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フードディフェンスとは?基本的な考え方とその重要性

フードディフェンスとは?基本的な考え方とその重要性
2021.06.30

食品に異物や有害物質などが混入されると、食べる人や取り扱う人へ危害を及ぼすなど重大な事態に発展します。それらを防止する取り組みとして、食品関連業において重要視されているのが「フードディフェンス」です。
この記事では食品関連の事業を行う方、食品を取り扱う方なら知っておきたい「フードディフェンス」について、その概要や具体的な取り組み内容をご紹介します。

目次

食品の安全を守る「フードディフェンス」

フードディフェンスは、国際的に認められている衛生管理手法である「HACCP(ハサップ)」を補完する形で導入が進んでいます。ここではフードディフェンスという考え方について知るとともに、HACCPとフードディフェンスの違いについてもご紹介します。

フードディフェンスとは?

フードディフェンスとは、日本語に直訳すると「食品防御」という意味となります。具体的には、食品に入ってはいけないもの(食用に供せない異物など)を「第三者によって意図的に混入されること」による危害を防ぐ取り組みを指します。

「意図的な混入」とはどのような状況か

食品に異物などが意図的に混入される状況とは、どのように生じるのでしょうか。分かりやすくいえば、人為的ミスなどの偶発的な「事故」ではなく、第三者が悪意により食品に異物を混入させる「事件」ということです。わざと異物の混入を図る「食品テロ」は、食品工場だけでなく食料品販売店や飲食店など、身近な場所でも起こり得るものです。

HACCPとの違い

食の安全・安心を守る取り組みとして、HACCPが特によく知られています。フードディフェンスとこのHACCPには、どのような違いがあるのでしょうか。
HACCPの始まりは、アメリカで大規模な宇宙開発が進められていた1960年代にさかのぼります。アポロ計画を進めていたNASAなど複数の機関が食品の安全管理のために考案した管理方法がもとになっており、その後国連の機関であるWHOとFAOが主となったコーデックス食品規格委員会で詳細が定められました。現在ではこのコーデックスの規範に沿ったやり方がHACCPとして広がり、今ではISOを始め各種団体からHACCPに適合する旨の認証を受けることもできます。

HACCPの考え方においても、食品への異物混入防止に関する事項はあります。しかし、悪意ある第三者による食品危害をHACCPは想定しておらず、HACCP認証を取得するだけでは十分に食品危害を予防できないという考えから、HACCPに加えてフードディフェンスに取り組む事業者が増えているのです。

HACCPに基づいて事業を行うことは食品事業者の基本ですが、併せてフードディフェンスの考え方を取り入れることで、さらなる食品危害防止につなげられるのです。

HACCPの基礎知識については、以下のコラムもぜひご覧ください。

フードディフェンスが注目される背景

フードディフェンスという考え方が注目され始めたきっかけは、2001年にアメリカで突如発生した同時多発テロ事件であったといわれています。アメリカの議会や政府ではこの事件を踏まえ、あらゆるインフラをテロ行為から守る取り組みが提唱されました。食品もその一つとされたため、フードディフェンスという考え方が広まったのです。

日本国内でも、食品への異物混入による事件が起こっています。2007年には、中国で製造した冷凍餃子に殺虫剤が混入され、日本と中国で食中毒被害者を出す事件が発生しました。また2013年には日本国内の冷凍食品工場で、製造品に農薬が混入し大規模な自主回収となる事件が発生しています。いずれも生産に携わっていた従業員の内部犯行によるもので、意図的に食物へ有害物質が混入された「食品テロ」とも呼べる事件であると分かっています。

これらの事件により、現在は日本でも食品の安全性への関心がより高まりました。つねに安全であるべき食品への意図的な異物混入を防ぐことは、食品工場や学校、飲食店、スーパーなど食品を取り扱う場所にとって大きな課題となっています。
また近年では、新型コロナウイルス感染症による社会変化で、さらに食品の安全の重要性は増しているといえます。

以下は、2015年度から2019年度にかけて消費者庁へ報告された危険情報のうち「異物の混入」の件数をグラフにしたものです。

危険情報「異物の混入」の件数

食品の安全性に関する事件などが報じられることで人や企業の安全意識が高まり、異物混入の件数自体は年々減少傾向にあります。しかし2019年にも300件近くの報告があるなど、依然1日1件近くもの頻度で発生している状況が見て取れます。本来は発生数ゼロであるべきものと考え、今後も安全管理の強化を継続する必要性があるでしょう。

食品問題によるリスク・影響とは?

食品問題によるリスク・影響とは?

異物混入など、食の安全をおびやかす事態が万一発生した場合、消費者と企業それぞれにどのような影響が及ぶのでしょうか。ここでは、食品問題発生のリスクについてご紹介します。

消費者への影響

有害物質による食中毒や食品以外の異物によるケガなど、健康を損なう事態に見舞われます。また健康被害がなくても、異臭などにより不快な思いをすることがあります。

企業への影響

自主回収や風評による売り上げの低下などで、経済損失を招きます。事態が大きく報道されるに至った場合は企業イメージの低下も必至で、顧客や取引先の信頼を損なうことも想定されます。

フードディフェンスの主な取り組み

HACCPの考え方に基づき、適切な衛生状態で食品を取り扱うことは非常に重要です。しかし、その取り組みだけでは第三者の悪意による異物混入を防ぐことはできません。ここでは、食の安全をより積極的に守るフードディフェンスの具体的な取り組み内容についてご紹介します。

フードディフェンスの主な取り組み

適切な組織マネジメント

従業員が働きやすい職場づくりを心掛け、従業員が業務に対し前向きに取り組める環境を構築する必要があります。
従業員の勤務状況や業務内容を把握し、管理を徹底するとともにコミュニケーションを図ります。品質や安全管理に関する従業員への積極的な意識付けを図ることも有効です。

人的要素(従業員)

従業員の私物や不要物の持ち込みを禁止するなどの取り組みも重要です。ポケットのない制服の導入など、服装規定を見直すことも同時に行うと良いでしょう。
また、採用時の身元確認、不要な場所への移動を制限するなどの取り組みも挙げられます。

人的要素(部外者)

取引先など、従業員以外の人が事業所内に立ち入る際のチェック体制の強化も有効な取り組みです。入退室管理システムなどを適宜取り入れ、入退室時の警備にともなってチェックが行える状態にしておきます。施設内を移動する際は、従業員が同行することで不要な立ち入りを防止できます。

施設管理

不審者が事業所内に立ち入ることを防ぐ仕組みづくりも重要です。24時間常駐警備体制の構築や、防犯カメラ・監視カメラで侵入防止を図るなどの対策を講じましょう。また、内部犯行を防ぐためにも施設内部の監視カメラによる常時録画など抑止力につながる措置も必要となります。認証機能を備えた鍵管理システムの導入も有効です。

食品の安全はALSOKの監視システムで守ります!

ALSOKでは、食品事業所の安全管理に役立つさまざまなサービスをご提供しています。

入退室管理

ICカードや、顔認証により特定の人の入退室を管理し、部外者・不審者の立ち入りを防ぐシステムです。昨今は感染症対策の観点から、検温機能を備えた顔認証システムの需要が増加しています。

防犯カメラ・監視カメラ

高画質カメラで悪意をもった異物混入や無人時の侵入を抑止しながら、異物混入等の万一の事態にもしっかり映像を記録します。監視カメラシステム延長保証、ALSOK監視カメラシステム保守サービスをご契約いただければ、5年間無償で修理対応、障害対応致します。また、「ALSOK画像クラウドサービス」なら録画データはクラウドに保存されるため誤ってデータを失う心配がなく、スマートフォンやタブレットから映像を確認することも可能です。

機械警備・オンラインセキュリティ

予め設置したセンサーが異常を検知すると、ガードマンが現場に急行します。また人の不在時にも現場の状況を確認でき、すばやく対処が可能なALSOKのセキュリティシステムです。監視カメラの映像を遠方からスマートフォンで見ることができ、従業員の出退勤情報もカメラ付きの遠隔操作器で確認できます。

腸内細菌検査

ALSOKグループの株式会社エムビックらいふでは、食品取扱者のための腸内細菌検査を実施しています。企業として食の安全を守るためには、従業員の定期的な健康診断のほか、二次汚染を防ぐため食中毒菌の保菌チェックも重要です。フードディフェンスの一環として、従業員の適切な健康管理・衛生管理が可能です。

まとめ

食品事業者による食の安全確保のため重要な取り組みである、フードディフェンスについてご説明しました。食品を安全な状態で消費者に提供するには、取扱時の適切な衛生管理にとどまらず、第三者による意図的な異物などの混入を防ぐことも必要です。
入退室管理システムや防犯カメラ・監視カメラなど安全管理に有効なシステムの導入を検討しながら、フードディフェンスに徹底して取り組む体制をつくっていきましょう。