消費者課題

サービス品質の向上

 ALSOKは2002年9月には品質マネジメントシステム(QMS)の国際規格「ISO9001」の認証を取得しました。2023年3月末現在、ALSOKグループ全体で62社同認証を取得しています。ALSOKは今後も、より一層の品質向上に努め、お客様の安心と信頼を高めていきます。

警備サービスの品質向上

ALSOKの警備品質体系「ALSOK基準」の制定

 ALSOKグループは、警備サービスの品質向上を目的に、2006年に「ALSOK基準」を制定しました。「ALSOK基準」は、機械警備、常駐警備、警備輸送など業務ごとに求められる品質基準や公的資格取得数を目標値として厳密に定めています。目標値のレベルの高低で、A基準とB基準に分けられています。グループ各社は、A基準の取得率達成を目指し、警備サービスの品質の向上を図っています。同基準は、年度ごとに見直され、基準値の再設定と基準項目の追加などを行っています。

社内競技大会等の開催による技能向上推進

品質向上の取り組み

 ALSOKグループ全体でサービス品質の向上に取り組むべく、日々の実務に即した内容を競技化した「ALSOKグループ協働体品質向上競技大会」を毎年開催しています。さらなる発展を目指した大会目的の見直しや内容改革も行っており、2023年度は参加条件の厳格化、新競技の追加を行い、それぞれのプロとしての技能向上に努めてまいります。

 グループの介護会社においては、6社から9チームが「介護品質向上発表会」に参加しました。事業理念に基づき、最高の介護品質のサービスを提供するために、日頃の成果について遠隔での発表を行いました。

一次救命処置(BLS)習得のための研修

 ALSOKではAEDの販売を行っていますが、AEDの使い方だけでなく、一次救命処置の正しい方法を学ぶため、BLSインストラクターの養成講習を社内で行っています。2022年度は全11回の講習を実施、254名のBLSインストラクターを養成しました。

武道大会を通じた社員の士気高揚

 ALSOKグループでは、社技としている柔道、剣道および綜警防護術の全国大会を毎年(剣道と防護術は隔年)開催しています。これらの大会を開催する目的は、各大会を通し、警備員として必要な受傷事故の未然防止とお客様が警備会社に求めているもの(武道に優れ、違法行為に立ち向かう姿勢)に応えるための技術や精神を身につけることにあります。各大会には多くの社員が参加することにより、グループとしての連帯感の醸成や、意識統一の場ともなっています。

 2022年3月期は、柔道大会と剣道大会を実施しました。第23回となる柔道大会は75チーム、計287名が参加し、第1部はALSOK福岡(株)、第2部は北関東綜合警備保障(株)、第3部は和歌山支社がそれぞれ優勝しました。第18回となる剣道大会では73チーム、計280名が参加し、第1部は茨城支社、第2部は名古屋支社、第3部は大阪中央支社がそれぞれ優勝を果たしました。

綜合警備連盟柔道大会
綜合警備連盟柔道大会
綜合警備連盟綜警防護術大会
綜合警備連盟綜警防護術大会

機械警備業務と警備輸送業務における安全管理

機械警備部門・警備輸送部門における取り組み

 ALSOKでは「社会の安全を守るALSOKの警備車両が交通事故を起こしてはならない」との認識をもって、機械警備業務、警備輸送業務における安全確保および車両事故の削減に取り組んでいます。

 機械警備部門については、社会の安全安心に貢献するため24時間365日、絶え間なく警備活動を行っています。警備車両も昼夜を問わず出動するため、すべての四輪車両にドライブレコーダーを設置し、セーフティドライバー社内制度や安全運転に係る各種研修・教育を行っています。

 警備輸送部門においては、警備輸送の安全確保を通じて社会的責任を果たしていくため、「運輸安全マネジメント」に取り組んでいます。「警備輸送安全管理規則」に基づき安全統括管理者を選任し、PDCAの確実な実施を図っています。また、警備輸送業務を行うすべての事業所に「警備輸送の安全方針」を掲げるとともに、各事業所は警備輸送の安全に関する指導教育および研修を年間計画に基づき実施しています。

安全運転への取り組み

業務用自動車やバイク(二輪・三輪)を運転する社員に対し、安全運転を行うため、さまざまな取り組みを推進しています。

  • セーフティドライバー認定員制度
  • 車両無事故無違反運転者表彰制度
  • ドライブレコーダー、自動ブレーキ、車線逸脱防止支援システム、バックセンサー等安全装置の設置義務化

また、交通事故が発生した際には、その原因を主管部署にて分析し社内で情報を展開することにより、再発防止につなげています。

車両事故の削減目標

 機械警備部門では、一般企業の年間交通事故発生率が約12%とされるなか、2023年3月期の車両事故の抑止目標として有責事故発生件数66件以下という目標を掲げ、車両事故削減に取り組みました。

 衝突被害軽減ブレーキ機能搭載車両の導入や、ドライブレコーダーと居眠り運転等検知機器との連動による危険運転の抑制、交通事故惹起事業所に対する車両安全装備設置の義務化、全機械警備隊員へのセーフティドライバー訓練の実施などの取り組みに注力しましたが、発生件数104件と目標を達成するには至りませんでした。

 ALSOKは24時間365日、絶え間なく警備活動を行うという特性上、車両稼働時間が一般企業を大きく上回ることから、有責事故発生率の抑止の難易度が高い側面もありますが、今後も、絶えず車両事故削減に取り組んでまいります。

 警備輸送部門では、2023年3月期は車両事故の抑止目標として有責事故発生率を5.6%以下と設定し、ドライブレコーダーの映像点検強化や安全運転教育の徹底などに取り組んだ結果、事故発生率を5.4%に抑え、目標を達成することができました。

  • 有責事故:100%避けきれない無過失事故を除いた事故であり、被害事故を含むもの。
警護輸送部門有責事故発生率
警護輸送部門有責事故発生率の推移グラフ

労働災害の発生状況と削減への取り組み

 ALSOKでは、車両事故を含めた労働災害度数率は2021年3月期は0.47、2022年3月期は0.54、2023年3月期は0.39と推移しています。ALSOKはその業務の特性上、業務における車両の使用が非常に多いこともあり、車両事故削減の取り組みのひとつとして、車両無事故走行距離(5万km、8万km、10万km、15万km、20万km)に応じて車両無事故運転者表彰を行い、社員の意識の向上を図り、事故の削減に努めています。

 今後も、社会の安全安心を守るという社会的責任を果たすために、引き続き全社的な安全確保への対策に取り組んでいきます。

  • 労働災害度数率:休業災害被災者数/延べ労働時間数×1,000,000時間