作させて振り込ませる、暗号資産取引所の口座に送金させるといった形で金銭を要求してきます。通信会社の担当者を名乗る人物から警察役へ電話を引き継ぐなど、複数人で信憑性を高める手口も確認されています。金銭だけでなく、貴金属やインゴットなど金融資産全般が狙われるため、注意が必要です。

詐欺か本物か見分ける方法は?

本物の警察が絶対に行わないことを基準にすると、詐欺かどうかを判断しやすくなります。以下の項目に一つでも当てはまる場合は、詐欺と考えて慎重に対応してください。

  • SNSやビデオ通話での取り調べ
  • 捜査や資産保護を名目にした送金の要求
  • 「逮捕状が出ている」「口座を凍結する」という連絡
  • 「誰にも言うな」という口止め

警察はSNS・LINEで連絡や取り調べをしない

警察が、捜査連絡や取り調べ、本人確認をSNSやビデオ通話で行ったり、SNSやビデオ通話上で警察手帳や逮捕状を見せたりすることはありません。SNSやビデオ通話へ誘導された時点で、詐欺を疑い、相手の指示には従わないようにしましょう。

警察は捜査名目でお金を要求しない・振込を求めない

警察が、資産保護や口座調査、身の潔白を証明することなどを理由に、お金の振り込みや暗号資産の送金を求めることはありません。たとえ相手が警察官を名乗っていても、金銭の支払いや送金を要求された時点で、詐欺だと判断できます。

警察は電話で「逮捕状が出ている」「口座を凍結する」と告げない

本当に逮捕状が出ている場合、少なくとも「逮捕状が出ているので、お金を振り込んでください」などと求めることはありません。電話口で「捜査対象になっている」「逮捕状が出ている」と伝えること自体が、通常の警察業務の手続きとは異なります。

警察は「誰にも言うな」などと口止めをしない

本物の警察が、家族や知人への相談を止めたり、「誰にも話さないでください」と求めたりすることはありません。口止めされた場合は、詐欺を疑う重要なサインと考えましょう。

出典:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ 警察に偽装した電話番号に注意!
出典:警視庁 警察官等をかたる詐欺

警察をかたる詐欺電話がきたときの正しい対処法

警察をかたる詐欺電話を受けたときは、次の手順で落ち着いて対応することが大切です。

  1. 不審な番号には出ない
  2. 出てしまったらすぐに切る
  3. 相手が教えた番号には折り返さない
  4. #9110や警察署に自分で確認する
  5. 家族や周囲にすぐ相談する

不審な場合は電話に出ない

見覚えのない電話番号や警察を名乗る不審な電話は、無理に出る必要はありません。電話に出なくても不利益を受けることはなく、本当に必要な連絡であれば後から改めて連絡が入る場合がほとんどです。

まずは一度電話を切る

うっかり不審な電話に出てしまっても、相手の話を聞き続ける必要はありません。不審に感じたらすぐに切り、判断に迷うときは「確認して折り返します」と伝えて通話を終えましょう。

相手が教えた番号には折り返さない

相手から「確認のため、この番号へ電話してください」と言われても、その番号へ折り返してはいけません。相手が教えた番号に折り返すと、再び犯人グループにつながるおそれがあります。所属部署や氏名、内線番号を確認し、自分で調べた正規の番号に問い合わせましょう。

#9110や最寄りの警察署に自分で連絡して確認する

不審な電話を受けた場合は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署へ相談し、事実確認を行うことが大切です。着信画面に実在する番号が表示されていても、すぐに信用せず、自分で直接確認することが被害防止につながります。

一人で判断せず、家族や周囲にすぐ相談する

詐欺電話では「誰にも相談するな」と口止めし、冷静な判断を奪おうとします。不安を感じたり金銭を要求されたりした場合は、一人で抱え込まず、家族や周囲に相談しましょう。特に高齢の親には、警察を名乗る電話があれば必ず家族へ連絡するよう伝えておくことが大切です。

詐欺電話を「そもそも受けない」ための予防策

詐欺電話への対応で重要なのは、そもそも詐欺電話を受けないことです。番号表示サービスや迷惑電話対策機器の導入、国際電話の利用休止、専用アプリの活用、家族間での情報共有など、複数の対策を組み合わせることで被害リスクを大きく下げられます。

知らない番号・非通知に出ない

スマートフォンの非通知設定

固定電話の場合は、ナンバーディスプレイなどの番号表示サービスを活用し、見覚えのない番号や非通知の着信には出ないようにしましょう。携帯電話の場合でも、知らない番号からの着信にはすぐに出ず、留守番電話や着信履歴を確認してから慎重に対応することが大切です。

迷惑電話ブロックサービスや、防犯機能付き電話を導入する

通信会社の迷惑電話ブロックサービスや防犯機能付き電話を導入すると、詐欺疑いのある電話を自動で警告・拒否できます。不審な電話を受ける機会自体を減らせるため、被害防止に効果的です。

ALSOKでは、迷惑電話を自動で着信拒否する「トビラフォン」を提供しており、特殊詐欺や不審電話から大切な家族を守ります。

国際電話の利用休止を検討する

ニセ警察詐欺の予兆電話には、「+」から始まる国際電話が多く使われます。国際電話をふだん利用しない場合は、国際電話不取扱受付センターに申し込むことで、国際電話の発着信自体を休止できます。

詐欺対策アプリ(デジポリスなど)を入れる

警視庁が提供する「デジポリス」などの詐欺対策アプリを活用するのも効果的です。最新の防犯情報や周辺の犯罪情報を確認できるほか、国際電話番号や特殊詐欺犯行利用電話番号を自動でブロックする機能も備えており、導入しておくことで被害防止に役立ちます。
ただし、利用には事前設定が必要で、iPhoneとAndroidでは利用できる機能や設定方法が異なるため、公式案内を確認して設定しましょう。

参考:警視庁 防犯アプリ デジポリス

家族で「合言葉」と相談先を共有しておく

万が一、不審な電話を受けても慌てないよう、家族で「合言葉」を決めておきましょう。また、警察を名乗る電話があったら必ず家族へ連絡するルールを共有し、警察相談専用電話「#9110」や消費生活センターなどの相談先も事前に確認しておくことが大切です。

ご自宅や離れて暮らす家族の安全を守るためには

ニセ警察詐欺は、電話による金銭被害だけでなく、詐欺師が自宅を訪ねてきたり、空き巣や強盗などの犯罪に発展したりするケースもあります。そのため、詐欺電話対策に加え、自宅や離れて暮らす親の住まいの防犯対策も、安全・安心を守るうえで大切です。

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ニセ警察詐欺に関するよくある質問

Q:ニセ警察詐欺の電話に折り返してしまいましたが、大丈夫でしょうか?

A:教えられた番号に折り返すと、再び犯人グループにつながるおそれがあります。個人情報やお金を渡していなければ通話をすぐに切り、不安が残る場合は#9110へ相談しましょう。以後、その番号は着信拒否に設定しておくと安心です。

Q:個人情報やお金を教えて(振り込んで)しまったら?

A:速やかに最寄りの警察署へ連絡してください。あわせて、振込先の金融機関と自分が利用している銀行にも連絡し、口座凍結などの対応について相談しましょう。

Q:「+」から始まる電話番号はすべて詐欺ですか?

A:すべてが詐欺というわけではありませんが、ニセ警察詐欺では「+」で始まる国際電話が多用されています。心当たりのない番号であれば、出ない・折り返さないという対応が安全です。

まとめ

ニセ警察詐欺は、警察官を装って不安をあおり、SNSやビデオ通話で金銭や暗号資産をだまし取る特殊詐欺です。本物の警察は、SNSで取り調べをしたり、金銭を要求したりすることはありません。日頃から詐欺電話を防ぐ対策や環境づくりを心がけるとともに、ホームセキュリティなどの防犯サービスを活用することで、家族の安全・安心につながります。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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