火災報知器の種類は?それぞれの特徴についても分かりやすく解説

防災 2024.03.29更新(2024.03.26公開)
火災報知器

火災報知器は、火災発生をいち早く察知できる重要なアイテムです。火災報知器の設置によって、万が一火災が起きても被害を抑えられます。この記事では、火災報知器の必要性、種類とそれぞれの特徴について解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

火災報知器とは

火災報知器とは、火災発生を知らせる機器の総称です。火災を検知し音声やブザー音、発光などによって人に知らせたり、消防施設に通報し消防担当者と直接会話ができたりします。火災に気づいた人が操作して、警報を作動させる仕組みのものもあります。火災報知器の設置によって火災の早期発見が可能になり、素早く周囲に知らせることができるようになります。

火災報知器は大きく分けると、自動火災報知設備、特定小規模施設用、住宅用の3種類に分けられます。それぞれ使用される場面や設置のための条件・資格などが異なります。詳細は後述します。

火災報知器の必要性

火災報知器は、火災に早く気づき、火災による被害の拡大を防いだり、避難したりするために有効な設備であると言えます。東京消防庁によると、令和4年中の住宅火災による死者は72名と、深刻な数字が示されています。この数字から、早期に火災発生を知らせる火災報知器の重要性がわかります。

※参考:東京消防庁<広報テーマ(2023年2・3月号)>

2006年6月以降は新築住宅で火災報知器の設置が義務化されています。戸建て住宅だけでなく、マンションやアパートなども含むすべての住宅が対象です。既存住宅での義務化も自治体ごとに進められ、2011年6月には全国の住宅が対象となりました。

住宅用火災報知器の目的は、火災からあなたの大切なご家族やご自身の命を守ることにあります。大切なご家族とご自身のために、住宅用火災警報器を設置するようにしましょう。

家庭では料理の際に火を消し忘れたり、暖房器具から可燃物に引火したりする可能性があります。タバコの火が周囲に燃え移ってしまうことも考えられるでしょう。就寝中に火災が起こると逃げ遅れてしまいやすく、死者が増える原因となります。

火災報知器は、原則として、寝室と階段に設置することが義務付けられています。また、寝室が2階以上のフロアにある場合は、火災の煙が集まりやすい階段室(階段のみの空間)でも火災報知器の設置が義務です。一方で、自動火災報知器設備が既に設置されている場所や、スプリンクラーがある場所などは、設置が義務付けられてはいません。

※参考:2 住宅用火災警報器の設置の義務化 | 平成21年版 消防白書 | 総務省消防庁

火災報知器の種類

屋内消火栓設備

前述したように火災報知器は、自動火災報知設備、特定小規模施設用、住宅用の3種類に分けられます。それぞれの特徴を解説します。

自動火災報知設備

自動火災報知設備は、火災によって発生する熱や煙、炎を用いて自動的に火災発生を感知する設備です。防火対象物に設置され、受信機の火災信号を発信するものです。
防火対象物とは、自衛消防組織設置対象物及び防災管理義務対象物法第8条が該当となるものです。

※参考:大規模地震に対応した自衛消防力の確保に係る消防法令の改正について|東京消防庁

自動火災報知設備の感知器は、火災によって発生する熱や煙、炎を用いて自動的に火災発生を感知するものです。
防火対象物に設置され、受信機の火災信号を発信するものであり、消防設備士甲種4類の取得者でなければ、工事ができません。
消防設備士甲種4類とは、消防設備の工事や点検・整備に関する国家資格です。自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備、および火災通報装置などを取り扱うために必要です。消防設備士は他にも1〜5類まであり、対象となる設備が異なります。

  • 1類:屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備など
  • 2類:泡消火設備、パッケージ型消火設備など
  • 3類:不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備など
  • 4類:自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備など
  • 5類:金属製避難はしご、救助袋など

※参考:消防士試験|一般財団法人 消防試験研究センター

特定小規模施設用

特定小規模施設用の火災報知設備は、無線式の連動型警報機能付感知器のみで設置できるものです。配線工事が不要であるため、簡易的な設置が可能です。また、感知元から離れた部屋いても、いち早く火災発生がわかるという特徴もあります。

住宅用

住宅用火災警報器は主に家庭に取り付けられる火災報知器です。
住宅用火災警報器があれば火災を熱や煙から検知し、音声やブザー音で知らせてもらえるため、就寝中でも早めの避難が可能です。
消防法では火災報知器の寝室への設置が義務となっています。また、寝室が2階以上のフロアにある場合は、火災の煙が集まりやすい階段室(階段のみの空間)でも火災報知器の設置が義務です。
住宅用火災警報器の設置には電気関連の工事が必要なく、無資格でも設置できます。

住宅用火災警報器の種類と特徴

住宅用火災報知器

住宅用火災警報器には、煙式(光電式)のものと熱式(定温式)のものがあります。それぞれの特徴を説明いたします。

煙式(光電式)

煙が住宅用火災警報器に入ると音や音声で火災の発生を知らせます。火災時には熱よりも煙の方が先に発生するため、火災の早期発見のためには、熱式より煙式のものが有効です。住宅への設置が義務付けられているのは煙式の住宅用火災警報器です。寝室や階段室には熱式ではなく、煙式のものを設置してください。煙式の警報器は、調理時の湯気や煙などで警報を出す場合があるので注意が必要です。

熱式(定温式)の火災警報器

周辺温度が一定の温度に達すると音や音声で火災の発生を知らせます。市区町村の条例で認められている場合には、キッチン・台所など湯気や煙が出やすい場所に設置することができます。

自動火災報知設備の感知器の種類と特徴

自動火災報知設備の感知器には主に以下の種類があります。

  • 差動式スポット型感知器
  • 定温式スポット型感知器
  • 光電式スポット型感知器
  • 光電式分離型感知器
  • 紫外線式スポット型感知器
  • 赤外線式スポット型感知器

それぞれの特徴を解説します。

差動式スポット型感知器

差動式スポット型感知器は、急激な温度上昇による感知器内の空気の膨張を検知します。この感知器内の空気はリーク孔と呼ばれる小さな穴で外気と通じており、穏やかな温度上昇ではリーク孔から空気が抜けていくので作動しません。温度差で作動するため差動式と呼ばれています。
差動式スポット型感知器の多くは、丸いドーム型の形状です。価格が安いので住宅のお部屋をはじめ、押入れや物置など幅広く使用されています。

定温式スポット型感知器

定温式スポット型感知器は、周囲の温度が上昇して一定の温度になったことを、「バイメタル」と呼ばれる金属板が曲がって検知します(「サーミスタ」と呼ばれる半導体素子の電気抵抗の変化を検知するタイプもあります)。一定の温度で作動するため定温式と呼ばれます。火災検知が差動式よりも遅くなる傾向があります。台所・キッチン・給湯室などで、差動式を設置すると急激な温度変化で誤動作を起こしてしまうような場合に、定温式が設置されることがあります。

光電式スポット型感知器

火災の煙が機器に侵入すると、内部にある発光部から出る光が煙の粒子にあたって乱反射し、その乱反射した光を受光部が検知します。受光部に光を電気に変換する「光電素子」を用いているため、光電式と呼ばれます。
このタイプの感知器は、「煙感知器」とも呼ばれます。埃や粉じんの多い場所は誤動作を起こしやすく、設置に適していません。一般的に、煙感知器は熱感知器と比較して価格が高くなっていますが、火災の早期発見に非常に有効であるとされています。
煙感知器の設置基準においては、「壁から 60cm 以上離す」ことや「空調や換気吹き出し口から 150cm 以上離す」ことなどが定められています。

光電式分離型感知器

赤外線を発する送光部とそれを受ける受光部を対向設置し、この光路上を煙が遮ったときの受光量の変化で火災を検知します。体育館、ホール、廊下などの広い空間において、火災の煙を検知することが可能です。

紫外線式スポット型感知器・赤外線式スポット型感知器

炎は、目に見える可視光線の他、紫外線や赤外線も出しています。紫外線式スポット型感知器・赤外線式スポット型感知器は紫外線または赤外線の変化が一定の量以上になったときに検知します。これらの感知器は、映画館、劇場、ドーム、アトリウムなど天井の高い空間での火災検知に利用されています。トンネル内部や百貨店・デパートなどのトイレにも設置されています。

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まとめ

火災報知器の住宅への設置は、法的な義務です。火災報知器があれば火災の発生を早期発見でき、命や財産を守ることにつながります。種類によって熱や煙、紫外線、赤外線など、火災報知器が検知できる対象は異なります。それぞれ適した設置場所が違っているため、導入の際は使い分けが必要です。

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