車の防災対策はどうすれば良い?車中避難に備える防災グッズと命を守る注意点

防災2026.09.24
車の防災グッズ

本記事では、車に最低限揃えておきたい防災グッズのリストから、避難所に入れないときの車中避難の仕方、命に関わる注意点、車中避難と避難所どちらを選ぶかの判断の目安までを解説します。
運転中に地震や大雨に見舞われる、大雪で立ち往生するなど、「車の中で被災する」場面は誰にでも起こり得ます。また、災害時にやむを得ず車中泊避難を選択する人も少なくありません。

【この記事で分かること】

  • 車中避難の基礎知識とメリット・デメリット
  • 車の防災グッズとして何を用意すれば良いか
  • 車中避難で起こり得る健康被害
  • 車中避難で気をつけたい防犯上のポイント

目次

車の防災はなぜ必要?運転中の被災と「車中避難」の基礎知識

車の走行中や停車中に被災した場合や、災害が発生し避難所に入れない場合などに、一時的な生活空間として車内を利用できます。いざというときに安全に行動できるよう、日頃から車の防災について考えておくことが大切です。

運転中・立ち往生・大雪…「車の中で被災する」場面

地震、豪雨、土砂災害、大雪による立ち往生など、車の中で災害に遭う可能性はゼロではありません。大雪や道路の冠水、渋滞などで身動きが取れず、長時間にわたって車内で待機せざるを得ない場合もあります。こうした事態に備え、水や食料、携帯トイレなどの防災グッズを車に乗せておくと安心です。

冠水した道路・アンダーパスには進入しない

都市部では、雨水が下水道や水路の排水能力を超えてあふれる「内水氾濫」により、河川から離れた場所でも道路が短時間で冠水します。2026年8月に千葉県などで発生した記録的な大雨でも、市街地の道路が広範囲に冠水し、水没して動けなくなった車が各地で相次ぎました。特にアンダーパスなど周囲より低い場所は一気に水がたまるので、冠水や通行止めの表示があれば進入せず迂回しましょう。濁った冠水路は水面から深さが分からず、路面の段差やマンホールのずれも見えません。「前の車が進めたから」と続くのも避けましょう。

水位が増すと、ドアは外側からの水圧で開きにくくなります。動けなくなったら早めに車外へ避難し、ドアが開かないときは、脱出用ハンマーで窓ガラスを割って脱出しましょう。

避難所に入れないときの選択肢「車中避難(車中泊避難)」とは

車中避難

車中避難(車中泊避難)とは、車の中で寝泊まりしながら避難生活を送る方法です。2016年の熊本地震をきっかけに広く知られるようになり、プライバシーを確保しやすいことや、ペットと一緒に過ごせることなどから選択されることがあります。ただし、原則は徒歩による避難所への避難であり、車中避難を長期間続けることは推奨されていません。

車中避難のメリット・デメリット

車中避難の主なメリット・デメリットとしては、以下が挙げられます。

メリット デメリット
  • プライバシーを確保しやすい
  • ペットと一緒に過ごせる
  • 状況に応じて場所を移動できる
  • 車内が狭く、身体に負担がかかりやすい
  • 防犯面の不安が残る
  • 周囲の情報が入りにくく、孤立しやすい

車で避難すべきか、徒歩で避難所へ向かうべきか

災害時は、原則として徒歩での避難が基本です。特に浸水や土砂災害のおそれがある地域では、車での移動は危険を伴うため避けましょう。渋滞や道路の通行止めによって、身動きが取れなくなることもあります。避難する際は、自治体からの避難指示や避難情報を最優先に確認し、指示に従って安全に行動しましょう。

参考:内閣府「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」

車に常備したい防災グッズリスト【最低限+あると安心】

災害はいつ起こるか分からないため、運転中の被災や立ち往生、車中避難などに備え、普段から車に防災グッズを備えておくと安心です。車の防災グッズは、「最低限揃えたいアイテム」と「車中避難を安全に過ごしやすくするアイテム」に分けて準備しましょう。

最低限揃えたいグッズ

まずは、命や健康を守り、災害時の最低限の生活を支えるグッズを揃えましょう。

グッズ 役割
水 水分補給用の飲料水・調理用の水
食料 非常食・長期保存できる食品
携帯・簡易トイレ 断水時の排せつ対応
アルミシート 防寒・防暑への対策
モバイルバッテリー・充電ケーブル スマートフォンの充電確保
ライト 夜間の車内や車外の照明
救急・衛生用品 けがや体調不良への備え
脱出用ハンマー ドアロック故障時に窓ガラスを割って車内から脱出
軍手 作業時のけが防止
ホイッスル 助けを求める合図
現金・小銭 停電などでキャッシュレス決済が使用できない場合の支払い

車中避難を安全に過ごしやすくするグッズ

車中避難をする場合は、長時間過ごすことを想定したグッズもあると便利です。

  • 寝袋・エアマット
  • サンシェード(目隠し・防犯・断熱効果)
  • LEDランタン
  • ポータブル電源
  • 簡易枕

タオルやクッション、衣類などで車のシートの凹凸を埋める工夫も有効です。子どもやペット、高齢者がいる場合は、それぞれに必要なものを追加で備えておきましょう。

車に積みっぱなしにするときの注意点

真夏の車内は非常に高温になるため、車に長期間保管する物には注意が必要です。水や食料は、高温に強く、長期保存できるタイプを選びましょう。モバイルバッテリーや電池は、高温による発熱・発火のリスクがあるため、車内に放置しないなど製品の注意事項に従って保管してください。防災グッズは半年に一度を目安に、消費期限や動作状態を点検し、必要に応じて入れ替えしましょう。

車中避難で命を守る注意点|エコノミークラス症候群・一酸化炭素中毒・熱中症

車中避難では、車内で長時間同じ姿勢を続けることや、季節による温度変化などから、健康被害につながるリスクがあります。特に注意したいのが、以下のような症状です。

  • エコノミークラス症候群
  • 一酸化炭素中毒
  • 熱中症・低体温症

安全に避難生活を送るため、それぞれの予防方法を知っておきましょう。

エコノミークラス症候群を防ぐ

長時間同じ姿勢でいると、足の血流が悪くなり血栓ができることで、エコノミークラス症候群を引き起こすおそれがあります。車中避難の際は、次のことを心がけましょう。

  • こまめに水分補給する
  • アルコールや喫煙を控える
  • 1時間に一度は足を動かす、車外で軽い体操やストレッチをする
  • ゆったりとした服装で過ごす
  • 就寝時は足を高くする
  • 弾性ストッキングを着用する

一酸化炭素中毒を防ぐ(エンジンをかけっぱなしにしない)

車内での就寝中は、エンジンをかけっぱなしにすることを避けましょう。特に雪が降っているときは、積雪でマフラーが塞がれると排気ガスが車内に充満し、一酸化炭素中毒を引き起こすおそれがあります。やむを得ずエンジンを使用する場合は、マフラー周辺の定期的な除雪と、換気を心がけてください。

熱中症・低体温症を防ぐ

夏はできるだけ日陰に駐車し、換気とこまめな水分補給を心がけましょう。冬は防寒具や寝袋を活用し、身体を冷やさないことが大切です。窓を開ける場合は、防犯や虫の侵入にも配慮し、安全を確保しながら換気しましょう。また、日頃から燃料を満タンに近い状態に保つ習慣にしておくと、空調を使いやすくなります。

車中避難を始めたら避難所に「名簿登録」を

車中避難を始めたら、近くの避難所で「車中避難者」として名簿登録をしましょう。登録することで、必要な支援や情報収集につながりやすくなります。自治体によっては、水や食料、毛布、弾性ストッキングなどの物資支給や、健康状態の確認を受けられる場合があります。

避難先での被災に注意(水害、土砂災害など)

車中避難の駐車場所を選ぶ際は、浸水や土砂災害、落下物の危険がない安全な場所を選びましょう。ハザードマップなどで、事前に自宅周辺や避難先の危険区域を把握しておくことも重要です。

車中避難の防犯対策|施錠・駐車場所・貴重品管理で身を守る

車中避難では、さまざまな犯罪から身を守るための防犯対策も重要です。施錠や駐車場所、貴重品の管理を意識して、できるだけ安全な環境を整えましょう。

ドアの施錠と窓の目隠しを徹底する

車のサンシェード

車中避難時はプライバシーを守るとともに、車上荒らしなどの防犯対策も心がけましょう。

  • 就寝中も含めドアは必ず施錠する
  • サンシェードやカーテンで車内が見えないようにする
  • 貴重品を車外から見える場所に置かない

人目のある安全な場所に駐車する

駐車場所は、自治体が指定する車中泊避難場所や一時車両退避場所など、安全が確保された場所を優先して利用しましょう。暗く人目の少ない場所や、浸水・土砂災害の危険がある場所への駐車は避けてください。

貴重品管理と、女性・子ども・高齢者の安全

貴重品は身につけるか、外から見えない場所に保管しましょう。女性や子ども、高齢者は、できるだけ複数人で行動し、一人にならないよう心がけることが大切です。避難者名簿に登録して周囲に存在を知ってもらうことも、見守りや支援につながります。また、防犯ブザーを携帯しておくのも有効な備えの一つです。

防災・防犯に役立つALSOKのサービス

防災の備えや車中避難時の自宅を守る手段の一つとして、ALSOKが提供するサービスをご紹介します。

車にも常備できる、ALSOKの防災用品

ALSOKでは、水や食料、携帯・簡易トイレなど、車に積んでおける防災備蓄品や災害対策用品を取り扱っています。何を揃えれば良いか迷う場合は、必要な品目がまとまった商品から検討すると、準備を進めやすくなります。

ご自宅を守る、ALSOKのホームセキュリティ

HOME ALSOK Connect

車中避難中は自宅が留守になるため、防犯面が不安に感じられる方もいるでしょう。ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」は、「セルフセキュリティ」と「オンラインセキュリティ」の2種類から選べます。セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
オンラインセキュリティは、異常発生時にはALSOKが駆けつけて適切に対処します。スマートフォンで警備の開始・解除ができ、外出時や避難時も警備をセットすることが可能です。

平時は留守中だけでなく在宅時も警備できるため、24時間365日の備えとして活用できます。ALSOKのサービスを平時からの防犯対策の一環として検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

車は災害時に被災の場となることがあるほか、避難所に入れない場合の一時的な生活空間にもなります。水や食料、携帯・簡易トイレなどの防災グッズを揃え、エコノミークラス症候群や一酸化炭素中毒などの健康リスク、防犯面にも注意が必要です。日頃から車に最低限の防災グッズを積み、半年に一度は点検する習慣をつけましょう。

車の防災・車中避難に関するよくある質問(FAQ)

Q:車中避難は長期間続けても大丈夫ですか?

A:内閣府の「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」では、車中避難の長期化はエコノミークラス症候群等の健康被害のリスクが高まるとされています。車中避難の間はこまめに身体を動かして水分をとり、避難生活が長引きそうな場合は避難所や被災していない親戚宅などへの移動も検討しましょう。

参考:内閣府「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」

Q:車の防災グッズはどこに収納すれば良いですか?

A:防災グッズは、トランクやシート下などにまとめて収納しましょう。真夏の高温を避けつつ、脱出用ハンマーやライトなどすぐに使う物は、運転席から手が届く場所に置いておくと安心です。

Q:女性や一人でも車中避難して安全ですか?

A:ドアは必ず施錠して窓には目隠しをし、人目のある安全な場所に駐車することが大切です。また、避難所に車中避難者として登録しておくと、周囲に存在を知ってもらいやすくなり、見守りや支援にもつながります。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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