通り魔から身を守る方法は?通り魔の心理やNG行動、防犯対策を解説
本記事では、通り魔の心理や遭遇したときの対応方法、効果的な防犯対策について解説します。
通り魔とは、面識のない相手を無差別に襲う犯罪のことです。突然発生するケースも多く、通勤・通学中や外出先で巻き込まれる可能性もあります。
法務総合研究所研究部がまとめた殺人事件の動向によると、通り魔殺人事件の平均認知件数は年6.5件で、多いときは年間10件以上に達することもあります。
このような突発的な事件を完全に防ぐことは難しいものの、通り魔の特徴や遭遇した場合の対処方法を知っておくことで、いざというときに落ち着いて身を守りやすくなります。
【この記事で分かること】
- 通り魔の特徴や心理
- 通り魔に遭遇したときに優先すべき行動の考え方
- やってはいけない行動の例
- 安全確保後に取るべき行動のポイント
- 身を守る日頃からの備え
出典:法務総合研究所「研究部報告50 無差別殺傷事犯に関する研究」
目次
通り魔的な暴力は統計以上に身近なリスクとは
見知らぬ相手による暴力は、通り魔事件としては少数であるものの、暴行の約半数、傷害の約3割を占めるなど決して珍しいものではありません。日常に潜むリスクとして、事前の備えと対処法の理解が重要です。
警察庁が定義する「通り魔殺人事件」の認知件数は、年間数件~10件前後にとどまります(※1)。しかし、見知らぬ相手から突然暴力を受けるリスクは、この数字が示す以上に身近に存在します。
平成30年版「警察白書」(特集「近年における犯罪情勢の推移と今後の展望」)によると、平成29年(2017年)に検挙された暴行事件のうち、被疑者と被害者の間に面識がなかったケースは約47.4%にのぼります。同様に、傷害事件でも面識のないケースは約32.9%(6,221件)に達しています(※2)。つまり、暴行事件のおよそ2件に1件、傷害事件のおよそ3件に1件は、見ず知らずの相手による犯行です。
このように「面識のない相手からの暴力」は、通り魔事件として報道されなくても、私たちの日常に潜むリスクといえるでしょう。突発的な被害から身を守るためには、日頃から防犯意識を高め、対処法を理解しておくことが重要です。
出典:警察庁「平成30年版 警察白書 特集「近年における犯罪情勢の推移と今後の展望」」
※1 警察庁「各年の犯罪情勢」、CrimeInfo「通り魔殺人事件の認知・検挙件数」より。通り魔殺人事件とは「人の自由に出入りできる場所において、確たる動機がなく通りすがりに不特定の者に対し、凶器を使用するなどして、殺傷等の危害を加える事件」(警察庁定義)。
※2 警察庁「平成30年版 警察白書」特集 図表特-42・図表特-43(平成29年データ)
通り魔とは
警察庁の定義によると、通り魔とは「人の自由に通行できる場所において、確たる動機がなく、通りすがりの不特定の者に対し、凶器を使用するなどして殺傷等の危害(殺人、傷害、暴行及びいわゆる晴れ着魔などの器物損壊等)を加える事件」とされています。
通り魔の大きな特徴は、特定の恨みや人間関係とは無関係に相手を狙う「無差別性」にあります。そのため、被害に遭うのは、偶然その場に居合わせた人であるケースが一般的です。発生場所も限定されておらず、路上や駅、商業施設など、人が自由に出入りできる場所に広く及んでいます。
さらに、犯行の動機が分かりにくいうえに突発的に起こる傾向があるため、いつ・どこで発生するかを事前に予測することは容易ではありません。しかし、日頃から備えておくことや、危険を感じたときの行動を知っておくことで、被害に遭うリスクを下げることは可能です。
出典:法務省「昭和58年版 犯罪白書 第2編/第1章/第5節 通り魔犯罪」
通り魔に遭遇した直後にとるべき行動とは?
通り魔事件は場所や状況を問わず、ある日突然発生します。
普段の通学・通勤中であっても、予期せず巻き込まれる可能性があります。もし、近くで異変を感じたり危険な人物を見かけたりした場合は、「逃げる」「避難する」ことを最優先に行動しましょう。
【通り魔から身を守るポイント】
- その場から逃げる
- 犯人に背中を見せない
- 具体的な言葉で助けを求める
- 建物の中に避難する
- 重い/かさばる荷物は迷いなく捨てる
ここでは通り魔に遭遇したときの対処法を5つご紹介します。
その場から逃げる
危険を察知したり、目の前で異常が発生したりしたら、とにかくその場からすぐに離れることが大切です。
被害を少しでも防ぐためには、頭であれこれ考えるより先に体を動かして逃げることが、命を守る行動につながります。ヒールやサンダルなどで走りにくい場合は、履物を脱いで逃げましょう。
犯人に背中を見せない
危険を感じたらその場から離れることが大切と説明しましたが、逃げる際は犯人に背を向けないことが重要です。
背を向けてしまうと、犯人が次にどう動くのかを把握しづらくなります。犯人が目の前にいる状況では、後ずさりしながら、相手の動きを視界に入れながら離れるのがベストです。
具体的な言葉で助けを求める
通り魔に襲われたときは、自分一人で何とかしようとせず、周囲に助けを求めることが大切です。
助けを呼ぶときは、「警察を呼んでください」など、具体的な言葉でSOSを伝えましょう。ただ悲鳴を上げているだけでは、周囲の人も何が起こったか分からず、適切に対応することができないからです。
とはいえ、突発的な事件に遭遇すると、なかなか的確な言葉を発するのは難しいので、日頃から万一の場合に備えてシミュレーションしておきましょう。
建物の中に避難する
通り魔は、視界に入った人を無差別に襲う傾向があります。
屋内に逃げ込むと出入り口が限られて危険と思われがちですが、建物の中に逃げ込んで犯人の視界から外れるほうが逃げ切れる確率が高くなります。
重い/かさばる荷物は迷いなく捨てる
逃げる際、重い荷物やかさばる荷物は避難の妨げになることがあります。
身の安全を最優先に考え、必要に応じて重い荷物などはその場に置いて、なるべく身軽な状態で行動しましょう。
特にお子さんがいるご家庭では、通学中に通り魔に襲われた場合を想定し、日頃からカバンやランドセルを置いて逃げることを教えておくことが大切です。
通り魔に遭った場合にやってはいけないNG行動
万一通り魔に遭遇した場合は、犯人に立ち向かったり、その場にしゃがみ込んだりしないよう注意しましょう。犯人を刺激するおそれがあるため、動画撮影も避けましょう。ここでは、それぞれの行動がなぜ危険なのかを詳しく解説します。
通り魔に立ち向かう
通り魔に遭遇したときに避けたい行動の1つが、犯人に立ち向かったり、捕まえようとして追いかけたりすることです。
自分なら大丈夫、何とかなりそうと思う場面でも、通り魔は刃物などの凶器を携帯している可能性があります。無理に制止しようとすると、自分が大ケガを負うだけでなく、周囲の人を巻き込む二次被害につながるおそれもあります。
また、犯人に意識を向けている間に、本来逃げ出せたはずの機会を失ってしまうことも考えられます。通り魔に遭遇したときは立ち向かったり追いかけたりせずに、自分や周りの人の身を守ることを最優先しましょう。
通り魔が近くにいる状態で背を向けたりしゃがみ込んだりする
通り魔が近くにいる状態で背を向けたり、しゃがみ込んだりすると、犯人の動きが見えなくなり、次の行動に気づくのが遅れるおそれがあります。また、恐怖やパニックでその場にしゃがみ込んでしまうと、すぐに逃げ出すことが難しくなります。姿勢が低くなることで周囲の状況も確認しづらくなり、避難の判断が遅れる可能性があります。
危険を感じた場合は、できるだけ相手の動きを視界に入れながら距離を取り、安全な場所へ避難しましょう。
動画を撮影しないこと
通り魔の現場に遭遇すると、状況を記録するために動画を撮影しようと考える方もいるかもしれません。しかし、撮影行為によって犯人を刺激してしまい、逆上してこちらに向かってくるおそれがあります。
また、スマートフォンを構えている間は避難が遅れ、周囲の危険にも気づきにくくなります。
通り魔の現場に遭遇した場合は、まず安全な場所へ避難することを優先しましょう。
安全を確保した後に取るべき行動
通り魔に遭遇した場合は、まず安全な場所へ避難しましょう。その後、可能であれば警察に通報し、周囲にも危険を知らせることが大切です。
ただし、現場には犯人がとどまっている可能性があるため、荷物を取りに戻ったり、様子を見に行ったりする行動は避けてください。
ここでは、安全を確保した後に取るべき行動について詳しくご紹介します。
すぐに警察へ通報する
安全な場所へ避難できたら、すぐに警察へ通報しましょう。落ち着いて状況や発生場所などを伝えます。被害拡大を防ぎ、警察が迅速に対応するためにも、早めの通報が大切です。
他の人がすでに通報している場合でも、複数の通報が集まることで、警察が状況を把握しやすくなります。通報できる状況であれば、ためらわずに連絡しましょう。
ただし、状況的に難しい場合は無理をせず、自分の安全確保を優先してください。
周囲に危険を知らせる
安全を確保できたら、周囲に危険を知らせ、近づかないよう伝えましょう。近くにいる人が状況に気づいていない場合、注意を促すことで被害の拡大を防止できます。
大声で「近づかないでください」「警察を呼んでください」と危険を知らせるのはもちろん、近くの店舗や施設のスタッフへ状況を伝えるのも有効です。ただし、自分の安全を確保できる範囲で行うようにしましょう。
現場に戻らない
安全を確保した後は、現場に戻らないようにしましょう。犯人がまだ近くにいる可能性があり、被害に遭うおそれがあります。
落とした荷物や置いてきた物が気になる場合でも、自分で取りに戻るのは危険です。避難後は安全な場所にとどまり、警察や施設のスタッフなどの指示に従うことが大切です。
日頃から実践したい防犯対策
通り魔のような突発的な事件を完全に予測することは難しいため、日頃から周囲の異変に気づきやすい行動を心がけることが大切です。人が多い場所では油断せず、人通りの少ない道や騒ぎが起きている場所には近づかないようにしましょう。
また、いざというときに逃げやすい服装を選ぶ、「ながら歩き」を避ける、通勤・通学ルート上の避難場所を確認しておくことも有効です。ここでは日常生活で実践できる防犯対策をご紹介します。
通り魔は防ぎようがない?
完全にゼロにすることは難しい一方、周囲の異変に気づく行動や避難先の確保で、巻き込まれる可能性を下げることはできます。そのため、日頃から「近づかない・逃げる・助けを求める」行動を想定しておきましょう。
人の多い場所では周囲に注意を払う
犯罪は夜道や一人歩きの際に起こりやすいと思われがちですが、不特定の人を狙う通り魔は、日中や人通りの多い場所でも犯行に及びます。
特に、不特定多数を標的とする場合は、人の多い場所が選ばれやすいため、人通りのある場所ほど周囲に注意を払うことが重要です。
人通りの少ない場所は避ける
人通りの少ない場所では、通り魔だけでなく、ひったくりや痴漢などの被害に遭うおそれもあります。周囲に人が少ないと、異変が起きたときに助けを求めにくく、逃げ込める場所も限られます。
特に、女性や子どもの夜間の一人歩きは危険なため、死角が少なく明るくて人通りが多い場所を選ぶと安心です。
騒ぎが起きている場所には近づかない
悲鳴が聞こえる、人が急に逃げ出している、周囲が不自然にざわついているなどの異変に気づいた場合は、興味本位で近づかないようにしましょう。何が起きているのか確認しようとして近づくと、事件に巻き込まれるおそれがあります。
動きやすい服装を選ぶ
タイトなスカートやヒールの高い靴は行動に制限がかかるため、いざというときにすばやく動けるよう、行動しやすい服装を選ぶのも防犯対策の1つです。
また、周囲から目立ちやすい服装は人の視線を集めやすく、ターゲットに選ばれるおそれが高まるので注意しましょう。
「ながら歩き」をしない
歩きながらスマートフォンを操作する、イヤホンで音楽を聴く、携帯で話すといった「ながら歩き」をしていると、周囲への注意力が散漫になりがちです。
周囲で通り魔事件が発生しても、目や耳から情報が入りにくく、逃げ遅れてしまう可能性が高くなるため、「ながら歩き」は避けましょう。
通勤・通学ルート上にある避難場所をチェックする
通り魔に襲われた際は、建物の中に逃げ込むことが有効です。しかし、パニックになると視野が狭まり、周囲の建物が目に入りにくくなるおそれがあります。
通勤・通学など日常的に利用するルートについては、万一に備え、あらかじめ避難できる場所を確認しておきましょう。交番が近くにあれば理想的ですが、コンビニやスーパーなどの店舗も、とっさの避難先として有効です。
防犯ブザーなどの防犯アイテムを持ち歩く
外出するときは、周囲に危険を知らせる防犯ブザーなどの防犯アイテムを持ち歩く習慣をつけましょう。防犯ブザーは大きな音で異変を知らせられるため、声が出しにくい場面でも周囲に助けを求めやすくなります。
ただし、持っているだけでは、いざというときに使えない場合があります。普段から取り出しやすい場所に身につけ、使い方を確認しておきましょう。子どもに持たせる場合も、どのような場面で鳴らすのかを家庭で話し合っておくことが大切です。
在宅時の備えとしてホームセキュリティも選択肢
犯罪に巻き込まれる可能性があるのは、外出中だけではありません。在宅中であっても、強盗や空き巣、性犯罪を目的とした侵入などの被害に遭うおそれがあります。そのため、外出時の防犯対策とあわせて、自宅の防犯対策を見直すことも重要です。
玄関や窓の施錠を徹底する、防犯カメラやセンサーライトを設置するなど、住宅の防犯対策にはさまざまな方法があります。さらに、異常を検知して知らせるホームセキュリティを導入すれば、在宅中・外出中を問わず、自宅の防犯を強化できます。
通り魔に狙われやすい人
通り魔は、偶然その場に居合わせた人を無差別に襲う犯罪ですが、状況によっては逃げにくそうな人や周囲の異変に気づきにくい人が狙われる可能性があります。例えば、動きにくい服装をしている人や、イヤホンやスマートフォンの操作で周囲に意識を向けていない人、体格差があり抵抗しにくいと見られやすい人は、特に注意が必要です。
動きにくい服装をしている
通り魔は、不特定の相手に被害を与えることを目的としているため、動きにくい服装をしていて逃げづらい人を狙う傾向があります。
女性の場合、スカートやヒールを履いている人が一例として挙げられます。
通り魔に狙われないためにも、治安が懸念される場所で移動する際はなるべく動きやすい格好にするなど、考慮するようにしましょう。
音楽を聴いていたりスマートフォンを操作したりしている
街中でイヤホンやヘッドホンを着用して、音楽を聴いていたりスマートフォンを操作していたりする人は、聴覚や視覚が制限されています。
そのような状態では、通り魔の存在に直前や被害に遭ったときまで気づくのが遅れる可能性があります。
また、音楽を聴いていたりスマートフォンを操作したりしている人は周囲への注意が向きにくくなるため、ターゲットになる可能性が高くなります。
交通事故にも遭う可能性があるため、「ながら歩き」は避けましょう。
女性や高齢者など体格に差がある
通り魔は、自分よりも体格が華奢であったり、抵抗が難しそうに見えたりする人を対象として犯行に及ぶ傾向にあります。女性や高齢者、子どもは力が弱い場合があるため、通り魔のターゲットとなりやすい人の一例です。
特に夜道や人通りが少ない場所では、周囲に助けを求めにくく、逃げ込める場所も限られます。できるだけ明るく人通りのある道を選び、危険を感じたら早めに距離を取ることを意識しましょう。
通り魔の心理とは?
通り魔の心理や動機は1つに限らず、複数の要因が重なっている場合があります。法務総合研究所の「研究部報告 50 無差別殺傷事犯に関する研究」では、無差別殺傷事犯の動機として、自己の境遇に対する不満や、特定の相手への不満などが挙げられています。
例えば、家庭や職場、社会生活の中で抱えた不満を背景に、その怒りや憂さを晴らすために犯行に及ぶケースがあるとされています。また、本来は特定の人物に向けられていた恨みや不満が、無関係の第三者への攻撃につながる場合もあると考えられるでしょう。
そのほか、自ら命を絶つことができず、死刑になることを意図して犯行に及ぶケースや、自殺への踏ん切りをつけるために事件を起こすケースもあるとされています。さらに、社会生活に行き詰まり、刑務所へ逃避しようとする心理や、殺人に対する興味・欲求を満たそうとする動機が関係する場合もあるようです。
ただし、こうした動機は単独で存在するとは限らず、複数の心理や事情が併存しているケースも少なくありません。また、犯人が反撃されることを避けるために、子どもや高齢者、女性など、抵抗する力が弱いと見られやすい人を狙う場合もあります。
通り魔事件は、犯行のタイミングや対象を事前に予測することが難しい犯罪です。そのため、不審な人物には近づかない、騒ぎが起きている場所へ向かわない、スマートフォンやイヤホンで周囲への注意をそらさないなど、異変に気づきやすい行動を日頃から意識しましょう。
出典:法務総合研究所「研究部報告50 無差別殺傷事犯に関する研究」
自宅の安全も重要!ALSOKのホームセキュリティで防犯対策
通り魔や不審者への対策では、外出時だけでなく、自宅での安全にも目を向けることが大切です。不審者に後をつけられ、自宅付近や玄関先で被害に遭う可能性も考えられます。住まいの異常を迅速に把握し、万一の事態に備えるためにも、ホームセキュリティの導入を検討しましょう。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選べます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはALSOKの駆けつけを依頼できます。オンラインセキュリティは、異常発生時にALSOKが駆けつけ、適切に対処します。
また、スマートフォンを持っているだけで警備を解除し、警備開始もワンタッチでできる「スマホゲート機能」があるため、外出時や帰宅時にもスムーズに警備をセットできます。
ALSOKのホームセキュリティは、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。
自分と大切な人の安全を守るために、ALSOKのホームセキュリティをご利用ください。





















