ALSOK TRIP vol.20(後編)

  • 次号
  • バックナンバー
  • 前号
紅葉の中津・耶馬渓から天領日田へ 美しく、懐かしい、秋の大分

源泉の数、湧出量ともに日本一を誇る大分県は、実はおいしいものの宝庫でもあります。
あでやかな紅葉に彩られた耶馬渓の里山や渓谷を眺めながら、黒田官兵衛、福澤諭吉のゆかりの地でもある中津市、江戸時代の街並みを残す日田市を訪ねました。
写真提供:中津耶馬渓観光協会

香川MAP

天領時代の風情を残す豆田町をぶらぶら歩き

中津市に隣接する日田市(ひたし)は、三隈川をはじめとする多くの川が流れていることから、「水郷(すいきょう)」とよばれ、古くから九州の交通、物流の要所とされてきました。江戸時代には幕府直轄の天領となり、西国筋郡代(さいごくすじぐんだい)*の役所が置かれています。
郡代には九州各地の天領から納められる年貢が集まってきました。その莫大な資本の管理を任された日田の豪商たちは、大名や商人、農民などに高利で貸し付けたため、日田はさらに豊かな富を得ていきます。川がもたらす地の利とともに日田のまちは繁栄し、川魚、煎茶、鵜飼、祭りなどの文化が育まれました。
その時代の名残を感じられるのが豆田町(まめだまち)です。上町通り、御幸通り、そして二つの道を結ぶ小路には江戸時代から明治時代の建物が数多く残されており、酒、和菓子、うなぎ、履物、薬などの老舗が今も営業しています。ミュージアムや雑貨店、カフェも多く、粋な暖簾を眺めながら、そぞろ歩きを楽しめます。
まちの歴史を知るには、天領日田資料館がおすすめです。豊臣秀吉が「太閤蔵入地(たいこうくらいりち)」と定めたことに端を発する天領としての歴史はもちろん、豆田町出身の儒学者で、私塾「咸宜園(かんぎえん)」を創設した廣瀬淡窓(ひろせたんそう)とその門下生の書などが展示されています。
資料館の隣には草野本家があります。草野家は精蝋業を主として財をなした豪商で、享保年間に建てられた主屋仏間部、土蔵などが美しい状態で保存されていることから、国の重要文化財に指定されました。豆田町では毎年春に「天領日田おひなまつり」が開催されますが、これは草野家が所蔵していた、絢爛豪華な雛人形を一般公開したことが始まりとのこと。草野本家は祭りの時期に合わせて一般公開されており、11月の「日田天領まつり」でも公開されます。
*郡代は江戸、美濃、飛騨、日田に置かれた役職。身分、格式は代官より上とされた

天領日田資料館(てんりょうひたしりょうかん)
歴史的な商家が並ぶ豆田町の街並み

0973-24-6517

大分県日田市豆田町11-7

9:00~17:00

水曜(祝日の場合は翌日休)

大人320円

日田市内で出土した漢時代の希少な金銀錯嵌珠龍文鉄鏡(きんぎんさくがんしゅりゅうもんてっきょう)【国の重要文化財】の複製も展示
隈出身の国学者、森春樹が手がけた屏風も展示
日田市観光協会のガイドツアー(60分1,400円)はここから出発
日田は下駄の産地
職人が手作りする土鈴
「白々(パイパイ)」とよばれる魔除け。祇園の山鉾の飾りが玄関に飾られている
草野本家(くさのほんけ)
1772(明和9)年の豆田大火後に再建された、書院造の奥座敷
九州北部における代表的な居蔵造(いぐらづくり)町家

0973-24-4110

大分県日田市豆田町11-4

10:00~16:30
(公開期間は「天領日田おひなまつり」「端午の節句」「日田祇園」「日田天領まつり」など日田市の祭りに合わせて年4回。公開スケジュールはホームページで確認を)

木曜

大人700円

江戸時代にタイムスリップ 日田天領まつり

武士や町娘などの時代衣装を着て、まち歩きが楽しめます(一般参加は当日受付)。そのほかスタンプラリーやものづくり体験なども実施予定。夜は花月川周辺や豆田町が竹灯籠で彩られ、幻想的な雰囲気に。

0973-22-2036(日田市観光協会)

月隈公園、豆田町周辺

11月11日、12日開催予定

芳醇な香りの麦焼酎と名物の焼きそばを味わう

日田市民のソウルフードといえば、日田焼きそば。その元祖といわれる店が想夫恋です。最大の特徴は麺を炒めないこと。「麺をカリッと焼くことで、食感がもちもちになり、ソースの味が入りやすくなるんです」と総本店の大里登美夫店長。国の衛生基準であるHACCP認証の自社工場で加工された麺や肉、そして甘さを抑えた秘伝のタレも特徴で、ジューシーな豚肉とシャキシャキのもやしが食欲をそそります。トッピングは定番のマヨネーズ、玉子のほか、シソもおすすめです。
食事をした後は、いいちこ日田蒸留所へ。地下深くから汲み上げたやわらかで良質な水を使い、いいちこの原酒の約3分の1をここで製造しています。日田の「水の恵み」をここでも実感することになりました。蒸留所内には製造工程を紹介するパネルやモニターが設置され、自由に見学できます。また敷地内のショップでは日田蒸留所限定商品を購入できるほか、試飲もできるため、お酒好きたちの人気を集めています。

いいちこ日田蒸留所 (いいちこひたじょうりゅうしょ)
8万7000㎡の敷地は、日田市民の憩いの場。秋の恒例行事「紅葉祭」は11月19日に開催予定

0973-25-5600

大分県日田市西有田810-1

10:00~16:00

火曜(祝日の場合は営業)

無料

発酵させたもろみを蒸留する単式蒸留機。気化したアルコールを冷却したものが原酒となる
ここでしか購入できない限定酒も販売
想夫恋総本店 (そうふれんそうほんてん)
鉄板の上で麺と野菜、豚肉が舞う調理風景は圧巻

0973-24-3188

大分県日田市若宮町416-1

11:00~22:00(21:30LO)

不定休

まだまだある周辺スポット

一目八景(ひとめはっけい)
紅葉シーズンは例年通りなら11月上~中旬あたり 写真提供:中津耶馬渓観光協会

耶馬渓を代表する景勝地。天然アユが泳ぐ山移川沿いに立つ展望台からは、猿が群がっているように見える「群猿山」や、鳶の雛鳥が巣でくちばしを開けているように見える「鳶巣山」、夫婦岩などが一望できる。

0979-23-4511(中津耶馬渓観光協会)

大分県中津市耶馬溪町深耶馬3152
見学自由 

中津城(奥平家歴史資料館)
(なかつじょう(おくだいらけれきししりょうかん))

黒田官兵衛が1588(天正16)年に築城を開始した九州最古の近世城郭。水門から海水が堀に入る水城でもある。天守閣は再建されたが、石垣は築城当時のもの。中津藩主、奥平家に伝わる貴重な宝物が展示されている。

0979-22-3651

大分県中津市二ノ丁本丸

9:00~17:00

無休

大人400円

石垣と同じ種類の石が入った勝運のお守り「黒官石」1,000円
いた屋本家(いたやほんけ)
天領うなぎのせいろ蒸し3,400円

豆田町界隈にある創業160余年のうなぎ屋。あゆや鯉の料理もあり、川のまち日田らしい美食が楽しめる。「天領うなぎのせいろ蒸し」はふっくらと蒸した国産うなぎに、秘伝のタレを混ぜ込んだ粒立ちご飯が絶妙な味わい。

0973-22-1182

大分県日田市港町3-29

11:00~14:30(うなぎが終了次第閉店の場合あり)

火曜

あゆの塩焼き760円
進撃の巨人in HITAミュージアム (しんげきのきょじんいんひたみゅーじあむ)
自然豊かな大山町の道の駅に世界中からファンが訪れる

「進撃の巨人」の作者、諌山創(いさやはじめ)氏の出身地、日田市大山町にあるミュージアム。諫山氏が幼少期や学生時代に描いた絵、貴重な原画、「漫画界のカンヌ」と称される「アングレーム国際漫画祭」の「特別賞」トロフィーも展示。

大分県日田市大山町西大山4106道の駅水辺の郷おおやま内

9:30~16:00(土・日曜、祝日は~17:00)

不定休

大人500円(18歳未満は無料)

動画で見る ALSOK Tripはこちら
知られざる絶景スポット

十勝岳温泉 「湯元 凌雲閣」

北海道上富良野町十勝岳温泉

標高1280mの北海道で最も高所にある温泉宿。大自然の大雪山国立公園内に佇み四季折々の美しい表情に出会えます。秋には色鮮やかな紅葉と雪景色のコラボレーションが見られることも。泉質が異なる2種類の源泉を内湯と露天風呂で楽しめます。約40℃の茶褐色のにごり湯は鉄分を多く含む保湿の湯、約28℃の透明な湯はレモンと同じくらいの酸性でミネラル豊富な湯。交互に入湯することで温浴効果がより高まります。雄大な十勝岳連峰の景色を望みながら、源泉かけ流し100%の温泉に入る贅沢時間を、一度は体感してほしい最高の絶景温泉です。

写真:温泉カメラマン・杉本圭 
温泉家・北出 恭子

国内外の温泉を年間300湯以上めぐる温泉専門家。
多数の温泉資格や知見を活かし、メディア出演や講演、インフルエンサーとして、温泉の魅力を世界に発信。また、温泉資源を活用したまちづくりの監修や温泉事業者へのアドバイスを行う。大学講師や観光行政の委員も務めている。著書に『 九州絶品温泉、ドコ行こ?(ペガサス出版)』。

ALSOK TRIP vol.20(後編)

  • 次号
  • バックナンバー
  • 前号