AEDの使い方と導入方法まとめ

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AEDの使い方と導入方法まとめ
2020.01.28

突然の心停止に対応できるAED。AED活用による人命救助の事例も多く報告されるようになり、その重要性が周知されつつあります。
そこで今回は、人命を万一の危機から救うAEDについて、使い方と導入方法をまとめています。AEDの適切な使用方法や設置のポイント、種類や選び方などをご紹介します。

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AEDとは

AEDとは

AEDとは「Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)」の略称で、心室細動と呼ばれる突然の不整脈に電気ショックを与えることで心臓を正常な状態に戻すための機器です。

日本心臓財団「AEDって、何ですか?」
https://www.jhf.or.jp/check/aed/aed/

AEDで改善できる心臓の症状は、先にもご紹介した「心室細動」で、これは心臓の脈が突然小さく細かくなることで、心臓が血液を正常に送り出せなくなっている状態を指します。
心臓に関する突然死のケースの多くでこの心室細動の症状が見られており、人が突然意識を失って倒れた際には心室細動を起こしているケースが疑われます。その際にAEDを使用することで、症状の改善を図れます。

AEDを使用するときの注意点

心停止になった場合、いち早くAEDを使用することは大事ですが、AED使用時には注意すべき点もあります。ここではそのいくつかの注意点についてご紹介します。

1.湿布などの貼り薬を貼っている場合

AEDの電極パッドを貼り付ける箇所に、湿布など貼り薬が貼ってある場合は必ずはがしてから使用しましょう。貼ったままAEDを使用すると、正常な効果が得られなかったり、該当部位にやけどを負ってしまう可能性があります。

2.ペースメーカーや除細動器が埋め込んである場合

心臓に疾患があり、元々ペースメーカーや除細動器を使用している人の場合は、それらが埋め込まれた箇所(外から見て突起が確認できます)を避けてAEDの電極パッドを貼り付けるようにしてください。

3.体毛が非常に濃い場合

AEDの電極パッドを貼り付ける心臓付近の体毛が非常に濃い場合は、貼る前にAEDに備わっている剃刀や脱毛テープで毛を除去してから処置する必要があることがあります。
体毛によりパッドが肌に密着しないことで、エラーメッセージがでたり、正常な効果が得られない可能性があります。

4.金属製品が電極パッドに付着する可能性がある場合

ネックレスなどの金属製品が心臓付近にある場合は、電気ショックによる火傷の原因となるため、可能な限り取り外します。外すのに時間がかかるようなら電極パッドから遠ざけてから処置を行いましょう。

5.処置する人の体が濡れている場合

体が濡れていると、正常にAEDの効果が得られない可能性があります。処置する人が感電するなどの心配はありませんが、体が濡れている場合は電極パッドを貼る胸部周辺を拭いてから処置を行いましょう。

意外と簡単!?AEDの使い方

意外と簡単!?AEDの使い方

AEDは、使い方を音声で説明してくれる機能が備わっており、救護処置の経験が少ない方も比較的使いやすい機器です。しかし、ある程度の使用手順を頭に入れておくことでよりスムーズな救助を行えるでしょう。
ここでは、AEDのくわしい使い方についてご紹介します。

1.要救助者を発見したら周りに協力をお願いする

要救助者を発見したら、まず周りの人に協力をお願いします。発見者がAEDを探しに行くのではなく、まずはAEDを持ってきてもらうことと救急車を呼んでもらうことを周りの人に呼びかけます。心臓疾患の処置は一刻も早く行うことが大切なため、まずは周りの人に大声と身振りで助けを求めましょう。

2.119番通報・AEDを持ってくる

人が来たらその中から119番通報する人とAEDを持ってくる人を指名します。明確に指名し分担して行動してもらうことで迅速な対応が期待できます。

3. 人工呼吸と胸骨圧迫を行う

AEDが現場に来るまでの間、要救助者の呼吸の有無を確かめます。呼吸がなければ「胸骨圧迫」と「人工呼吸」を行うことが望ましいのですが、人工呼吸は訓練を受けた方がいる場合に行うようにし、胸骨圧迫を優先的に行いましょう。胸の中心を、両手で1分当たり100回から120回ほど押さえます。その際、胸の中心が5cmぐらい沈む力加減で行いましょう。

4.AEDを操作する

119番通報が済み、AEDが届いたら次の4ステップでAEDを操作しましょう。

  1. AEDのケースの蓋を開け、電源スイッチを入れる(ケースの蓋を開けると自動で電源が入るものもあります)
  2. 要救助者の胸部に、直接電極パッドを貼り付ける(パッドに記載の絵柄にしたがいましょう)
  3. 電極パッドを貼るとAEDが心電図を自動解析し、処置の有無を判断します
  4. 処置が必要と判断されアナウンスが流れたら、ショックボタンを押して処置します。処置不要の場合は、ショックボタンを押してもAEDは作動しません。

もし、1~4までの操作を行っても症状が回復しない場合、救急車到着まで電極パッドを貼ったまま、再度胸骨圧迫の動作を行いましょう。2分経過すると再びAEDが心電図を解析し、もう1度電気ショックの処置が必要かどうかを指示してくれます。

初めて使用する方は不安も多いと思いますが、音声ガイダンスで正しい処置方法をAEDが教えてくれますし、誤作動の心配もないため音声にしたがってその通りに使用しましょう。また、AEDを使う場面同様にそれ以前の救助活動も重要になります。一刻一秒を争う状況ではありますが、119番通報や呼吸の確認などはおちついて確実に行いましょう。

AEDの使い方を実際に習ってみたいという方は、各自治体で定期的に無料救命講習会を行っていますし、AEDメーカーなどで行われる講習を受けることもできます。積極的に講習を受け、AEDを実際に見て触って体験することで、いざというときの助けになるでしょう。

AEDを使用して助かった事例

東京マラソンに参加していた有名人が、マラソン中に突然倒れ心肺停止状態に。すぐにAEDによる緊急処置が行われたため、命が助かったという事例があります。

AEDを導入・設置する際のポイント

AEDを導入・設置する際のポイント

ここではAEDを設置すべき場所や設置時のポイントについてご紹介します。

1.AEDを設置する場所の考え方

AEDは急な心停止(心室細動)に対して使用されるものですから、あらゆる人が集まる公共の場所などへの設置が推奨されるケースが多くなります。具体的な例を挙げると、公共交通機関の駅や役所などの公的機関、大型商業施設などです。また、運動によって心臓疾患が引き起こされるリスクを想定し、体育館やスポーツ施設・学校などへの設置も進んでいます。あるいは、高齢者や慢性治療者の多い介護福祉施設もAED設置が必要な場所といえるでしょう。

2.AED配置時の注意点

AEDは急を要する場面で人命を救うために使用するものですから、すぐに目に留まる場所への設置が必須条件ともいえます。見えづらい場所や所在が判別しにくい場所にAEDを置いてしまうと、一刻一秒を争う状況下にもかかわらず対応が遅れる原因になりかねません。

AEDの配置場所の具体的な基準として、どこからでも1分以内で取りにいける場所という例が挙げられており、距離にすると約300m毎の設置が目安となります。広い施設内や階層の多い建物内であれば、複数を規則的に配置することで実現できると考えられます。

また、配置場所は普段から人の目につきやすく、誰もがAEDの存在を意識しやすい場所が望ましいでしょう。エレベーターや階段の付近、建物のエントランス、社員の休憩室や食堂などが適した場所といえます。

そして、AED本体を目立つよう配置することに加え、AEDと大きく書かれた看板やステッカーを添えるなど、さらに視覚的に意識を促すようにするとよいでしょう。建物付近の屋外における要救助者発生を想定し、屋内にAEDがあることを示すステッカーを出入口に貼るなどの取り組みも効果的です。

企業でも進むAEDの設置と導入方法

企業でも進むAEDの設置と導入方法

企業のオフィスや工場内においても、AEDの設置が進んでいます。

もし、24時間365日AEDの利用がどなたにでも可能となる環境を提供できれば、人命尊重に積極的な企業とみなされ社会的な価値を高めることにもつながります。

企業がAEDを導入する方法には、レンタルやリースを行う手段もありますし、もちろん購入することもできます。AEDは、メンテナンスなどが必要な機器のため、企業単位で導入する場合はそれらがセットになったレンタルかリースがおすすめです。
ご検討の際は、最適なプランをご案内致しますのでぜひALSOKへお問合せください。

社会貢献のために設置する企業が増えてます。

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AEDの補助金・助成金

AEDの補助金・助成金

AEDを導入するにはコストがかかりますが、導入に際しては補助金制度や助成金制度を活用することでその費用を抑えられます。ここでは、AEDに関する補助金や助成金について、ご紹介します。

1.補助金・助成金の種類

AEDに関する補助金や助成金の種類にはおもに2つがあります。1つ目は、各地方自治体が設けている公的な補助金・助成金、2つ目はおもに事業財団が設ける自治体以外の助成金です。

地方自治体の補助金や助成金は、都道府県単位ではなく市町村単位で設けられているものがほとんどです。また自治体以外の助成金は「日本スポーツ振興センター」や「自治総合センター」、「あんしん財団」などの事業財団で設けられています。

2.補助金・助成金の対象

各企業や団体なども対象に含まれますが、地方自治体の補助金・助成金は保育園や自治会・消防団などの防災組織、商店街などが比較的補助金・助成金を受けやすいとされています。また、事業財団による補助金・助成金は財団が取り組む事業内容に即した活動を行っている団体がおもな対象です。「日本スポーツ振興センター」ならスポーツ団体、「あんしん財団」であれば中小企業などが補助・助成を受けやすいでしょう。

3.補助金・助成金の支給元

補助金・助成金の支給元は、基本的には制度を設けている自治体や財団です。また、一部具体的に補助金・助成金の資金がどう調達されているか明示しているケースもあります。たとえば「日本スポーツ振興センター」の場合は「toto」などのスポーツくじ、「自治総合センター」なら宝くじの収益金が補助金・助成金のための資金となっています。

4.補助金・助成金の申請方法

補助金・助成金の申請方法については、補助金・助成金制度を設けている自治体や団体の公式サイトで確認することができます。
AED設置推進のための補助金・助成金制度を単独で設けている自治体もあれば、「防災設備」の一環としてAEDを含めた補助としている自治体もあります。

AEDの補助金・助成金として申請するケース

24時間AED設置補助事業について(東京都大田区)
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/hoken/iryokikan_hoka/aed/24th-aed.html

集会施設自動体外式除細動器(AED)設置費補助金申請書(愛知県小牧市)
http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/shinsei/1/13/25572.html

防災設備の一環としてAED導入が対象となっている補助金・助成金のケース

防災資機材購入補助(福井県福井市)
https://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/bosai/bosai/sikizaihozyo.html

AEDの種類

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まとめ

今回は、人命救助にかかわる重要な設備の1つである「AED」について、その使い方や導入の手引きをご紹介しました。
AEDで人命が救われた事例がこれまでにも多数報告されており、広く導入が進むことでさらに助けられる命が増えるといわれています。企業や団体での導入をお考えであれば、ぜひALSOKにご相談ください。スムーズに導入しやすい、パッケージプランなどをご用意しています。

【AEDを導入する際の社内稟議用テンプレート】

(件名) AED〇〇台の導入について

(主旨)施設内で傷病者が発生した際の適切な救命活動に必要なAEDを導入し、施設利用者が安心して過ごせる環境にするため、下記についてご決裁をよろしくお願いいたします。

1. 品名
(具体的な品名を記載)
2. 価格
〇〇〇〇〇円/台(別添見積書参照)
3. 数量
〇〇台
※約300m毎に1台の設置が目安とされています
4. 理由
AED設置により救命活動に係る施設の安全管理体制の向上を計るほか、施設価値の向上と、施設利用者、近隣の人々に安全を提供することによるCSR効果の向上が期待出来るため。