AEDの価格相場や契約形態、費用を抑える補助金について解説

AEDの価格相場や契約形態、費用を抑える補助金について解説
2026.07.27更新(2023.03.28公開)

本記事では、AEDの価格相場から契約形態の比較、補助金の活用法について分かりやすく解説します。

急な心疾患等によって「心室細動・心室頻拍」を起こして人が倒れたときに、適切な応急処置ができるよう、空港や駅、公共施設など人が多く集まる場所を中心に、AED(自動体外式除細動器)が設置されています。万一、従業員やお客様が倒れてしまった場合に備えて、自社内や施設内にAEDの設置を検討している方も少なくないでしょう。AEDは契約形態がさまざまで選択に迷うことがありますが、購入・レンタル・リースそれぞれの特徴を正しく理解し、補助金制度も活用することで、コストを抑えながら適切に導入することが可能です。

【この記事で分かること】

  • AEDの仕組みと、設置にかかる費用の目安
  • 購入・レンタル・リースそれぞれのメリット・デメリットと費用の違い
  • 自社の状況に応じた最適な契約形態の選び方
  • AEDの導入時に活用できる補助金・助成金の種類と申請方法

目次

AEDとは何か?仕組みと必要性

AEDとは「Automated External Defibrillator」の略称で、日本語では「自動体外式除細動器」と呼ばれます。急な心疾患によって発生する心室細動や心室頻拍といった不整脈に対し、電気ショックを与えることで心臓を正常な状態に戻すための機器です。突然人が倒れ、意識がない場合、心室細動・心室頻拍を起こしている可能性があります。AEDは、救急車の到着や病院へ搬送されるまでの間、救命措置を行うために使用される重要な医療機器です。
以前は、医療従事者だけが使用できましたが、2004年から一般の人でもAEDを使用して人命救助措置を行えるようになりました。音声ガイド機能や搭載した液晶ディスプレイで手順や操作方法を指示してくれるなど、初めて使う人でも適切に使用できるように設計されています。

出典:日本心臓財団「AEDって、何ですか?」

AEDの設置にかかる費用・価格(購入・レンタル・リース)

AEDの設置にかかる費用は、契約形態によって大きく異なります。以下は、3つの契約形態における費用の比較表です。

購入 レンタル リース
初期費用 20~35万円
月額費用 なし 4,500~9,000円 4,500~9,000円
契約期間 なし(買い切り) 短期~長期(1日~5年等) 中長期(5年・8年等)
途中解約 可能(解約金が発生する場合がある) 不可能の場合もある
消耗品交換費用 1~2万円/年 (プランに含まれる場合もあり) 月額料金に含まれることが多い 月額料金に含まれることが多い

AEDを購入する場合の費用・価格

本体価格(初期費用)の相場

AEDを購入する場合の費用は、1台当たり約20~35万円が相場です。購入費用には、電極パッドやバッテリー、キャリングケースが含まれます。メーカーや搭載機能によって価格の幅は大きく、付加機能が充実したモデルは価格が高くなる傾向があります。

このほかに、付帯設備費用として壁掛け用ブラケットの設置工事費や、AED収納ボックス代、キャビネット代、設置場所を示す看板代などの追加費用が発生することもあります。

消耗品(電極パッド・バッテリー)などのランニングコスト

AEDに付属しているバッテリーや電極パッドは、未使用であっても交換時期を迎えたら新しいものと交換しなければなりません。そのため、AEDを購入する場合、初期費用とは別に消耗品の定期交換費用が別途発生することがあります。消耗品の交換費用の相場は、下記のとおりです。

  • バッテリー(約4年で交換):約3~4万円
  • 電極パッド(約2年で交換):約1万円

AEDを購入して5年間使用する場合、バッテリーは1回、電極パッドは2回交換する必要があります。なお、電極パッドは通常2セットが梱包されているため年間換算すると、維持費の目安は1~2万円程となります。
これらの消耗品は期限内に交換しなければ緊急時に正常に作動しない可能性があるため、管理体制の整備が不可欠です。

なお、初期購入費用に、消耗品の交換費用を含めたプランが用意されていることもあります。プラン内容を確認してから購入することをおすすめします。

AEDをレンタル・リースする場合の費用・価格

AEDをレンタル・リースする場合、月額4,500~9,000円が相場です。5年契約の場合、総額で27~54万円かかります。

総額で考えると購入するよりも高く感じるかもしれません。しかし、レンタル・リース料には消耗品の交換費用が含まれていることが多く、維持管理に関する手間や費用負担の軽減につながります。

AEDの講習費用

AEDは、ただ設置するだけではなく、緊急時に適切に使用できるよう事前に講習を受けておくことも重要です。講習は、消防署の無料講習や日本赤十字社の有料講習、民間団体による企業向け出張講習などがあります。講習の種類によっては、講師派遣費や教材費が発生することがあるため、AEDの導入に必要な費用として見込んでおきましょう。

AEDのおもな契約形態「購入」「レンタル」「リース」の比較

AEDの契約形態別の比較

購入は長期運用でのコスト優位性が高く、レンタル・リースは初期費用の抑制と管理の手軽さが魅力です。それぞれの特徴を理解し、自社の運用期間や管理体制、予算に応じて最適な契約形態を選ぶことが重要です。

AEDを購入する場合のメリット・デメリット

AEDは、各AEDメーカーおよび販売代理店などを通じて購入できます。
メリット:購入の場合、まとまった初期費用はかかりますが、ランニングコストを抑えられる点がメリットです。
デメリット:AED本体のみを購入した場合は、バッテリーや電極パッドといった定期交換品を都度購入する必要があります。5年間の定期交換品込みのパッケージプランを選択すれば、この手間は軽減されます。
会計処理:AEDを購入した際の勘定科目は、取得価額に応じて固定資産として計上される場合と少額資産として計上される場合に分かれます。

AEDをレンタルする場合のメリット・デメリット

AEDをレンタルする場合は、各AEDメーカーおよび販売代理店から直接レンタルします。
メリット:初期費用が抑えられる点と、電極パッドなどの消耗品の定期交換、使用した消耗品の交換がレンタル料に含まれていることです。また、リース資産として資産計上されることなく、「賃貸リース料」として全額を費用計上できる点も経理上のメリットです。ただし、契約内容に関してはサービスごとに異なるため、機種、サービス内容、料金を確認しましょう。
デメリット:中途解約した場合に解約金が発生することや、販売店によっては本体が新品ではない可能性があることが挙げられます。また、長期にわたってAEDを契約する場合、総額が購入した場合よりも割高になることがあります。

AEDをリースする場合のメリット・デメリット

リースは利用者と販売店をリース会社が仲介しての三者間契約になるため、利用者と販売店の二者間契約であるレンタルとはその点が異なります。

メリット:リースの場合も、初期費用が抑えられる点はメリットです。また、動産総合保険がついている場合も多いため、天災や盗難に関しても補償されています。なお、リースで取り扱われるAEDは基本的にすべて新品です。
デメリット:契約期間中の途中解約や買い取りが不可能な場合があります。
会計処理:金融商品取引法の適用有無、資本金や負債総額による規模、業種によって、「賃貸リース料」として費用計上される場合と、「リース資産」として資産計上される場合に分かれます。

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自社に最適なAEDの契約は?目的別の選び方

契約形態の選び方は、「初期費用を抑えたい、管理を委託したいならレンタル・リース」、「ランニング費用を抑えたいなら購入」をおすすめします。

初期費用を抑えて手軽に管理したいなら「レンタル・リース」

レンタル・リースは、月額料金のみで手軽に導入できるため、初めてAEDを導入する企業や初期費用を抑えたい企業に適しています。電極パッドやバッテリーなどの消耗品の定期交換や期限管理がプランに含まれていることが多く、導入後の保守・点検の手間を削減できます。また、短期間のイベントや仮設施設への導入など、一時的な利用目的にも有効です。

ランニング費用を抑えたいなら「購入」

最初に機器を一括購入するため初期費用はかかりますが、月々のレンタル料は発生しません。AEDの耐用期間は7~8年程度の製品が多く、長期間の設置を前提とする場合や複数台を導入する場合には、レンタルと比べてコスト面で有利になるケースもあります。適切な管理体制を整備できる企業であれば、購入も選択肢のひとつと言えるでしょう。

AEDの導入費用を抑える!補助金・助成金の活用法

AEDの導入費用を抑える!補助金・助成金の活用法

自治体や事業財団が提供する補助金制度・助成金制度を活用することで、AEDの導入費用を大幅に削減できる場合があります。対象や申請条件を事前に確認し、積極的に活用することをおすすめします。

補助金・助成金の種類

AEDに関する補助金や助成金はおもに2つの種類があります。1つ目は、各地方自治体が設けている公的な補助金や助成金、2つ目は事業財団などが実施している自治体以外の助成金です。

自治体の補助金制度

地方自治体の補助金や助成金は、都道府県単位ではなく市区町村単位で設けられているケースがほとんどです。補助率は1/2~2/3程度で、各自治体により補助率が異なります。たとえば東京都大田区では、AEDの購入・設置に際し、初期費用などの1/2を補助しています。

事業財団の補助金制度

地方自治体以外にも、事業財団が独自にAEDの設置にかかる費用の補助をしている場合もあります。たとえば、日本スポーツ振興センターではスポーツ団体向けに、自治総合センターでは地域団体向けに、あんしん財団では中小企業向けの補助金・助成金制度を設けています。事業財団による補助金・助成金制度は、対象となる団体・企業が限定されているため、事前に確認しておきましょう。

補助金・助成金の対象先

AED設置による補助金・助成金の対象となるおもな組織や団体は下記のとおりです。

  • 自治会
  • 自主防災組織
  • 商店街
  • 保育園・幼稚園
  • スポーツ団体
  • 老人クラブ

各企業や団体なども対象に含まれますが、地方自治体の補助金・助成金では保育園や自治会、消防団などの防災組織、商店街などが認可されやすいとされています。ただし、「消費税の確定申告義務がある団体」と「町会や自治会等の消費税の確定申告義務がない団体」で補助金額は異なります。

また、事業財団による補助金・助成金は、財団が取り組む事業内容に即した活動を行っている団体がおもな対象です。

補助金・助成金の申請方法

補助金・助成金の申請は、

  • 申請書類準備
  • 申請・審査
  • 設置・完了報告

の3ステップですすめます。

申請書類準備

まずは、申請に必要な書類を用意しましょう。設置予定場所の詳細図面や、施設の利用者数・設置理由を明記した計画書、AED機器の見積書、団体の定款や登記簿謄本などの組織証明書類が必要になります。利用する補助金・助成金制度によって必要な書類が異なるため、必ず確認するようにしましょう。

申請・審査

窓口に申請書類を提出すると、補助金の交付要件を満たしているかどうかが審査されます。設置場所は適切か、利用者への効果、維持管理体制などが評価項目です。結果は書面で通知され、承認後に交付決定通知書が発行されます。

設置・報告

補助金の交付が決まったら、AEDを購入・設置し、完了報告書を提出します。設置の報告には、領収書や設置写真、保守契約書の写しなどの添付が必要になることがあります。

AEDの設置を推進するため、単独で補助金・助成金制度を設けている自治体や事業団体もあれば、「防災設備」の一環として補助金・助成金を設けている自治体もあります。
詳しい申請方法は、補助金・助成金制度を設けている自治体や団体の公式サイトで確認できます。

・AED単独で補助金・助成金を設けているケース

出典:24時間AED設置補助事業について(東京都大田区)

・防災設備の一環として補助金・助成金を設けているケース

出典:防災資機材購入補助(福井県福井市)

補助金を申請する際の注意点

AEDの設置にあたり補助金制度を活用する場合、「購入前に申請をする」ことが必須です。購入後の申請は原則として受け付けられないため、申請期限や対象要件を事前に確認することが重要です。

購入前の申請を厳守する

補助金を受けられるのは、AEDを購入する前です。購入後の申請は補助金の対象外となるため、必ず購入前に申請しましょう。

募集期間・申請期限を確認する

多くの自治体では予算の都合上、申請期限や募集期間を設定しています。年度初めに募集が開始され、先着順で受付が行われるケースが一般的です。そのため、申請前に自治体などの公式サイトを確認し、申請期限や募集期限が過ぎていないかをチェックしましょう。

対象要件を満たしているか確認する

補助金制度によっては、対象となる施設や団体に関するさまざまな要件が設けられています。補助金を申請する場合は、事前に自治体や団体の公式サイトなどで受給資格を満たすか確認しましょう。

おもな要件の例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 営利企業:多くの自治体では営利企業を対象外
  • 従業員数による制限:中小企業など、一定規模以下の事業所に限定
  • 設置場所の制限:24時間アクセス可能な場所
  • 既存AEDの有無:すでにAEDを設置している場合は対象外

ALSOKのAEDサービスは導入から管理・講習までをトータルサポート

ALSOKのAEDサービスは導入から管理・講習までをトータルサポート

AEDは一般の人が使用できる救命措置のための重要な医療機器です。人が多く集まる場所や建物には必需品といえます。

そこでおすすめなのがALSOKのAED販売・レンタルサービスです。警備会社のノウハウを活かした独自の管理システムで、AED本体の耐用期間や消耗品の交換時期を管理します。そのため、いざという時に安心してAEDをお使いいただくことが可能です。
購入・レンタル・リースそれぞれに対応しており、さまざまな用途や設置環境に合わせたラインナップを揃えております。

また、導入・設置するだけではなく、スタッフ・従業員が迷いなく使用できるよう使い方を学ぶことも大切です。AEDの使い方が分からないという場合には、心肺蘇生法やAEDの使用方法の講習も実施しております。

ALSOKでは、導入から管理、講習までを総合的に支援しておりますので、AEDの設置を考えている場合は、ぜひご相談ください。

ALSOKのAEDについて詳しくはこちら

まとめ

AEDが必要となる場面は、いつ訪れるか分かりません。突然の心停止など、緊急時に居合わせた人(バイスタンダー)が迅速に対応できるかどうかが、命を救う大きな分かれ道になります。

これまで医療従事者に限られていたAEDの使用も、現在では一般の人でも操作が可能となり、公共の場や民間施設への設置が広がっています。設置は義務ではないものの、多くの人が出入りする施設やオフィスでは、いざという時の備えとして有効であり、今後もAEDの設置の波は広がっていくと考えられます。AEDの設置を検討している場合は、本体価格や消耗品のランニングコストを把握したうえで、購入・レンタル・リースの3つの契約形態から自社の状況に合った方法を選ぶことが重要です。さらに、受けられる補助金制度もあわせて確認し、万全の状態を整えて安心して過ごせる職場環境を整備しておきましょう。

AEDに関するよくある質問

Q:AEDの購入に資格や講習は必要ですか?

A:AEDの購入・設置に際して、資格や講習の受講は法律上必要ありません。ただし、緊急時に迷わず使用できるよう、事前に講習を受けておくことを推奨します。

ALSOKでは、「救急トレーニングサービス(BLS)」を実施しており、AEDの操作方法や心肺蘇生法(CPR)を実践的に学ぶことができます。AEDの導入と合わせて、ぜひ従業員への講習受講をご検討ください。

Q:AEDの保守や点検はどうすればよいのでしょうか?

A:AEDにはセルフチェック機能が搭載されており、ランプやアラームで異常を知らせる仕組みになっています。定期的に状態表示を確認することで、動作状況を把握できます。電極パッドやバッテリーなどの消耗品は使用期限があるため、管理台帳などを活用して期限を把握・管理することが重要です。レンタル・リースの場合は、プランによって消耗品管理が含まれるケースがあるため、契約内容を確認しましょう。

ALSOKでは保守・点検もトータルでサポートしていますので、導入に際してお困りの場合はぜひご相談ください。

Q:AEDを設置した方がいいかはどのように判断できますか?

A:一般財団法人日本救急医療財団が公表している「AEDの適正配置に関するガイドライン」には、AEDの設置が求められる施設の種類が記載されており、駅、空港、商業施設、スポーツ施設、学校などが設置推奨施設として挙げられています。自社の施設がガイドラインの対象に該当するかどうかを確認したうえで、設置の必要性を判断してください。